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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-12-22

自尊心と育てられ方との関係

「自尊心」の低さを作り出すものとして、虐待をはじめとする「育てられ方」の問題が挙げられます。
最も頼りにすべき実の親から虐待を受けた、「産まなければよかった」と言われた、などというのは、「自尊心」を決定的に下げる原因となります。
自分なんて生まれてくるべきではなかったなどと思ったら、自分の存在を肯定する気持ちになれるわけがありません。
また、ふつうであれば子どもをかわいがるはずの親から否定されることで、「自分は人間としてできそこないなのだ」「自分はどこかおかしいにちがいない」という感覚を植え付けられることにもなります。
(中略)
また、過保護にされた場合にも「自尊心」は低くなります。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

このように、育てられ方は
「自尊心(自己肯定感+自己効力感)」と密接に関わりますよね。

とくに乳児期〜幼児期に虐待やネグレクトを受けると
トラウマと気分障害の関係』に書いたように
発達トラウマ障害(DTD)」を基盤にして

幼児期〜児童期:調節障害、愛着障害、情緒障害、児童期の双極性障害
思春期・青年期早期:ADHD、反抗挑戦性障害、社会的行動の障害、物質乱用、過食症気分障害(慢性うつ病双極性障害)
青年期〜成人期早期:パーソナリティ障害解離性障害、身体表現性障害、自傷・自殺念慮

など、成長過程に応じてさまざまな病像を呈することが知られています。

乳児期から幼児期に愛着障害や情緒障害だった人が
児童期には忘れ物やケアレスミスが多かったり、
じっとしていられなかったりなどの「ADHD様の症状」を示し、
思春期から青年期にさしかかると「過食症」や「慢性うつ病」を発症し
さまざまな衝動行為(リストカットや万引き)や
アルコールの問題など感情コントロールの障害を引き起こす
ということですよね。

愛着障害』の著者の岡田先生は
発達トラウマ障害(DTD)」から派生する
さまざまな病像をひっくるめて「愛着障害」と呼んでおられるようですよね。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

このブログで反応性愛着障害の検索が多いのですが、
対人関係療法では「発達トラウマ障害(DTD)」から派生する
虐待やネグレクトによるさまざまな病像を
「複雑性PTSD
とみなすこともあります。
その根幹にあるのは「自尊心の低さ」ということもわかっています。

たとえば、レイプやいじめなど対人トラウマを受けた人は、
人に対する警戒心が強いにもかかわらず、
病気の事も含めて、つい自分のことを喋ってしまうことがあります。
医療機関で正しく診断されないことも多いので注意してくださいね)

また社交辞令が使えずに、つい本当のことを言ってしまい、
相手につけ込まれたり、自責感を抱いたり
さらに自尊心が低下してしまう悪循環におちいりやすいのです。

  • 自分の気持ちを話せない
  • 自分の気持ちがわからない
  • 自分には価値がない
  • 自分は浮いているのではないか
  • 自分は変なのではないか

などの『気分変調性障害』とそっくりの感じ方は
反復性うつ病」や「双極II型障害」、
複雑性PTSDを含むPTSD(トラウマ関連障害)
社交不安障害(対人トラウマを契機に発症するタイプ)
などでもみられる「自尊心の低さ」を反映した「症状」なのです。

つまり、このような「自尊心の低さ」は
小さい頃から対人関係のルールがわからずに育ってきたことで
どういう言動に対し、どういう反応が返ってくるかがわからないという症状なのです。

これらの「自尊心の低さ」にともなうさまざまな症状を
「心のクセ」とか「仮面の奥のインナーチャイルド
などと言っているカウンセラーもいるみたいですが、
そうではなく、対人関係療法治療可能な病気の症状なのですよ。
(『カウンセリングと精神療法の違い』参照)

対人関係療法による治療を導入する時には
幼少期の虐待の強度と持続、ソーシャルサポートや当時のストレス因など
生育歴についての詳細なアセスメントを行った後、
それが「現在の対人関係にどのように反映されているか」という
対人関係パターンと愛着スタイルを文脈的に理解して現在の診断を診ていきますよね。

そして三田こころの健康クリニックで行っている
対人関係療法による治療で行っていくことは
「人間というのはこういうものだ」という対人学習であり、
エクスポージャー(曝露)や想像(イメージの中)ではなく、
重要な他者を中心として他者とのやりとりの中で実体験する
修正情動体験や修正アタッチメント体験
によって
自己肯定感とコントロール感を育てていくんですよ。

自分で「愛着障害」ではないかと悩んでおられる方や
なかなか良くならない「うつ病」や「双極性障害」、
または「摂食障害過食症/むちゃ食い障害)」で通院されている方は、
三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』
最近の摂食障害』を参考にして
対人関係療法による治療か適応になるかどうかについて
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-12-15

