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如実知自心〜三田こころの健康クリニック新宿〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-02-19

自己牢獄と愛着の世代間伝達から抜け出す

親自身が自己批判が強かったり、小さい頃から親から批判されて育つと、その批判は子どもの心の中に内在化され、その言葉は生涯にわたって反響し続けるだけでなく、世代間伝達することも知られています。

心が閉じているとき、私たちは人生の悲しみに心を動かされることはない。
苦痛を切り離すことで、自分の感情をも切り離してしまうからである。
ネガティブな感情によって圧倒されることに対する恐怖が自分の感情を無視することに繋がり、胸の真ん中あたりにわだかまりを感じるだけですむようになる。
自分の心を守ることの代償として、私たちは生きる上での活力源そのものを切り離すことになる。その結果、私たちは冷淡さや空虚感、不幸、ひどい不満を感じるようになる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


多くの人が、自分のネガティブな気持ちやそれを引き起こした考えを感じないようにしよう、考えないようにしようという対処をしますよね。これは抑圧と呼ばれます。
摂食障害の人は、食べ物を使って考えや気持ちを感じないようにしよう、麻痺させようとしますよね。

それだけでなく、自分が抑圧していることを自覚しているので、そんなダメな自分から目を背けようとします。これはスプリッティングと呼ばれます。
摂食障害の人は、無かったことにする、目を逸らすために、自己誘発嘔吐をしたり、あるいは、ダイエットに走ったりします。

これらは、一時的には効果があるかもしれませんが、長い目で見ると代償(デメリット)の方が大きい対処行動ですよね。

心が最も閉ざされるのは心の傷がネガティブな自己批判にさらされているときであり、自分に対して何らかの不満感を持っているときである。
自らの無力さや欠点と向き合うとき、私たちはしばしば無情であり、それは心の扉を目の前でバタンと閉めるようなものである。

(中略)

ネガティブな自己批判の中で迷子になると、私たちの意識は自分や自分の人生の何が間違っていたのかを自動的に追求するようになる。
(中略)
ネガティブな感情にとらわれると、私たちは取るべき選択が1つしかないように感じる。それは、こちらに向かって熊が走ってくるときに熟考する時間がないことに似ている。行動するか、死ぬか、である。
この傾向性は毛深い肉食獣に襲われる際には役に立つかもしれないが、食料品店の駐車場で放置されたショッピングカートのせいで新車の車体が傷ついた場合などの生命を脅かさない状況ではあまり有用ではない。
ネガティブな感情は私たちの世界観を狭くするため、目の前にある他の可能性に気づけない状況を作りだす。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


閉ざされた心の状態(感情体験の回避)は、より確かなものを探そうとして、徐々にパターン化された心の反応や行動を形成していきます。
当たり前のことが当たり前と思えなくなり、生命の危機が脅かされない状況であってたとしても、あたかも肉食獣に襲われた時のように、闘うか/逃げるかで反応してしまうのです。

いくつもの理由により、自分に対してポジティブに感じるのは私たちが想像している以上に困難である。その理由の多くが恐怖に根ざしている。

恐怖を感じる理由の1つは、過度に高い期待を設定することと関連がある。
長所を控えめに出すことで、私たちは他者を不機嫌にすることなく、楽しく驚かせることができる。

さらに、私たちは自分の悪い習慣を改善することも恐れている。
自分を打ちのめすように批判する習慣がある場合、自分の長所が異質なものとして感じられるようになるのである。自己の感覚が劣等感と密接に繋がっている場合、自分を価値のある存在として認識することを恐れるようになる。
皮肉にも、ポジティブな評価を受けることが一種の死であるように感じられ、自分のネガティブな感覚は生き延びるために反撃を開始する。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


そして生きる希望や他者との結びつきを失い、人生に積極的に取り組もうとすることをやめてしまい、自己牢獄の中に退避してしまいます。このような抑うつ状態(アパシー:無気力)は、生物学的な抑うつ状態とは本質的に異なりますから、抗うつ薬を飲んでも改善しないのです。

自己牢獄から抜け出すためには、内在化した言葉(自己批判)に対して、「自分に慈悲の心を向けること(自慈心)」を持った向き合い方ができるようになる必要があります。

子どもの怪我した指にキスをするときや、悩みについて語る親友の話に共感を持って耳を傾けるとき(言い換えれば慈悲の心を感じるとき)、私たちは胸の中心から内なる温かさが広がるのを経験する。
この感覚によって私たちは自分の心が開いているのを感じる。心が開くとどう感じるだろうか。
それは最高の気分である。慈悲の心が全身を駆け巡るとき、私たちは最高の活力を感じ、一体感や快活さ、そして「社会と繋がっている」と感じる。
心を解き放ったとき、愛や勇気、無限の可能性などの新しい経験が自由に生まれる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


失われてしまったかに思えた自分自身とのつながりをもう一度取りもどすプロセスで、他者とのつながり、そして社会や集団とのつながりが回復してきます。

そのキー・コンセプトになるのが、マインドフルネス、当たり前の人間性、自分への優しさからなる「自慈心(セルフ・コンパッション)」あるいは「深い自己受容」であるということですよね。

苦悩や機能不全は世代から世代へと継承される。
遺伝と環境要因の組合せによって、人生は膨大な条件の複雑な網の目の上で展開する。
より多くの苦痛を生み出すことで1つの苦痛に対処するという悪循環を止めるためには、そのシステムから抜け出さねばならない。
私たちは自分を慈悲の心で満たし、自分と他者を許さなければならない。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版




三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『摂食障害が「治る」ことと、摂食障害から「回復した」状態』というタイトルで、精神科臨床であいまいにされがちな、「治る」こと、あるいは「回復した」ことを取り上げました。

8つの秘訣』にもこうあります。

あなたの今の状態を知り、何を求めているのかを明らかにし、どうしたら目的地にたどり着けるかを探っていくことには、継続的な取り組みが必要です。
回復への道を進んでいく時には、回復するための動機づけ、忍耐力、そして希望を持ち続ける気持ちが、潮のように満ち干するものです。


コスティン&グラブ『摂食障害から回復するための8つの秘訣星和書店


「治る」とか「回復した」という目的地を明確にすることが、「回復への動機、忍耐、そして希望」をその都度高めてくれます。

揺れながらでも、ためらいながらでも、摂食障害から回復したいと思っていらっしゃる人は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

三田こころの健康クリニック新宿の専門外来では対人関係療法による治療を専門に行っていますので、「過食症」や「むちゃ食い症」など摂食障害の他に、カサンドラ症候群や夫婦/パートナー関係で悩んでいらっしゃる方の相談もお受けしていますので、お気軽にご相談ください。

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摂食障害・過食症 の対人関係療法慢性のうつ病や双極性障害の リワーク(職場復帰支援) なら 心療内科専門の三田こころの健康クリニック新宿
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2018-02-13

満たされなかった「ほどよい甘え」を自分自身に提供する

もし、このブログを読まれている方の中で、医師あるいは心理士やカウンセラーから「愛着の問題」があると言われた人がいらっしゃったら、「自分の愛着スタイルはどのタイプに相当するんですか?」と聞いてみてくださいね。
愛着スタイルを答えられなかったり、「回避/拒絶型」「不安/アンビバレント型」などの答えが返ってきた場合(これらは「安全基地の歪み」ではない)は、その治療者は愛着(アタッチメント)のことをよく知らないだけでなく、「愛着障害」と「愛着の問題」の区別もわかっていないことが明白になりますからね。

さて、『そだちの問題(子育て)と愛着の問題(ほどよい甘え)』で、虐待やネグレクト、あるいはマルトリートメント(不適切な養育)などの既往がないにもかかわらず「愛着障害」や「愛着の問題」が考えられる場合は、「発達障害ASD)」を強く疑う根拠になるということを書きました。

そのような極端な場合を抜きにしても、「ほどよい甘え(コフートのいう「心の栄養」)」の体験が満たされなかったことは、思春期や青年期に心の空虚感や不全感を引き起こすことはよく知られています。

