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2012-03-29

【不完全燃焼なんだろ】退屈とプラトン化とあれやこれや


不完全燃焼/スイッチが入ったら

不完全燃焼/スイッチが入ったら



最近、本をよく読むようになった。

よき本から得られるよき知識は良薬だ。しかし毒と薬は紙一重というようによき知識もまた毒になりうる。知識を得たことにより、様々な出来事が陳腐化し、それによって「どーせこういうことなんだろ病」を発症する。

「どーせこういうことなんだろ病」とは、様々な出来事を自分の知識と比較させて当てはめ、なんでもわかった気になってしまう恐ろしい病のことだ。この病のことを「ブラック・スワン」の作者であるナシーム・ニコラス・タレブは「プラトン化」という、いささかけったいな名称をつけ批判していたと記憶している。

まぁしかしこれは仕方のないことなのだと思う。なぜなら人はいつか死ぬからだ。いつか死ぬのであれば、永遠に一つの問題について問い続けるわけにもいかない。このような認知バイアスは我々人類が過酷な生存競争を勝ち抜いてゆく中で獲得してきた特性なのだ。たとえば、夕暮れ時、知らない家の台所から漂ってくる香りをもとに、その家庭の晩御飯を一生涯想像し続けるほど人はお気楽に生きてはいない(だろう)。

――お前それサバンナでも同じ事できんの?的なアレだ。

※ちなみに晩御飯のたとえがたとえになっていないと感じたのならばそれも認知バイアスが働いているだけなのだ(嘘)

とはいえ「知っていることしか知らない」という認識を持っているか否かでは大違いだ。西尾維新が描く〈物語〉シリーズに登場する羽川翼さんという美少女もこのような名言を残している。

「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」〜羽川翼

そういえばソクラテスさんも

「知らないことを知っていると思い込んでいる人々よりは、知らないことを知らないと自覚している自分の方が賢く、知恵の上で少しばかり優っている」

というようなことをいっていたらしいね。

※羽川さんのような聡明な美少女とエロいことをしたいです(´q`)

私はこう思う。羽川翼さんのような美少女の性奴隷になることは本望だが、認知バイアスの奴隷になることはまっぴらごめんだと。

認知バイアスがもたらす退屈は人を残酷にする。退屈だと感じた相手を必死で理解しようと想像力を働かせる人はあまりいないのではないだろうか。しかしそれはあなたの中に保存されている、あなたの見えている範囲での相手が退屈に感じるにすぎないのかもしれない。退屈な相手だと勝手に想像しているだけなのかもしれない。

もちろん、私は他者に対して常に最大限の想像力を働かせ誠実であれ、という気はこれっぽっちもない。なぜなら人はいつか死ぬからだ。有限の時をどう消費するかくらいは自分で選択すればいい。いや、自分で意味のある生を選択すべきだ。



さて、意味のある生を選択すべき、とはいったが、大きな視野で眺めると人の生に意味はないのかもしれない。詳しい説明はさけるが、リチャード・ドーキンスはその著書「利己的な遺伝子」内で人間は遺伝子のための乗り物だといっている。私はこの考えに賛同している。

しかし、たとえ意味のない生なのだとしても私は死が怖い。私のみならず、古くから人は死に恐怖してきたと言えるだろう。「ディオディマ」という人は、人は死(あるいは死の恐怖から)逃れるために二つの生殖をおこなうと述べている。

●肉体的生殖
「肉体の上に旺盛な生産よくを持つ者はむしろ婦人に向かう、そうしてその恋愛の仕方はこういう風なのです。すなわちこういう人達は子を拵えることによって、不死や思い出や幸福やを、その信じるところでは、『未来永劫に自分を確保しようとする。』」

●心霊的生殖
「たとえば、ちょっと人間の功名心をご覧なさい。そこで貴方が、有名になりたい、「そうして不朽の名声を永遠にわたって博したい」という欲望がどんなに強く彼らのうちに燃えているかを思い、またこの目的のためには、わが子のためにするよりもさらに以上に、あらゆる危険を冒すことも、また財産を投げ出すことをも、どんな苦労に堪えることをも、終には命を捨てることさえも厭わぬようになるという事実をよく考え合わせて、しかももし私の今貴方に話したことに十分注意を払われなかったとしたら、あなたはその無意味を不思議に思わずにいられないでしょう」

