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2006年4月19日 しかられて次の間へ出る寒さ哉(支考)

[]涼宮ハルヒの溜息 涼宮ハルヒの溜息を含むブックマーク 涼宮ハルヒの溜息のブックマークコメント

 キョンとハルヒのラブラブな小説が読みたい、とのたまっている方々は『涼宮ハルヒの溜息』を読んでいないのだろうか。じゃなくて読むといいと思いました。なんとなれば、

http://www.tatsuru.com/diary/yogiri/yg0111.html

 私たちは他人の語る理路整然とした話より、自分で作ったデタラメ話の方を信じる。

 必ず信じる。

 だって、それこそ「私が聞きたかった話」だからである。

 逆に言えば、私たちは「自分が聞きたい話だけを選択的に聞く」。

 それをさらに進めれば、「適当な断片を与えられれば、私たちは必ずそれを素材にして、自分が聞きたい話を作り出す」ということになる。

 というわけで、我々の手にはすでにして必要にして十分なものが与えられているのである。具体的には、

http://www.ne.jp/asahi/yu-show/sukisuki/200310a.htm#04

 なんといっても、さらっと書かれている細やかな部分に、妄想を膨らませられる部分が非常に多いのです。世界のギミック的な部分しかり、萌え部分しかり。キョンに叱られた後、部室でひとりぽつんたたずみ、密かに髪の毛をポニーテールにしていたハルヒなんて、想像しただけで俺は絶頂に達しそうなのですが。ほんと、ホントにさりげない書き方をして下さっております。なんとも心憎い。いや、それ以前の、キョンがハルヒに対しキレるシーンだけで、俺はもう顔がニヤけてしまうのを押さえられません。そう、それこそ! そう来なくては!

 だいたい、ハルヒがみくるたんにセクハラ三昧が極まっているのって、なんとなくキョンの存在無意識的に影響しているような気がするのですが、これは俺の妄想でしょうか。 ハルヒ、(所有物だと思っている)キョンがみくるたんにハァハァしているのが気に食わない → でも、自分が嫉妬しているとなど気づきもしない(キョンへの好意は明らかに無意識のレベルだし) → よって、その鬱憤を晴らす最適な手段として、自分の嗜好にも合ったセクハラ行為が生じる  ……とこのような。その構造がまた良い感じにスパイラルしているのも素晴らしい。今回キョンがハルヒにキレた原因も、そこから生じたものですし。だって、<ネタバレ回避>古泉とキスしろだなんて、明らかにキョンに対しての嫌がらせっぽいじゃないですか(ハルヒは全く自覚してないところがまたステキ

 となる。そんなわけで、『溜息』におけるハルヒのみくるイジメが無自覚なジェラシーによるものである、というのは既に常識ですが、翻ってキョンの側はといえば、キレてハルヒを殴りそうになったときでさえ、間違っても、そこでヒドい目にあってるみくるのために怒っているわけではないわけです。「でないとこいつは一生このまま棘だらけ人間として誰からも避けられるようなアホになっちまうんだ」(p196)というのはどうみても心配しているわけですハルヒのことを。というのはまあ、http://imaki.hp.infoseek.co.jp/200310.html#3でも少し(「誰のために怒ってたのか」)触れましたが。あとYU-SHOWさんは「叱られた」と書いていらっしゃるのが素敵だと思います。

 いや自分のいうラブラブとはそういうのではなく、もっと正面切ったラブラブ描写だ、とおっしゃるなら、

http://www.puni.net/~anyo/diary/200310.html#20031005

 あと、男がおごるのがデートというものだとか(p.10)。ハルヒが結果的にキョンにお茶を淹れてやり、キョンもそれを飲む場面とか(p.26-7)。キョンが古典映画だのインノケンチウスだのかなり物知りだということとか。長門さんがあの衣装をおそらく気に入っていることとか。ケンカの翌日、ハルヒがこっそりポニーテールにしていることとか(p.216)。「なんで俺はこんな言いわけをしているんだろうね」(p.217)とか。二人とも半年前の夢をあえて意識しない学校宿泊とか(p.266)。ハルヒが文句つけてた映画をキョンがレンタルして確認することとか(p.272-3)。

 ケンカしたままの月曜日、窓の外を眺めながら、ハルヒがつく溜息のいろ。

 

 ええとつまり、件の二次創作が私には「他人の語る理路整然とした話」でしかなかった、という話。

 既にして必要にして充分なものが我々の手にはあたえられていて、だいたい『憂鬱』ですでに、相思相愛であることを確認しキスまで行っちゃってるから、あとはキョンが浮気に精出したりするぐらいしか、そういう方面ではやることがない、というのが近刊の動向、たぶん。

 二次創作といえば、むしろ、本篇のあの調子のままでキスより先に行ってしまう二次創作なら読みたい気もしますが、それはただの『語り手の事情』か。