多くの場合、「ほどよい甘え」の不足を引き起こすのは、親自身の自己批判的な傾向を子が内在化したためのようです。

この傾向(註:親の自己批判的な傾向)は人間関係の中で問題を引き起こす恐怖の状態を作りだすことになる。
たとえば、自己批判の強い人々は相手が自分を判断するのと同様の厳しさで自分を批判するため、恋愛関係において不満を抱く傾向になることが研究で明らかにされている。
これは、自己批判的な人が強く求めている人間関係における親密さや支援を弱めることを意味している。
(中略)
以上のことから、あなた自身や素晴らしく成功している友人がいつも相応しくない相手とつきあっている理由がわかるだろう。
多くの場合、自己批判的な人は自分自身が無価値であるという感覚を確証するような批判的でロマンチックな相手に惹かれる。相手に確実に拒絶された方が、次に何が起こるかわからない展開よりも安心できる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


親密な対人関係は「鍵と鍵穴(割れ鍋に綴じ蓋)」のようなものです。
自分が、満たされない本来的欲求や親から無視/拒否された本来的な自己のあり方を抑圧し、自尊感情の低さや、恥ずかしさ、抑うつ感や空虚感を感じる自分から目を背けようとすると、抑圧し目を背けようとしている内容は、相手から自分に向けられるのです。

恋人との喧嘩の多くは、両者が相手に自分の価値観を認めてもらいたいと思うことによって生じる。
(中略)
私たちの声に含まれる怒りと非難のトーンが相互理解に達する可能性を低めてしまうのである。
(中略)
人間関係を専門とするカウンセラーは、自分の考えを主張する前に相手の感情を認めることが賢明だとアドバイスする。
(中略)
しかし、問題の渦中にいると、言葉に耳を傾けて相手の感情を確認することは難しい。
自分の必要としていることを相手が与えてくれるのを待ち、相手も自分の必要としていることを私が与えてくれるのを待っている場合、両者とも長い時間を待たなければならない。
このようなとき、セルフ・コンパッションが役に立つ。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


喧嘩の原因が考えや価値観の承認欲求にあるのなら、言葉で表現された内容に注意を向けるのではなく、その発言の背景にある相手の心の状態を自分の心の状態を見つめることを通して理解することが必要になります。

そのことを、良好な恋愛関係の条件を研究する第一人者である心理学者のジョン・ゴットマンが次のように述べているそうです。

鍵となるのは、恋人たちが喧嘩をするか否かではなく(喧嘩をしないカップルがいるなら見てみたい)、彼らの喧嘩の方法である。

絶望的な関係を示唆する、喧嘩における主要な問題行動が4つある。(中略)重要度の高いものから順に挙げると、それらは批判、軽蔑、防衛、無視である。
喧嘩中に相手を激しく批判し、嫌悪や軽蔑(嘲りの皮肉など)を示し、過剰に防衛的になり相手に問題の責任を押しつけたり、拒絶(相手を無視したり会話を中断すること)した場合、2人の関係の先行きは暗いものとなる。

幸い、ゴットマンは幸福で安定した恋愛関係を予測する要素も特定している。
優しい眼差し、愛情の表現、謝罪、笑顔など、喧嘩の最中に恋人たちがポジティブな感情を示した場合、2人の関係は継続する傾向がある。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


無視や拒絶は「最も残酷な嘘はしばしば沈黙のうちに語られる」との名言もあるように、人間関係を全般的に損なう最大の要因になります。

逆に、相手の言葉の内容ではなく非言語的な心理状態に焦点を当てる対応の仕方は、「心を開く」と表現されますよね。

自分に慈悲の心を向けることは、人生を変化させる方向へと心を開くことを意味する。
「心を開く」という表現はよく使われるが、具体的にはどのようなことを意味するのだろうか。
心を開くというのは、不快で否定的な経験であっても思いやりや配慮によって受容するという、感情の受容性を示す状態のことである。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


「自分に慈悲の心を向けること(自慈心)」は、心の中で起きていることを価値判断をまじえずに受け入れる「マインドフルネス」、誰しも感じる当然のことを回避しない「当たり前の人間性」、そして自己批判の対極である「自分への優しさ」からなります。

自分に対するこれらの心の姿勢(自己受容)が、対人関係を改善する土台になるのです。
三田こころの健康クリニック新宿の専門外来対人関係療法による治療を行う際に、「自分との関係を改善する」「行動の仕方を改善する」ことが「他人との関係を改善する」と教えているのは、そのような理由からなのです。

自分の要求を満たすために恋人に依存することをやめ、必要な愛と受容を自分に提供することで、私たちの甘えや愛に対する飢え、依存の程度を低下させることができる。

ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


対人関係の傷みを癒す

対人関係の傷みを癒す



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『摂食障害という生き方を手放すために』というタイトルで、摂食障害からの回復に必要不可欠な【自己志向(自己の次元での成長)】のうち、「自己受容」の3つの要素について説明しました。

自己志向(自己の次元での成長)】は、「自己受容」、価値や目的の創造とそれに沿った行動からなる概念です。

「自己志向」の中で中心となるのが「自己受容」で、これは「自らの思考・感情・感覚に気づいていること(マインドフルネス)」「人類共通といった見方」「自分への優しさ」というセルフ・コンパッションとして説明しています。

「自己志向」を誤って「自尊心(自己に対する肯定的評価)」や「自己肯定感」と解説されている本もありますが、「自己志向」は良い(肯定)/悪い(否定)などの評価や分別を離れてどんな自分も認めることができる「自己受容」であり、この「自己受容」を高めていくことが摂食障害治療の中心になります。

過食症」や「むちゃ食い症」など摂食障害の方で、薬に頼らない本格的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2018-02-05

発達の問題と愛着の問題

虐待やマルトリートメントにもとづく「微細なトラウマ体験」は、脳に深刻なダメージを与え、思春期以降にさまざまな問題が生じることが知られています。

たとえば、反復する腹痛や周期性嘔吐症、心因性頻尿などの心身症、学習困難や学力低下、衝動制御の未熟さ、対人関係能力(コミュニケーション能力)の未熟さなど、さまざまな症状を呈する場合があります。

これらの状態は、虐待やネグレクトにもとづく「愛着の問題」でも起きてくると同時に、アスペルガー症候群広汎性発達障害など「自閉症スペクトラム」でも起きてくるため、症状からだけでは「愛着の問題」と「発達障害」の鑑別はできないのです。

臨床現場で「愛着障害」と混同されがちなのが、自閉症や知的能力障害(知的発達症)などの「発達障害」です。
愛着障害は、発達の遅れ、特に認知や言語習得の遅れを併発するため、症状からだけでは発達障害と区別がつきません。


友田『子どもの脳を傷つける親たちNHK出版新書


愛着形成は虐待やネグレクトなど「親(養育者)⇒子」の問題ですが、「甘え」は関係性の問題なので、「親と子の双方に問題がある場合(親子とも発達障害)」「子の側に問題がある場合(発達障害)」「親の情緒応答性の問題」などの場合があり、このことからも「愛着の問題」と「発達障害」が区別できないことがわかると思います。

また、「愛着障害ではないか?」と自己判断されている方のほとんどが虐待やネグレクトの既往がなく、「親との関係が昔から悪かった」「人と仲良くなれない」「人を信じられない」とおっしゃっることが多く、つまり発達の問題を抱えていらっしゃることによる生きづらさや対人関係構築不全を「愛着の問題」と思っておられるようです。

さらに、「ほどよい甘え(コフートのいう「心の栄養」)」の体験が満たされなかったことは、心の空虚感や不全感につながってきます。

  • 表面的には控えめで、周りの空気に過剰に配慮し、相手に合わせようとする。
  • いつか失敗するのではないか、批判されるのではないか、と内面ではいつも緊張している。
  • 表面的には謙虚さを装うが、相手が期待通りに動かないと裏切られたと怒り、傷つき、落ち込み、根に持つ。

これらの状態をお読みになると、「慢性うつ病(気分変調性障害)」の感じ方に似ていると思われた方もいらっしゃると思います。
じつはこれらは「過敏型(隠れ)自己愛パーソナリティ」の特徴なのです。

つまり、「慢性うつ病(気分変調性障害)」ではないかと感じられる人は「過敏型(隠れ)自己愛パーソナリティ」であり、その根底には子の特性に合わせた養育が行われなかった甘えや愛着の問題があるかもしれないけれども、修正されずに持続している場合は「発達障害」の可能性が高いということですよね。

それはさておき、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来でお話しを聞いていると、多くのお母さんが子どもを叱ってしまうことで、将来この子が悪影響を受けるんじゃないかと悩んでいらっしゃいます。

