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英語あそびなら天使の街

2014-05-04

ジェニファー・リー「アナと雪の女王」監督に聞く その1

今更だが、Frozenをブルーレイで見た。
ディズニー長編初の女性監督、ジェニファー・リーに興味をもったのがきっかけ。

ディズニー制作のキャリアパスといえば、キャルアーツで学び、そのままスタジオに入るのがテンプレである。今回再集結している「美女と野獣」の制作陣もキャルアーツ卒業生ばかりだった。
そんな中で、NYの出版社で本のデザインに携わり、三十路に届く頃コロンビアの映画学科に学び始めたという経歴はむちゃくちゃ異色である。

雪がサラサラだとか、氷がツルツルだとか、歌がいいとか、いろいろ話は聞いていたが、見ると何より彼女のスクリプトが斬新きわまりない。アナの解凍に真実の愛が必要、ならばと早速男を探しに走る流れで「愛は異性愛に限らんだろう」と突っ込みを入れていたところ、ラスト、これまでのディズニー史に自らちゃぶ台返しをしているのには結構驚いた。

いったいどんな人がどんな意図でこの脚本を書き、大成功に導いてしまったのか。
面白い記事をいくつか見つけたので紹介。
On the Job With Jennifer Lee, Director of Frozen - by Lindsay Miller 2/28/14 POPSUGAR

●映画人としてのジェニファー・リー

- 初めての仕事は何?
Jennifer Lee: 16歳のとき、CVS(訳注:マツキヨみたいなドラッグストアチェーン)の調剤士をしていました。

- その仕事から学んで、今でも役に立っていることは?
JL: 退屈な仕事もある、意地悪な人もいる、それでもただ続けるべし、ということです。

- 今日の映画業界における女性の役割をあなたならどう表現するか。今年、アカデミー賞の審査対象になった作品のうち、女性監督によるものは10%に満たなかったが。
JL: 現状を変える魔法のような打開策があればいいのですが。
もっと女性が増えたらいいなと思います。
より多くの女性がメジャー作品に携わるようになれば、状況も変わるでしょう。
私たちにできるのは後押しを続けること。
サポートしたり、メンターになったり、お互い助け合うこと。
私の場合、エマ・トンプソンがヒーローです。
エマは「私たちはトーチをパスしあわなきゃ」と言っていました。

- これまでで最も厳しかった仕事、プロジェクトは?
JL: もちろん「アナと雪の女王」です。
シュガー・ラッシュ」のときは、映画業界人になるべく巨大な学習曲線上にいました。
アナと雪の女王」で、私たちは17か月で「映画制作」をしたのです。
ほとんど一からのやり直しだったので、必死でした。
私は、スケジュールを言い訳に「制作期間を考えれば妥当」と言われるような映画を出すのは絶対にいやでした。
これ以外にない、と確信できる作品にしたかった。

-「やった!」と思えた瞬間は?
JL: 2013年6月にアリゾナで観客の前でスクリーニングをしたとき。
反響がとても大きく、手応えを感じました。
そのとき、ジョン・ラセターディズニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサー)と、(「アナ雪」ソングライターの)クリステン・ロペスと一緒に初めてプライベート機に乗って、ジョンのワインで乾杯しました。
クリステンが「これはブレイクするんじゃない?」と聞くので、「しーっ、飛行機が落ちるわ!」と言ったの。
私は東海岸出身ですから自制は大事だと思っていますが、クリステンのおかげで、少なくともその時を大いに楽しみました。

- 仕事以外の最優先は?
JL: 娘です。

- では、職業生活における最大の停滞期は?
JL: キャリアを変えたこと。
出版業界から映画業界に移るのは実に厳しいことでした。
出版は、自分次第でキャリアアップできる業界です。ひるがえって映画業界はとても複雑で驚きの連続でした。最高!と思える脚本を書くだけでは何にもならず、エゴも自信も吹きとばされます。映画完成までの過程は本当にややこしいのです。ノーを突きつけられるたび、いちいち左右されないことを学びました。結構つらかったですが。

- あなたのメンターは?
JL: ジョン・ラセターと仕事ができたのはラッキーでした。「アナ雪」は彼にとっても重要なプロジェクトだったので、かなりの時間を一緒に費やしました。でも、ここ(ディズニースタジオ)には、すべての部署にメンターがいると思っています。皆が私を迎え入れて、CGアニメとは何たるかを教えてくれるのです。また、過去に教わった2人の先生たち。「ボーイズ・ドント・クライ」を書いたアンディ・ビーネン、サンダンス映画祭監督賞を受賞した「Judy Berlin」のエリック・メンデルゾーンには先週末、ニューヨークで会いました。私の机の上には今も彼らのクラスでとったノートがあるんです。

- これがないと生きていけない、というものを3つ。
JL: まずは娘、当然ナンバーワンです。映画。それと切り離せない音楽も。マムフォード・アンド・サンズには思い出が多いです。ダフト・パンクも大好きだし、U2は私の初恋の相手みたいなもの。iPadシャキーラも入っています。ニューヨークに長期滞在したとき、プレイリストを作りました。音楽を聞きながら街に出るのは最高なので。

- リラックス、1日の終わりの切り替えはどうやって?
JL: 夜はテレビをつけますね。まだ見ていないドラマか何かを探して延々流すのが好きです。途中で寝てしまうこともありますけど。コンピュータで番組をかけて、ベッドの上でどっぷり浸ります。自分の頭から脱出するような感じです。

- ずっと温めていて、形にしたいプロジェクトや物語はある?
JL: 社会派の映画が必要だと感じています。でも執着しているのはサイエンスフィクションですね。完成度の高いサイファイを生み出すのはとても難しいこと。今の私にその力があるか分かりませんし、自分にできると確信したときにやりたいです。

- 好きな映画、映画業界に入るきっかけとなった映画は?
JL: 「恋人たちの予感」
です。完璧な脚本で、時代に縛られない作品です。どれだけ多くの脚本を読んでも、私のベスト1であり続けると思います。

- あなたと同じ道を歩もうとしている25歳の女性へのアドバイスを。
JL: 自分のやろうとしていることを信じて。どんなにいやな目にあっても。
Yesに行き着く前には山ほどNoがあります。
それは当然なので気にしないことです。

- 25歳の頃のあなたに言いたいことがあれば。
JL: 自信をもって。私は、自身に対する疑いが女性を抑えつけることに気づきました。男性の友人たちは自分を疑いませんし、疑ったとしてもそれを上手に隠す術を知っています。彼らの真似をすればいいのですよ。

その2、ジェニファーの「アナ雪」再生談義。

Let it goを書いたロペス夫妻のインタビューもどうぞ。

監督が映画業界を志したきっかけはこの映画。
メグ・ライアンがキュート。



西海岸アニメ業界で仕事したい!と思ったら、まずこの本。
「まずは現地を見る」など、ディズニーピクサーのやり方にはそもそも共通点が多々あったことが分かります。


<追記>
Creativity Inc.の和訳本が出ました。翻訳家の方がうらやましい!
それにしても、いい加減、電子版を同時に出すようにしていただきたいですね...
出版社にとっても大きなロスだと思います。



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元記事:
On the Job With Jennifer Lee, Director of Frozen - by Lindsay Miller 2/28/14 POPSUGAR
http://www.popsugar.com/Frozen-Director-Jennifer-Lee-Interview-Women-Film-33515997