ゼミコンパ−−with 手本になれなくて

 昨日深夜、コンビニで買い物していたら、バンドのあんちゃんたちがアテクシの自転車をみて、ゲラゲラ笑っている。なんだと思ってみたら、自転車のハンドルに黄色い紙。みたら「自転車は駐輪場に止めましょう」と印刷された大学の警告用紙。でもってマジックででかでかと、「先生が手本をみせなくてどうします!」。怒られますた。とほほのほ。夕方からずっと気づかなかったんだなぁ。通常自転車は正門わきの駐輪場に止めます。授業時間は学生がごったがえしていますからね。危険です。夜とか休日は、すいているし、暑いから、研究棟の脇に止めたりすることもあります。まあしかし、美観を損ねるってことっすね。今おりしも、授業見学会で、高校生が来ていますし。しかし、「手本」というのは・・・斬新でした。
 月深を見終わって、買い物のあとは、しばし仕事。そして、やはり三時就寝。火曜日のゼミと調査実習で、前期の学部授業は終わる。あとは、修論中間発表会と社会学史の非常勤のみ。ほっと一息だが、まだまだ試験や集中講義が控えている。ゼミと調査実習は、ぶち抜きで実習の調査票を検討した。結局、調査実施は夏休みあけにずれ込んでしまった。打ち上げにコンパ。三年生は、日サロ、茶髪ありありの軍団がいて、大変な盛り上がりが予想されたが、予想以上のテンションで、オー盛り上がり。酒が強いと思ったら、激弱で簡単にヨッパラチャッテ、大騒ぎ。ただ、もしかすると一生懸命盛り上げてくれたのかもしれないと思う。ちょっと話がお下劣な部分もあったけど、他から文句もなかったし、まあよしというカンジでしょうか。アテクシは、いつものことなんだけど、授業の時と一転して、一貫して押し黙り、暗い暗い暗い・・・。まあ、酒飲まないからね。で、二次会はおとなしい軍団と逃げようとしたが、拉致られてカラオケボックスへ。日サロ軍団は、ものすごい勢いで曲を入れ、まず大塚愛で勢いをつけて、でもってリップスライムオレンジレンジ安室奈美恵・・・と暴走。おとなしい軍団も交え、久々に見たよ、カラオケの座席の上でスタンディングダンスのたてのり!!アテクシは、イェイェイのところで、弱々しく拳をあげるのが関の山ですた。
 先が思いやられる。最初のコンパはいつもお通夜のようなんだけど、それですら最後の方はそこそこの盛り上がりをみせる。うちのゼミに来るようなのはヘンな椰子が多いし。卒業コンパの企画はあれこれあったが、一番すごかったと思うのは、一番優秀な人が揃い、私が借りてきた猫のように固まって暗かった一番最初の学年が企画してくれた、荻窪健康ランド一泊コンパ。一行様歓迎のでかい看板が玄関にありのけぞった。アロハを着たオサーンと、ムームーを着た学生たちのコントラストは夜の健康ランドにおいて、異彩をはなっていた。夜の健康ランド。それは、最果ての世界。飲んだくれたオッサンや、なんとも言えぬネエさんたちがつどって、刺身などを食いながら、湯上がりのビールを飲んでいる。男性用仮眠室は、じゅうたんをひいただけのでかい部屋。毛布を掛けて寝むっていたら、酒臭いので目を覚ましたら、ガマクジラのようなおっさんが爆睡している。なんだよこのオッサンと思い、起きあがったら、まるでそこは陸揚げ直後の三崎漁港状態。一面のインドマグロ状態のオサーンが寝ている。密着とは言わないけど、三十センチ間隔かなあ。眠れないので、風呂にいこうとしたら、廊下にもマグロがごろごろ、エレベーターで風呂のある階に降りたら、エレベーターの前にもマグロがならんでいる。なんじゃこれと思い、風呂に入ったら、早朝の風呂場では、寝ちゃっている奴とかいて、なかには吐いちゃう奴もいる。店員さんは慣れた手つきで始末をしている。翌朝、集合したら女性の階は、多少マシだったようだが、みんな眠れずげっそりしていた。でもって朝マックして解散。近所の連中は途中で逃げ帰っていました。西原理恵子が『恨みしゅらん』で、朝の新宿養老乃瀧では、人間の極北が見れると書いていましたが、それとはまた別の勤労ピープルの姿に、社会に旅立ってゆく諸君は胸一杯になっていたようです。
 最初のこのゼミは、私がまだ女子大になれず、購買部に行っても、食堂に行っても、所在なくびくびくしていたわけです。ゼミでも、テキストがかたかったせいもあるけど、うまくしゃべることもできず、学生諸君には、本当に迷惑かけてしまったと思っている。最初のコンパで懲りたのか、ほとんどコンパもない状態で、卒業に至り、何かしようよ!!ということで企画されたのがこの健康ランドコンパだった。。今回は最初がタテノリだからね。どうなっちゃうのかなぁと思いつつ、たぶん気配りをする人たちだから、あんまりコンパなしでいくかもなぁとも思います。さあいよいよワールドダウンタウンだ。なにかあったらまた書こう。