愛すべき子ども達が私たちの怒りを爆発させることがあり、子どもに対して理性を失わなかった親は地球上にいない。私たちは悩まされると怒り、注意を向けてほしいとねだる子どもを無視し、彼らが怒ったときには大声を上げることもある。誰もが一度は子どもへの接し方を間違えるのである。
しかし、これらの状況に慈悲の心を向けることができれば、私たちは親としての自分の不完全さを認め、自らの失敗について謝ることができる。そうすることは、子どもたちに自分が愛されて大切にされていると感じさせるだけでなく、ママとパパも時には過ちを犯す不完全な人間であること、そして失敗してもやり直しが効くことを教えるのである。

間違いを犯したときに子どもに謝ることが重要な一方で、自分に対して過度に批判的にならないことも同様に重要である。

自分をこのように批判することは、思い通りにならなかった時に自己批判をすることが重要で適切な反応であるということを子どもたちに伝えることになる。
しかし、あなたは自分の子どもが自分と同じように自己批判によって苦しむ姿を見たいだろうか。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


大切なことは、お母さんが怒らないこと、子どもを叱らないことではなく、感情的になったとしても自分のその状態を認め、そのことを子どもに伝えて、子どもの気持ちの手当てをすることなのです。

多くの親は子どもが規則に従わないときにどうやってしつけるべきか、またどうしたら子どものセルフ・コンパッションを高めることができるのかを知りたいと考えている。
その解決策は、何よりもまず子どもを厳しく批判することや親の期待に沿わなかったことに対して恥じらいを感じさせないことである。

(中略)

子どもたちの悪行に対して慈悲の心をもって対処する上で重要なことの1つは、彼らの性格ではなく、実際の行動に注意を向けることである。
ここで重要なことは、人間が失敗や欠点によってではなく、成長と継続的な学習の状態によって評価されると伝えることである。
(中略)
子どもたちに最も伝えたいことは、失敗しても大丈夫だということであり、不完全さは人生の一部であるということである。
「人間だから間違うこともある」、「イライラすることは自然なことだ」などの発言は、そうしたメッセージを提供する上で効果的な方法である。
しかし、ここで重要なのはあなたの発言の内容だけではない。同様に重要なのは、声のトーンである。
愛情や恐怖、怒りなど、言葉を話せない乳児でも親の声のトーンに含まれる感情的な意味を無意識に心に刻み込んでいる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


失敗しても大丈夫というメッセージは、セルフ・コンパッションの要素の1つである「当たり前の人間性」ということですよね。

そして、そのメッセージは言語的だけではなく、非言語的(情感的)にも伝えられるため、共感(情緒的反応)の機能不全があるといわれる自閉症スペクトラム(いわゆる発達障害)の人にとって、虐待やネグレクト、あるいはマルトリートメントなどの既往がなく、対人関係構築困難や信頼障害など「いわゆる愛着の問題」が考えられる場合は、発達障害を強く疑う根拠になるということですよね。



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『摂食障害症状の役割と意味を理解する』というタイトルで、なぜ過食なのか?なぜ嘔吐なのか?を見いだす取り組みが、病気からの回復に不可欠な心の成長につながることを説明しました。

摂食障害の症状はコントロールできないとしても、過食や嘔吐などの症状を単なるストレスの表れと片付けるのではなく、過食やダラダラ食いは自分の心の中の動きを見ることができないために起きている、拒食(不食)や嘔吐は気持ちを心の中で抱えることができないために起きていることが理解できるようになることが、治療のプロセスになりますよね。

過食やダラダラ食い、拒食(不食)や嘔吐など摂食障害の症状の助けを借りずに、「生きていく上で避けがたく生じる心の負担や不調を心で受け止める」ために必要な、自分の心との向き合い方を学んでいくことで、心の成長、つまり【自己志向(自己の次元での成長)】のうちの「自己受容」を高めることにつながります。

過食症」や「むちゃ食い症」など摂食障害の方で、薬に頼らない本覚的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2018-01-29

「慢性うつ病(気分変調性障害)」「不安定型愛着スタイル」と自尊心

三田こころの健康クリニック新宿の専門外来では、「過食症(過食嘔吐)」や「むちゃ食い症」を中心に、「慢性うつ病(気分変調性障害)」や「不安定型愛着スタイル」に対する対人関係療法による治療を行っています。

人との関係が上手くいかないのは「慢性うつ病(気分変調性障害)」だからではないかと自己診断したり、愛着(アタッチメント)を良く理解していない治療者(医師やカウンセラー)から、人間関係が苦手なのは「愛着の問題」があるからではないか、と言われて治療を申し込む人が増えた印象があります。

多くの場合、思春期・青年期の発達課題がクリアーできていないだけなのですが、対人関係が上手くいかないことが多いのは、健常人にとっても同じですよね。

内なる自己がむき出しの状態になるため、私たちは親密な関係において脆弱である。
そのため、私たちは他者が自分を非難することに対して不安になる。
しかし、自分を評価することや裁くことをやめたとき、他者から承認を受けることをそこまで気にする必要はなくなり、代わりに他者の感情面での欲求を満たすことに集中できるようになる。

(中略)

他者と本当に必要な親密な人間関係を築くためには、何よりも自分自身と親密な繋がりを持たなければならない。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


対人関係の苦手さを克服するためには、自分自身との密接なつながりを持つ、つまりアイデンティティを確立するということなのです。対人関係療法では、「自分との関係を改善する(心の状態の変化についての気づき)と呼んで【自己志向】の重要な1つの要素と説明していますよね。

青年期で経験される認知的な成長の1つに、他者の視点から自分を見ることのできる視点取得能力の獲得がある。
この能力によって、子どもは自己評価と社会比較の重圧にさらされることになる。
青年期の子どもは「他の人は自分をどう見ているだろうか」、「私は他の人ほど優れているのだろうか」などと自問自答する。
このプロセスは青年社会的な階層構造の中で自らのアイデンティティを確立する営みの中で発生する。
学校での成績に対するストレス、正しい仲間集団の中に「溶け込む」必要性、自分の性的な魅力に対する悩みなど、青年期の子どもが直面する強いプレッシャーは、彼らの自己評価が高くないことがしばしばであることを意味している。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


「他者の視点から自分を見ることのできる視点取得能力の獲得」つまり自分自身を客観視する能力は、自分の心の中にどんな考えや気持ちがあるのかを知覚する能力と、それを言葉で表現する能力、そしてそれらを心の中で抱えておく能力に関連しています。

これらの能力は、『セルフ・コンパッション』では、「マインドフルネス」と「当たり前の人間性」として説明されていますよね。

ここで出てくる「自己評価」、つまり「自尊心」が高いか/低いかということは、じつは対人関係において、それほど重要な要因ではないということも示されているのです。

自尊心の高さが恋人との関係を向上させることにはまったく効果をもたらさなかったことを記しておかねばらない。自尊心は幸福で健全な人間関係とは関連しておらず、自尊心の高い人は低い人に比べても恋人に対してより受容的で思いやりがあり、支配的であるということはなかった。

言い換えれば、私たちの研究結果はセルフ・コンパッションが良好な人間関係を築く上で重要な役割を担う一方、自尊心の高さはそうしたことに効果がないということを示唆したのである。

自分と他者の要求が調和され統合されるように、セルフ・コンパッションは人間関係における相互性の感情を育てる。しかし、自尊心はエゴを中心としているため、男女の要求を巡って分離と競争の感覚を拡張してしまう。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


上記ではパートナー関係として説明されていますが、「他者の視点から自分を見ることのできる視点取得」つまり、自分自身を客観視して受容する「セルフ・コンパッション」が人間関係において重要だということです。

「自尊心はエゴを中心としている」ということは、どういうことなのでしょうか?

