Hatena::ブログ(Diary)

如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-05-23

「過食性障害」と「むちゃ食い障害」の違い

精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)では
不適切な代償行為を伴う、いわゆる過食嘔吐を伴う過食症
「神経性過食症」と呼ぶことになり、
過食嘔吐を伴わない過食症(非排出型の過食症)は、
「過食性障害」と診断されることになりました。

非排出型の過食症(DSM-5でいう過食性障害)は、
典型的には過食嘔吐を伴う拒食症や排出型の過食症から
自己誘発嘔吐が消失した「過食エピソード」だけが遺残した状態なのですが、
「過食性障害」の中には「むちゃ食い障害」も混在しています。

そもそも「過食(binge eating)エビソード」とは

  • 他とはっきり区別される時間帯に(例:任意の2時間の間の中で)、ほとんどの人が同様の状況で同様の時間内に食べる量より明らかに多い食物を食べる。
  • 食べることを抑制できないという感覚。(食べるのをやめることができない、食べるものの種類や量を抑制できない)

という2つの基準を満たし、同時に以下の5項目のうち

  1. 通常よりずっと早く食べる。
  2. 苦しいくらい満腹になるまで食べる。
  3. 身体的に空腹を感じていないときに大量の食べものを食べる。
  4. 自分がどんなに多く食べているか恥ずかしく感じるため1人で食べる。
  5. 後になって、自己嫌悪抑うつ気分、または強い罪悪感を感じる。

3つ以上を満たすものと定義されています。

自己誘発嘔吐のあるなしにかかわらず「過食症」では
上記の診断基準を満たすものを指すことになっているのですが、
診断基準に合致する「過食(binge eating)」以外にも

  • 大量の食べものを短時間に一気食いする(客観的binge-eating)
  • 通常量の食べものを一気食いし止められない(主観的binge-eating)
  • ダラダラ食い(grazing)
  • 大量の食物摂取だが制御できる(客観的食べすぎ:overeating)

なども一般的には過食と呼ばれているので、
「いわゆる過食」を主訴に受診する患者さんの中には
摂食障害と診断できない人もかなりいらっしゃるのです。

とくに「過食性障害」のうち「むちゃ食い障害」では
「過食(binge eating)」以外にも「ダラダラ食い(grazing)」や
「大食(overeating)」などが約半数でみられると報告されています。

「むちゃ食い障害」は拒食症過食症(排出型)に移行することはなく
「ダラダラ食い(grazing)」や「大食(overeating)」の経過中に、
いきなり過食(binge-eating)で発症することが多いことが知られています。

「むちゃ食い障害」に対する薬物療法の有効性については不明で
食事指導を行うと、反動で過食衝動が増悪しやすいのが特徴です。
ですから、過食を止めようと食事制限やダイエットをすると
確実に悪化しますので、早めに治療を受けてくださいね。

三田こころの健康クリニックで対人関係療法を行った経験からは
「過食性障害」のうち「非排出型の過食症」の対人関係療法による治療では
「評価への過敏性」が治療焦点になることが多いのですが、
「むちゃ食い障害」で同じように「評価への過敏性」に焦点を当てても
非排出型の過食症ほど治療反応性は高くない印象があります。

最近の脳科学の研究では、「過食性障害」では

  • 状況判断なくすぐ行動に移してしまう(性急自動衝動性)
  • 少ない報酬でも早く得ようとする(衝動過敏性)

という報酬系の異常が指摘されていることから
対人関係文脈よりも個人的要因の関与の方が大きいと考えられます。

「むちゃ食い障害」の対人関係療法による治療では
自己客観視する力をつけ、感情耐性を高める取り組みが必須ですからで、
対人関係療法のすすめ方にも工夫が必要になります。

とくに「ダラダラ食い(grazing)」を併発する「むちゃ食い障害」では
「嗜癖(アディクション)」として扱うことで治療できる場合がありますから
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』
摂食障害から回復するための8つの秘訣」の解説は今回で最終回になります。

コミュニケーションを通じて自分のまわりの対人関係に関することに変化を起こし、
自分のまわりの人たちとのつながりを回復し自分自身とのつながりを高めていく
従来の対人関係療法でのやり方では
最近の「過食症」や「むちゃ食い障害」の人(「新奇性追求(冒険好き)」が低い)では
うまくいかないことが増えてきていて
いい方法はないのだろうか?と悩んでいた時期に『[8つの秘訣』にであったのです。

対人関係でのコミュニケーションは
自分自身の心のつぶやき(内言語)である思考や感情に影響を与えますし、
一方、思考や感情は、コミュニケーションに反映されます。

日本語は言葉と意味、心の状態との結びつきが強いため
出来事のとらえ方と心の姿勢(動き方)、
あるいは表象(内的現実)との向き合い方とともに
コミュニケーションの仕方(対人関係)の
両方に取り組む必要があるのですよね。

過食に苦しむ多くの方が、自分のなかで何が起こっているのかわからない、と感じています。
そのために、重要な対人関係の問題に目を向けることが難しくなるのです。
食べ物には、気持ちを鎮め、落ち着ける効果があります。
自分の気持ちにもっと気づけるようになれば、気持ちを落ち着かせるために食べ物に頼らずにすむようになるでしょう。
今まで、過食は、あなたが自分を大切にするためにとってきた方法だったのです。
残念ながら、この方法にはあまり効果はありませんでしたし、それどころか、逆効果でした。
あなたは自分をコントロールできないと感じ、やる気を失ってきたのですから。
食べたいという願望のきっかけになるのが何なのかを知ることができれば、こういった問題にもっと直接取り組むことができるようになるでしょう。

ウィルフリィ『グループ対人関係療法創元社

8つの秘訣』で自分と向き合いながら
対人関係療法に取り組んでいくことを通じて
多くの人が摂食障害から回復されることを願っています。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-05-16

摂食障害の人の心と体と対人関係

摂食障害はコミュニケーションの問題でもあり、
コミュニケーションの問題は他者との間だけでなく
自分と向き合うときの問題でもあるのです。
(『自分の心への向き合い方と対人関係』参照)

摂食障害の患者さんの食べものに対する態度の
「食べられるもの(良いもの)/食べられないもの(悪いもの)」という
二極化した関係は、対人関係にも投影されていますよね。

対人関係に対して「支配する/支配される」という態度は
自分の中でうごめく感覚や感情に対しても

  • 身体感覚をかたくなに過剰に支配する
  • 空腹感を抱えてどうしようもなくて混乱する

のどちらかに偏ってしまいがちです。

私たちは小さい頃から、感情を身体感覚として理解しています。
たとえば、驚いたり、怖くなったりすると、身体が反応しますよね。
それに対して、言葉を当てはめることで自分が体験したことがわかり、
受け容れることができるようになるのです。

しかし、「なにが起きたのか?」という内言語での理解ができないと
身体には満たされない感覚だけが残り、違和感しか自覚されません。

抑圧されて取り残されてしまったそのような感情は、
気持ちが沈むとか、やる気がでない、という心理的な症状の他にも
頭痛、肩や首の凝り、吐き気などの身体症状を引き起こします。

