鳥の飛行能力には目を見張るものがあります。
今回紹介するアネハヅル Demoiselle Crane (Anthropoides virgo)はヒマラヤ山脈の8000mを越えて渡りをするというものすごい高度を飛ぶことで知られています。
アネハヅルのような空気の薄い高空を飛ぶ鳥は、肺から入った空気の酸素がとても効率的に血液に取り込まれる仕組みができているそうです。
ヒマラヤ山脈の向こうの繁殖地から冬にはインドに渡ってきます。
ここはインド西北部のラジャスタン州です。
日中数百羽のアネハヅルの群が水の近くの開けたところにいるのが見られます。
ツルの中では小型です。このくらいの大きさ(小ささ?)が、ヒマラヤの強い上昇気流に乗るのにちょうどいいそうです。
とても上品な立ち姿です。
きれいな赤い色の目をしています。
目の後ろの白い羽毛も優雅。
ラジャスタン州のキーチャンという村はアネハヅルの越冬地として有名なところです。
夕方になると日中水辺や草原にいた群がどんどん戻ってきます。
村人がツルのために穀物を撒いてくれているので、一冬に2万羽ものツルが越冬すると言われています。
ただ、ツルより食べるのに困っている貧しい人に穀物を回すべきとの声や、ひとところにツルが集中しすぎることによる病気の蔓延を心配する声もあります。
いつまでも優雅なツルたちが安心して暮らせる環境を守っていきたいものです。