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2008-06-17

Dead or 山パン ─あるいは私はいかにして日雇い労働生活を楽しんだか

増田でこんなエントリを発見。

なんだかんだで結構読まれているみたい。


http://anond.hatelabo.jp/20080617032448

数ヶ月間日雇いだけで生活していたことがある。あの空間は異常だった。

八時間勤務で八千円程度の仕事を二連続、下手したら三連続とか入れる癖に、パチンコに千円札を突っ込み続けることを全く疑問と思っていない人たちが居た。

そしてタバコを日に一箱吸い、酒を飲み、一食(コンビニ)で千円使うことを何とも思わない。

そして宿がないため派遣事務所の床で寝る。

将来に対してまともな計画を持っている人間は一人もいなかった。


…と、なんだか「俺は社会の底辺を味わってきたぜ」的なトーンでいろいろ書いているのだけど、ぶっちゃけ自分の大学時代(失われた10年真っ只中)のアルバイトなんてこんなのしかなかった。


下宿だから当然奨学金だけでは生活ができず、アルバイトしないといけない。シフトで入るような一般的なバイトは雇い主に都合がいいように長期・低賃金が前提とされているので、海外旅行や研究をやりたい自分には全然合致しなかった。


だから、短期でもできるバイトを。


そう考えると、アルバイト紹介所に朝早く行き、群がる学生の間に分け入って求人票を取り、抽選に当たらなければならない。どこかで手間取ったりミスったり抽選にあぶれたりすると、その日はもう引越し屋か山パンしか残ってなかったりする。


Dead or 山パン


あるいは、


Dead or 引越しのサカイ


そういう世界。勤務8時間で8,000円なんて「割がいい」レベル。


というか、自分みたいな日雇いアルバイトなんか、上のエントリで書かれてるような労働者より立場下だからね。彼らのストレス発散のために怒鳴られたり、蹴られたりとか、普通にあった。


たまに映画なんかで、1930年代世界恐慌時の求人シーンみたいなのがあったりするでしょ、「シンデレラマン」とかで。ビラ持ってるおっさんに労働者が詰め掛けて、「はい、締め切りー」って言って門閉める、みたいな。大げさに言うとそんなイメージ。確かに大変だったし、他の世代の人の話を聞いたりすると差を感じたりはしたけど、でもそこまで「底辺」だとは思ってなかった。それはそういうもんだとこれまでずっと思ってた。


なので、上のエントリとその反応見てちょっとショック。

みんな他人事だし、上から目線。そういう「別世界の話」だったのかと。


んで、自分は今、平日寝てるとき以外は働いてるような生活なんだけど、それでも全然苦にならないというか、「あの頃よりマシだな」というのはいつも頭の中にどっかしらあったりする。


まぁ、仕事で失敗しても戻るのはあそこだなと思えばリスクを取ることもできる。


最近、労働観についていろいろ考えることがあるのだけど、やっぱり仕事の「原体験」みたいなものはあるんだと思う。


集団就職の時代に働き始めた人、バブルの時期に働き始めた人、自分のように就職氷河期に働き始めた人、そして今の若い人のように売り手市場で働き始めた人。


初めての異性がある程度、その後の恋愛の基準になるように、働き始めた時期や環境が与える条件は、その人の労働観にかなり大きな影響を与えるのだと思う。


ただ、この「原体験が恵まれていない」ってことは、その後の人生にとって必ずしもデメリットではないとも思う。


今の職場では、アルバイトから派遣契約社員正社員と、雇用形態から賃金や年齢、家族形態までがバラバラな人と働いているんだけど、やっぱり、この原体験が恵まれている人って、労働条件が恵まれていない人の気持ちが理解できないんだよね。

(それは当然プロジェクトの非効率性につながります)


ここのところ、秋葉原無差別殺傷事件なんかもあって、日雇い労働者とか派遣労働者(これもやりました)の問題がクローズアップされてるけど、悲惨だ悲惨だというのも考えものだと思ったりもします。


確かに仕事は辛かったし、経済に希望はなかった(大学卒業時は有効求人倍率が戦後最低でした)けど、生活はそれなりにできたし、楽しかったよ。


経済に潰されないために大事なのは、やっぱり友達


そんで、少しでもいいから何か(付加価値)を積み重ねる


そうしてれば、何かに引っかかります。


法だの経済政策だのとマクロレベルでの議論もいいけど、こういうミクロレベルでの対応策みたいなものも少しは語られていいんじゃないかと思うのであります。


P. S.

ちなみに、引用元のエントリの「正規雇用の柔軟化」には大賛成。この国には労働生産性を著しく下げる「ぶら下がり正規雇用者」が多すぎる。ネットを見ていると政治家大企業経営者を批判する声が多いが、真の敵は企業に巣食う数多の「ぶら下がり社員」だ。労働法を改正して、彼らが不当に持つ既得権益を適正に分配。マクロレベルでの対応策はこれしかない。




シンデレラマン
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通りすがり通りすがり 2008/06/19 18:41 引用元エントリの指す底辺というのは、8000円の稼ぎを湯水のように使い、貯金をして生活を向上させる気がない人たちのことではないでしょうか?
勉学のために過酷なバイトをしている学生は今も多いですが、そういう人たちはどんなに安い給与でも決して「底辺」ではないと思いますよ。目的があってその仕事を選んだわけですから。ちょっと気になったので書き込み失礼致します。
後半部分は非常に面白く読ませて頂きました。

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