症状が象徴的に指し示している意味がわからないと
症状を消し去ろうと行動したり、あるいは
満たされなさや違和感に対する怒りとして表現されることで
対人関係の問題を引き起こしやすくなるのです。

摂食障害の患者さんが食べものや身体イメージに固執したり、
過食や過食嘔吐を無くそうと絶食したり、ダイエットしたりすることは
対人関係で、何とか相手をコントロールしようとすることに似ていますよね。

症状だけを無くそうと取り組むことで、
症状を客観的に見つめたり
症状の背後にある意味を理解するのが困難になり、
その結果、挫折感しか残らずに、逆に症状に支配されてしまって、
対人関係も回避するようになってしまいますよね。

対人関係療法では、摂食障害の症状の意味は

  • うまくいかないのではないかという怖れ(脳内劇場)
  • 拒絶されるのではないかという恐れ(学習性無力感

に伴う「憤懣・不満」をため込んできた「評価への過敏性」
と考えますよね。

対人関係療法で取り組んでいく課題のうち

  • 自分のまわりの状況(とくに対人関係に関するもの)に変化を起こす

を通じて「まぁ何とかなるという自己効力感」が培われてくるためには
もう一つの課題である

  • 自分の気持ちをよく振り返り、言葉にしてみる

ことで「自己肯定感」も高めていく必要があるということなのです。

クリストフ・アンドレは『自己評価メソッド』の中で、
自己評価を改善する、つまり自尊心を回復するためには

  • 自分との関係を改善する
  • 他人との関係を改善する
  • 行動の仕方を改善する

という3つの領域での努力が必要だと述べています。

対人関係療法の終結後の課題は
拒食症・過食症を対人関係療法で治す』P.251にあるように、

  • これだけの病気を生き抜いてくれた身体に感謝しながら、少しずつ『身体の声を聴く』練習

ということになります。
これが、アンドレがいう「自分との関係を改善する」プロセスになります。

「自分との折り合い(自分への信頼感)」を通じて、
他者にも慈しみの気持ちを向けられるようになる
「周囲の人との折り合い」をつけていくことで
「自分はこれでいい」という自己肯定感が育つことを
身体感覚として享受していくことになります。

ダニエル・シーゲルは『The Mindful Brain』の中で

自分と調和することと他者と調和することが同一であることは、それに関する大脳前頭前野の部位が共通していることからも言える。

と、自分の経験を振り返って俯瞰することで
自分なりの対処可能なやり方を受容し、
それを育み続けていく必要があるということですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害の治療はつながりを回復するプロセスというタイトルで、
8つの秘訣』では抵抗も闘いもせず受け容れること、
つまり自分の感情や思考をあるがままの状態で認めることで
その先にある、価値に沿った行動や生き方ができるようになる
ことの重要性を強調しています。

そのためには、身体も含む自分自身への信頼感の回復と
周囲の人たちとのつながりの回復という
トラウマからの回復と似たようなプロセスが必要になるのです。
(『摂食障害の不安に向き合う』参照)

そのため過食症やむちゃ食い障害からの回復に
対人関係療法がお役に立てれば何よりです。

2020年までに日本にも摂食障害専門治療施設をつくろうプロジェクト」で
摂食障害に関する9つの真実』が公開されています。
★摂食障害に関する9つの真実_EDhopejapan」からもダウンロードできますので
参照してみてください。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-05-09

愛着方略と役割期待の不一致の解消

バーバーとミュエンツら、およびソツキーらは、
認知行動療法は、既婚あるいは同居者のいる患者で有効なのに対し、
対人関係療法は、非婚・別居・離婚した患者(お一人様)に有効だったと報告し、
「役割期待の不一致(不和)」に対する効果は
対人関係療法の方が低いのだろうか?と疑問が呈されています。

この要因はいくつか考えられますが、
一つには重要な他者(両親あるいはパートナー)との
アタッチメント(愛着)方略の相性を考えてみると
理解しやすいと思います。
対人関係療法では不思議なことに相性のことは話題にしませんよね)

クリッテンデンの愛着の力動的成熟モデル(DMM)では
安定成熟したタイプB方略の他に、
自分の感情を抑圧し、相手の顔色を読み、親密さを避けながら
過剰に適応する(いわゆる良い子)タイプA方略、
アクレッシブに感情を発露し懲罰的または蠱惑的に相手を隷従させるタイプC方略
があるとされます。

ここでいうタイプは、愛着パターンや愛着スタイルではなく
関係性の方略(ストラテジー)ですから注意してくださいね。

重要な他者がタイプB方略を使っている場合、
感情を言葉にしてコミュニケーションをしていくときに
自分と他人を尊重するやり方を意識することで
「役割期待の不一致(不和)」の解消は問題なく進みますよね。

タイプA方略を使っていた患者さんが思い切って
気持ちを言葉にして重要な他者に伝えたとします。
重要な他者も同じタイプA方略を使う人だった場合は
相手に負担をかけてしまったと罪悪感を感じやすくなりますし、
タイプC方略を使う重要な他者だった場合は、
やっぱり理解してもらえない、と学習性無力感を感じやすくなります。

対人関係療法的には、タイプA方略を使う「過食症」の人では

  • うまくいかないのではないかという怖れ(脳内劇場)
  • 拒絶されるのではないかという恐れ(学習性無力感

などの「評価への過敏性」が焦点とする問題領域になることが多いのは
このような理由からなのです。

問題は、タイプC方略を多用する患者さんの場合です。
重要な他者がタイプA方略を使っている場合には
重要な他者に我慢を強いることになり、
重要な他者がタイプC方略を使う場合は、
衝突が増えるだろうということは、考えるとわかりますよね。

このような場合は、重要な他者の限界設定をしていくと同時に
患者さん自身の対処のパターンについても

  • 状況に対する解釈による思い込み
  • 少ない報酬でも早く得ようとする(衝動過敏性)
  • 状況判断なくすぐ行動に移してしまう(性急自動衝動性)

などの対処法を変えていくことが必要になります。
(これらも過食症やむちゃ食い障害の人にとてもよく当てはまります)

つまり「役割期待の不一致」に対する効果の違いは
患者さん自身の感情との向き合い方(自分自身との折り合い方)が
反映されているようですよね。

たとえば、怒りという感情は制御できないうえに一瞬で生じますよね、
怒りを感じることは無理もない状況であったとしても、
怒りをこめた他者への発言や、怒りに関連した行動が
抑制されない形で噴出すると、破壊的結果につながります。

対人関係療法でなおす 気分変調性障害』には

「怒りという感情を大切にする」ということと、「怒りを爆発させる」こととは似て非なることです。

と書いてあるように、人間が生きている限り、他者が存在する限り
さまざまな痛み(感情的苦痛)を体験します。
しかし、そのような当たり前の苦痛な感情に対して
それらを取り除こうともがくとき、それらは苦悩に変わります。
これを「体験の回避」と呼びます。

