2010-01-31(Sun) 子供にうつされたおなかの風邪の日
1月に読んだ本
ISBN |
読んだ本の数:22冊 読んだページ数:8445ページ
小説を読むときにいちいち映像を思い浮かべる癖が「無限記憶」で表目に、「葉桜の季節に君を想うということ」で裏目に出た月でした。
チーム・バチスタの栄光
海堂尊初読、ドラマも映画も観ずに読んだ。テンポがよくキャラ立ちまくりのエンターテインメントに医療現場発のリアルさや問題提起がまぶされ、やあこれはシリーズの続きに手が伸びますね!
読了日:01月04日 著者:海堂 尊
ナイチンゲールの沈黙
ふわふわのごてごて感。美しい綾が織り上がったがったときにそれを敢えて削るのってすごく難しい。私の中では現実とファンタジーの間で折り合いがつかなかった。個性は強烈なのにキャラ立ち感がない、という状態について考え込んだ。よっし流れを把握したのでジェネラルに会いに行くぜ!
読了日:01月05日 著者:海堂 尊
ジェネラル・ルージュの凱旋
表裏をなすナイチンゲールと続けて読んで、私にとっては院内の権謀術数とか医療現場のあたりが読み応えあると思った。ジェネラルといい姫宮といいキャラづくりがやっぱりうまいなぁ。情に訴えるラストが続くのが気になり始めた。
読了日:01月05日 著者:海堂 尊
記憶の食卓
なんか唾がわいてくるんだけど、食欲なのかキモチワルくなったのかわかんない感じがもやもやしていいです。2段のオチが双方予想外でしてやられた。拒食はむしろ清々しいとか真の友なら食い食われることすら厭わぬとかの中2病的マインドを見事に粉砕(というか生理的に嫌になるだろう)してくれそうなので、思春期にこそいかがでしょうか!
読了日:01月07日 著者:牧野 修
全世界のデボラ (想像力の文学)
平山瑞穂初読。茫洋としてない井伊直行というか文体以外に村上春樹がいるというか。霧に閉ざされた、しかし見事に緻密で端正な意匠を凝らした迷路をさまよう不安な感覚。たぶんリーダビリティは高いんだと思う、何度でもうかうかと霧の奥に連れ去られるから。SFだと思って読み始めてすぐさま道に迷うのおすすめ。言語好きなので「均衡点」がやっぱり好きだけど、どれも印象的だった。高松和樹の装画が雰囲気にすごくマッチしてると思う。
読了日:01月09日 著者:平山 瑞穂
死体を買う男 (講談社文庫)
はからずも歌野晶午初読。叙述トリックで名高いアレを最初に読もうと思ってたのにあんまり面白そうなのでつい。トリック(昔ながらのトリックで時代がかった感じを出しつつもそれだけにとどまらず…)、巧みな構成、文体の切り替え(綺麗な乱歩調!)、乱歩オマージュ、破天荒な朔太郎、意外な結末だと思ったらさらに…、いやはやすごかった。誰が読んでも面白い本格ってこれかしらん。2度読みおすすめ。
読了日:01月11日 著者:歌野 晶午
フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)
表題作の感想は、ちょwこのテーマをこのお気楽さでやっていいのwwwwwそんで表題作とかかえって深い…、に尽きる。ヒトとは・生きるとは何か、何処までがヒトであり生きることなのか、といったテーマを扱うものが多い。「Slowlife in Starship」の世界のいろんな人の暮らしを読んでみたい。アルワラはある意味浮いてると思う。
読了日:01月11日 著者:小川 一水
ミサイルマン―平山夢明短編集
「枷」はとても夢明らしい感じがした。「テロルの創世」の清潔感にちょっと胸を突かれた。表題作は猥雑で残酷で人でなしで下劣でグロくて禍々しくてひどい話なのに、突き抜けた明るさがあって一種爽快でもあり、あまりのことに笑ってしまうし、なんとなく純粋さ哀切さも感じるという不思議。そして「独白するユニバーサル横メルカトル」は大傑作であり粒ぞろいなんだなぁ…。
読了日:01月12日 著者:平山 夢明
ラス・マンチャス通信
