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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-02-08

心との向き合い方と対人関係療法

精神療法家、心理療法家にとっては○○療法以前に、
「心とは何か」という体験が必要不可欠です。

そのうえで、心の本来の機能(レジリエンス)を発揮する方法として
どんな患者さんに、どのような治療法や技法を適応すれば改善するのか
を考える必要がありますよね。

ダニエル・J・シーゲルは

「心」を定義づけようとすると、どの専門分野も独自のとらえ方と用語があるので、心についての共通見解がなく、心について検討しようにも共通の用語がないという問題点が浮上したのです。
(中略)
共に研究をはじめるための出発点として、わたしが最終的にグループに呈示した心の定義は、次の通りです。
「心とは関係性のプロセスであり、身体とつながり合うプロセスである。それによってエネルギーと情報の流れを調節するものである。」
まさにこの定義がどんぴしゃりでした!

ダニエル・シエゲル『脳をみる心、心をみる脳星和書店

心の働きという特性をみた場合、この定義は納得できるものです。

上記のシーゲルは
「心は実在するものであり、無視したところでなくなるものではありません。」
と書いていますから、あえて脳科学的に理解すると

「心」とは、直接的な経験と、神経細胞ネットワークの「学習パターン」との相互作用によって生起する、常に変化する「発現(あらわれ)」である。

ということになりますよね。

心そのものや心の中で起きることは何かしらの特定の実体ではなく、
常に変化する「顕現(あらわれ)」であり、
心とは「今、ここ」で展開している「体験そのものなの」です。

つまり、私たちは知覚で作り上げられた世界に生きており、
現実を直接的に知覚しているのではなく、
認識の中で現実を再構成し、少しずつ近づくことで
「知ること(体験すること)」を構築しています。

重要なのは、知覚された内容そのものではなく、
知覚された内容(表象)に対する体験の仕方であり、
心が感覚的な情報をどのように外界の認知投影したか
つまり「その出来事をどう体験したか」ということです。

さらに、思考や感情、感覚をどのように自分の内界に投影したか
つまり「体験がどのような意味として位置づけられたか」によって
さまざまな感情(情動体験)や意味体験が生じるのです。

心はすべての経験の土台であり、心は体験そのものですから
体験の仕方、つまり心の方向や意味づけが変わることによって、
経験の質が変わりますし、変えることができますよね。

そのために、今ここで起こっている出来事を即時的に体験する
マインド・トレーニングが必要になります。

心に浮かぶ内容を書き換えたり上書きしたりするのではなく、
ましてや思考で思考を理解したり、抑えつけるのでもなく、
心がもつ本来の機能を十分に発揮することが
精神療法、心理療法に役立つ心の使い方なのです。

上記の投影というメカニズムが「文脈」ですから、
自らの体験を能動的に「語る」ことで
自分と他者がどんな存在であるかという見方が生まれます。
この「語り(ナラティブ)」が対人関係療法で重視する「対人関係文脈」です。

対人関係療法で取り組んでいく

  • ほんとうはどうなって欲しかったか?
  • そのためにはどうしたらいいか?

という行動の基盤や未来志向的な行動変容を後押ししてくれるのが
マインドフルネスで得られる
「気づき(自覚)」「選択(意図)」「文脈(意味)」なのです。

「自分の気持ちをよく振り返る」ことをマインドフルに行うことで

  • なにが起きたのか?
  • その時どう感じたのか?

という「自分の心(体験)」にその時々で気づいていることですよね。

心を通り過ぎていく思考、感情、知覚、感覚をみていると
広々とした静かな「気づき」の意識の感覚が生まれてきます。
これがマインドフルネスの状態なのです。
(巷で流行りのマインドフルネスとはちょっと違います)

このような心との向き合い方は、
対人関係療法とは関わりがないように見えるかもしれませんが
じつは、対人関係療法にとりくんでいく土台になりますし、
過食症やむちゃ食い障害の人にとっては、過食衝動と向き合い、
「心の枠組みを拡げる(気分耐性を高める)」ための基礎になります。