怒りという感情体験はコントロールできませんが、
怒りに対する自らの反応の仕方はコントロールすることができます。
怒りという感情が生じた場合、人はそれに対して
攻撃、回避、思いやりをもった理解などの選択肢の中から
自らの対応の仕方を選択することができます。

この「選択」というプロセスでは、怒りの存在に気づくこと、
そして、怒りから目を背けたり、我慢(抑圧)したり、
感じないようにしようと抵抗・格闘するのではなく、
怒りの存在を受け容れること、
それから怒りに対していかに反応するか自分で選択できるのです。

この最初のステップの「感情に気づく」ときに必要なのが、
「体験している自分」と「観察している自分」の区別です。
「観察する自分」を育むにはマインドフルネスが欠かせません。

しかし「集中力を高め、ストレスを抑制する」といった
「わたし」の意識をもって感情や思考を観察するマインドフルネスではなく、
その背景にある抵抗(抑圧や回避)という心の動きを観察するマインドフルネス
つまり、「周辺の気づき(peripheral awareness)」を高める
「明晰さ(lucidity)のマインドフルネス」が必要になります。

冒頭に挙げた「役割期待の不一致(不和)」に対する効果は
認知行動療法に比べて対人関係療法が低いという結果は、
「感情的な苦痛を自然な感情として認める(苦悩に変えない)」、
そのために「体験を回避する傾向と向き合う」、など
「自分と折り合う」方法論が欠落していることと関係がありそうで、
実際、これは対人関係療法の弱点として指摘されてもいるのです。
対人関係療法で「対人関係の欠如」を適用しないのは、このようなことも要因の一つなのかもしれません)

三田こころの健康クリニックで行っている
対人関係療法による過食症やむちゃ食い障害の治療では、
「自分の選択に自覚と責任を持つ」ことを通じて
「自分と折り合う(自分自身との関係を改善する)」方法を教えているんですよ。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
プロセスを受け容れる』というタイトルで、
心配に対する心配、不安に対する不安、
怒りをコントロールできない怒りなどに「抵抗しない」こと、を
摂食障害からの回復にどう役立てるか、について
8つの秘訣』からグエンさんのアドバイスを引用しました。

「抵抗しない」という心の姿勢は、上に書いた不安や怒りだけでなく、
気分変調性障害の「自分はダメだ!」という考えにも応用可能なのです。

「抵抗しない」ことは、不安やそのような考えを
認め、受け容れることで、「力を無くす」ための取り組みですが
ついつい、消してしまおう、感じなくしようとやってしまうと
逆効果になってしまいます。

ですから一人で取り組むときは
過食症や気分変調症での自分との折り合いのつけ方』で書いた
バイロン・ケイティの「4つの質問」の応用も役に立ちそうですよね。

一人では難しいと感じられる方は
三田こころの健康クリニックで対人関係療法の中で
取り組んでみてくださいね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 気分変調性障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-04-25

自分の心との向き合い方と対人関係

過食症やむちゃ食い障害、あるいは気分変調性障害の
対人関係療法による治療にも役立つ「自分の心への向き合い方と対人関係」の
4つのポイントとして3つまで解説してきましたよね。

自分との心の向き合い方として

  • 自分の気持ちに正直になる
  • 思考や感情と折り合いをつける
  • ありのままに認める

それらを対人関係に適用するときには

  • 嘘や偽りを言わない、ジャッジメントをしない
  • 非暴力コミュニケーション
  • 言葉の意味内容ではなく、相手の心をみる

という形で使えることをみてきました。

自分の心との向き合い方と対人関係は、フラクタルな相似形であり、
気持ちをコントロールしようと躍起になるほど悩みや苦しみが増えるのです。

あるいは気を紛らわそうとしたり、嫌な気持ちを拒否したりすると
あれこれ考えてますます苦しくなったりするので、
アルコール食べ物で気持ちを麻痺させようとしたり
リストカットや寝逃げなどで回避しようとしてしまいます。

人との関係でも、思い通りにならない相手にイライラして攻撃したり、
対人関係の衝撃(何と評価されるかわからない)が怖いので
人づきあいを避けたりすることで
改善するどころか、ますます関係が疎遠になってしまいますよね。

つまり私たちは皆、幸せになることを望みながら
ますます離れてしまうような行動を選んでしまっているのです。

そのため

人生の中で何が起こるかを選ぶことは必ずしもできないが、そのような出来事に対する心の姿勢を選ぶことはできる。
(中略)
人生におけるすべての瞬間を、葛藤の中に生きるのか、平和の中に生きるのか、怖れの中に生きるのか、あたたかいこころを持って生きるのか、私たちは選んでいる。

水島広子『怖れを手放す星和書店

と、思考や心の中のおしゃべり(内言語)に対する姿勢として、
苦しいストーリーを心の中で無自覚に続けるのか、
そうした語りをストップするのか、を自分で選ぶことができるので、
「反省(後悔物語づくり)」に時間やエネルギーを費やすことをやめ、
価値にもとづく行動や生き方を紡いでいけばよい、とされます。

しかし私たちの心(マインド)は、モンキー・マインドと言われるように
あちこちにさまよい、飛びはね、ひとときもじっとしていません。

そのような心(マインド)の自動操縦状態に対して

今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け(現在の瞬間に中心を置く:present-centered)
評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること(判断しない:non-judgment)

というマインドフルネスの有効性が言われています。

マインドフルネスは「内省(メンタライジング)」という意味では
優れた方法なのですが、多くのマインドフルネスは「放棄」に基づいているため
「私という意識(エゴ)」と注意対象との間で葛藤が生じやすいのです。

そのため「マインドフルになろうと頑張るほどマインドレスになってしまう」という、
どんな本にも書かれていない弱点があるのです。
マインドフルネスを本気で行っている指導者は少ないので
このようなことがわかないのですが、長くなりますので割愛します。

思考や感情あるいはイメージなど心の中のさまざまな現れは、
心の本質そのものと区別がなく、実体がないものだと
観察していることにも気づいている状態(「気づき」に気づいているオープンで明晰な状態)
本当の意味での「マインドフルな状態(naked awareness)」なのです。

それはさておき。
「自分のこころへの向き合い方と対人関係」の4番目のポイントは、

  • 思考と感情が自然と起こったり消えたりするのに任せ、自分のこころがあるがままのオープンな状態で、自由であることに気づいていること(self-liberation)

です。
これが「心の土台」となり、自分の人生は自分が主人公という
価値にそった積極的な生き方ができるようになること
つまり「自分のこころの中で起きることを大切にする」ことといえるでしょう。