摂食障害や気分変調性障害の対人関係療法と「コミュニケーションのあり方」

「過食症/むちゃ食い障害」の対人関係療法の初期に過食が増える』でふれた
直接的なコミュニケーションのあり方」とは
対人関係療法の達成課題でもある

☆人の心の仕組みと動き方を知る
☆トラブルにならない言い方を身につける
☆ここまでだったら言っていいという言葉の限界を知る

というコミュニケーションスキルを身につけることと書きました。

しかし一方で、

それまで対人関係の絶対量が不足していた患者や、明らかに不適切な環境に置かれてきた患者に対しては、「社会的に適切なコミュニケーションのあり方」を教える必要があるが、それはIPT(対人関係療法)の一部に過ぎない。
水島広子「うつの対人関係療法の正しい理解」こころの科学 117: 41-44, 2014, 日本評論社

ということから、三田こころの健康クリニックでは
対人関係療法の一部である
「社会的に適切なコミュニケーションのあり方」について

○自分の気持ちのつかまえ方
○コミニュケーションの基礎
○気持ちのうち、取扱いが難しい「怒り」への対処法

について対人関係療法の予備面接(治療の土台づくり)
プリントを使って学んでもらうと同時に、
実際の日常生活の中での出来事を扱いながら
自分の気持ちをよく振り返り言葉にして伝えてみる」という
対人関係療法の大原則について体感してもらっているのです。

そうすることで、たとえば「過食症」や「むちゃ食い障害」であれば、

実際には、数回の面接を経て、ほとんどの患者さんが過食と精神状態の関係に気づいていきます。ここまで来れば、治るための軌道に乗ったといえます。
その瞬間から、取り組むべき対象が、過食というとらえどころのない症状ではなく、その精神状態につながった対人関係の問題になるからです。治療にもますます真剣に取り組むようになります。

水島広子・著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

という感じで、治療初期の変化が治療の成果に大きく影響しますよね。

三田こころの健康クリニックの対人関係療法のすすめ方は、
治療初期に「社会的に適切なコミュニケーションのあり方」取り組むことで
フォーミュレーション治療目標が実感として理解しやすく、
課題への取り組みが明確になることで、治療の成果が上がりやすいのです。

それでも治療は20回未満という原則は遵守されますが、
対人関係療法の初期の治療の土台作りで
自分のまわりの状況(特に対人関係に関するもの)に変化を起こす」ことができれば、
すでに「治るための軌道に乗って」いますから、その効果は維持されるだけでなく
治療中、終結後を通じてさらに力がついてくるので、治療効果が出やすいんですよ。
(『対人関係療法による摂食障害の治療4〜治療の実際』参照)

一方、気分変調性障害の場合は、
三田こころの健康クリニックで患者さんにお渡ししている
対人関係療法による気分変調性障害の治療のすすめ方】に

○どういう状況で何が起きたのかを想像や解釈を入れずに正確に把握する
○その時の感情や考えを振り返ってみる

ことで、

☆自分は相手の言ったことをどう理解したのか
☆自分は相手になにをどう伝えたのか
☆本当はどうなって欲しかったのか
☆どこで気分変調性障害(ネガティブなとらえ方)のスイッチが入ったのか

など、「「自己モニタリング」ができるようになること」と書いているように、
ストレスと感じる出来事が起きたときには、
「何が起きたのか」という位置づけとともに、
「相手が本当に言いたいことを知る」ということを
中心にして進めていきますよね。

水島先生も

じつは、自分が他人からどう評価されるかということにとらわれている人と話していると、「リアル人間関係が少ない」ことがわかります。
想像上の人間関係はたくさんあるのです。
例えば、「こんなことをしたら○○だと思われるのではないか」「きっと××と言われるに違いない」というように、頭の中では相手が大活躍しています。

水島広子・著『ダイエット依存症講談社

これは、摂食障害や気分変調性障害に共通する
「想像上のやりとり(脳内劇場)」
から離れて、
現実とやりとりをするということなのですよね。

『「気づかい」のコツ』特別セット

『「気づかい」のコツ』特別セット

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
対人関係療法でみていく「元々、どんな人だったのか?」」というタイトルで
対人関係療法による治療の導入時に聴取する
愛着スタイルなど「過去の対人関係療法についての情報」が
現在の対人関係療法による治療にどう活かされるか
について書いています。

もともと、対人関係療法
精神療法のトレーニングを終えた治療者を対象としていた
ので
「リエナクトメント(対人パターンの繰り返し)」などの概念は
説明する必要がなかったはずなのですが、
精神療法のトレーニングを受けていない人でもできるようマニュアル化されたことで
見よう見まねの「対人関係療法もどき」が横行する結果になってしまいました。。。
そうであっても、治療者がなにを見つめているのかがわかれば
治療者の力量は推測することができますよね。

難しいかもしれませんが「診立て」の重要性を書いていますので
摂食障害過食症/むちゃ食い障害)」や「気分変調性障害」の
対人関係療法による専門的な治療を希望される方は、読んでみてくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-12-08

ストレスを麻痺させるための「過食/むちゃ食い」の誘因

夕食時にTVを付けている頻度と、BMI増加には強い関連がある
というアメリカの調査があります。
つまりテレビを視ながらの夕食は、食事に集中できず
視覚からの満腹刺激が機能しないため、大食傾向になりやすいのです。
さらに、テレビにはまってしまうことで座位主体の生活習慣になりやすく、
身体の活動量が減ってしまうため、BMIは増えてしまうのです。