それなりに善良な青年が、奇怪なくせに妙に現実的な落としどころを押しつけてくる不条理な世界で、不運とかいろいろに翻弄されて苦労する「どうしてこうなった」物語。変な世界だからどんなに驚くようなことが起きても大丈夫とか思ってると、ばっちり代価を払わされて「ぇぇぇぇぇ」ってなった。うむ、カフカ。あとやっぱり茫洋としてない井伊直行を感じる。
読了日:01月12日 著者:平山 瑞穂
迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか
この分野でどんな説が現れてきているのかに楽しく触れることができる読み物。とてもキャッチーで読みやすいが、巻末資料に典拠を確認する手がかりもある。エピジェネティクス、メチル化あたり面白そう。
読了日:01月13日 著者:シャロン・モアレム,ジョナサン・プリンス
アキハバラ@DEEP (文春文庫)
ラストダンジョン突破が意外と強硬手段で、ちょっと期待したのと違った…。その手段しか取れない世界と AI が自意識を持ち得る世界は重なるのかな。クルークたちの動向や自意識の目覚めのあたりをもっと見たかったけど、それじゃ全く別物になっちゃうよね。幽閉の身のクルークのやらかしそうなことに妄想が広がるわぁ。
読了日:01月13日 著者:石田 衣良
ブラックペアン1988
おもしろかった。ブラックペアンの秘密がブラックジャックばりというか「本間血腫」を思い出すテイストだった。そしてこれもまた甘い幕切れ。
読了日:01月16日 著者:海堂 尊
犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
タイムトラベルSF というより素人探偵ミステリ、いやむしろ極めて上品なドタバタ恋愛劇として読んだ。タイトルに「犬」がついたらとりあえず読んでみる主義のおかげでいいもの引き当てたなぁ。魅力的というか面白いというか変なキャラクタぞろいだけど、私はやっぱりシリルとプリンセス・アージュマンドを推すぜ!
読了日:01月17日 著者:コニー・ウィリス
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
正直しっくりこなくてしんどい所もあるなぁとか思ってたら、ラストでちゃんと全部ぶっとばしてくれた。映像化不能、そして小説を視覚的に読む人をたいへんな奈落に突き落とす作品。キツいわぁ。
読了日:01月19日 著者:歌野 晶午
くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4) (ハヤカワ文庫SF)
まず、21世紀版『アルジャーノンに花束を』ではない。ぜんぜんない。ストーリーの帰結よりもルゥの目を通して見る世界が魅力的だった。現ルゥの幸いがどうか元ルゥの幸いでもありますように。
読了日:01月21日 著者:エリザベス・ムーン
ふわふわの泉 (ファミ通文庫)
堅いのに軽い。まさに新素材ふわふわ。
読了日:01月23日 著者:野尻 抱介
配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)
本屋の店員さん、裏方じゃなくて主人公ですよ素人探偵ですよ大活躍ですよ! それにしてもこれはいい本屋さんだ。
読了日:01月23日 著者:大崎 梢
無限記憶 (創元SF文庫)
タイラーとジェイスンのその後(?)に、それぞれ彼ららしいなと。仮定体と交流できる可能性を持たされた少年に執着する博士の気持ちは少しわかる。なりかわりたい、せめて連れて行け。大きな憧れが歪む悲しさ。後半、仮定体の部品?や構造物の造形を想像するのが超ぞわぞわして楽しい。少しずつ見えてきた仮定体の設定が個人的に好きすぎる。関係ないけど SPIN・AXIS・VORTEX ってリング・らせん・ループみたいですね。
読了日:01月25日 著者:ロバート・チャールズ・ウィルスン
湯微島訪問記
わーまた煙に巻かれた! 感興はあるんだけど説明できない。とりあえず、ほとんど湯微島を訪問しません、としか。
読了日:01月26日 著者:伊井 直行
高い砦 (ハヤカワ文庫NV)
やっべ私もなんか特殊技能持ちの一般人になっとかないと!