これを対人関係に応用するときには、

  • 時と場所にふさわしい体験の仕方と意味づけをしていく

ことになりますよね。

自分の反応や気持ちをはっきりつかみ、コントロールし、表現することを学べば、自分を落ち着かせたり慰めたりするために食べ物に走らないですむようになります。
つまり、自分自身との関係を改善し(食べ物で自分を麻痺させるのではなく、自分の気持ちに注意してはっきりつかめるようになる)、他人との関係を改善できれば、ネガティブな気持ちをコントロールするために食べ物を利用しなくてすむようになるでしょう。
自分の気持ちがうまく扱え、他人との関係もうまくいくようになればなるほど、過食は減っていくでしょう。

ウィルフリィ『グループ対人関係療法創元社

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
受け容れるか抵抗するかというタイトルで、
心の中での思考や感情との格闘/回避や抑圧が、
正常な反応としての感情を有害なプロセスに変えてしまうことを書いています。

それは、心配に対する心配、不安に対する不安、
怒りをコントロールできない怒りなどに抵抗せず
「ありのままに受け容れる」という心の姿勢が必要です。
(我慢することとはちがいます)

その際に、今日のブログに書いたような心の使い方が必要になり、
そのような心の使い方によって
自分にとって本当に大切な行動や生き方ができるようになるのです。

このような心の使い方は、自分だけで取り組むことは難しいので
三田こころの健康クリニックで指導を受けてくださいね。

5月2日はブログはお休みです。
次回は、5月9日にアップしますので、お楽しみに♪

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-04-18

思考や感情をそのまま認める

三田こころの健康クリニックで対人関係療法による治療初期に
「人の心のしくみと動き方を知る」を説明し、
「私」を主語にして、気持ちや考えを明確にするプロセスで

私たちの気分を悪くするのは、他人や出来事そのものではない。
それに対する自分のとらえ方である。
とらえ方を決めるのは、自分のこころの姿勢である。

水島広子『怖れを手放す星和書店

と、「心のつぶやき(内言語)」と「色メガネ(思考のフィルター)」など
「表象(内的現実)との向き合い方」を説明していますよね。

ちょっと難しく感じられるかもしれませんが頑張って読んで下さいね。

言葉は記号であると同時に固有の意味を持っていますから
さまざまなイメージや感情を呼び起こします。
思考も感情も言語行為と大きな違いはないのです。

言葉(音声言語)になる前の心のつぶやき
思考やさまざまな意味や概念を構成し、
それに対して感情が反応して内的な物語を紡ぎ続けています。

相手の言葉に「傷つけられた」と感じ、
攻撃に転じてイヤミを言ったり、罵ったとしても
言い合いがエスカレートし、関係はこじれて悪化しますし、
決して気持ちはスッキリせずに、くすぶった感情が残りますよね。

そのようなことが起きるのは、私たちが言葉に対して
「意味内容(シニフィエ)」を中心に把握しているからなのです。

たとえば、赤ちゃんが癇癪を起こして泣いているときには
言葉(泣き声)は「記号的側面(シニフィアン)」しか表現していません。
母親は、オムツが濡れたのかしら?おっぱいが欲しいのかしら?と
「内省(リフレクション)」しながら、赤ちゃんの内的状態に
思いを馳せますよね。

ところが、赤ちゃんの泣き声を自分に対する攻撃とみなして
赤ちゃんを叱ったり叩いたり、あるいは無視したりしても
赤ちゃんは落ち着くどころか、ますます大声で泣いてしまいますよね。

他者から言われた言葉に対しても同じで、
攻撃された、傷つけられたと認識した瞬間に
私たちは、闘うか逃げるか、格闘するか抵抗するかの
混乱に巻き込まれてしまうのです。
(『心の動きと言葉との関係』参照)

もし、相手の「言葉の意味(シニフィエ)」ではなく
赤ちゃんの泣き声と同じ「内的現実の表現(シニフィアン)」と捉えると
相手の内的現実に対する内省、「俯瞰的視点(メタ認知)」が生じますよね。

怖れを手放す』にあるように
「怒っている人は困っている人」と見ることで
「相手は相手で大変なんだな」と相手に対する思いやりも生じるのです。

泣いていた赤ちゃんがお母さんに抱かれてまなざされることで
赤ちゃんは母親という世界に対する信頼感と、
自分自身への信頼感を築いていく土台ができていくように、
他者に対しても「そこはかとない信頼感」を向けることで
信頼感を向けている自分に対しても信頼感の回復の礎になります。

このような他者に対する態度は、自分の思考・感情についての向き合い方も同じで
考えないようにしようとしたり、無視したり、抑圧しても
おさまることがないばかりか、ますますとらわれが大きくなり、
内的体験が投影された外界の見え方に圧倒されてしまいますよね。

「そのまま認める」というタイトルにしたのですが。
この言い方はどうしても、仕方なく受け容れるという受身的なニュアンス
が含まれてしまいます。

「そのまま認める」のは、思考や頭の中の物語に巻き込まれず
感情を指標に現実を変えていくために必要な心の使い方で、
辛い感情をただ認めること、その感情を受け容れること、
「その感情に触れておくことができる」ようになることで
心の枠組みが拡がると同時に、価値に沿った行動がとれるようになります。

この取り組み方として三田こころの健康クリニックでは

  • 考えや気持ちを声に出して言う
  • 思考内容を物語として観察する
  • 感情の居場所をつくる

などを指導していますよね。

「自分のこころへの向き合い方と対人関係」の4つのポイントの3つ目は、
「そのまま認める」ことで「脳内のおしゃべりを反芻したり増幅したりしない」です。
対人関係に適応する時は「言葉の意味内容ではなく、相手の心をみる」
ということになりますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害からの回復とジャッジメントというタイトルで、
ジャッジメントを手放し、気持ちを穏やかにして
平常心に戻ることができるような活動に注目するときの
かなり重要な注意点について書いています。

今日のこのブログもその土台となるもので
カテゴリーは対人関係療法に入れていますが
実は、すべての心理療法・精神療法に共通する土台なのです。

ですから「過食症」や「むちゃ食い障害」だけでなく
「気分変調性障害(持続性抑うつ障害)」や
「愛着の問題」を何とかしたいと考えていらっしゃる方は
参考にしてみてくださいね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 気分変調性障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-04-11

過食症や気分変調症で「自分との関係」を改善する

過食症やむちゃ食い障害の人の中には
気分変調性障害を併発している人が割と多くいらっしゃいます。

そのような人たちは、ボロがでないように懸命に役割に取り組み、
それなりの成果を上げたとしても、
「まだ足りないのではないか?」「自分はダメだ!」という考えが湧き起こり
頭がいっぱいになり、気持ちもどんどん落ち込んでいきます。

「ちゃんとできているよ」と説得しても、そんな言葉には耳を貸さずに、
自分で作り上げた「ダメな自分物語」をいとも簡単に信じ込んでしまい、
「こんなネガティブなことばかり考えている自分はダメだ!」と
ますます自己否定を強めてしまうのです。

このようなとき「ネガティブなことは考えない」対処は逆効果で、
抑圧・回避された考えはさらに大きくなって戻ってきます。
また、楽しいことを思い浮かべたり、音楽を聴いたりして
「気を紛らわそう」としても、考えを追い払えるものではありません。
このような気分解消行動の一環として
食べて気持ちを紛らわすという食行動異常が起きてくるのです。

では、どうしたらネガティブな考えをストップできるのでしょうか?