また、ニュースやインタビュー番組とアクション映画を比較すると
アクション映画の方がスナックの摂取量、カロリー摂取量とも多く、
スナックの摂取量が98%増加した(無音で視聴しても46%増加)
と報告されていました。

アクション映画などは、食事への注意をそらすだけでなく、
激しいアクションや音響の変動による不安や興奮など、刺激レベルの上昇が
スナック摂取量を増やしたのではないかと考察されており、
不安や興奮、刺激レベルを緩和させるための摂食、
「ストレスを麻痺させるための過食」が起きたと考えられる

ということですよね。

2009年にボストン大学嗜癖障害研究所のコットーネ(Cottone)助教らが
「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」という権威ある雑誌
脂肪と糖分を豊富に含む食物を断続的に摂取すると
薬物依存で観察されるのと同様の脳内変化が誘発される

というラットでの実験の結果を発表されています。

論文には、
イヤな気持ちを緩和するために脂肪と糖分を含む食事を摂取することに
(嫌悪刺激の除去を目的として誘発される行動反応)
これまで注意が向けられていなかった、と書かれています。

しかし「これまで注意が向けられていなかった」どころか、
摂食障害の臨床では「ストレスを麻痺させるための過食
として知られていますよね。

精神的に健康なときは、比較的身体によりものを「おいしい」と感じ、精神的に不健康になると、身体に悪いものを「食べたい」と感じる傾向があります。
ですから、ジャンクフードを好んで食べたいと思うようなときには、自分の精神状態を見直してみる、という形での食欲の「感じる力」を生かすことができるのです。
(中略)
何となく、つまり空腹でもないのに食べてしまう、ということは、精神的な満たされなさやホルモンバランスなどによって心身が不安定な状態になっていて、それが食べるという行為に向けられている、ということです。

水島広子『ダイエット依存症講談社

つまり「空腹でもないのに食べてしまう」のは
機能性低血糖などというアヤシゲな要因によるのではないですし、
「精神的な満たされなさ」などで「心身が不安定な状態」になっているサインであり、
おいしいものは脂肪と糖でできている!!」のではなく、
心身の不健康さが脂肪や糖分が多い食べものを「おいしく」感じるということですよね。

さらに『摂食障害と家族関係』で触れたような
「家族関係の不満」や「決めつけタイプの干渉」、
「孤立感」や「自己肯定感の低さ」など
摂食障害に結びつくようなイヤな気持ちを感じて
その気持ちを麻痺させる過食が起きているときに、
それを止めようとすると不安や意欲低下がおきる
ことも
上記の実験で確かめられています。

では、どうしたらいいのでしょう?

水島先生は「ダイエットや運動とのつきあい方」として

これからは身体の言い分に耳を傾けてあげよう、ということです。
「どう見えるか」ではなく「どう感じるか」ということを大切にしていけば、何を食べ、どう運動すればよいかが分かってきます。つまり、「人の目」ではなく「自分の感覚」に従うということです。
「自分の感覚」は、残念ながら病気が重い時期にはほとんどわかりません。
(中略)
でも、対人関係に少し自信がついてきて、対人関係に対処することで症状をコントロールできるという感覚がわかってくると、だんだん心が平和な時間を持てるようになります。
そういうときこそ、自分の身体と対話するチャンスです。
これだけの病気を生き抜いてくれた身体に感謝しながら、少しずつ「身体の声を聴く」練習をしていくといいでしょう。


水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

つまり、自分自身を知り、受け入れ、自分と折り合っていくという
真の「自己コントロール」をつけていくことが必要不可欠
なのですよね。

ちなみに、三田こころの健康クリニックでは
過食症/むちゃ食い障害」で「ストレスを麻痺させるための過食」が減ってきて
ダイエット反動としての過食(飢餓過食)」だけが残っている方には
「身体の声を聴く練習」として「社会リズム療法」を導入することもあるんですよ。
(『生活習慣としての食習慣の異常〜摂食障害未満』参照)

要は、いまはどの段階なのか、ということを把握しないと判断ができないので、
摂食障害治療は、近所のメンタルクリニックではなく
摂食障害治療が専門の医療機関受診する必要がある
ということですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
「過食性障害/むちゃ食い障害」の病理と治療」というタイトルで、
中学女子の1.9%といわれる摂食障害のうち
近年増えてきている「過食性障害/むちゃ食い障害」は
ダイエットや節制により悪化しやすいこと、
ダイエットがきっかけにしても、感情を抱えられないことが根底にあること
について解説しています。

たんなる「過食症」や「むちゃ食い障害」という大雑把な診断ではなく
詳細で正確な診断が適切な治療に結びつきますし、
患者さんの文脈に合わせて対人関係療法をアレンジすることは
三田こころの健康クリニックのように
対人関係療法の専門的治療を行っていることころでしかできません。

寒さが増してくるこの季節、身体の代謝の変化と関連し
過食やむちゃ食いが増えることが知られています。
(『リバウンド「過食/むちゃ食い」が起きやすい季節』参照)

過食症/むちゃ食い障害」かもしれないと悩んでおられる方、
病院に通っているのによくならないと困っていらっしゃる方は
ぜひ三田こころの健康クリニックに相談してくださいね。

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2014-12-01

トラウマという視点

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』の
診断分類の信頼性を調べたトライアルで
1人の患者を個別に診断した場合の
2人の臨床家の診断一致率が検討されました。