読了日:01月27日 著者:デズモンド バグリィ
ノーストリリア (ハヤカワ文庫 SF ス 4-5)
人類補完機構関連の初読がこれでいいのかという疑問はさておき。ファンタスティックなほど変容した価値観と倫理とルールの支配する世界を少しだけ垣間見た。登場人物がすっごくかわいくてハッピーになる。愛され系SF? 「燃える脳」「鼠と竜のゲーム」を既読でよかったけど「ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち」も読まなくちゃ。
読了日:01月30日 著者:コードウェイナー・スミス
失われた探険家 (奇想コレクション)
表題作おもしろかった。無垢な残酷さが少女だからこそ映える。どうも精神異常方面へ流れやすいなと思ったが、解説で経歴を知って了解。
読了日:01月31日 著者:パトリック・マグラア
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2010-01-02(Sat) 元日も2日も平常運転の日
おせちでござる
年末に念願のシール蓋付き重箱(5.5寸3段)を入手して、あわててそれぞれの重に詰めるものを調べたり。調べたけど適当に作るので適当に詰めざるを得ない。
- 一の重
- スモークサーモン入り紅白なます
- 盾豆腐
- 胡桃入り田作り
- 栗きんとん(うちでゆでた栗、実家の父の菜園で採れたサツマイモ)
- 二の重
- 口取り菓子(買ってきた)
- 紅白かまぼこ
- 鮭の塩焼き
- 穴子入りだし巻き卵
- 三の重
- 鳥はむ
- 煮豚
- 筑前煮
- 粗挽きソーセージ
- 押し寿司
- 雑煮(鶏、大根、人参、丸餅。鳥はむを作ったときの煮汁をかつおだしで割った)
黒豆とたたき牛蒡と数の子がない(食べる人が家族にいない)ので厳密にはおせち料理じゃないだろうなぁ。餅をためしてガッテン式つきたて風にしようとしたが、火にかけたまま忘れていてせんべい状にしてしまったので、また後日やってみる。お煮染めがわりの筑前煮をもっとたくさん入れたいので、来年は品数減らそう。
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2009-12-31(Thu) 今日も明日も平常運転の日
12月に読んだ本
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今月特に面白かった本は、「新化」などの石黒達昌の生物系リアルサイエンスフィクションもの、「時間封鎖」上下巻です。今月も何やかや忙しくてあんまり読めなかったなー。
読んだ本の数:17冊 読んだページ数:4608ページ
食べればやせる讃岐うどんダイエット (マキノ出版ムック)
要するに讃岐うどんはコシの強さから腹持ちがいいので、通常のうどんより低GIと考えていいかも?ということかにゃー。讃岐うどん食べて痩せた体験談が豊富。好きだし打つし讃岐のうまい薄口醤油が届いたので食べます。
読了日:12月03日 著者:マイヘルス社,マキノ出版
本場さぬきうどんの作り方
技術指導はさぬき麺業とこんぴらうどん。レシピの通りに打ったらいつもよりコシが強く長さの揃った麺になった。
読了日:12月03日 著者:香川県生麺事業協同組合
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)
“ユービック”って車とか塗り薬とか栄養ドリンクとかとにかくちょっとチープな商品名っぽいよねとかいう考えはまんまと作者の思うつぼなのだった。あとスタンド攻撃受けてるのかと思った。
読了日:12月04日 著者:フィリップ・K・ディック,浅倉 久志
歌の翼に(未来の文学)
読了日:12月06日 著者:トマス・M・ディッシュ
アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風
零、一皮むけ続ける男。雪風との関係に於いてはこれが極限だと思っていたい…まだ先があるとしたら萌え尽きる。最後まで雪風は決して擬人化されることなく、ジャムも全く捉えること不能な“異星体”のままですばらしい。それにしても超重量感で貧弱な我が脳髄への負荷はものすごかった。世界と自己の認識、言語、意識などの問題を扱いつつ思弁と会話が物語を構築してゆくスタイルは、かつて歯が立たなかった他作品と通じるが、雪風の場合は前2作が助走になったのと、雪風や零やクーリィ准将への思い入れでどうにか読み切れた感。まだ頭痺れてる。
読了日:12月07日 著者:神林 長平
アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
すごく乱暴に分類すれば中島らもグループに入るかもしれないが、そのグループには中島らもと深堀骨しかいない。土橋とし子の装画・口絵そのままな怪作。もしかして:土橋とし子装画グループ。ふざけのめしただけのように見えのの、しかし文学的香気もあるといえばありののの、さらに愛の真実もなきにしもあらずのののの、あっ伝染性もありますピピピピピ。「若松岩松教授〜」「隠密行動」「愛の陥穽」が特に好き。
読了日:12月10日 著者:深堀 骨
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