それはとても簡単で「戦わずに受け容れる」ということです。
とは言っても、ネガティブな考えを好きになることでもなく、
ネガティブな考えを正しいと認めることでもなく、
ネガティブな考えに揺らがないよう強くなることでもありません。

ネガティブな考えを敵に回すことは、自分自身を敵に回すことになります。
そう説明すると、多くの患者さんが
「私は自分のことが大嫌いです!」とおっしゃいます。

どうもこのあたりに、過食症やむちゃ食い障害、
気分変調性障害の維持因子が潜んでいるようですよね。

バイロン・ケイティの「4つの質問」では

  • それは本当でしょうか?
  • その考えが本当であると、絶対に言い切れますか?

と、思考(思い込み)が絶対に正しいという信念に揺さぶりをかけ、

  • その考えを信じる時、(あなたは)どのように反応しますか?
  • その考えがなければ、(あなたは)どうなりますか?<誰ですか?>

と、「この思考(思い込み)は自分の役に立つかどうか」、
「自分が望む人生を実現する価値にもとづく行動と結びついているかどうか」に
焦点をずらしていきます。
バイロン・ケイティの「4つの質問」は問答のように声に出して言うと効果があります)

このように「思考したり感じたりする自分(体験主体)」から
「観察する自分(観察主体)」の距離を取ること、
つまり、過食症やむちゃ食い障害、気分変調性障害の人が苦手とする
自己客観視のスキルを身につけるのが「4つの質問」のテーマのようです。

たとえば、上記の「私は自分のことが嫌いです!」と考えている人。
「私は「私は自分のことが嫌いだ」という考えを持っている」自分をA、
嫌いな対象であるもう一人の自分をBとすると
AとBが戦ってエネルギーを浪費してしまっている状態ですよね。
(このようなときの過食は炭水化物が中心になることが多いのです)

相手をいやいや受け容れたとしても、いつ戦いが始まるかわかりません。
AがBを変えようと境界線を越えて干渉するけれども
Bは変わらないのでAはますますいらだつ、ということです。
これが「4つの質問」の3番目の質問ですよね。

「自分が嫌いだ」という考えはただの言葉ですから
そんなものを鵜呑みにして自分に宣戦布告する必要はありません。
そうではなくて、AとBが平和的な関係を結ぶだけで良いのです。
Aは自分の現在に集中して、エネルギーを現在に向けて
自分(A)にとって価値ある方向へ進むだけで良いのです。
これが「4つの質問」の4番目の質問ですよね。

もう一つ、対人関係療法でやるように「期待を明確にする」
という方法もあります。

自分の心の中での自己否定という戦い(葛藤)に気づき、
「自分が嫌いだ」の裏にある期待を明確にしていくのです。
「本当は好きになりたい」とか「ここがこうなればいい」と
否定文ではなく、肯定文での期待が明らかになってくると、
上に書いたように自分にとって価値ある方向性が示されてきますよね。
そうなれば、「そのためにはどうしたらいいか?」と
具体的な方策を練っていけばいいわけです。

これが「自分のこころへの向き合い方と対人関係」の4つのポイントの2つ目、
「思考や感情と折り合いをつける」ということで、
対人関係に適応する時は「非暴力コミュニケーション」ということになりますよね。

ウィルフリィの『グループ対人関係療法』にあるように

自分自身との関係を改善し(食べ物で自分を麻痺させるのではなく、自分の気持ちに注意してはっきりつかめるようになる)
他人との関係を改善できれば、ネガティブな気持ちをコントロールするために食べ物を利用しなくてすむようになる

ことを目指していくのが、対人関係療法なのです。
そして

自分の気持ちがうまく扱え、他人との関係もうまくいくようになればなるほど、過食は減っていく

のです。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害からの回復と意識のシフトチェンジ」というタイトルで、
頭の中のストーリー(脳内劇場)にとらわれた「自動操縦状態」への対処として
現在の瞬間に集中する「あること(being)モード」へのシフトチェンジが必要で、
その方法として『8つの秘訣』ではマインドフルネスを推奨しています。

マインドフルネスについては、このブログでも
聴心記』でも、何度か書いたことがありますが
大切なことは『8つの秘訣』にも書いてあるように

  • 思考中心から気づき中心への姿勢を変えて、心の本質(魂)と自我(あれこれ考える心)とを区別できるようにすること

で、対人関係療法でも「自分の気持ちをよく振り返る」というように
自分の反応や気持ちをはっきりつかみ、表現することを学べば、
自分を落ち着かせたり慰めたりするために食べ物に走らないですむようになります。
これが自分自身の「内面に向かう」ということです。

ありのままの自分と向き合う』でも書いたように
摂食障害からの回復の最後の課題は

良い/悪いにもとづくジャッジメントや決めつけを多用する「頭の中の言葉(内言語)」である「思考」が優位になり、ヴィヴィッドな体験である身体感覚や感情を感じられなくなった状態

から抜け出すことですから、「内面に向かう」ことは
過食症やむちゃ食い障害だけでなく、
気分変調性障害(持続性抑うつ障害)でも課題になりますよね。

三田こころの健康クリニックでは過食症やむちゃ食い障害、
気分変調性障害の人に、対人関係療法の補助として
「思考に言葉(思考)でラベリング」しないマインドフルネスを指導しています。

対人関係療法による治療を希望される方は
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 気分変調性障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-04-04

ありのままの自分と向き合う

過食症やむちゃ食い障害の根底には
自分の気持ちや身体感覚(内的感覚)を感じられない
「アレキシサイミア(感情言語化困難症)」や
「アレキシソミア(失体感症)」がありますよね。

アレキシサイミアやアレキシソミアは

  • 人生早期の対象関係における感情交流が欠如したためではないか

と「愛着の問題が関与しているかもしれない」という意見もあります。

実際、過食症やむちゃ食い障害の人では
「良い/悪い」にもとづくジャッジメントや決めつけを多用する
「頭の中の言葉(内言語)」である「思考」が優位になっています。
(実は気分変調性障害でも同じなのです)

過食症の人では、思考に反応した心の動きや身体からのシグナルを
得体の知れないモノと捉えてしまう、内受容感覚への気づきの乏しさのため、
対人関係に関連した不快な感情を客観的に把握するのが困難なのです。

さらに、衝動を制御する機能(抱えておくこと)の困難があり、

  • 食べるという行動を使って気持ちや身体感覚を感じないようにする
  • 嘔吐という方法を使って、気持ちや身体感情をなかったことにする

などの気そらしによる「回避・解消行動」が食行動障害の維持因子になっていますよね。

  • 自分の気持ちをよく振り返り、言葉にしてみる
  • 自分の周囲の対人関係に関することに変化を起こすよう試みる

治療課題として掲げる対人関係療法では
重要な他者に病気のことを伝えてもらうことから治療が始まります。
重要な他者の協力がなければ対人関係療法が進められないからです。
(水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