おどろくべきことに、
うつ病」と「重篤気分調節症(DMDD)」では
評価者間の診断一致率はかなり低く、
また「混合性不安抑うつ障害」では
評価者間信頼性はない(診断が一致しない)
と判断されています。

つまり、DSMの診断のように横断的症状チェックリスト方式では
診断不一致率が高くなる(つまり誤診が増える)可能性がある

ということですよね。

これに関して、浜松医科大学の児童青年精神医学
特任教授である杉山登志郎先生は
発達障害と複雑性トラウマ(複雑性PTSD)は誤診の宝庫とおっしゃいます。

さて精神科臨床において、これまで十分に考慮されず、したがってきわめて誤診や医原性の増悪があちこちに転がっている病態が二つある。
一つは発達障害であり、もう一つは複雑性トラウマである。
(中略)
さて複雑性トラウマもまた、きわめて誤診や医原性の増悪が多い問題である。
一つはうつ病の誤診である。もう一つは統合失調症の誤診である。
(中略)
複雑性トラウマの症例抗うつ薬が処方されると、気分変動が激しくなって、自殺や衝動行為の危険が増してしまう。
ついでに言うと、抗不安薬も意識状態を下げ、行動化傾向を促進するので禁忌である。
そして解離性幻覚に抗精神病薬はまったく無効である。

杉山登志郎書評上岡陽江、大嶋英子「その後の不自由」』in こころ科学 177: 105, 2014, 日本評論社

と述べておられます。

発達凸凹(Broad Autism Phenotype)」を含む「発達障害」は
成人の精神科臨床の場でもかなり増えた印象があります。

小児期には「発達障害」の診断基準は満たさなかったものの
思春期から青年期に次第に不適応が目立つようになり、
それまでのやり方が通用しなくなった状態で
生まれ持った発達障害の特性が顕著になったケースも
うつ病」や「双極性障害」、ときには「統合失調症」と
誤診されている場合もかなり多いようです。

杉山先生は、発達障害」がある人は
抗うつ薬により躁状態を起こすことがある
とおっしゃっています。
現在の診断基準では、抗うつ薬による躁転双極性障害に含めるため
双極性障害の中には、かなり発達障害が含まれているということなのでしょう。

また、PTSDの4つのPTSD診断基準(侵入性想起、回避、否定的認知・気分、過覚醒)
すべて満たすわけではないけれども、2項目のみを満たす「閾値下PTSD」もまた
「慢性うつ病」や「双極性障害(双極II型)」と診断されてしまいます。
たとえば幼少期の虐待やネグレクトによる愛着障害の人が、
思春期になって抑うつ状態や気分の不安定さを示す場合ですよね。

さらにトラウマの出来事と症状の出現に時間差があったときは、
PTSDが疑われずに、単なる考えすぎだとか性格の問題と言われ、
抗うつ薬抗不安薬などが投与され、改善がみられない患者さんたちが、
対人関係療法による治療を希望されて
三田こころの健康クリニックを受診されるのです。

トラウマが背景にあり、それが考慮されていない場合は
薬物療法認知行動療法での反応が悪く、
梅こんぶさんもブログで書いていらっしゃるように
認知行動療法やカウンセリング、薬物療法はどれも罪悪感を刺激されてしまう
そのため、逆に悪化することも多いのです。

つまり薬物療法にしろ精神療法にしろ
治療を行う場合は当然のことなのですが
背景因子の把握、疾患の成立プロセスなどを考慮し
各発達段階において特異的な精神病理的な表現型のうち
発達課題と精神病理はどのような関係なのか」とか
どの症状が疾患特異的なのか」という
ライフヒストリーを縦断するような視点が必要で
その人に合った治療法を選ぶ必要があるということですよね。

そもそも対人関係療法を導入する際に行う
フォーミュレーション(診立て)」では、
ライフヒストリーに沿った出来事と症状の位置づけを行います。

そして対人関係療法による治療では
フォーミュレーション(生き方そのもの)に沿いながら
必要な対人スキルを身につけていくことで
自分ではコントロールできない病気の症状も改善していく
という結果をもたらしてくれるのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
『愛着トラウマと発達障害』というタイトルで
愛着トラウマ不適応という環境要因によって
発達障害らしさが顕著になるだけでなく、
各発達段階において特異的な表現型を呈するようになります。

また「複雑性トラウマ(あるいは「閾値下PTSD」)」では
拒食の要素のない「過食症/むちゃ食い障害」を呈することも多いのです。
そのため「非定型で難治性の気分変動」を示すような
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」や「過食症/むちゃ食い障害」に対しては、
トラウマという視点での診断見直しが必要
であることを書いています。

なかなか良くならない「うつ病」や「双極性障害」、
摂食障害過食症/むちゃ食い障害)」で通院されている方は、
トラウマの視点で診断を見直してみる必要があるかもしれませんから
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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2014-11-28

自分を傷つける考え方

水島先生が『焦らなくてもいい!「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』に

気分変調性障害は、それだけで治療を受けようとする人は少なく、「性格の問題」を何とかしようとして自己啓発系のセミナーやカウンセリングを受ける方が多いくらいです。
そして、「性格の問題」を何とかしようとする試みの結果として、摂食障害アルコール依存、薬物依存になってようやく医療機関受診することになる、という人も多いのです。