ワールドダウンタウン考

 昔、「げばげば90分」という番組があって、当時の二大人気者大橋巨泉前田武彦が司会をやるということと、お笑いにしては珍しい90分毎週やっちゃうよっつーことで、大注目だったわけだけど、私としてはお笑いじゃないけど時代劇の「素浪人月影兵庫」「素浪人花山大吉」だとか、あるいは勝新太郎の「兵隊やくざ」のほうが数段笑えまして、なんじゃこりゃあと思って見ていたなかで、唯一ハラ抱えて笑ったのが、今は亡きハナ肇の「あっと驚く為五郎」というギャグです。要するに、今はたけちゃんがよくやっているニッカボッカの似合う土方のおっちゃんふうのハナ肇が、馬鹿な顔して「あっと驚く為五郎」と意味ものなくいうわけだけど、「馬鹿が戦車でやってくる」なんていうすげぇ作品で主演していることもあるけど、芸があるっていうか、ものすげく面白かった。また、これはお笑いじゃないんだけど、時々菊三が笑点でマネやっていた片岡千恵蔵なんてえのは、時代劇の大御所だったわけだけど、「大岡越前」のころは、少々滑稽なご隠居おやぢ殿をこなしていて、そのおかしみは芸以外のなにものでもなかったと思う。これは、「月影兵庫」の近衛十四郎が、おかしかったのと似ているように思う。まあしかし、「隼奉行」の千恵蔵の遠山金四郎みて、二重三重に桜が吹雪く*1のに大笑いしていたのは、いささかピントはずれだったと思うけど。
 でもって、ワールドダウンタウンなんですが、やはり面白かった。禿げしくわらいますた。ネタ自体についていえば、作為的なまでに、ぜんぜん面白くないっていうか、オヤジギャグ、シモネタ、こどものからかい遊びにしても、ワンパターンだし、世界のニュースなんかも、まあ今日のドライバーみたいなので歯を無理矢理ひっこぬく歯医者はかなりインパクトあったものの、これはレアケースに近く、ハマタも「また、チンコ出しているだけやないかー」と伏せ字なしに怒り狂っていた、ワールドレコーダーズなんかも寒くて痛い以外のなにものでもないワンパターン。ジョージ、ナタリア、ジルのワンパターンのせりふ=どうだいジョージ→欧米で今一番・・・→どうだいナタリア→シモネタ→エレクト、いやエクセレント!!とワンパターン。裸踊り、今日の着衣ダンス、ニューヨーク大学の女子スチューデント、ゲーハーAD、モーホー松本もずっと一緒。唯一、局アナのマッキーと歌手のマッキーというネタだけは、ネタとして面白いと思ったけど。まあそれはともかく、ワンパターンがシュールな執拗さでくり返される。そして、アレンジは愚劣なまでにくだらない。厨房ネタっていうか。今日の口臭ネタなんか、果てもなく愚劣だけど、おかしい。醜悪や猥褻を描いて、なお典雅な文学と同じっていうのは、お笑いを格下に見る物言いで、あまり好まないけど、ワールドダウンタウンは、それでも面白いし、毎週みたい番組だ。なぜか?
 それは、まず第一に、ジルや、ジョージや、ナタリアの所作ふるまい表情、そして間が面白いから。人外だから、どれほどのもんだかわからないけど、私には大喜劇俳優ッツー人たちよりも面白いとすら思われる。第二に、ハマタと松本の間や、ぼけやつっこみや、頭ははたき方が面白いから。そして第三に、声優のそれが面白いから。もしかすると声優が一番面白い。この三つは、ものすごい芸なんだと思う。たけしが、「最近のお笑いはネタで笑わせるだけで、芸がない」みたいなことをいっていたことを意識したワケじゃないと思うけど、極限的に愚劣で、ワンパターンなネタを、極限的にゴキゲンな間や芸でみせますた、みたいなところに野心のようなものを感じる。また、人外、ダウンタウン、声優のシンクロという枠組みも新しい実験なんだろうか。昨日の制作、企画の番組化だとか、今日のドラマと演劇のコラボレーションとか、そういう「高度に実験的な」試みができることと、ドラスティックに競争論理の貫かれたすべてを消耗品とする世界が、ハイテンションに両立していることには、考えさせられる。私としては、消耗品化されたくない文化の方がより実験的であることもあり得るという風に考えるべき立場にいることだけはたしかだと思うが・・・。

*1:えっと、まずそこそこの証拠をつきつける。しかし、悪役は多少たじろぐモノの動じない。でもって、金さんがこれがみえねぇかと桜吹雪吹かす。オオ!!と悪役は仰け反るがそれでも悪役は動じない。そこで登場するのがお約束の巻物。金さん「ここに決定的な証拠があるYO」。悪役「スンマソン」って、恐れ入谷の鬼子母神。そこで金さん巻物をみせてばーかめーぇぇぇと、巻物が白紙であることをみせて、からかい、とどめを刺す。悪役「あいたー」ってかんじ。このシリーズ面白かったなぁ。