高い自尊心を獲得するためには健全な方法と非健全な方法の2通りがあるということを理解しておかなければならない。
高い自尊心を獲得するための健全な方法は、支援的な家族を持つこと、そして価値のある目標を達成するために一生懸命仕事をすることである。
一方で、エゴを膨らませて他者をけなす方法は不健全な方法である。
(中略)
子どもたちの自尊心を高めることが善良な動機に由来しており、自尊心を低下させた過去の厳しい教育実践からの訣別を目指しているにもかかわらず、無差別な賞賛は子どもたちが自分自身を正確に理解する能力を妨げ、潜在的な能力を発揮することに制限をかけることになる。
確実に自尊心を高めるようとする試みは、ナルシシズムを助長する傾向をもたらした。

(中略)

実際、研究において最も衝撃的な発見は、自尊心の高い人が低い人に比べてより自己愛的であったことである。
対照的に、セルフ・コンパッションは自己愛とは何の関連もなかった。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


「他者よりも優れていなければならないという思い」や「自尊心のとらえどころのない感情への執着」が自己愛(ナルシシズム)と結びついた状態をエゴと表現されているようです。

この自己愛(ナルシシズム)の問題が、「慢性うつ病(気分変調性障害)」や「不安定型愛着スタイル」と深い関係にあるので、次回はそのことを一緒に考えていきましょう。

自己愛人間 (ちくま学芸文庫)

自己愛人間 (ちくま学芸文庫)



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『摂食障害からの回復の初期に取り組んでいくこと』というタイトルで、摂食障害から回復するための治療では、自分の心の中を振り返り気持ちを感じてみること、何が起きたのかを明確にして、対処の仕方を変えること、に取り組んでいくことを説明しました。

この取り組み方を三田こころの健康クリニック新宿では、【自分との関係を改善する(心の状態の変化についての気づき)】、【行動の仕方を改善する(感情・考え・情動のコントロールについての気づき)】と呼んで、対人関係療法による治療で一番大切なプロセスと説明していますよね。

このときに必要なことが「挑戦につきものの一般的な感情に耐える」ということです。このことは、三田こころの健康クリニック新宿では、「心の枠組みを拡げていく」とか「葛藤耐性を高める」と説明していますよね。

ネガティブな考えは身体に反応を引き起こし、これを気持ちとして感じます。摂食障害から回復するためには、自分の気持ちを振り返ることに加えて、身体の感覚にも注意を向ける必要があるのです。

ただこのプロセスは簡単には進まないように感じられます。
実感として感じられないとしても、ちゃんと進歩していることを『素敵な物語』には、空っぽの敷地にビルが建つたとえで説明してあります。

過食症」や「むちゃ食い症」で通院中の方で、薬に頼らない本格的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2018-01-22

ダイエットと過食とセルフ・コンパッション(自慈心)

ネフの『セルフ・コンパッション』にダイエットと過食のことについて触れてありました。

多くの人がダイエットによって体重を減らしているにもかかわらず、肥満の問題を抱える人がこれほどまでに多いのはなぜなのだろうか。
それは個人的な経験からもわかるように、ダイエットが続かないからである。
人々は自分の外見が気に入らないためにダイエットを始めるが、多くの人がそうであるように、ダイエットをやめたときに減った分の体重以上に太る。

たとえば、車内のパーティで食べすぎたあと、心の声はこう呟くかもしれない。
「あんなに食べたなんて信じられない。私は自分に愛想が尽きた。ダイエットが成功する見込みがないから、さらに残ったチップスを平らげてしまおう。」
もちろん、この方法で自分を批判することは、食べることで自分を慰めるという行動へと向かわせる。
食べることに対して負い目を感じているため、食べることで満足しようという矛盾した行動をとるようになるのである。
食べることをやめることが困難であるため、体重の増減を繰り返すダイエット(ヨーヨーダイエット)という悪循環に陥るのが一般的なのはこのためである。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ダイエットが続かない(ヨーヨーダイエットになってしまう)のは、心理学的には次のように考えられています。

ダイエットを始めた初期には、体重減少の効果は目立って表れますが、「停滞期(プラトー)」として知られている時期にさしかかります。そうすると、食事を制限することや運動を継続することに飽きてきます。

これまで続けていた食事制限や運動の習慣が崩れたことに対して、私たちは、「今日だけは特別」だとか、「今まで続けたのだから今日一日くらいはいいだろう。明日からまた再開しよう」などと、理由づけ(言い訳)を始めますよね。

しかし、一度勢いを失った情熱は再び燃え上がることはなく、どんなに気合いを入れて再開したとしても、何となく気乗りがしません。
そうなると、食事やダイエットの話、運動の継続に関わる状況を避けるようになってきます。

実際に食事制限が続かずに、以前の量を食べるようになったり、運動をしなくなったことを後悔したりして、自分の意志の弱さを責めるようになります。

一方で、意志の弱さではなく、「プランに無理があって続けられなかったのかもしれない」と言い訳によって、心のバランスを回復しようとしますよね。

でも気が乗らないのは変わらず、ダイエットや運動の話題を避けるようになり、自分を責め、最後には開き直ってしまい、以前よりも食べる量が格段に増加してしまうのです。

「自分を責める気持ち(自責感・罪責感)」が「良い/悪い」という以前に、「自分を責めることが自分の行動を変えることに役立っているかどうか?」に、まず向き合う必要がありそうですよね。

一方、ダイエットに失敗した際のセルフ・コンパッションに基づいた対応の仕方は根本的に異なる。
まず、セルフ・コンパッションは自分の些細な過ちを許すことから始める。
健康になることが最終的な目標である場合、時々ダイエットに失敗することは大きな問題ではない。
人間は機械ではないため、「カロリー摂取を減らす」というダイアルをひねることで痩せはしない。多くの人の食事目標は変動するものである。二歩進んで一歩下がるのが物事の自然の道理のようである。
ダイエットに失敗したときに自分に慈悲の心を向けることで、自分を満足させる方法として過食に向かう可能性は低減する。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


「自分を責める気持ち(自責感・罪責感)」に対してセルフ・コンパッションを向けることで、「満たされずに失われてしまった気持ち(綺麗になりたい or 健康になりたい etc.)」を埋め合わせるために、食べ物を使う必要がなくなってくるとネフは言っています。

心理学者は過食する人が内なる感情の飢餓感を満たそうとしているのだと解釈している。
彼らは食べるという行為によって痛ましい感情を鈍化させているのである。それは食べ物によって自分を治療する方法でもある。
短期的に見れば、食べ物の快楽にふけることは自分を喜ばせる上で簡単な方法であるが、長期的に見れば過食の影響は好ましくない。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


この過食のメカニズムについては、『素敵な物語』と『8つの秘訣』を読んだことがある方ならよくおわかりと思います。もしまだお読みでなかったら、この2冊は対人関係療法での治療に取り組む際に必須ですから、必ず読んでおいてくださいね。

過食は、ストレスによって起きてくるのではなく、「心や魂の飢え(空虚感)」を「身体の飢え(空腹感)」と錯覚することによって、食べ物を使って「心や魂の飢え(空虚感)」を満たそうとして、逆に孤立の中に閉じ込められてしまう哀しい饗宴なのです。(『身体の空虚感と心の空腹感』参照)

自信を持つために完璧をめざすことをやめたとき、強迫的な執着から解放されて等身大の自分を楽しむことができるようになる。
ありのままの自分であることで、自分にとって本当に重要であることに集中し、健康を維持し、外見を良くすることが可能となる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


完璧を目指すことをやめ、ありのままの自分を認める深い自己受容は、「自己志向」の中核ですよね。

現代に生きる私たちはあまりにも頭(思考)に頼りすぎ、⼼や⾝体をないがしろにしています。
そのため⼼は、過去と未来を⾏き来し、未来を⼼配しすぎ、過去の良くない記憶にとらわれてしまっています。

過食症などの摂食障害だけでなく、慢性うつ病気分変調症)や不安定型の愛着スタイルから抜け出すためには、過去と未来へのとらわれを手放す必要があります。
そのときに役に立つスキルの1つが、ボディ・スキャンです。

ボディ・スキャンの具体的なやり方は、三田こころの健康クリニック新宿で院長に聞いていただくとして、ボディ・スキャンでは⾝体をクッションにし、⼼を⾝体の内に置き、⼼と⾝体をリラックスさせることで、⾝体とともに現在(プレゼント・モーメント)にとどまるマインドフルネスの技法の一つですよね。

摂食障害の治し方を説明していきますが、治療ポイントはあくまでもこの「自己志向」を高めることにあるのだということを念頭に置きながら読んでいただければと思います。
(中略)
多様な価値観を尊重できるかどうか(協調性)は、「自己志向」にかかっていると言っても過言ではありません。自分がある程度満たされていなければ、他人の価値観を尊重すること(他者受容)もできないからです。
また多様性を受け入れる上での「不安」は、やはり「損害回避」との関連が深いものだと思います。「損害回避」に流されることなくきちんと自己コントロールするためにも、「自己志向」は重要なのです。