水島広子『焦らなくてもいい!「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』日東書院

と書いておられるように、
性格の問題や考え方のクセをなんとかしようとする患者さんは
自分の性格や考え方を変えるというカウンセリング
「できない自分をさらに責めてしまう」という
悪循環に陥ってしまうことが多いのです。

それだけでなく、幼少期の母親との関係や育て方の問題といわれ
母親や家族に対する怒りが内在化してしまい、
「生きづらい」のは愛着障害なのかもしれない』と
自分で感じていらっしゃる方も、すごく多いのです。

つまり自分の問題に帰着する自責的な状態や
原因(犯人)探しや他罰的な(人のせいにする)状態に陥ってしまい、
いい加減なカウンセリングで、考え方のクセを何とかするどころか、
ありもしない記憶(偽りの記憶)を捏造することになることで
対人関係の中での再演の中に閉じ込められてしまうのです。
(「偽りの記憶」については『愛着の傷つきの治療』参照)

「気分変調性障害」のカウンセリングをめぐるこの問題は、
ストレスや悩みに対するカウンセリング心理療法と、
病気治療法である精神療法との違いが明確でない
だけでなく、
「考え方のクセや性格の問題ではなく、治療可能な病気である」という
病気と人格を区別する」医学モデルがない
という問題でもありますよね。
(『カウンセリングと精神療法の違い』参照)

精神医療の中でも「気分変調性障害」は診断が難しいだけでなく
薬物療法が有効な例は1/3程度といわれていますから、
5分診療で薬だけ処方される一般の精神科臨床での
効果のある精神療法は期待できず、改善が望めません。

さらに、薬が効かずに、患者さんが症状やできないことばかり訴えると、
性格の問題(パーソナリティ障害)と決めつけられるだけでなく
多剤併用になりがちという問題につながってしまうのです。

「気分変調性障害」の対人関係療法を希望されて
三田こころの健康クリニックを受診された、ある患者さんは、
これまで10年近く、さまざまな薬を飲まれたり、
通院先の病院でもカウンセリングを受けておられましたし、
別のカウンセリングルームにも通ったりしていらっしゃいました。

カウンセリングで母親の育て方の問題と言われたこともあり、
母親との関係もギクシャクしていただけでなく、
ご主人とも離婚寸前まで関係が悪化していました。

マニュアル通りに対人関係療法を導入する場合は、
「自分をいじめる形の考え方」が「気分変調性障害」の症状だと気づく
という「治療による役割の変化」で治療を進めていきます。

この患者さんには「月経前不快気分障害(PMDD)」の併存があり、
月経前後に、抑うつ状態や対人過敏の症状が悪化するだけでなく、
過去の母親との確執(愛着の傷つき)が蒸し返され、
些細なことからご主人との衝突も多発することに注目し、
「トラウマうつ病(『不安型気分変調症/性格スペクトラム障害」)』と診断したのです。

まず患者さんとご主人の同席面接で
病気と人格を区別する」という心理教育を行い、
社会リズム療法」で生体リズムの安定を図るとともに、
対人パターン」を治療焦点とし対人関係療法を導入したのです。
(「対人パターン」については『不安型気分変調症/性格スペクトラム障害』参照)」』)

そうすると少しずつ月経前後の気分が安定し、
さらに、ご主人とのケンカも目に見えて減って、
母親との距離感もしっかり確保できるようになっただけでなく、
習い事とパート勤務も少しずつできるようになりました。
通常より少ない回数で終結したのですが、対人関係療法の終結時には、
今後の再発防止のことまで話し合うことができました。

「気分変調性障害」を含む慢性のうつ状態治療
対人関係療法の熟練した治療者でないと難しい
と言われるのは、
このケースのように、「気分変調性障害」と似た状態の疾患との鑑別や
「気分変調性障害」のタイプの鑑別ができるかどうか、と、
治療による役割の変化」を導入するというステレオタイプの対人関係療法ではなく、
患者さんの現実に合ったアレンジができるかどうかによる、からなのです。

「不安型気分変調症/性格スペクトラム障害」の治療』の冒頭に書いたような
慢性のうつ状態がある人は、対人関係療法の適応になれば
三田こころの健康クリニックで治療を行いますし、
対人関係療法の適応にならなくても
どのような治療法が向いているか、という方向性も考えますので
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

大人のための「困った感情」のトリセツ

大人のための「困った感情」のトリセツ

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2014-11-24

摂食障害と家族関係

これは奇妙な病気だと思いませんか。
食欲とか食物とか体重に関連する病気のように言われていますが、実はそうではないのです。
対人関係で自分が人からどう見られているかという自尊心の病気なのです。