肉体的生殖は、平たくいえば子孫を残すことだ。他方、心霊的生殖は人に知られようとする試みだ。リチャード・ドーキンス風に言えば、肉体的生殖遺伝子の自己複製、心霊的生殖ミームの自己複製となるのだろうか。

私がこのブログを書いたり、ツイッターで「おっぱいマウスパッドほしいお」などと呟いたりするのも心霊的生殖だといえばかっこよく聞こえるから不思議だ。

どうだろうか。肉体的生殖と心霊的生殖、この二つの生殖に自分の人生の意味を見いだせるだろうか。少なくとも私は、この二つの生殖行為だけに自分の人生の意味を見いだせるなんて人は、ほとんどいないと思っている。

最近読んだ「哲学マップ」という本の中から言葉を拝借しよう。

口に入れたとたんとろけるようなトロを食べたとき、美しい旋律や絵画、あるいはダンスに我を忘れるとき、また気のあった友人と冗談を言い合うときわれわれはそれを「楽しむ」。それはなにかの「ため」ではなく、その瞬間こそに意味がある。美味しい食べ物や「芸術作品」は感性を刺激する特別なものと思われるかもしれない。けれども、料理や丁度、遊びや社交、作品の感性や客を楽しませることなど、そのつどの現在を楽しむことができれば、結局、生活全般を楽しむことになる。

「生きることの意味はなにかとは言えない。けれども、つねに意味というものはある」とメルロ=ポンティが言ったように、人はこのような状況的意味にも動機づけられて生きている。

だが、状況的意味から離れてしまうときがある。あまりにもバラバラな状況にコミットしなければならないとき、義務や責任、愛情、自己実現、目的など(中略)それがうち砕かれたとき、義務ばかりを押しつけられ、その「意味」がわからなくなったとき、そのようなとき、ひとは状況から離れてしまい、状況的意味は失われる。何をやっていたのか、何をやっているのかわからなくなってしまうのである。人生の意味を知りたいと思うのはそのようなときだ。

私は思う。

何をやっていたのか、何をやっているのかわからなくなってしまったときこそ、状況的意味の中で刹那の人生を楽しめばいい。退屈に思えていた他者に想像力を働かせ、その奥にある物語を楽しみ、私の物語へと変えてゆけばいいと、そう思う。

人生楽しんだもん勝ちだろ!不完全燃焼のまま死にたくねぇよ!

※常識というよくわからない概念でプラトン化してしまっている日本も楽しむということに寛容な社会になればいいな〜

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

論理病をなおす!―処方箋としての詭弁 (ちくま新書)

論理病をなおす!―処方箋としての詭弁 (ちくま新書)

哲学マップ (ちくま新書)

哲学マップ (ちくま新書)

2012-01-22

【生きるということの生臭さ】銀の匙 Silver Spoon〜書評〜

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

超ヒット作『鋼の錬金術師』の荒川弘の最新作!
大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾。授業が始まるなり子牛を追いかけて迷子、実習ではニワトリが肛門から生まれると知って驚愕…などなど、都会育ちには想定外の事態が多すぎて戸惑いの青春真っ最中。仲間や家畜たちに支えられたりコケにされたりしながらも日々奮闘する、酪農青春グラフィティ!!

生きるということは、本来とても生臭いことなんだ。

私たちの生活に欠かせないものでありながら、あまり目にすることがない、けれど確かに存在している現実が『銀の匙』という作品には詰まっている。また、ともすれば押し付けがましくなってしまいそうな部分が偽善にも露悪にも偏らず、うまくエンタメとして昇華されている。漫画家としての素晴らしさは言うに及ばず、荒川弘という人の地に足の着いた魅力を感じさせてくれた。

本作をなぜ少年サンデーで連載することにしたのか少し疑問を持っていたが、読んでみて納得。少年、少女にこそ是非読んでもらいたい。

それにしても(何がそれにしてもなのか)二巻のカバーに登場している御影」ちゃんというヒロインが可愛すぎる!既に八軒君とのフラグが立っているのだが、うらやましすぎる!八軒!俺と人生変われ!