水島『「やせ願望」の精神病理PHP新書


そして「自己志向」は、摂食障害からの回復だけでなく、対人関係(愛着)問題の修正にも、必要不可欠な重要な要素なのですよね。



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『対人関係療法による摂食障害の治療と『素敵な物語』&『8つの秘訣』』というタイトルで、『素敵な物語』と『8つの秘訣』を対人関係療法にどのように活かせばいいのかについて説明しています。

対人関係療法だけでなく、『素敵な物語』『8つの秘訣』ともに、「過食衝動との向き合い方」が取り組む課題のひとつになります。

「過食衝動」とどう向き合うかは、「考え」と「考えに身体が反応して引き起こされた気持ち」の対処という、【自分との関係を改善する(心の状態の変化についての気づき)】【行動の仕方を改善する(感情・考え・情動のコントロールについての気づき)】に取り組むということです。

上記に加えて「過食衝動」とは、「周囲の人に助けを求める方法」、つまり対人関係療法でいう【他人との関係を改善する(自己概念あるいは関係のなかにおける役割についての気づき)】にも取り組む必要があるのです。

そしてこれらの課題に取り組む時には、「自分の選択に自覚と責任を持つ(自分の人生は自分が主人公)」で説明していることを適用して、「自己批判」や「安心行動(言い訳)」をせずに、主体性を持って取り組むことがすごく大切になります。

摂食障害対人関係療法による治療では、【自分自身との対人関係】【他者との対人関係】に焦点を当てて治療を進めますから、その改善は【集団との対人関係】に波及していき、生きやすく感じられるようになってきます。

過食症」や「むちゃ食い症」で通院中の方で、薬に頼らない本格的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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摂食障害・過食症 の対人関係療法慢性のうつ病や双極性障害の リワーク(職場復帰支援) なら 心療内科専門の三田こころの健康クリニック新宿
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2018-01-15

愛着スタイルと自尊心

対人関係療法では、治療者との関係を通して、患者の心の中に残っている安定型の「内的作業モデル(安定型愛着の島)」を拡張し強化していきますよね。

「愛着障害」ではないかと自己診断、あるいは医療機関カウンセリングでそう言われたと対人関係療法による治療を申し込まれる人たちには、ある特徴がみられるようです。

それは、自分の愛着スタイルが「軽視/回避型」「とらわれ/アンビバレント型」「未解決-無秩序型」のどの愛着スタイルなのかわからない、あるいは言われたこともないということです。
さらにこれらの人たちは、虐待やネグレクトの既往はないのですが、親との関係が悪いとか、対人関係やコミュニケーションが苦手、自尊心が低いと感じていることを「愛着障害」と考えていらっしゃるようなのです。

20世紀の半ばに活躍した著明な社会学者であるチャールズ・ホートン・クーリーは、自尊心の別の起源を特定した。彼は自尊心が「鏡に映る自己」から生まれると提唱したのである。
これは、他者の目にどう映っているのかということに対する認識を意味している。

他者が自分を積極的に評価していると感じるとき、私たちは自分に対して自信を持ち、他者が自分を否定的に評価していると感じるときには自己嫌悪に陥る。
つまり、自尊心は自己判断だけではなく、他者の判断によっても生まれるということである。ここでは、他者に対して自分がどう映っているかという点が重要になる。


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もしかすると、「愛着障害ではないか」と感じられている人は、そのような自己判断や他者からの評価を鵜呑みにして、自尊心の問題として感じられるのかもしれません。

自尊心は親しい友人や家族ではなく、他人からの判断に強い影響を受けることが明らかにされている。次の場合について考えてみてほしい。
母親に「お前は知的で魅力的だ」と言われた場合、あなたはその言葉をどれほど真剣に受け止めるだろうか。
おそらく、「お母さんはそう言うだろう。なぜなら、私のお母さんだからね」と考えるのではないだ
ろうか。

ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


小児期から思春期までは、親からの評価はかなり大きなインパクトをもって内在化されますよね。
しかし、成人である私たちの場合、正確さを測定できない他者からの評価(他者の主観的な判断)や、「○○と思われているに違いない」との根拠のない確信によって、自己肯定感や自尊感情が大きな影響を受けてしまうことがほとんどなのです。

私たちは仲間からの圧力やその種の不安の犠牲になるのは若者だけだと考える傾向がある。だが、大人も自分に対する「他者」の曖昧で根拠のない意見によって気分を左右されるのではないだろうか。
私たちの現実に対する認識はしばしば大きく歪むだけでなく、自分が他者に与える印象に対する強迫観念によって深刻な自己幻想に陥ることがある。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


想像上の相手からの想像上の評価(自分の価値が下がるかもしれない評価)をすごく気にすることを、三田こころの健康クリニック新宿では、「脳内劇場」と呼んでいます。
「脳内劇場」は、「評価への過敏性」を説明しているときにある患者さんが命名してくれた言葉で、その患者さんの許可を得て使わせてもらっているんですよ。

自尊心の高い人は、自分が自尊心の低い人よりも好かれ、魅力的で、他者と良好な人間関係を築いていると考えている。しかし、客観的な観察者はこの見解に対して必ずしも同意することはできない。

ある研究で大学生が自らの対人スキルをどう評価しているのかが検討された。
新たな人間関係を作る能力や他者に心を開いて話す能力、他者と対立した際の対処方法、感情的な支援を提供する能力などが測定された結果、自尊心の高い人は自分がこれらの資質を確実にもっていると報告した。
しかし、ルームメイトによれば彼らの対人スキルは平均的だった(何ということだろう!)。
(中略)
つまり、自尊心の低い人は他者からの承認を過小評価しており、自尊心の高い人は他者からの承認を大幅に過大評価しているということである。
言いかえれば、自尊心の高さは自分が優れた人間であると考えることの結果であり、実際に優れていることを意味していない。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


自尊心の低さは「自分が劣った人間と考えること(ネガティブな自己評価)」の結果であり、「実際に劣っている」ことを意味していない、ということですよね。

ところが「慢性うつ病気分変調症)」の人たちは、特徴である客観的根拠のない直観的思考(思い込み)によって、「ダメな自分がバレてしまうと生きていけない」と、あるべきことやなすべきこと(理想化された自己実現)に終始し、できない状態を引き起こす精神状態を認識することができません。
そのため、理想を目指す自分に対して承認する愛情的側面に乏しく、自分を責めるだけの迫害的なものになってしまいます。

この迫害的な超自我は他者に投影され、いつも他者から批判的に評価されているように感じてしまうだけでなく、他者が賞賛したとしても受容できず、「もっと頑張らなければ」と考えて苦しくなってしまうのです。
ですから、「慢性うつ病気分変調症)」の人は、治療に助けを求めないのです。

こうやってみてくると、「愛着障害ではないか」と思ったり言われたりした人は、どうも「慢性うつ病気分変調症)」でもないみたいですよね。

私、つい「他人の目」を気にしてしまいます。

私、つい「他人の目」を気にしてしまいます。 "自意識過剰"から抜け出す8つのヒント



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『摂食障害からの回復過程の紆余曲折をどう意味づけるか』というタイトルで、対人関係療法による治療初期に感じることの多い苦しさや辛さへの対処法について説明しています。

素敵な物語』『8つの秘訣』を使って【自分自身との関係を改善する】最初の課題は、「自分の気持ちをよく振り返る」ことに取り組むこと、つまり、それまで覆い隠されていた無数の気持ちとのつながりを取り戻すことなのです。

このプロセスは、過食や嘔吐を使って気持ちを感じないで済むようにしていた人にとっては、けっして会いたいとは思わなかった気詰まりなよそ者のような自分と向き合うことが、この上なく苦しいことのように感じられます。

そのときに、心の中で起きていることと現実で起きていることの区別を実感してもらうために、患者さんに簡単なイメージ・ワークを体験してもらうことがあります。皆さんもやってみてくださいね。

たとえば、レモン、あるいは、梅干しをイメージしてみてください。

頬のあたりがキュンとなって、口の中に唾が溢れてきますよね。

想像上のレモン梅干しが、唾液分泌という現象を引き起こしたのですが、レモン梅干しはイメージであって実体があるわけではありません。

心の中で起きることは、このように「現象は起きるが、実体はない」ものなので、変化に伴う一次的な苦痛を乗り越えるために必要なことは、「誰しも感じる感情を苦悩に変えないこと」で、「しっかり感じているとむしろ圧倒されにくくなる」体験を積み重ねていくことですよね。

そして、たとえ行動を変えることができなくても前に進み続けているときもあるということを、しっかり覚えておいてくださいね。


過食症」や「むちゃ食い症」の方で、本格的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2018-01-09

愛着ホルモンと自分自身との対人関係

社交不安障害に対してマインドフルネスによるストレス低減法(集団療法)を行った治療反応率は39%で、認知行動療法の67%より低かったというデータがあります。(Behav Res Ther, 45: 2518-26, 2007)
ちなみに、支持的精神療法と対人関係療法の反応率は、それぞれ47%と42%です。

マインドフルネスは、抑うつや不安に対して効果があると喧伝されていますが、実際にはどうなのでしょうか?