大好物の言語系でもあった! “虐殺の文法”がどんなものなのかチラリとでも触れてほしかったなぁ。「ハーモニー」より糖衣薄く端正な骨格がよく見える印象。イルカ筋製ポッドを湖で放し飼いにしたいというかもう君ら海に還って朽ちるまで泳げ。
読了日:12月11日 著者:伊藤 計劃
冬至草 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
石黒達昌初読。明晰きわまりない文章、専門分野の知識と経験を生かした完成度の高い“見てきたような嘘”。フィクションであることを忘れかねないやばい。「希望ホヤ」「冬至草」「デ・ムーア事件」「アブサルディに〜」、いずれもウェット感を抑えた表現がサスペンスフルでしかも胸を突く。放射性の環境で生きる植物の典拠にハイアイアイ群島が出てくるに及んで、図書館の順番待ち予約図書を解約してありったけ借りた。
読了日:12月12日 著者:石黒 達昌
94627
形式と文体のマッチングが雰囲気を盛り上げるというかじわじわと背筋を冷やすというか。ほとんどホラーに近い。これもうっかりすると「こんな薬物事件の話を読んだんだけど…」とかいって人に話してしまいそうなほどリアル。
読了日:12月15日 著者:石黒 達昌
死して咲く花、実のある夢
キャラクタの楽しさとにぎやかさでなんとか読み切った。これといい迷惑一番といい、表面のライトさにするっと乗って読めない自分がくやしい。いちいち考え込みすぎる。
読了日:12月15日 著者:神林 長平
兇天使 (上) ハヤカワ文庫JA
途中まで。装画と挿絵・萩尾望都、は伊達じゃなかった。
読了日:12月17日 著者:野阿 梓
平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに、
表題作は科学論文体裁のリアルサイエンスフィクション。日本の端正な鼻行類。“ハネ”を持ち恋をすると光を放ちいまわのきわに涙を流すというファンタスティックな希少種のネズミが題材でありながら、体裁と描写のかっきりと学際的なことに脳が混乱し刺激される。参考文献と作者あとがきも故意にフィクションとして読んで楽しかった。「新化」の先行論文でもあるのでできれば先に読むといいです。
読了日:12月17日 著者:石黒 達昌
新化
表題作は「平成3年5月2日、後天性免疫不全〜」を先行論文として読んでおくとより楽しめるが、後で参考文献として読んでもいいかも。ハネネズミといいカミラ蜂といい、ファンタスティックな生物をあくまでリアルサイエンスの俎上で魅力的なフィクションに仕立てる技の確かさに唸る。小説という畑において、この人は科学研究・医療現場から来た野生のプロでもあって、その強みを存分に生かした作品がすばらしい。
読了日:12月17日 著者:石黒 達昌
最終上映
癌の告知と壮絶な治療や医療行為と死を巡る医師の心理などを、硬質な文体と湿り気を廃した描写で淡々と綴る。寝たきりに近い患者とその主治医の物語で、わかりやすいドラマや大きな動きはないのに、心理の綾と細かなエピソードで飽きずに読ませる。微妙な友人でもある患者、微妙な恋人でもある患者をめぐる心理が、また静かにひそかにぐっとくる。文学だ。「ステージ」は非エンタメ系リアルスプラッタでもあり、まざまざと描かれる人体解剖や臨終の様子もさることながら、何故か硬膜下麻酔のくだりが最も冷や汗をかいた。
読了日:12月19日 著者:石黒 達昌
海を失った男 (晶文社ミステリ)
既読「ビアンカの手」「シジジイじゃない」やっぱベスト級。「そして私のおそれはつのる」は、ストイックボランティア老嬢→スピリチュアル愛餓えお婆、感受性豊かな娘→愛され超少女、など登場人物の印象が二転三転して妙に惹かれた。「成熟」を読んだ後だからか、腑に落ちきらないところがあっても超人テーマの中にするっと収まった気がする。この選集のテーマは「愛」だったりするのかなーと思ってちょっと調べて、スタージョンが「愛の作家」と呼ばれることを知った。へー。
読了日:12月20日 著者:シオドア・スタージョン
時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)
壮大な宇宙規模の現象の謎、小さな僕らの心の謎。いま可及的速やかに下巻を読みたいので感想書いてられない!
読了日:12月25日 著者:ロバート・チャールズ ウィルスン
時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)
壮大な宇宙規模の謎、既知の技術で成り立つリアルな明日、魅力的な人々の豊かな人間ドラマ、卓越したストーリーテリング。SFの棚に置かなくていい、幅広く読まれて欲しい。「仮定体」は自らの在りようから他の知的存在の在り方を類推して理解不能な干渉をしてくるが、人類だっていつか他の知的存在に擬人化した思いこみで余計なお世話を焼きはしないか。で、この本とか雪風とか読んで受容の幅を自分なりに広げておけばいいと思うんだ。続きが楽しみだ。
読了日:12月26日 著者:ロバート・チャールズ ウィルスン
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