銀の匙 Silver Spoon 2 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 2 (少年サンデーコミックス)

2012-01-21

【新聞・雑誌が死ぬ前に】新世紀メディア論〜書評〜

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

新聞社の業績不振、雑誌の相次ぐ休刊など、メディア業界に逆風が吹き荒れるなか、出版はこれからどうなっていくのか? 新聞、雑誌はウェブ時代においてもはたして生き残れるのか?

インターネット登場以前からコンテンツ製作に携わり、雑誌『ワイアード』『サイゾー』、ウェブの人気媒体『ギズモード・ジャパン』を創刊、眞鍋かをりら有名人ブログ出版をプロデュースしてきたITメディア界の仕掛け人・小林弘人が、世界のウェブメディア最先端情報を紹介しつつ、今後メディアビジネスで成功するため必須のノウハウをおしげもなく公開。

福音か、はたまた最後通牒か? 次代メディアの運命を左右する衝撃の書。これを読まずして出版、メディア人は生き残れない!


情報をマネタイズする存在の代表、としての編集者/メディアがいかに変遷するかを知りたくて手に取った一冊。恐らく2009年の本書が出版された当時に読んでいれば、もう少し高い評価をつけられた。しかし、期待をしていた『私の想像だにしなかったメディアの未来像』は本書の中で提示されていなかった。あくまで”今”がなぜそうなっているのかを再確認するのみに終始した。(メディアビジネスで成功するための必須のノウハウも一般論レベルでしか語られていなかった)

ちなみに本書を読んで一番記憶に残ったのは『メッセージは冗長でなければ記憶されない』というフレーズだ。これは部分的には同意ができる。しかし冗長な文章が訴えかけるメッセージを強く記憶に残すにはストーリー性とエンタメ性が必要だと私は思う。ビジネス書にストーリー性とエンタメ性を求めるのは少々酷かもしれないが、本書は私の記憶に残る要件を満たしてはいなかった。

繰り返しになるが2009年に本書を読んでいれば恐らくもう少し高い評価をつけられた。なぜなら本書発売当時には”未来であった今のなぜ”を感じられる内容だったからだ。

情報がどのように消費され、消費された情報が発信者に対してどのように益をもたらすか、新世紀のメディア人はフリーの加速というイノベーションがもたらす未来を想像する必要がある。信用がカネからヒトへ回帰する時代はそう遠くはないはずだ。

2012-01-18

イノベーションがもたらす負の未来

▼【金融日記】過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? 池田信夫
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51882622.html

このブログを読んで、これまで私が妄想してきた事を吐き出そうと思った。ので書いた。

妄想日記『イノベーションがもたらす負の未来』

▼イノベーションという災害
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1、特に先進国ではマシンを使う卓越した技能、何かを創造する技能を持つ人間と、持たざる人間の格差が拡大する

→特に日本は人的コストの最低ラインが高い、天然資源が乏しい→人的資源への依存度が大きいという苦しい苦しい環境だ。果たして、このままの教育制度、社会制度でいいのか。手遅れかもしれないが、人々の可処分時間を増やし、何かを生み出すための教育を手厚くしたほうがいいのではないか。今一度、日本の風景を見て、私たちは一体何を武器に世界の中で生きていくのかを考える必要がある。

▼【竹中平蔵のポリシー・スクール】グローバル教育という難問
http://www.jcer.or.jp/column/takenaka/index334.html

2、もし、イノベーションが人々の仕事を奪っていったとしたら、どうなるか。

→持つものと持たざるものの格差が今以上に拡大する。持たざるものは数少ないパイの奪い合いをするか、持つものから効率よく分け前をもらうことを考えなくてはいけない。サービス業にこそ活路があるかもしれない!

→あるいは、持たざるものは生活の経済的合理性をより高める必要をせまられる。

→具体的には、家族という形の変容が起きる。血の繋がり、婚姻関係、これがいままでの家族という集団を構成する上で重要な属性だったが、経済的な合理性をつきつめれば、家族という形は変容する。

家族、それは一つの経済主体としてのコミュニティを表す言葉になるのだ。一つの”家”に様々な家庭が所属し、家族となる。旧来の日本的家族とは違う、まったく新しい形の相互扶助の手段としての家族ができあがる。名作エロゲの「家族計画」をイメージしてほしい。あるいはギークハウスの理念を拡張したようなものだろうか。(家族計画は最高だ!エロゲ万歳!)