ネガティブな感情を拒絶する方法としてセルフ・コンパッションを実践した場合、ネガティブな感情が残るだけでなく、事態を悪化させることがしばしばある。

ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


自分自身との関係を改善する心の姿勢とは?』で触れたように、ネガティブな感情を拒絶しようとすると、マインドフルネスが「体験の回避」になってしまい、逆効果になるということですよね。

ネガティブな思考や感情を無くそう、あるいは変えようとする試みは、逆に、ネガティブな思考や感情を増大させてしまいます。
対人関係も同じで、相手を変えよう、変わってもらおうとしても、なかなかうまくいかないどころか、逆に関係が悪化してしまいますよね。

成人期の愛着の問題(いわゆる“愛着障害”)を解決するために、年老いた親にカウンセリングを受けてもらうなどの「再養育」がうまくいかないのは、「親が変わってくれなければ、自分は変われない」との思い込みが問題のようですよね。

しかし、時間が経過する中でセルフ・コンパッションが劇的にネガティブな思考や感情を消し去らないことに人々が気づくことで心酔の段階から覚めるようになる。
セルフ・コンパッションは苦痛やネガティブな経験を消し去るのではなく、優しさで包み込むことでネガティブな経験を自然に変化させることを忘れてはならない。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ネガティブな思考や感情、対人関係そのものが問題なのではなく、それらとの関わり方(相互作用)がうまく機能しているかどうかをみていく必要があるのです。
効果か回避かの峻別はなかなか難しいのですが、日常生活のどういう面と関連しているのかをみていくと同時に、不快な状況や感情を避けること(feel “GOOD”)から、感じてみること(“FEEL” good)を通して、望む生活を構築していく、変化の対象を広げる文脈への視点が必要になります。

過食症から完全に回復したある患者さんが、「「過食を止めるため」に対話をしようとすると、結果的に過食に至ってしまったときにどうしても病気さんを責めるような気持ちになってしまう」ので、「病気さんも自分の一部であって敵ではないから、病気さんを抱きしめてあげるようなイメージ」を持つようにしたとおっしゃっていました。

このように、セルフ・コンパッションの土台は自分の心との向き合い方、対人関係療法で強調する「自分自身との対人関係」を土台にしていますよね。

自分の内なる声を見つけるためには、自分と向き合う時間と自分を慈しむことの大切さに気づく必要があります。
他人との関係から離れて時間をとり、自分の考えや気持ちと静かに時間を過ごせるようになると、心が必要としている糧を得られるようになります。
また、自分の感情、価値観、そしてリズムを見つけることができます。


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他者との関係から離れて自分の心を見つめるとき、愛着ホルモンとして知られている「オキシトシン」の分泌が増えることが知られています。
オキシトシンは、恐怖と不安を減少させ、ストレス刺激に対する耐性を高め、孤立によるネガティブな影響から個体を保護していることが最近の研究でわかっています。

またオキシトシンと共に働く「バソプレッシン」は、互いの受容体に影響し合い、常にではないですが、正反対の方向に働くこともあることが知られています。
たとえば、オキシトシンがストレス経験に対する行動および自律神経系の反応性を減少させる傾向があるのに対して、バソプレッシンは覚醒と防御性を高め、行動および生物学ストレッサーに直面した際に、適応的な機能を果たすと言われているのです。

人生が苦痛を伴うものであり、すべての人間が不完全であるという事実が人生の切り離せない部分であることがわかるようになる。
(中略)
むしろ、幸せは喜びや苦痛、強さと弱さ、成功と失敗が人間の経験を必須のものであり、自分自身と人生をありのままの状態で愛することから生まれるものである。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ある高名な先生は、マインドフルネスをストレス状態とリラクセーション状態の中間で、「心ここにあらずの状態」の対極の「目覚めの状態」と位置づけておられます。
過日、その先生に直接質問してみました。
マインドフルネスが緊張状態と弛緩状態の中間であるにしても、「心ここにあらずの状態(散乱/掉挙)」の対極は「過集中(没我)」であり、マインドフルネスあるいは目覚めの状態とは違うのではないですか?
そして、昏沈と明晰という覚醒度の軸も必要なのではないですか?と。

マインドフルネスによるストレス低減法で低い効果しか得られなかったのは、もしかするとマインドフルネスがオキシトシン一辺倒の「平穏さと自由に心を奪われ」た昏沈状態を目指していたため、現実問題に対処するバソプレッシンの適応的な機能(明晰さ)が発揮できなかったのではないか、と考えられますよね。

真の意味でマインドフルであることは、日常行為(社会的行動)の中で、オキシトシンとバソプレッシンが協働した状態を維持すること、つまり、交感神経と副交感神経がバランス良く覚醒した「リラックスした明晰な状態を保ち続けること」であり、これが「自分自身と人生をありのままの状態で愛すること」なのですよね。

もう、不満は言わない 実践編 (ブレスレット2個付)

もう、不満は言わない 実践編 (ブレスレット2個付)



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では『摂食障害から回復するための「自己志向」の取り組み方』というタイトルで、まず「自己志向」「自己組織化」を明確にして、「自尊心」「自己評価」との違いについて説明しました。

そのうえで、【自己志向】の中核となる「深い自己受容」は、どんな自分も認めることができる「自分らしさ」であり、自分に関する感じ方を変える上で、他者に頼る必要がないことも解説しています。

そのためには、「自分が何を感じているのかを知覚する」必要があり、最初のうちは、治療者によって示してもらう(リフレクトあるいはミラー)必要があることを書いています。

過食症」や「むちゃ食い症」の方で、薬に頼らない本格的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2017-12-25

自分を責める悪循環から抜け出す

インナーマザーとインナーチャイルドの和解と統合』で説明したように、養育者からの十分なミラーリング(照らし返し)が得られないと、心の中に自分のものかどうかよくわからない「ヨソモノ自己」が形成されます。

本来、愛着(アタッチメント)の主な働きは情動調整なのですが、苦痛を感じたときに「ヨソモノ自己」は情動調整することができずに混乱し、心と身体を内側から攻撃してしまいます。

ギルバートのもとを訪れるクライアントの多くは、親から身体的、感情的に虐待を受けた経験を持っている。
そのため、彼らはしばしばセルフ・コンパッションに対して恐怖心を持っており、自分に優しくすることが難しい。これは、思いやりと配慮を与えるべき親に傷つけられることで、彼らが裏切られた経験を持つためである。
この経験があるため、彼らは温かさの感情を恐怖感と混同して捉え、セルフ・コンパッションの実践を困難なものとしている。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ダービー大学のポール・ギルバート医師は、「The Compassionate Mind(未邦訳)」の著者でもあり、深刻な恥の感覚や自己批判に苦しむ人々を支援するための「慈悲的な心のトレーニング(CMT)」と呼ばれるグループ療法を開発されているそうです。

自己批判(自責)を繰り返して来た人の中には、ジョン・アレンのいう「愛着トラウマ」を経験した人だけでなく、虐待やネグレクトなどの経験のない人も含まれているようです。

ギルバートの研究によると、身体的、精神的な虐待の経験のない人の間でもしばしば自分に対して慈悲的な心を向けることをおそれている人がいることを示唆している。
彼らは自分の欠点と向き合うために自己批判を用いなければ自分が弱くなったり拒絶されたりするのではないかと恐れている。
慈悲の心に対する恐怖感は自分に優しく向き合う上での障害となり、自己判断と劣等感を深刻化させることになる