ヒルデ・ブルックやせ症との対話星和書店

今から30年以上前にヒルデ・ブルックが見抜いたように
摂食障害は「対人関係で評価を気にする自尊心の病気
対人関係療法はまさにその部分に焦点を当てていきますよね。

摂食障害から回復するための要因』で引用した
摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学』でも

回復要因のうち、役に立った治療経験として
○共感と理解……53%
○他の過食症者とのコンタクト……25%

が挙げられており、共感と教育の治療である対人関係療法
摂食障害治療に非常にマッチする
と言えますよね。

また、

☆友人、家族、恋人が回復にとって非常に助けになった……53〜78%
生活の中での経験や楽しみ……22%

という反面、

▼「母親(55%)や父親(33%)」は回復の妨げになっている

とも回答されていました。

摂食障害の人にとって家族との関わり方は、
治療促進的に働く一方、阻害的にも作用する可能性のある
諸刃の剣のようなものかもしれませんね。

厚生労働科学研究の報告で、摂食障害の発症危険因子(括弧内はオッズ比)

・食事のカロリーが気になる(3.70)
・夜遅くまで起きていることが多い(1.83)
・家族との食事は楽しくない(1.78)
・家族から“もう少しやせたら”と言われる(1.77)
・自分の気持ちを本当に分かってくれる人は誰もいない(1.64)
・ほかの人と同じくらいうまくしないと自分は劣った人間である、と思っている(1.60)

と、摂食障害の危険因子は「やせたい気持ち・肥満嫌悪」がトップで、
次いで「生活習慣」(「生活習慣としての食習慣の異常〜摂食障害未満」参照)
それから「家族関係の不満」や「決めつけタイプの干渉」、
「孤立感」や「自己肯定感の低さ」の順でした。
摂食障害対人関係療法を行っているとこの結果はすごく納得できます。

また摂食障害の発症契機として圧倒的に多いのが「新しい状況への適応不全」であり、
子を持つ母親の摂食障害では
「子育ての負担が軽減した後の生き方への不安」も挙げられていましたが
これも「新しい環境への適応不全」として、まとめられるようです。

そのなかで注目すべきことは

学校社会でのストレスが家庭内で八つ当たりの形で表現される
●母子間での情緒的交流の乏しさ(アタッチメントの問題)
●患者の母子間の交流不全の否認
(自分の言いたいことは伝わっているという思い込み)
●母親が患者の不安を受け止めることができない(人格と病気の混同/発達課題と症状の混同)
●両親との間やパートナー間での話し合いの欠如

など、摂食障害の維持因子はどうも
不安定な愛着スタイルを背景にした家族との関係性にあるようですし、
これらの維持因子はまさに対人関係療法であつかっていく内容ですよね。

水島先生がおっしゃるように
摂食障害のどんな患者も「現在」対人関係の困難を抱えていて、
対人関係のあり方(関係性)は、本人の情緒や自尊心に大きく影響するので
ヒルデ・ブルックがいうように
「対人関係に表れる自尊心の病気」である摂食障害からの回復は
「対人関係の困難が軽減すること」
であると言えそうですよね。

実際、対人関係療法治療者向けの勉強会では
典型的な摂食障害、とくに過食症(過食性障害/むちゃ食い障害)については
対人関係療法治療が第一選択
とコンセンサスが得られているのですよ。

摂食障害の不安に向き合う―対人関係療法によるアプローチ

摂食障害の不安に向き合う―対人関係療法によるアプローチ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
生活習慣としての食習慣の異常〜摂食障害未満」というタイトルで、
上述の厚生労働科学研究の摂食障害発症の危険因子の上位にある
生活習慣(生活リズムと食行動の関連)について書いています。

食習慣の異常と生活習慣の関係は、一般にはほとんど知られておらず、
三田こころの健康クリニックで「気分変調性障害(慢性のうつ病)」や
摂食障害過食症やむちゃ食い障害)」に
「対人関係−社会リズム療法(IPSRT)」を適応していく中でわかってきたことなのです。

食べることが止められない、食べすぎてしまう、と感じられている方は、
まず早寝早起きと規則正しい生活習慣など日常生活のリズムを整えることで
食欲という身体感覚との折り合いをつけていく必要がある
ということですね。

正確な診断が適切な対処法に結びつきますので
ぜひ三田こころの健康クリニックで、
診断と対人関係療法による治療を受けてみてくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-11-21

過食をがまんすれば摂食障害は治る?

これも患者さんたちからお聞きした話なのですが
摂食障害を克服する」と謳うところでは、
「このままだとどうなるか?」などと
過食に費やす時間や、過食費に直面させて罪悪感を刺激し、
ひたすら過食をがまんさせたり、
カウンセリングを受ければ、○○日で過食が止まる」とか
「この△△を飲めば、過食をしなくなる」など、
かなりアヤシゲなやり方のところも多いようです。

水島先生が『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』に

拒食症過食症も、症状を抑えれば治るという単純な病気ではありません。
症状はストレスの表れです。
なぜその症状が表れているのかということを理解しなければ、対処することができません。

と書いておられるように、
摂食障害は症状を抑えれば治るわけではなく、
根本的な対処が必要な病気ですから、
カウンセリングではなく、ちゃんとした治療が必要ですよね。
(『カウンセリングと精神療法の違い』参照)

また、

もちろん、中には、治療をしないで自然に治る人もいます。
就職や結婚などの生活上の変化が偶然プラスに働き、うまく治ることもあります。
でも、決して多い数ではありませんし、自然に治ることを期待していたら、それこそ取り返しのつかないことにもなりかねません。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