でも中には、「親には関係がないと思います」と
親に協力を求めることを回避される患者さんもいらっしゃるのです。
とくにこのことが顕著にでるのは、
「自分の周囲の対人関係に関することに変化を起こすよう試みる」とき、
つまり治療や過食費にかんする罪悪感・罪責感・自責感と向き合うときです。
(水島広子『摂食障害の不安に向き合う』を参照してください)

対人関係に対するふるまい方、たとえば、必要なことを伝えず、
言い訳をして(いい顔をして)対人関係を避けようとするあり方は、
自分のこころとの向き合い方でも似たようなパターンがみられます。

対人関係療法的にいえば、対人関係上の出来事に対して抱いたネガティブな感情を
麻痺させたり、なかったことにするための症状(過食や過食嘔吐)、
対人ストレスそのものではなく、結果である症状だけに目がいくと、
なんとか症状を抑えようとして、逆に症状に振り回されてしまいますよね。

感情を感じないようにしようとする方略を「回避」と呼びます。
とくに、対人関係で惹起される思考や感情を感じないようにすることで
逆に思考や感情が大きく再生されてしまいます。
「回避」の代償である食行動の問題が人生の質を損なうようになってしまったのが
過食症やむちゃ食い障害などの摂食障害ですよね。

ですから対人関係療法による過食症やむちゃ食い障害では
「過食を抑えつけない」を前提に治療を開始するのですが、
このパラダイム・シフトは治療準備性を高めることとも関連があり、
対人関係療法治療効果とも密接に関連しているのです。
(ほとんど知られていないので、いつか詳しく説明しますね)

不快感を避けるために行っているすべての行動について(摂食障害症状も含む)

  • 苦痛に感じる考えや気持ちを完全に消すことができたか?
  • そのために何を犠牲にしたのか(時間?お金?健康?人間関係エネルギー?)
  • 回避行動によって人生が豊かで満ち足りたものになったか?

これらとその結果を自分の心で正直に認めるところから
治療のモチベーション(行動変容を促進する条件設定や自己強化)が高まります。

まず最初に向き合う必要があるのは、
病気のために心が馴れ親しんだ病気特有の考え方・感じ方」であり
その状態から抜け出すため、
「変化にともなう一時的な痛みを引き受ける準備ができているかどうか」を
対人関係療法では「病者の役割」と呼んでいますよね。
(『8つの秘訣』の秘訣1と2を参照して下さいね)

自分の心への対応の仕方は、そっくりそのまま
対人関係におけるコミュニケーションの望ましい対応につながります。
対人関係療法の本や、その他の心理療法の本には書いてありませんが
これから対人関係療法を受けたいと思っていらっしゃる方のために
すごく簡単な4つのポイントを解説していきます。

その1つ目が「自分の気持ちに正直になる」ということです。
頭の中の言葉(思考)や体の中に起きる感覚、
心で感じる感情などを、目を背けたり、抑圧するのではなく、
あるいは「あぁじゃないか」「こぅじゃないか」と解釈したり、
反すうして増幅させたりせずに、ただ「ありのままに認識する」
ということです。

これが対人関係の中での表出されるときには
「嘘や偽りを言わない、ジャッジメントをしない」
ということになりますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害をきっかけに人生の質を向上させるというタイトルで、
8つの秘訣』では「健康な部分」を「魂の部分」と呼んでいて、
「魂の部分」は「心の本質(nature of the mind)」と読み替えられると説明しました。

そして摂食障害からの回復で問題となる「自我(エゴ)」とは
「良い/悪い」に基づくジャッジメントや決めつけを多用する
「頭の中の言葉(内言語)」である「思考」が優位になり
ヴィヴィッドな体験である身体感覚や感情を感じられなくなった状態
であることを解説しています。

「気分変調性障害(持続性抑うつ障害)」の人も同じですが
無価値だという考えによって生み出された罪悪感、不安、失望感を避けるために
しゃかりきになって無我夢中で与えられた役割に取り組み
他者を優先して他者からの良い評価や承認を得ようと
自分のボロが出ないようにとあれこれ腐心することで
逆に自分の無価値感を強める結果になってしまいますよね。

結局、自分にとって価値のあること、意味のあることとは
長期的に人生にプラスになることであるはずなのに、
「自我(エゴ)」の策略に嵌ると、それは回避行動になってしまい
ますます苦しさを倍増する結果につながってしまうのです。

過食症」や「むちゃ食い障害」、あるいは上に書いたような
「慢性のうつ病(気分変調性障害・持続性抑うつ障害)」の
対人関係療法による治療を希望される方は
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-03-28

アタッチメントと生まれつきの要因

対人関係療法は、うつ病過食症に対して
効果が十分に確立された治療法として知られています。
不安障害については効果がないことが証明されています)

対人関係療法では、親や配偶者といった重要な他者との関係の中で
コミュニケーションを意識的に行うこと(感情表現への取り組み)を通じて、
受容される体験、関係性の変化の体験をもとに
自己効力感(および協調性)を高めることで
病気治療していく期間限定の精神療法です。

ところが、親との関係に問題があるから、とか、
対人関係が苦手だから、コミュニケーション障害があるから、
それを何とかしたいと対人関係療法を申し込まれる方だけでなく、
そのように誤解されている精神科医もまだまだ多いようです。

そもそも、いわゆる対人関係の範囲を考えてみると
親や配偶者、パートナーなど重要な他者や親しい友人との関係、
クラスメイトや部活の仲間との関係、会社の同僚や近所の人たちとの関係など
親密性や距離感にかなり違いがありますよね。

苦手と感じられる対人関係は、親しい関係以外の関係であり、
それほど親しくないけど接する機会が多い人たち、
つまり、自分と集団や組織との関係(折り合い)の問題ですし
コミュニケーションの仕方は自分自身との折り合いの問題ですよね。

しかし集団との関係や、自分自身との折り合いは、
もともと母子関係という二者関係から分化したものであり
セキュア・ベース(安心の土台)が愛着(アタッチメント)ですよね。

これまでもこのブログで何度も書いているように
幼少期の愛着(アタッチメント)・パターンは
成長するにつれて変化することが知られています。

乳幼児期には、生まれつき持っている遺伝的要素よりも
養育環境の影響の方が大きいことがわかっています。

養育環境は、単に養育者側だけの問題だけではなく、
子ども側が生まれつき持っている遺伝要因によって
親のペアレンティング(養育)のあり方が誘導されるのです。
つまり、この親にしてこの子ありということなので、
愛着(アタッチメント)の安定性が問題になるのです。

アタッチメント障害(愛着障害)の乳幼児は成長するにつれて、
情動調節障害から気分障害や反社会的な行動障害と病像が変化していきます。

ですから、乳幼児期に不安定型のアタッチメント・パターンであっても
思春期以降の交友関係やパートナーとの関係によっては
獲得安定型のアタッチメント・スタイルに変化することも可能なのです。

