日曜日は美術展とワインバーで

モディリアーニ展の宣伝がバス広告で始まったのは春の初め、みかけるたびに行こうと思っていたが、5か月たっていよいよ終わり近くなって、見逃しては大変と出かけることにした。場所はマドレーヌ広場のかどにあるピナコテーク(パリ絵画館)、10時半開館なので、少し過ぎた10時45分に行くと少し列ができていた。

いつもは混雑するマドレーヌ広場も日曜日は閑散としている。


美術展のタイトルはフランス語直訳だと「モディリアーニ、スーティンとモンパルナスのアヴァンテュール」。
20世紀の美術収集家、ジョナス・ネッタ―のコレクションの初公開である。

ジョナス・ネッターはエコール・ド・パリのコレクターとして知られているが、バーンズほど有名なわけではない。ネッタ―が組んでいた画商はレオポルド・ズボロフスキー、彼もバーンズと組んでいたポール・ギョームほど知名度はない。しかし、このネッタ―&
ズボロフスキーの二人組が無名のユトリロモディリアーニ、スーティンを発見し、初期の絵画を購入していた。ネッタ―は投資と言う意味で絵を購入していたのではなく、
純粋にアート・ラバーとしてコレクションしていたらしい。欲しかった印象派の絵画はもう高くて手がでなかったというネッタ―のコレクションは画家たちの作品が値上がりしても売られることなく(数枚のモディリアーニの作品が南アメリカに売られたというが、これは画家を新世界にも紹介したいというネッタ―の考えで行われた)、今日までネッタ―家に保管されていた。

館内は全面撮影禁止。70年間非公開だったコレクションとしては当然か。
購入した絵葉書2枚。
少女のポートレート


友人であったスーティンの肖像画。自分の死の直前まで
将来を気にしていたという彼への愛が感じられる。

派手な作品はないが、というより今まで非公開だったので見慣れた絵がない? コレクターの無名のものから良識を持って選び出した
センスが感じられる。ネッタ―はバランスのとれた常識人、それと対照的な型破りな
ズボロフスキーとのコンビが上手くいって絵画を次々と購入して行ったという事だ。
1929年ふたりは喧嘩別れし、その後ズボロフスキーは大恐慌で財産をなくし、1932年に貧窮のなかで死んだ。この展示会のタイトルのアヴァンチュールはモンパルナス時代の初期、新しいフィールドに乗り出していったふたりの冒険という意味か?

Pinacotheque de Paris
28 Place de la Madeleine 75008

ピナコテークを出ると、お昼の時間。今日は日曜日なのでフォーションエディアールも閉まっている。もしかして、以前行ったワイン・バー「レクルーズ」が開いているかもと
マドレーヌ広場の反対側へ渡る。開いていた! 平日はビジネスマンで混雑しており、
予約がないとカウンター席に案内されるが、今日はがらすき。入ってみたいと思って
いた奥の中庭の見えるサンルーム風の部屋のテーブルに座れた。

キナ・リレのレトロポスターが。

キナ・リレはキニーネが入ったベルモット
アペリチフはこのキナ・リレ入りワインと辛口の白にした。
 
とらの前菜 冷たい野菜スープ

いのの前菜 フォアグラのテリーヌ

とらのメイン フィレステーキ

いののメイン 牛ほほ肉の煮込み マッシュポテト添え

シンプルな味付けで凝ったフランス料理ではないが、おいしい。日曜日の昼のワイン・
バーは静かでサービスも良い。のんびりした気分だった。(とら)
バカラ本店の隣。

食前酒 リラ&ジロンダ  13.1
テリーヌ           13
冷製野菜スープ       8.4
フィレステーキ       27
牛ほお肉          19.5
ワイン 5杯         29.1
カフェ @6         12
合計           122.1ユーロ

L'Ecluse
15 Place de la Madeleine 75008
電話 01-42-65-34-69