家族計画?絆箱? フルセット版

家族計画?絆箱? フルセット版

ここに書いたことは、今まさに現実として私たちの足元に迫ってきている。その迫り方を津波のそれと似ている。記憶に新しい東北大震災の津波動画を見た事はあるだろうか。足元に水が流れていると思った次の瞬間にはあっというまに水位が上昇し、流れにのみ込まれている。そう、私たちはイノベーションという地震(災害)がもたらず津波に晒されているのだ。

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津波に飲みこまれずに生き残るには、イノベーションという災害がもたらす未来を予測し、イノベーションによる破壊から逃れる道を選ぶしかない。

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あるいは、日本の大人が諦めろと囁く、夢という高台を目指して駆け抜けることこそが、最良の道なのかもしれない、と私には思えてならない!

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今こそ、みんなで!生存戦略〜しましょうか!

ピングドラムを観ろ!(私は観てないの観る!)

諸君!妄想にお付き合いくださり、ありがとう!
そんじゃ、またね〜。

2012-01-10

【効率よく読書をしたい人たちへ】レバレッジ・リーディング〜書評〜

レバレッジ・リーディング

レバレッジ・リーディング


■目的意識の重要性を再確認させてくれる一冊

本書は非常に読みやすかった。

それは読み手が本書を通じて得たいと考えるもの、すなわち本書を読む目的に沿い、構成が配慮されているからに他ならないのではないかと思う。自身の行動目的を強く意識して生きている著者らしい本の作りとなっている。


■本書を通じての著者の主張

・本を読むことを投資と考え、目的意識を持って本を選び・読み、得た知識は活用する(確実なリターンを得る)習慣をつけろ

●なぜなら
・努力をした他の人の数十年分の試行錯誤の軌跡が、ほんの数時間で理解できるよう、本の中には情報が整理されている

 ⇒だからこそ、本を読むことによって、試行錯誤に時間や労力を使うのではなく、結果を出すために時間や労力を使う事ができるようになる

●なんで「多読」なの?
・知識には累積効果があるので「多読」をすればするほど、知識同士が繋り、より大きな知識となる(速読より多読をすすめる理由は目的を達成することこそが重要であり、多読は容易で効率のよい手段だから)


■個人的に賛同できた部分

  • 本の中には何十年分もの他人の知識や経験がつまっている
  • 本を投資と考え、目的意識を持ち、戦略的に読書をする
  • 読みたいと思ったら即座に購入する(購入せずに備忘録として読書メーターのようなサービスを使用してもいいと思う)
  • 知識には累積効果があるので多読が有効
  • 一辺倒な考え方にならないために多読をする
  • 本を選ぶ際には他人のレビューを徹底的に活用する
  • 読了までの制限時間を設ける
  • まずは「まえがき」「あとがき」「目次」から本の全体像を把握する
  • 不要と感じる部分を読み飛ばすことを恐れない
  • ダメだと感じた本は捨てる(読まない)
  • 重要な知識が書いてある部分には目印をつけておく(ペンで線を引く、ページの隅っこを折り曲げる)
  • 本から得た知識を身体に染み込ませるために重要だと思う部分を繰り返し読む(私はブログを書き、読み返す事で知識を染みこませようと思っている)


■ライフハックの限界?

身も蓋もない言い方になってしまうかもしれないが、本書はライフハック系ビジネス書の限界を改めて感じさせてくれる一冊にもなった。(あくまでも私にとって)

なぜなら、確かに有益な知識は得られるのだが、やはりライフハックは効率をよくするための「テクニック」であり「教養」ではないのだ。私は読書を通じて「脳みそに負荷をかけ鍛える」「自分の根っこをつくる」「未来を予測するための知識をえる」といった事のほうが、より重要に思えてならない。だからこそ、ライフハックの限界を感じるのかもしれない。

とは言え、1時間もかからずに読める本著は、何らかの目的があって「多読」をしたい、と考えている人には十分にオススメできる一冊だった。

「人間は書物を通じて、人の一生を数時間で疑似体験できる。だから本を読め。生涯勉強し続けなさい」

それでは(´∀`)ノシ