地下猫さん『性的弱者という自称』へのリプライ。

地下猫さん(id:tikani_nemuru_M)『性的弱者という自称』
http://h.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/9259267497338129974
へのリプライです。経緯はリンク先で地下猫さん自身がまとめて下さっているので省略します。以下、個別にコメントしていきます。

性犯罪被害者も同様。まんこがあるから襲われた。つまり異性に欲望され愛されたのだ。
それだけで性的強者なのに、性的弱者であるエロゲオタをいたぶるのは、強者の傲慢なんだろうな。

と元エントリではいっている。つまり「欲望され愛された」から性的強者だといっているわけだ。

 私の指摘が全く読めてないな*1。それではあなたの「ネタに対する返し」の意味が通らない。「穴があって襲われた」から性的強者だと読んだから、「レイプしてやって」「ハッピー」、「君にも欲望されるケツの穴がある」と返事したのでしょう?
 あなたが嗤っているのは、彼が「襲われた」ことを「欲望され愛された」ことに短絡していることです。だから、彼がその短絡的なることを思い知るには「襲われ」る経験が必要だと解釈し、お前も「レイプ」されろ(大意)と言ったわけです。そこまでは、「性差別へのカウンター」と私自身も書いた通り、成立していると思いますよ。賛成はしませんが、ネタと認識して、そのように返しただけだそうですのでそれは好きにしたらいいです。

「僕は彼に欲望できないから」という答でオッケーだろ? 元エントリの論理では「性行為」でなければならないのだよ。

 何言ってるんですか。地下猫さん*2は、レイプは必ずしも性行為じゃない、という当然の前提を踏むから「レイプしてやって」が返しとして成立するんでしょ?

tikani_nemuru_M 愉しい煽り, 性
にゃるほど、レイプされる側こそが性的強者、か。誰かこの増田をレイプしてやってくださーい。みんなで陵辱でもしてやれば、この増田も性的強者になれてハッピーだ。君にも欲望されるケツの穴があるさ、大丈夫!

 なのになぜか自分では認識してないから

チンコが使い物にならないので僕には無理だ。ホウキの柄をケツの穴に突っ込むのならやるぞ

 とか、たった二文で見事に矛盾したどうしようもない発言を重ねることになるんです。
 ホウキでも暴力行為としてのレイプはできるから「ホウキの柄をケツの穴に突っ込むのならやるぞ」と書いたんでしょ? 「僕には無理」なんて嘘じゃないですか。あるいは性行為の形にこだわるなら、ペニパン履いて俺がやると言ってもよかった。勃起不全の男性用だってあります。レタ田さんはバイアグラがどうとか言ってはりますね。それも一つの手段ですね。
 なんにしても彼にとっては*3性犯罪被害者には「襲われ」る事実が先にあるのであって、「欲望され愛され」たという価値判断は「襲われ」たという事実から導きだされるものでしかない。レイプされる側でなく、また「襲」うことと「欲望」し「愛」すこととを短絡しない地下猫さんにとって、地下猫さんの行為が主観的に性行為である必要はまったくありません。地下猫さんがホウキで掘れば、「襲われ」た当の彼にとって「欲望され愛され」たことになるでしょう。彼の言葉を額面通り受け取るなら。その何言ってんだ感を嗤うものでなければ地下猫さんの「遊び」はなにが可笑しいんでしょうかね?


「おまえのケツの穴に欲望する人にレイプしてもらえ」

 ここでもレイプしてもらえ、と書いておられます。「欲望され愛され」なくても十分だと了解している。また、自身で「ホウキの柄をケツの穴に突っ込むのならやるぞ」と書いておられることと合わせれば、彼にとってレイプの主体がその内心では欲望する人でなくても構わないと了解しているのに、なぜ欲望する人を前提する必要がありますか?


