BioPhysical Psychiatry ―医学への生物物理学的アプローチを考える―

2011-11-25

製薬メーカーと臨床心理士とユング

医工連携を意識して、医療機器メーカー・医療ベンチャー・民間病院・大学知財部などと協力関係をむすぼうとしていたのは以前書いた。反応がまったくないわけではないのだが、ある種のやりにくさを感じていることも述べておいた。なんというか、聞くだけ聞いてそれに応じたコメントが返ってこないというか、とにかく情報を提供しているこちらの方に徒労感が残るのだ。この分野で何か生産的なことをするための、少なくともそれを志向するための最低限の知性的なディスカッションにすらなってなかったのだ。

意外なことに小気味のよい反応は、製薬メーカーから得られた。特に外資系

まず、プレゼンを聞く姿勢からして違う。意図や流れを把握しポイントとなる部分は集中して聞こうという態度があるのはプレゼンしているこちらにも伝わってくるし、彼らなりに理解した上でディスカッションしてくれる。能力のある人の真剣さというか。だてに博士号もっているわけでないね。こういうのは例えすぐに協力関係が結べなくても心地よいものだし、何かを達成したという充実感を与えてくれる。

そういえば心ある外資系の製薬メーカーは病院MRにも研究歴のある人材を送りこんでくる。人材の無駄使いではないと思う。勉強も不十分で何の役にも立たない文系卒のMR送りこんでくるメーカーは考え直してほしい。

 

ところでこのブログ、カーンバーグの人格構造論に触れた記事にけっこうアクセスがある。

なのでもう少し続きを書いておくと、経験の浅いクリニックの心理職を教育するのにこのアプローチはかなり有効のようだ。彼らは知識としては心理療法全般に関して知っているのだが、実践して使えるのはそのうちの一つか二つのようだ。リラクゼーションだとか行動療法だとか、だ。これはクリニックを訪れる患者のニーズにあっていない。例えば私が現在勤務しているクリニックはこの春先3割くらいはパニック障害であった。投薬療法は医師がやるにしても、疾病教育や呼吸法、認知行動療法などは心理士がおこなっていい領域だ。発作をおこした背景にある不安要因に心理療法的なアプローチをとってもいい。これをやるためには予診の段階で見立てをし、適当な技法=サービスを提案することが必要になってくる。つまり「見立て→適切な治療法の選択」という実践的なスキルを身につけておけばいいのだ。この半年の試行錯誤の結果、私と組んだ心理士さんたちはかなりこのスキルが身についてきたようで、提供できるサービスの対象を広げていってる。

 

YouTube でユングのドキュメンタリーを見つけた。

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ドキュメンタリーとしての完成度もさることながら、英語もかなり聞き取りやすいのでよかったら是非。なお、クローズドキャプションはまるっきりあてになりません。

 

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