そのうち治るだろうという考え方は、
「今後の人生が、病気のために損なわれないようにする」という
治療の考え方と正反対ですよね。

摂食障害対人関係療法による治療で目指していくことは
(摂食障害の)症状に頼らなくても心のバランスをとれるようになること
ですよね。
そのため対人関係療法による治療では「病気から学ぶ」ということを重視しますよね。

摂食障害の症状である過食(むちゃ食い)は、
体温計の数字のようなもので、症状はストレス度を表すものであり、
体温計の数字を眺めて数字そのものについて論評したりせず、
症状がひどくなった誘因(ストレスとの関連)を考えていく
ということが対人関係療法による治療の原則になりますよね。

摂食障害という、好きでなったわけでない病気

症状のように、基本的に本人ではなく「病気」に属するものは、コントロール出来ないし、「しなくてよい」ことになる。
一方、(対人関係療法のように)効果が実証されている治療における課題は本人に「できる」ということであり、「すべき」ことでもある、ということになる。

水島広子『摂食障害の不安に向き合う』岩崎学術出版社

つまり「過食やむちゃ食いという症状を抑える・ガマンする」というやり方は
自分の力でコントロールできないし、
しなくてよい症状をむりやりコントロールしようとして
自責感や罪悪感の悪循環を生み出してしまうために、
治るどころか、かえって悪化してしまうのです。

罪悪感を刺激するようなやり方は、
百害あって一利なしですよね。

また摂食障害は、意志の問題や気持ちの持ちようではありませんし、
病気を治すことと、「克服して」人間的に成長することは別の次元の話ですよね。

医療機関に通院しているけど治らない、
カウンセリングに通っているけど、いまひとつピンと来ない
と感じられている方は、もう治らないとあきらめずに、
この機会に、是非、三田こころの健康クリニックで
対人関係療法による治療を体験してみて下さいね。

摂食障害の不安に向き合う―対人関係療法によるアプローチ

摂食障害の不安に向き合う―対人関係療法によるアプローチ

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2014-11-17

「対人関係-社会リズム療法」を用いた慢性うつ病の治療と復職・就労支援

「不安型気分変調症/性格スペクトラム障害」の治療』の冒頭に書いたように
慢性の抑うつ状態を示す可能性のある疾患としては

・反復性うつ病性障害
・双極うつ病(とくに双極性障害・II型)
・トラウマ関連障害(いわゆるトラウマうつ病
・持続性気分障害(気分循環症・気分変調性障害/持続性抑うつ障害)
・遷延性抑うつ反応(適応障害

などが挙げられます。

このような「慢性うつ」の方の社会的な支援として
さまざまな復職支援あるいは就労支援がありますよね。

しかし内容は、ほとんどが復職後の作業のシミュレーションであり、
パソコン作業や認知行動療法的なトレーニングなどであり、

・どのようにすれば社会復帰が可能になるのか
・どのようになれば社会復帰が可能になるのか

ということが、明確に示されていないですよね。

社会復帰のための条件と方法が明確でないと、
復職支援のために、逆に休職期間が延長してしまうことや
復職率が低下したりという矛盾した事になったり、
あるいは復職してもまた休職してしまうなど、
効果につながらないことも多いようです。

復職・就労支援で必要なことは「生物学的リズムの安定」と「社会的リズムへの適合」なのですが、
9時〜5時の集中や起床時間は通勤時間から逆算するなど、
社会的リズム」のみが強調され「生物学的リズムの安定」はあまり考慮されませんよね。
どうもここに復職支援の問題点があるようです。

ドクターズ・ファイルのインタビューでも話したのですが、
双極性障害治療法として知られる「対人関係-社会リズム療法」は、
セルフモニタリングを用いて「社会的リズム」を安定させ、
刺激の頻度と強度を調整することによって「生物学的リズムの安定」を目指す
というやり方で、
重要なのは「生物学的リズムの安定」なのです。

社会リズム療法(ソーシャル・リズム・メトリック:SRM」によって

・毎朝決まった時間に起きることができる
・一晩寝ることで疲れが取れる

という、復職のために必要な前提条件である「生物学的リズムの安定」が
達成可能になりますよね。

生物学的リズムの安定」が達成できたら、次に

・9時〜17時の集中が可能である

という「社会的リズムへの適合」ができるよう時間全体をシフトさせることで
安定した「生物学的リズム」が「社会リズム」に同調するようになってくれば、
復職・再就労が可能になってきますよね。
(復職再就職支援施設「リエンゲージメント」はこのようなコンセプトで指導しています)

このように三田こころの健康クリニックでは、
「対人関係-社会リズム療法」を双極性障害の方だけでなく、
うつ病」や「慢性うつ病(気分変調性障害を含む)」など気分障害の患者さんや
摂食障害過食症や過食性障害/むちゃ食い障害)」の方に適応
し、
効果を上げているんですよ。

双極性障害だから「対人関係-社会リズム療法」という短絡的なやり方ではなく、
「患者さんの現実に合わせて、最も適した治療法を選ぶ」という
対人関係療法の重視する「鑑別治療」の考え方ですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
「不安型気分変調症/性格スペクトラム障害」の治療」というタイトルで
対人関係療法で「不安型気分変調症」の治療を進める際には
通常の「気分変調性障害」の治療と違った工夫が必要なことを書いています。