思春期にアタッチメント・スタイルが変化するときには
環境要因よりも、遺伝的要因の影響の方が大きいことがわかっています。
ですから自我が目覚める前思春期(小学校中学年)以降は
アタッチメント障害(愛着障害)は診断しないのです。

さらに、この時期(前思春期以降)には、集団との関係や、
自分と他者の違いなどがメインテーマになるため、
本来の「気質」や自閉症スペクトラム発達障害)の要素などの
遺伝的要因の影響の方が大きくなるからなのです。
(思春期以降の青年に愛着障害の診断をする医師は論外)

つまり幼少期の愛着形成のネガティブな影響が
思春期から青年期の精神病理の予測因子になるのではなく、
幼少期における集団との関係性やストレス、逆境体験など、
環境や対人学習の結果としての「性格」の関与が
成人期の精神病理の予測因子になることが報告されているのです。

さらに自分自身の内的世界との折り合いの問題や
自分と集団や組織との関係(折り合い)の問題は
重要な他者との二者関係に焦点を当てる
対人関係療法のすすめ方とはうまく合致しないのです。

ですから、診断基準にあるアタッチメント障害ではなく、
世間でいう愛着障害(不安定型アタッチメントスタイル)が
コンパニオンシップ(友人や同僚との関係:集団との折り合い)の問題なのか
親あるいはパートナーとのアタッチメント関係の問題なのかを区別することで
適切な対処法・治療法が見えてきますよね。

ミラーニューロンがあなたを救う!- 人に支配されない脳をつくる4つの実践テクニック -

ミラーニューロンがあなたを救う!- 人に支配されない脳をつくる4つの実践テクニック -

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害の回復と本当に大切なものというタイトルで、
8つの秘訣』に取り組んでいく中で
どのような方向性を意識しておけばいいのかという
本にはほとんど書かれていないことについて解説しています。

対人関係療法による過食症治療では
「過食がゼロになることを目指さない」のが原則ですが
今回のブログで書いた「摂食障害の回復と本当に大切なもの
その先の「過食がゼロになること目指す」ために必要な課題です。

思考や感情に振り回された状態を
過食という方法を使って麻痺させたり感じなくするのではなく
自分の人生は自分が主人公であるという主体性を回復させるために必要な
「自分自身と向き合う心の姿勢」が重要になってきます。

過食症やむちゃ食い障害を本気で治したいと考えていらっしゃる方は
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

6月2日は世界摂食障害の日です。



^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 気分変調性障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-03-21

心の動きと言葉との関係

言葉の使い方しだいで、態度や気持ちに影響してきますよね。

たとえば、誰かに何か(たとえば決めつけ)を言われて
「傷ついた」「傷つけられた」と感じることは多いと思います。
ところが、実際には怪我をして血が流れているわけでも何でもなく、
「心が傷ついたと感じた」「嫌な気持ちになった」と感じるのですよね。

その時の状況をよく観察してみると、
相手が発した言葉を聞いている瞬間はそのような状態にはなっていませんよね。

相手の言葉を「人を傷つける言葉」と認識した(決めつけた)瞬間に、
自分は「決めつけられた」「傷つけられた」と受け止め、
そのような感じ方をした途端に、自分の心の中に
「決めつけられた」「傷つけられた」というイメージが現れて
衝撃とともに、怒りや哀しさ、悔しさなどの感情が湧き起こり
そのエピソードを「傷ついた/傷つけられた」出来事と認識しています。

音や文字の集合にしかすぎない言葉(現実)と
意味として心の中に喚起される心的現実を混同することによって
苦しみが生み出されているようですよね。

治療者の中にも、患者さんの話を鵜呑みにして
「決めつけた相手が悪い」と言い切る治療者がいらっしゃるのですが、
現実と表象(出来事のとらえ方:心的イメージ)の区別や
変化に伴う一時的な痛みと攻撃を混同して、さらに、
「傷つくのはよくないこと」とジャッジメントしているわけですよね。

似たようなことが、巷で流行りのマインドフルネスでも起きています。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)やマインドフルネス認知療法(MBCT)では
呼吸に意識を向けながら、たとえばあれこれの考えが浮かんだら
「思考、思考、思考、…」とラベリングを行い
「もどります」とふたたび呼吸に意識を戻す方法がとられます。

この言葉でのラベリング(言語化)は
感情や思考を客観視するために行われるのですが、
人によっては、「こんなに思考ばっかり起きてくるなんて」とか、
たとえば「痛み、痛み、痛み、…」とラベリングすることで
体の別の部位の痛みに意識が向いてしまったり、
あるいは痛みがさらに大きくなってしまったりするようです。

これは取り組んでいる人だけの問題ではなく
マインドフルネスを十分に習得していない指導者にも問題があるようです。
(西洋化されたマインドフルネスをそのまま適用する問題もあると思います)

本に書いてあるやり方を真似ているだけの指導者の中には、
ネガティブな感情の内省(直面化)と言語化を促すときに
適切な言葉を見つけられないとネガティブな感情が増大する
などと指導しているトンデモナイ指導者もあるようです。

そのため、マインドフルネスの指導を受けても
逆に感情や思考への反芻や執着(とらわれ)が強くなってしまい、
自己否定や自己嫌悪が助長されることもとても多いのです。

つまり、上記の治療者や指導者の例からわかるように、
何に焦点を当てて、それにどのような意味づけをするかは
その人の心の状態が反映されているということですよね。

それだけでなく、思考や言葉に意識がとらわれてしまうことで
ヴィヴィッドな身体感覚を感じにくくなってしまうのです。

ネガティブな意味をもつ言葉に対して抑圧や回避をするようになることで
さらにネガティブなものに敏感になるだけでなく、
回避・抑圧したはずの言葉に対して
さらに大きな脅威を感じやすくなってしまいます。

もともとネガティブな心的状態にあるうつ病
慢性うつ病(気分変調性障害)の人、
あるいは自己否定の強い過食症やむちゃ食いの人は
言葉そのものが持つ意味やイメージに引きずられて思考を反芻したり、
感情を感じることを避けようとしてますます思考や感情を強化してしまい
症状が持続するという悪循環が生じてしまうのです。

対人関係療法で重要な他者に話(気持ち)を聞いてもらうときに、
三田こころの健康クリニックでは注意していることがありますよね。

「過食で苦しい」「不安でしょうがない」などの症状トークは
相手に認めてもらうことで一時的に不安や苦痛などは軽減するにしても、
聞いてもらうことで改善するどころか、再承認を求めたくなり、
さらに増悪してしまうからなのです。

また「あんなことを言われてすごく傷ついた」など決めつけトークや
「○○と言わないで欲しい」「△△しないで欲しい」などの禁止トークは、
相手にどう言って欲しいかの期待がはっきりしないために
聞いてもらって安心するどころか不全感が残るだけでなく、
決めつけ・禁止された方は攻撃されたとみなしてしまうため、
関係が悪化することが多いのです。

