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2007-02-22

[]『皇帝カルロスの悲劇―ハプスブルク帝国の継承』 藤田一成

図書館。スペイン史。神聖ローマ皇帝にして、ドイツ、カスティーリャ、レオン、アラゴン…以下省略の王であり、その他にも様々な肩書き*1で、近世ヨーロッパに君臨したハプスブルク家の当主カルロス*2の引退劇と、その後のスペインでの引退生活(1556〜58年)に焦点をしぼった異色の評伝…。


前半の引退劇も、大会社のカリスマ創業者が退く際のゴタゴタじみていて興味深いが、その後の"平穏ならざる"引退生活も興味深い。トラブル続きの旅行、行き違いばかりの連絡、カネと物資の慢性的な不足、カルロスと周囲の人間とのゴタゴタ…尽きぬ俗事のしがらみは元皇帝を解放せず。トホホホ。でも、そんな日々からカルロスの人間性、当時の生活の一端が浮かび上がってくるわけで、政治史に社会史的な視点を取り入れた好著といえる。

*1:カルロスの主要タイトルに関しては本書13〜14頁を参照。

*2神聖ローマ皇帝としてはカール5世(本書中では「カルロス5世」とスペイン語表記になっている)。スペインの王としてはカルロス1世。参照→カール5世 (神聖ローマ皇帝) - Wikipedia

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