元エントリが異性愛に凝り固まって、かつレイプ肯定なのだから、自分を「犯す側」に固定しているのだから、そこへのカウンターとして「お前も犯されうるけど、当然ながらオッケーだよね?」は成立する。

 その通りです。ホウキだか何だかを持つことによって、誰もが誰もをレイプしうる、というのは端的な事実ですよね。明らかに彼が間違っています。


実際にこうした性の非対称を指摘したブクマもいくつかあるけれど、それらが「ゲイ誤爆」になっているはずもないよな。

 そうですね。確認した限りでは誤爆してるのは地下猫さんだけです。見落としている可能性もありますが。


元エントリの秀逸さというのは、自分を「犯す者」として固定すると同時に「性的弱者」として固定するというところが実に明瞭なところにある。このように「弱者だから加害する」という自己の特権化と固定化が端的に表れているというところが秀逸なのだ。しかもその「弱者」性というのがほぼ主観である点も香ばしい。この「弱者」であり「加害者」という固定は「男は獣」論争でも見られた。
弱者として自分をアピールするけれど、あくまで犯す側に自分がいるというところは前提というか、決して手放したくないわけだ。こりゃもうブクマつけずにはおられなかったね。

 「秀逸」という表現にはもにょりますが、このへんは同意いたします。


元エントリで「欲望されるおまんこ」があるから性的強者だといっているのだから、「君にも欲望されるケツの穴があるさ」で何がワリイの? 性の非対称に無自覚なのをブーメラン論法で指摘しているだけなんだが。元エントリの論理をなぞったわけだから、そりゃヒデエ言い方になっているけど、それがどうかしたか?

 悪くないですよ。彼は「欲望され」たことの証左を「襲われ」たことに求めているのですから、襲う能力のある地下猫さんがゲイを持ち出す必要は全くないと言っているのです。


それとも、レイプ好きなゲイもいる、ということが「ゲイ誤爆」なの? どんな集団にだってクズはいるってのは当然の認識だと思うのだが違うか?

「俺は獣じゃないけど獣のゲイはいる」ですか。ハハハハ。ひっどいなこれ。こういうことが言いたいんだろうなと思って反発したんだけどモロこういうこと言うとは思わなかったです。「みんなで陵辱」で「増田もハッピー」つっといて「陵辱好きなやつはクズ」ですか。「みんな」っていうのはあなたを除いた特定のクズ集団のことだったんでしょうか? ハッピーになるのは増田と誰だったんでしょうか?
 さて、あえてベタに返事するなら、違いません、というか、たぶん違うのでしょう、としか言えません。私自身は「クズ」なゲイを知りませんので。ところで、「レイプ好きなゲイもいる」ことを今言う必要はありますか? こういう要素があなたの意図する性差別へのカウンターに必要ですか? 私はまったく不要だと思いますが。
 念のため言っておきますが、今回の話の場合、まさにあなたが獣です。増田が「レイプ」されればいいと欲望したのは地下猫さんですし、あなたの空想上で彼を犯すゲイはどう考えてもあなたの一部です*4。今回その「クズ」を架空の「集団」に探そうとしたのはまさにあなたです。ならば「自分で犯しにいってやれよ」と書いた通りです。
 目的が性差別的な視線を嗤うことならば、性暴力が架空のものであってもその主体を架空のゲイにアウトソースするなよ、ということです。自分の嗜虐願望を「クズ」に付与して切り離す必要はありません。よりにもよって性差別へのカウンターで、無関係な別の集団への侮蔑を含む表現を使う意図が私には理解できません。これが誤爆でなくてなんでしょうか?
 ホウキを持った、あるいはペニパン履いた、あるいはバイアグラ飲んだあなたは、彼を「ケツの穴」を持った「性的強者」にするのに資格十分です。あとは俺がやるという意気込みだけ。彼と「みんな」の「ハッピー」のために、ご自身が「レイプしてや」ればよろしいのではないでしょうか。

*1:(キリッ

*2:および元発言にスターをつけた皆さんもそうでしょうね、たぶん。

*3:少なくとも彼の言葉を額面通り受け取って元エントリのロジックを使うという遊びをしつつ「ネタにマジレス」する立場を堅持するなら

*4:一応言っておきますが地下猫さんは本当はゲイだ、とか言いたいわけではありません。世にクズが存在することと、あんなやつはクズに襲われろと欲望することは全然違う話だと言っているのです。