自分の心の中にある思考や感情に対する態度(自分との折り合い方)は
そのまま対人関係でのコミュニケーションに反映されますし、
逆に、対人関係での相手のコミュニケーションへの対応の仕方は
そのまま自分の心との向き合い方にもなっていて、
対人関係と自分との向き合い方は双方向性に影響をあたえ合う
フラクタル自己相似性)」の関係にあるのです。

このような自分自身との向き合い方を三田こころの健康クリニックでは、
自分自身との対人関係と呼んでいますよね。

成人アタッチメントインタビュー(AAI)で有名なエインズワースの弟子でもあり、
発達段階による愛着の成熟の研究で有名なクリッテンデン先生に質問して
愛着ストラテジー(愛着方略)についても同じことがいえることを確認しましたので
そのうち少しずつ解説していきますね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症からの回復のゴールというタイトルで、
8つの秘訣』を引用しながら
生きていくうえでの意味や価値に向けての方向転換が必要、ということを説明しています。

過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法による治療では
病気からの回復と、成長課題を区別しますが、
治療の最終段階では、成長課題に取り組む必要もある
ということなのです。

これは対人関係療法による治療が終わった後に取り組む
「過食がゼロになることを目指す」課題ですが
もちろん治療中から取り組むことも可能なのです。

16回の対人関係療法が終わるときに
過食症がすっかりよくなったある患者さんから
メッセージカードをいただきました。

病気になったのは辛い体験でしたが、今までで一番楽で自然体でいられる自分になれたと思います。

このように「対人関係に取り組むこと」と「自分自身と向き合うこと」の2つが
過食症やむちゃ食い障害から回復するポイントになりますから
過食症やむちゃ食い障害を本気で治したいと考えていらっしゃる方は
しっかりと方向性を見定めて、モチベーションを高めておいてくださいね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 気分変調性障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

2016-03-14

アタッチメントの問題に向き合う

「愛着障害(アタッチメント障害)」の診断は

  • 身体的虐待:殴る・蹴る
  • 性的虐待:性的接触や性行為、性的な場面や映像への暴露
  • ネグレクト:不適切な養育環境や食事を与えないなど
  • 家族内暴力(DV)の目撃や暴言による虐待

など、日常的に繰り返される不適切な養育の結果(トラウマ)として
乳児(9ヶ月)から小児期早期(6〜7歳まで)に
「恐れ/未解決型」「安全基地のゆがみ」
「反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害」
「脱抑制型対人交流障害」など
養育者との間で愛着パターンの異常がみられるものを指します。
(『「反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害」の最新情報』参照)

虐待に暴露された乳幼児の一部は、
のちに衝動制御の障害(多動性行動障害)、解離性障害
薬物やアルコール乱用あるいは、さまざまな嗜癖問題、
反社会性パーソナリティ障害境界性パーソナリティ障害など
さまざまな精神疾患へ推移することがよく知られています。

子ども時代に虐待を受け続けた小児の一部は
思春期以降に視覚野の灰白質の容積が減少することがわかっています。
視覚野は、視覚的な感情処理だけではなく
大脳辺縁系扁桃体海馬)とともに知覚や認知処理にかかわっている
とされています。

暴言による虐待を受け続けると、側頭葉の聴覚野の一部の体積が減少し、
聴覚に障害が生じるだけでなく、知能や理解力にも影響をおよぼすことがわかっています。

言葉によるDVの目撃では、身体的DVの目撃よりも
視覚野の単語の認知に関わる領域で容積減少が大きかった
とも報告されています。

さらに深刻な体罰を長期的、継続的に受けた人では

  • 感情や思考をコントロールし衝動を抑制する領域(右前頭前野内側部)
  • 物事を認識する働きをもつ領域(左前頭前野背外側部)
  • 集中力や意志決定、共感にかかわる領域(右前帯状回

などの容積減少がみられ、感情コントロールの障害や、
素行障害(非行・犯罪をくりかえす)との関連もいわれています。

幼少期の虐待やネグレクトの影響は、生態的表現型と呼ばれます。
これは可塑性(環境条件に応じて変化させる能力)があるという意味ですが、
同じ診断でも、幼少期のトラウマがある例では、
発症年齢が低く、多重診断が多く、治療初期の反応がよくない
といわれています。

三田こころの健康クリニックでは対人関係療法を行いますが
虐待などのトラウマが関与した不安定型愛着スタイルには
通常の対人関係療法のすすめ方だけでは不十分で、
身体の反応にも焦点を当てていく必要があると同時に
変化という自然な痛みを受け容れることができるようになること
についても取り組んでいく必要があります。

不安定型愛着スタイルと身体の自動反応については
神経生理学的な説明が必要なので、優しく書けたら
いつか詳解する予定ですので、お楽しみに。

閑話休題。(話は変わって)

5つの短い章からなる自叙伝」のコピーを
渡された方もいらっしゃると思いますが、
固着し習慣化した行動様式(愛着スタイルや摂食障害行動)を繰り返している
「自動操縦状態」に目を開くこと(行動様式を自覚できるようになる)ことが
変容の第一歩になります。

このような心の奥深くからの真の変容をもたらすために
巷で流行りの世俗的なマインドフルネスではない
日常生活から身をひいた瞑想の中で心の本質に触れる
マインドフルネス(注意深さ)を修習する必要があります。

人生の目標を達成するためにどのような行動に取り組めばいいか、
生きるための自己決定という、深く広いレベルでの変容の重要性を
三田こころの健康クリニックでは重視しているのです。

このような対人関係療法の応用について書いていると
一般の方は、対人関係療法を標榜しているところならどこでも
患者さんの特性に合わせた治療が受けられると思ってしまわれるようで
実際に、そのような問い合わせを受けることもあるのです。

同じ診断であっても、患者さんの背景は千差万別ですよね。
たとえば過食症の診断で「評価への過敏性」が焦点になっても
学習性無力にもとづく「評価への過敏性」と
脳内劇場(不安)にもとづく「評価への過敏性」では
対人関係療法でもすすめ方が違ってくるのは当然で
型どおりのパッケージ化された対人関係療法のすすめ方では
対応を誤ってしまうことも多いのです。

対人関係療法では、どのような治療が向いているのか、という
文脈の見立て(鑑別治療学)が可能か、とか、
対人関係療法の弱点をカバーする工夫がなされているかなど
他の心理療法も習得した治療者かどうかの臨床経験の差が大きいので
対人関係療法の効果は治療者によるということですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害からの回復に必要な周囲の人のサポートというタイトルで、
内省(自分を観察する)を高める取り組みと同時に
周囲の人たちとの関係に取り組んでいくこと、その関係から力をもらうことが
過食症対人関係療法が奏効する原動力になることを書いています。

過食症やむちゃ食い障害で医療機関にかかったけれど
話を聞いてもらえないし、薬しか出されないと感じている方、
本気で過食症を治したくて対人関係療法を受けたいと思っている方は
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 気分変調性障害へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ メンヘル 治療方法へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村