しかしこれも、「不安型気分変調症」の診断ができないと
マニュアル通りのやり方が押しつけられることになりかねないため、
対人関係療法が重視する「鑑別治療学」とは矛盾してしまいます。

・些細なことでひどく怒るなど、感情のコントロールが難しい
・人を信じられず、怖く感じることが多い
・自分の感じ方を全く肯定できない
・なかなか治らないうつ病摂食障害などがある
・「月経前不快気分障害(PMDD)」や「月経前症候群(PMS)」がある
・愛着障害かもしれない

などと感じられる方は、ぜひ、参照して
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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2014-11-14

『拒食症(神経性やせ症)』をめぐる問題

拒食症(神経性無食欲症)』という病名は、
「食欲の病気」という誤解を生じやすいとの理由で、
DSM-5では『神経性やせ症』という病名になりました。

新しい診断基準では「無月経」が削除され、
さらに「期待される体重の85%以下」がなくなりました。
つまりBMI: 18.5以上であっても、
体重減少による精神症状を伴えば「著しい低体重」とみなすようです。
このあたりのことは『摂食障害の低体重の定義と重症度』を
参考にして下さいね。

しかしながらDSM-5での一番の問題は
拒食症(神経性やせ症)』の診断基準から
客観的に評価しにくいという理由で「肥満恐怖」が必須項目ではなくなり、
かわりに「体重増加を防ぐための持続的な行動」が追加され、
どちらかがあればよいことになりました。

行動観察により『拒食症(神経性やせ症)』が診断しやすくなったといわれますが、
「体重増加を防ぐため」という行動目的を明確にしようとすれば
必須項目でなくなった「肥満恐怖」と同じように客観的に評価しにくいですよね。

そうすると
「現在の低体重の深刻さに対する認識が持続的に欠如」し
体重増加を防ぐためかどうかわからないけれど
摂食関連で「持続的な行動」を続ける他の状態が
拒食症(神経性やせ症)』と誤診されてしまう可能性が大きくなっているのです。

たとえば。
グレート・オーモンド・ストリート・クライテリア(GOSC)の

強迫や抑うつ、不安を伴う「食物回避性情緒障害
食べるものへのこだわりが強い「選択的摂食
年齢相応より摂食量が少ない「制限摂食
嘔吐恐怖や飲み込み恐怖がある「機能的嚥下障害と他の恐怖状態

などが『回避・制限性食物摂取障害』としてひとまとめにされ、
よくわからない診断基準になったという印象を持ってます。
そうなると「食べない・食べられない・食べたくない」人たちが
安易に『拒食症(神経性やせ症)』と診断されますよね。

摂食障害のミニエンサイクロペディア」と銘打った某・書籍
「(摂食障害の)診断は難しくない」と書いてあるのですが、
たくさん食べると「過食症」、食べないと「拒食症のように
安易な診断は、病気の本質に合った適切な治療には結びつきませんよね。

上記の書籍には「(摂食障害の)治療は難しい」と書いてあったり、
拒食症(神経性やせ症)』に対してエビデンスのある治療法はないといわれるのも
このような分類がなされてこなかったことにも一因があるのかもしれませんね。

さらに『回避・制限性食物摂取障害』は
併存症として、不安障害強迫性障害、あるいは
発達障害自閉症スペクトラム症、知的能力障害など)が知られていることから
一括りに『拒食症(神経性やせ症)』と診断するのではなくて、
元々どんな人だったのか」という背景因子や
併存症の把握、疾患の成立プロセス、疾患のバリエーションの診立てなど
ある程度の分類を行うことで治療の方向性が見えてきますよね。

三田こころの健康クリニックでの初診時の面接では
対人関係療法で最も重視する、元々どんな人で、
どういうきっかけで病気が発症し、それが続いているのはなぜか、について
対人関係療法の概念で説明する「フォーミュレーション」を行っていますので、
受診された患者さんが「はじめて自分のことをわかってもらえた」
「すごく楽になった」「楽しかった♪」とおっしゃって下さるんですよ。

これまで医師にわかってもらえずに、どれだけ辛い思いをされていたのか、
そして、いい加減な治療方針での医療を受けてこられたかを想像すると、
ちょっと切なくなりますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
非定型の摂食障害〜制限摂食」というタイトルで、家族内葛藤について書いています。

本人のペースを考慮しない刺激や強制は
摂食障害だけでなく、さまざまな影響を子どもに与えますので
治療という医学的観点の前に
「元々、どんな人だったのか」という個別性を明確にすることで解決可能になります。

その時に必要になるのが「(過度の)期待」というプレッシャーではなく
そこはかとない安心感」という
オキシトシンの関与する愛着関連の安心感ですよね。
(『ストレス過食とアタッチメント(愛着)の生物学的関連』参照)

昨今の医療機関では摂食障害の診断だけでなく
うつ病などの診断すらおざなりになっているようですので、
何年も通院しているのに良くならない
薬ばかり増えていく、と感じていらっしゃる方は
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

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2014-11-12

対人関係と心の健康

水島先生の一般向け講演会のお知らせです。


怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ

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