英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

Be brave, respect others.

キリスト者であれば誰でも神の言葉を武器として携えています。
私が日常で一番よく使う武器はこれです。

「下がれ。サタン。」 (マタイ16:23から)

ええ人ぶってイエスをたしなめたペテロに対してイエスが投げつけた言葉です。
私もキリスト者としてイエスと同じ権威を持っているので、よくない考えがポッと浮かんできたときによく使っています。

次に多いのがこれです。

互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。(ピリピ2:3から)

パウロが信徒に充てた手紙の中の言葉。
私がいかに頻繁に人をバカにしたり、見下したりしたくなる衝動にかられているかが分かります。

そこで人さまに対して敬意を払うことについて。
(本当はrespectのほうが真意に合うのですが、どうも日本語でリスペクトとか言うのいやらしくて好きではないので)

ニューヨークであるイラストレーターの短期クラスをとったことがあります。
ニューヨークの一流誌の表紙を描いているような人でした。

で、今となっては生徒の作品のクリティーク(特に自分がほめられたとき)以外で彼の話はほとんど覚えてないんですけど、ひとつだけいつでも思い出す指針があります。

Be brave, respect others.

彼は、アートをやっていくには?という文脈でこう言ったはずです。
おそれずに描け、でも他人への敬意は忘れるな、と。
でも、上の聖句と同時に、いつも思い出される言葉になりました。

先日日本に行って、「人に世間に迷惑をかけるな」という物言いがまん延しているのにうんざりしました。
誰にも「迷惑」をかけずに生きていける人なんて1人もいないでしょう?

親御さんたちへの「子どもにどんな人に育ってほしいか」というアンケートでも
「人に迷惑をかけない」
という答えが一番多かったというのを何かで読みました。
それって目指すべきキャラクターなんですか? 質問の答えとしてもおかしくね?

窮屈です。

だから「迷惑かけるな」を「人さまに敬意を払いなさい」に言い換えてはどうでしょう?
そのほうが、同じく人に迷惑をかけないにしても、ずっと能動的でクリエイティブで楽しい感じがしない?

☆☆☆

ところで、見たかった『万引き家族』『カメラを止めるな!』の両方を空の上で鑑賞できたのはうれしかった。

Shopliftersは、今週LAでも公開され、大絶賛されています。
樹林だー、フランキーだー、みゆちゃんだーとか分からない人が見ると、さらにいい作品に見えると思う。
前知識なく見られる観客がうらやましい。
いつも思うのだが、「欧米」から耳を傾けるに値する、と評価されるのは、日本人でも今の日本の政権と言葉を同じくしない人たちであることに多少なりとも安堵する。
是枝監督しかり、村上春樹しかり、そして天皇皇后両陛下しかり...

話はそれるが、日本で会った30代の人が米中間選挙のことを聞いてきた流れで、「来年の参院選がんばりな。消費税アップはまだ止められるよ」と言ったら、「代わりになる人がいないからねー」とどこかで聞いたようなことを言い出してビックリした。
一度ちゃんと彼の国会の答弁を見るように言った。むしろ彼以外なら誰でもいい、と思うようになるよ、と。

『カメラを止めるな!』は期待しすぎた。
「最初の30分は我慢だよ」
「後から見返したくなるよ」
「三谷に似てるけど、三谷を超えちゃってるんだよ」
と聞いていたのだけど、これを褒めてる人はむしろ三谷を見たことがないんじゃないの??と思った。
『ラヂオの時間』の劣化版でしかなかったし、生理的にも好きじゃない点が多々あり。
ごめんやけど、タダで見られてよかった...
みんな本当に1000円なり1800円なり払って満足しているんですか?

ザ小劇場な下北な中野な世界観は懐かしくはあったんですけど。

トレーラー。