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


まるで気分変調症不安障害の患者さんの感じ方とソックリですよね。
これらの人たちは、「特定の他者や見知らぬ他者(いわゆる“世間”や“みんな”)」に対して、「ヨソモノ自己」を投げ込み、「ヨソモノ自己」そのものとなった相手から攻撃されているように感じてしまうのです。

患者さんたちは「罪悪感」という言葉をよく使いますが、その正体は「自責感」ということですよね。

見知らぬ他者からの評価という危険性に対して、思考を現実と思い込み、思考野が極端に狭まって、恐怖と回避のサイクルに陥ってしまうと、そこにはメンタライジング(自分の心の中を見わたすこと)はほとんど行われていません。

このような日常生活レベルでの対人関係(二者関係や集団との関係)問題を解決するためには、メンタライジング(自分の心と他者の精神状態を見わたすこと)を通して、少しずつその人について知ることで恐怖を和らげ、その人が本当に危険な人物であるときにのみ回避を促進することができるようになります。

特に自分が無価値だと感じている人がセラピーの初期に体験する段階が「バックドラフト」である。
(中略)
同様に、継続的な自己批判に慣れている人が自分に対して親切で優しいアプローチを取ったときに怒りや激しい消極性におそわれることがある。それはあたかも、無力であると思い込んでいたあまり、「無価値な自己」という自己像が優しさに触れて存在の危機にさらされたかのようである。
当然のことながら、このバックドラフトに対処する方法は過去の経験をマインドフルな方法で受け止め、激しい消極性に対して慈悲の心を向けることである。


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自己批判(自責)を感じなくてすむように、気持ちを感じなくしたり、食べ物を使って麻痺させたりしていた人が、自分と向き合い始めると、怒りや恨み、依存欲求、そして意味を見失った空虚感と抑うつが吹き出してきます。
過食症やむちゃ食いの治療に取り組み始めた初期に過食が増えるのは、このような理由からなのです。三田こころの健康クリニック新宿では、このプロセスを「パンドラの函」と例えていますよね。

ギルバートは親に虐待を受けた人が恐怖や失望を感じないために、ゆっくりとセルフ・コンパッションの技術を習得すべきだと忠告している。

ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


過食症やむちゃ食いの人では、治療開始前に指定された本(『素敵な物語』と『8つの秘訣』)を読んでもらいますが、『思考と現実の錯覚から抜け出す』で触れたように、「本を読むと過食衝動が高まるので読めない」方もいらっしゃいます。

この衝撃(バックドラフト)を緩衝していくために、過食衝動が高まったという「結果」ではなく、「過食衝動が高まったということは、「衝動の波に乗る」ことが課題だとわかったわけですから、一歩進んでいる」という「プロセスの意味を理解する」ことが必要ですよね。
そのサポート目的で三田こころの健康クリニック新宿の【専門外来】では、摂食障害の【ガイド付きセルフヘルプ面接】を行っているのですよ。



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では、『自摂食障害から回復するために必要な「自己受容」』というタイトルで、摂食障害から回復していくために、「現在に積極的に関わりながら、新しいことに気づき(差違への注意深さ)、文脈に対して敏感になっているような、柔軟な心の状態(多様な視点のアウェアネス)」を身につけていく必要があることを解説しました。

「柔軟な心の状態(多様な視点のアウェアネス)」を用いて、対人関係を「自分自身との関係」「他者との関係(二者関係)」「集団との関係」の3つの文脈で読み解いていくプロセスの中核にあるのが「自分自身との対人関係」だということです。

また『8つの秘訣』からの引用で、摂食障害から回復した人が実践していたのは、「ノートを書く(ジャーナリング)」「体重を測らない」「人に助けを求める」の3つの行動だったことも紹介しています。

認知行動療法対人関係療法など、過食症にエビデンスのある精神療法が有効に作用するためには、生物学的に正常な状態であることが大前提です。
生物学的な自分という土台のうえに、自己概念としての自分を認められるようになること、つまり、「乱れた食行動を克服するということは、自分という人間を丸ごとありのままに受け入れること」であり、摂食障害から回復するということは、摂食障害行動がゼロになって、かつ、「体型のことがまったく気にならずに何でも食べられるようになる」ということなのです。

過食症」や「むちゃ食い症」から本気で回復したいと願っていて、根本的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2017-12-18

マインドフルネスと愛着(アタッチメント)関係

マインドフルネスストレス低減法、マインドフルネス認知療法など、心理療法の分野でもマインドフルネスを使った治療法が紹介されたり、精神科治療学でも特集が組まれるなどマインドフルネスが隆盛をみせていますが、私自身は長年専門的に修行してきた立場から危機感を抱いています。

マインドフルネスは抑うつや不安の回避方略もしくは自己暗示として使われる可能性があることにネフも注意を促していますよね。

しかし、うつ状態や不安な精神状態を回避するにはマインドフルネスだけでは十分ではない。
(中略)
セルフ・コンパッションはネガティブな感情の持続時間を短くするが、ネガティブな感情を嫌悪して避けてしまうことのないようにすることも忘れてはならない。
(中略)
ネガティブな思考を消去しようとすると、それが裏目に出る点に問題がある。精神的・感情的な苦痛に対する抵抗は苦しみを悪化させる。潜在意識はどのような回避や抑圧をも記録してしまうため、私たちが回避しようとしている苦痛は最終的には増幅してしまう。

心理学者は好ましくない思考や感情を意図的に抑制する能力を対象に無数の研究を行ってきた。その結果は明らかであった。私たちにはそのような能力はないのである。
通説的に、好ましくない思考や感情を意図的に抑制しようとする試みは、抑制しようとする対象を強化することになる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


マインドフルネスあるいは瞑想を、抑うつや不安を軽減するために用いると、気分が改善したような気がするかもしれませんが、現実に戻ったときに何も変わっていないことと直面することになりますよね。

マインドフルネスや瞑想をしてみようと思った動機(あるいは意図)を明確に認識する必要があります。
マインドフルネスや瞑想は心を見わたす作業ですから、このような意図がわからないやり方は、回避方略につながってしまうのです。

そして、もう一つ非常に大切なことをネフは示しています。

時として、私たちの心はネガティブな状態にはまり込むことがある。この場合、積極的に自分をなだめる必要がある。
悲観的で感傷的になっている自分に優しくし、生得的な他者とのつながりを思い出すことで、私たちは他者からの思いやりを受け、受容性、安心感を感じるようになる。ネガティブな感情の負のエネルギーを、愛と社会的な関係性などの正のエネルギーでバランスを取るのである。
これらの感情の温かさや安心感は続いて身体の脅威システムを無力化することで愛着システムを活性化させる。
これにより、扁桃体が鎮静化されることでオキシトシンの生産を向上させる。幸運なことに、オキシトシンが私たちのネガティビティバイアスを抑制することが研究によって実証されている。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ネフが重視していることはセルフ・コンパッション(自慈心)ですが、これは自分で自分自身に安定型の愛着(アタッチメント)を向けるということでもあるのです。
そして愛着(アタッチメント)は、自己定義と他者や社会との関係性とバランスを取る必要があるということです。

言い換えれば、人は、メンタライズすることとマインドフルであることによって―――つまり、自分の感情に注意を向けること、それを受け入れること、その根底にあるものに興味を持つことによって―――情緒的苦痛に対処することができるだろうということです。
このような態度で、人が他者を慰めるか他者からの慰めを受け取るのとちょうど同じように、人は自分自身を慰めることができるでしょう。


アレン『愛着関係とメンタライジングによるトラウマ治療』北大路書房


西洋から逆輸入されたマインドフルネスの概念には個人主義が貫かれており、もともとの自己と他者のつながり、つまり社会性や協調性が抜け落ちる危険性をいつも孕んでいます。
幸福の探求』の著者でチベット仏教僧のマシュー・リカールは、「スナイパーのマインドフルネス」や「思いやりのマインドフルネス」で巧みな動機づけと無執着の姿勢(見解)、献身の重要性について述べています。

