- 作者: 三浦展,SML
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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三浦展が高円寺に注目したのは、ずっと昔の、たぶん学生時代にまでさかのぼるのではないかと思う。まだ『アクロス』を編集していた頃から、「部数わずかだがすごい影響力を持った」(上野千鶴子評@思想の科学)ミニコミで健筆をふるわれていた頃を経て、現在に至るまで、古着やカフェや飲み屋やライブスポットやいろいろなものを、カメラ片手に調査されて、刺激的な切り口から提示されていた。
私も高円寺という街には、それなりのこだわりがあった。最近でははやしまるというラーメン屋に足繁く通い、その前は円盤、その前は・・・と、毎週のようにこの街を歩き回っていた。なぜ惹かれるかは、ほよよというカンジであまり考えたこともなかったのだが、三浦氏のミニコミなどに「大規模小売店のない街」などと書かれていると、うーん層化、などと感心してしまったりするのである。
けっしてされおつ一方の街ではない。路地を分け入って入ってゆくと、その奥に思わぬお店があったり、なんか東南アジアの大都市の露天風のお店が並んでいたり、歩くだけでもワクワクする街である。しかし、また、されおつなお店もいろんなところにある。そんなつきなみな言い方しか私にはできないけれども、三浦展は、たとえば、「なぜ村上春樹はこの街を舞台に作品を書いたか」などと、ザックリ斬り込んで、刺激的な論を展開する。また、ガーリーというコピーを入れて、従来の顧客にもキッチリアピールされている。
先日『ポパイ』の編集長をされていた清水一彦氏と30年ぶりくらいで話す機会があり、三浦展の話になったのだが、ことばやコピーやネタや数字など、売れるものを供給し続けている点において、出色なものがあり、社会学者が厳密性云々でコメントするのはわからないでもないが、ちょっとずれているのではないか、という指摘を受けた。顧客は、三浦氏の提供するデータや説明を有用だと思っていて、それを買っているのだから、文句を言う筋合いではないだろう、というのである。どんなものにも一定の制約があるわけで、私は禿げしく同意した。
地元の人に信頼されている点では、酒田市と仲川秀樹さんと同じようなところがあり、敬意を覚えた。たとえば、あの高円寺書林のなかの人がブログに次のように書いちゃったりしているのである。
『高円寺新女子街』は洋泉社から25日に出る
三浦展さんの新刊です。
パンク、とか古着で語られることの多い高円寺の町を
またちがった見方で眺めてみると・・・
というわけで現在の高円寺を歩いているひとたちに
アンケートで生の声をお聞きしました。
高円寺文庫センター、茶房 高円寺書林でもお客さまに
協力していただいて、みなさまの興味あるもの、などが
この本に反映されています。
高円寺の活気の秘密とは?
建築から見た面白スポットがこんなにある?!
本に紹介されている街角スナップの数々、25年前と
現在の移り変わり、あなたも知っている街角がキットあります。
その写真展をクイズ方式で開催することになりました。
庚申文化会館のご協力で10月17日(日)より24日(日)まで
1Fのギャラリーにて展示をさせていただきます。
写真を見てどこかわかりますか?といったクイズに答えて
いただいて、抽選でお楽しみプレゼントもあります。
23日5時より会館2Fにて三浦展さんとゲストによる出版記念の
高円寺トークがあります。
http://kouenjishorin.jugem.jp/?eid=1270
文中にあるトークとは、三浦展+SML著『高円寺 新女子街』刊行記念セミナー、「建築女子が見た高円寺〜都市と地域と東京の未来を考える」というもので、三浦氏のブログに紹介があります。詳細は下記まで。ツイッターでも呟かれていたので、ついついフォローしてしまいました。リストにだけすべきだったかもしれません。
http://ameblo.jp/tenchan58/entry-10650915791.html