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2005-12-09 卒論やっと一人提出

[]へび女

 ヘビ女というと、トカゲ男とかキャットマンの親戚かとたずねるBMEなかたがたもいるかもしれないけど、私らの年齢でへび女と言えば、各地のお祭りに屋台やなにかが出るときに、お化け屋敷などとともに開設される見せ物小屋であろう。「親の因果が子に報い」などというとんでもないことばで客寄せが行われ、見せ物小屋は絵も言われない興趣の絵が描かれて、ガキの私は人魚の魚の部分がヘビになったものとか想像して、妙な興奮を覚えた記憶がある。官能の目覚めなどというものではないのだが、デブガキとして物心ついた頃からバカにされていた私は、異形が見せ物にされているということについて、なにやら抑えがたい興奮を覚えていたことだけはたしかだろう。というのはちょいと調子のいい後付けの理屈なのかもしれないけれど。w もっとも私が一番惹かれたのはタコ娘であって、私は「親の因果が」からなにから真似して、「タコ娘」と絶叫して、タコ踊りを踊り、さらには実家の近所の客引きのおっちゃんがやっていた、「1000円ポッキリ、すけべばっちり」という口上までゆってみせて、大騒ぎになり、先生にどつきまわされたあとに、「因果が」などということはいけないと言うことを含め、先生に非常に怒られたことを覚えている。「ユーモアは悪くない。差別はいけない」と何度もしつこく言われた。よい先生だったと思う。

 なんでこんな話をするかというと、本日卒論添削の合間に蕎麦を食いにいって、蕎麦屋にある『週刊新潮』を読んでいたら、「最後の蛇女」という記事を見たからだ。現役50年。お峰太夫。火を噴き、ろうそくたらりたらり。戦後の混乱の中で、メシが食えるということで、サーカスに。まだ、「悪いことをするとサーカスに売られるよ」などということばのあったとんでもな時代。そこでいろんな芸をやって、いなせな配偶者を得る。その配偶者は、今は見せ物小屋の呼び込みで、異形の身長1メートルあまりと記事にはあった。そのお峰太夫に弟子のようなものができ、それが小雪太夫。蛇をレアバリバリ喰うという芸があって、味の話まで書いてあった。食った直後に客席に蛇が投げられ大混乱。それがゴム製で大笑いなどと、見せ物小屋風景や、一家の楽しい団らんなどが書かれている。また、熊女とか見せ物の系譜、見せ物とストリップショーの関係、専門の見せ物研究者の談話、昔の鏡を使ったトリックで胴体が蛇の女を演出した方法、それをやっていたお峰さんなどが書かれていた。とても興味深い記事だった。博多箱崎の祭に行く以外は、浅草でというような話だったと思うけど、一番楽しいのは新宿なんだと書いてある。で調べてみたら、ありました。

新宿花園神社・酉の市。毎年、この酉の市には見世物小屋がやってくる。この見世物小屋で“蛇女”として長年活躍しているお峰太夫は、お峰さんの愛称で呼ばれるスター。その芸は“影の人間国宝”と呼ぶにふさわしい。この見世物小屋を運営している大寅興行社は、高齢のお峰さんが引退するときが見世物小屋が終わるときと宣言している。現在、見世物小屋日本に二社しかないので、それは見世物小屋歴史の終焉へ大きく近づくことを意味する。神社の隅で怪しげなネオンの光りを放つテント小屋。今年も見世物小屋は無事来てくれた。しかし、年齢的にお峰さんはいつ引退してもおかしくない状態。今年が最後という噂も根強くある…。テント小屋の中は赤を基調としたつくりになっている。犬の曲芸や箱の中の美女(お峰さん)が違う美女に入れ替わるマジックショーの後に「鎖を鼻から入れて口から出す女!」と紹介され、入り口で太鼓を叩いていた紅い着物を着た黒髪の少女が登場。笑顔にあどけなさの残るこの少女こそ、司会の女性曰く「見世物小屋ニュースター!小雪太夫、19歳!」見世物小屋に待望の新星が誕生していたのだ。丸尾末広漫画世界から飛び出してきたような彼女が鎖を鼻から入れていく。途中、辛そうな顔をしながらも鎖を口から出すと鎖の両端を掴んで交互に引っ張る。更にはその鎖で水の入ったバケツを持ち上げる。彼女はこの見世物小屋に客としてやってきた。そのときお峰さんの芸を見て感激。「お峰さんかっこいい。私も蛇食べたい」とこの世界に入った。そしてこの日はお峰さんではなく、小雪太夫が生きた蛇の頭を見事に食いちぎり食べた。驚愕の声をあげる観客。更にその後、彼女はお峰さんから仕込まれたもう一つの秘密兵器で観客を再び驚愕させる。お峰さんも小雪太夫も舞台では決して声を出さない。しかし、まるで祖母と孫のような2人はとても嬉しそうに見えた。

http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop_2005/11/21_01/

 アップされている写真まで貼るわけには行かないけど、見物であります。サイトには実物の写真はないのだが、『新潮』にはある。そして、いろいろな事情でほんとうに最後になるかもしれないというようなことも書かれていた。割りきりの論理を見つけることは、さしてむずかしいことではないだろう。美談を間抜け面で語るつもりはない。しかし、なにか考えさせられるものがある。人が一生をかけた芸なのだから。

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