三田こころの健康クリニック新宿では、「自己志向(自己受容+価値・目的の創造と行動)」と「協調性(他者受容+共感+協働)」のバランスを取ると説明していますよね。

ネガティブな感情をポジティブな感情で置き換えることなく、ネガティブな感情を受け容れることで新しいポジティブな感情を生み出す点にセルフ・コンパッションのすばらしさがある。

ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


自己志向のうちの「自己受容」は、ネフがいう「自分に優しくすること」「私たちは世界を共有している」「ありのままの世界に対してマインドフルになる」という「セルフ・コンパッション(自慈心)」と共通しますし、これが自分自身に安定型の愛着を向けるということなのですよね。

「母と子」という病 (ちくま新書1226)

「母と子」という病 (ちくま新書1226)



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では、『摂食障害からの回復には心の姿勢を明確にすることが大切』というタイトルで、自分自身の心と向き合い、心を心で感じてみるときに必要な【COAL(好奇心・寛大さ・受容・愛情の英語の頭文字)】という心の姿勢について説明しました。

この心の姿勢は、「摂食障害の部分」と「健康な部分」の闘いを終わらせ(和解し)、「摂食障害の部分」をもう一度「健康な部分」に統合するために必要不可欠なのです。

過食から先に治そうとすると、「本当の問題」の解決に使うエネルギーが無駄に使われてしまって、結局は治りが遅くなります。
(中略)
本当に向き合うべきなのは、過食ではなく、これらの不安・不満・退屈といったものなのだと思います。そして、それらに直接向き合おうとするのが対人関係療法です。


水島『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店


上記にある「過食から先に治そうとする」ことは、過食衝動を抑えつけたり、過食をガマンしたり、という感情回避行動です。

向き合うべき「本当の問題」は、摂食障害の部分」と「健康な部分」の闘いという「自分自身との対人関係」であり、「自分自身との関係を改善する」ことが、摂食障害から回復するために最初に取り組むプロセスなのです。

過食症」や「むちゃ食い症」で、根本的な治療希望される方は、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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2017-12-11

抑うつと不安に向き合う

不安性の苦痛を伴う抑うつ状態』で、「抑うつ神経症」あるいは「神経症性抑うつ」から「気分変調症(持続性抑うつ障害)」が定義されたときに、気分変調症全般性不安障害パニック障害は罹病期間だけが異なる類縁の疾患と考えられていたことを紹介しました。

抑うつ状態は自分の心をふり返る(メンタライズする)ための心的エネルギーが枯渇しているので、他者の精神状態に無関心になり、対人関係を避ける傾向がありますよね。
ところが一方、自分の問題や他者が何を考えているかについて何度も何度も繰り返し考えるという意味で、非機能的にメンタライズしすぎることがあります。
このような考えへの没頭は、「反すう思考」と呼ばれます。

心がネガティブな思考にはまると、壊れたレコード・プレイヤーのように何度も同じ思考を反復することになる。
このプロセスは「反すう」(牛が喰い戻しを噛むことを表すときに使われるのと同じ言葉)と呼ばれ、うつ状態と不安の両方の原因となる。これは再発を起こし、煩わしく、制御不可能な思考の形式を伴う。

過去の出来事に対するネガティブな反すうはうつ状態へと繋がり、未来に対するネガティブな反すうは不安へと繋がる。
うつ状態と不安が密接に関連しているのは、いずれも反すうする傾向性を原因としているからである。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


反すう思考によって、不安が抑うつをもたらし、逆に抑うつが不安をもたらすこともあります。
カレン・ブラウンは、抑うつに結びつく「意味としての喪失」と、不安に結びつく「意味としての危険」を区別しています。

シドニー・ブラットの「関係性」と「自己定義」の2つの極性を合わせて考えると、不安と危険は関連して「喪失の予測(関係性の問題)」に当てはまるだけでなく、「屈辱を味わう可能性(自己定義の問題)」にも関連してくるということです。

あなたが反すうし、不安やうつ状態に苦しむ傾向がある場合、自分を批判しないようにすることが重要である。
ネガティブな思考に対する反すうが安全を確保したいという感情に起因していることを忘れてはならない。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ジョン・アレンは、抑うつはポジティヴな情動状態が低水準であり、不安は不安を伴う覚醒水準が高水準であると述べています。

抑うつの場合と同じく、不安や脅威感受の水準が高いことは、メンタライジングにとっては大敵です。
脅威は、闘争―闘争反応を活性化し、闘争―闘争反応はメンタライジングを停止させます。(中略)したがって、人は、不安になると、他者の行為を敵対的または悪意があると――そして自分自身を無能で無力であると――誤解しやすくなります。

言わずとしれたことですが、不安と抑うつは、両者が結びつくと、思考の内容を妨害し(さまざまな誤解)、おまけに思考の方法を妨害する(思考が頑なになる)ことによって、メンタライジングを歪めてしまうのです。


アレン『愛着関係とメンタライジングによるトラウマ治療』北大路書房


思考の内容と方法の歪みによる抑うつと不安に向き合うには、思考や感情は現実ではないことに気づくこと、そしてその内容を信じる必要がないことを思い起こすことが非常に重要です。

中立的な意識でネガティブな思考を受け容れた場合、ベルクロのように執着することなくそれらに注目することができる。
マインドフルネスはネガティブな思考や感情が思考や感情以上のものではなく、それが必ずしも現実ではないことに気づかせてくれる。
ネガティブな思考や感情は認識されるが、その内容を信じる必要はないため、重要視されないのである。ネガティビティバイアスのかかった思考や感情は自然に生起して消滅する。
そのため、私たちは人生で起きるあらゆるできごとに対して慌てることなく対処することができる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


そしてネフは『感情を感じてみるということ』で紹介したように、思考や感情を身体で感じてみることを勧めています。

ネガティブな思考に対してマインドフルな方法で関わる方法の1つとして、それを身体的な感覚として意識することが挙げられる。これは馴染みのない考え方のように思われるかもしれないが、すべての感情は身体で感じることができる。

怒りはしばしば顎や内臓の緊迫感、悲しみは目の周りの重み、恐怖は喉を掴まれた感覚として経験される。感情の身体的な表出は人によって異なり、時間の経過によって変化するが、注意を払うことでそれらを辿ることができる。

特定の感情がなぜ自分を不幸にしているのかについて考えるのではなく、身体的なレベルでそれを体験した方が「今」に留まることができるのである。
「胸に緊張感がある」と「彼女が自分にああ言ったことが信じられない。彼女は何様のつもりなんだろう?……」と考えることには違いがある。
体を基盤に考えることで、私たちはネガティブな思考の中で自分を見失うことなく苦痛をなだめて癒すことができる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


関係性と自己定義の視点から考えてみると、抑うつや不安との向き合い方は、対人関係療法でいう「自分自身との関係を改善する(心の状態の変化についての気づき)」ということですよね。



三田こころの健康クリニックの『聴心記』では、『摂食障害から回復するためにジャーナリングに取り組んでみる』というタイトルで、三田こころの健康クリニック新宿で勧めている「ジャーナリング(こころとの対話を記録すること)」のいくつかを紹介しています。

三田こころの健康クリニック新宿では、患者さんに対人関係療法の課題に取り組んでもらうのではなく、対人関係療法を患者さんの文脈に合わせるという治療法を取っています。

その中で一番大切なのが、自分自身とのコミュニケーション、つまり、「自分を振り返ること(リフレクティブ機能/メンタライジング)」で、「自己の組織化(自分の行動を説明し、首尾一貫した自己体験の連続体をつくり出すこと)」なのです。

摂食障害から回復するために、「摂食障害の部分」と「健康な部分」の闘いを終わらせ、「摂食障害の部分」と「健康な部分」を統合していく、「自分自身との関係を改善する」プロセスなのです。

自分の心をふり返ることと同時に、他者の精神状態に関する認識をふり返るメタ認知を合わせたものを「メンタライジング」あるいは「リフレクティブ・ファンクション(省察能力)」と呼びます。
「メンタライジング」は「心に対するマインドフルネス」と同じ意味で、青年期から成人期では、自分自身に安定型の愛着(アタッチメント)を提供するための「行動主体自己(心を見わたす私)」という主体性を取り戻す過程でもあるのです。

過食症」や「むちゃ食い症」から完全に回復したいと思っていらっしゃる方は、、三田こころの健康クリニック新宿の専門外来に申し込んでくださいね。

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