「思考(考え)」や「言語化された感情(気持ち)」や
心そのものと誤解しないことが大切ですし、
あれこれ考えて思い悩んだり感情に振り回される主体を
自分自身だと錯覚しないことが重要なのです。

気分変調性障害や過食症あるいはむちゃ食い障害
あるいは愛着スタイルの問題を改善するため
対人関係療法による治療を希望される方は、
だいたいのところを理解しておいてくださいね。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
対人関係療法と食事指導というタイトルで、
対人関係療法でも食事内容や摂取方法の指導だけでなく
生活習慣にも焦点を当てることを書いています。

たとえば、一日中過食しているとおっしゃる患者さんに
行動記録票を書いてもらったところ、
昼夜逆転でちゃんとした食事は摂っていないことが判明しました。

この患者さんには3食の食事を摂ることを含めた生活リズム指導で
朝食・昼食がわりの過食はほとんど起きなくなり、
自分の気持ちを伝えられない「評価への過敏性」を焦点として
重要な他者との関係を対人関係療法で扱ったことがあります。

自分で取り組む過食(むちゃ食い)や過食嘔吐の治し方』で書いたように
過食症治療していくには、
対人関係療法で自己志向的認知(自尊心)を高めると同時に、

○ 感情受容と調節スキルを高めるマインドフルネス
○ 食事摂取方法(栄養回復)の改善

の「自分の心との関係」「自分の身体との関係」という
「自分自身との対人関係(折り合い)」をつけていく2つの軸が必要です。

三田こころの健康クリニックは他のメンタルクリニックと違い
対人関係療法による治療のみを専門で行っています。
初診で対人関係療法での効果が期待できると判断されて
重要な他者などの治療協力など治療の準備が整っていれば、
お待たせすることなくすぐに治療を開始することができます。

過食症」や「むちゃ食い性障害」の対人関係療法による治療を希望される方は
問い合わせしてみてくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2016-02-01

症状につながる「感情や思考に対する感情」との向き合い方

感情の多くは、対人関係の中での表情や声のトーン、
アイコンタクトなど非言語的なメッセージを介して、無意識に起こります。

ですから、大きく心が揺さぶられる感情でない限り、
その瞬間に自覚するのはかなり難しいのです。
そのため感情や感覚は「前意識」と呼ばれます。

たとえば、話しかけたのに無視された場合、
衝撃とともに感じる悲しさや不安、あるいは怒りなど
出来事に反応して起きる感情を「一次感情」と呼びます。

しかし、怒りを感じることがその場の状況にそぐわない場合、
自分を拒絶した(と感じた)他者に対しての怒りを感じると同時に
「なんでこうなるんだろう?!」と
怖れを感じている自分に怒りを感じることもありますよね。

このように「怒りに対する不安や罪悪感」、「不安に対する悲しみ」、
「悲しみに対する恥ずかしさ」などを感じることがあり、
これらを「二次感情」と呼びます。

「反応(一次感情)に対する反応」である二次感情は、
最初の感情を覆い隠して変質させますし
痛みをともなう一次感情をうやむやにして
一次感情から自己を守ろうとして
状況に対して適切とはいえない行動を起こしてしまうことがあります。

たとえば、過食症の人の

相手が自分の中に踏み込んでくることに不愉快さを感じても「ノー」と言えないので、親しくなるのが怖いのです。
あるいは、自分の内面をきちんと伝えることができないので、常にいい顔をしてつきあうことしかできず、親しい関係は大変な負担になります。
(中略)
でも、その「トラブルのなさ」の正体を見てみれば、「自分一人ががまんして抱え込む」という対応パターンをとり続けていることがわかり、それによって蓄積されたストレスが病気へとつながっているわけです。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店
という例が二次感情に伴う不適応的な行動です。

つまり「痛みをともなう一次感情」から自己を守ろうとした結果、
あるいは対人関係を良好なものに保とうとした結果、
「過食」という別の大きなストレスを抱え込まざるをえなくなってしまったのですよね。

二次感情にはもうひとつ、「思考に対する感情」もあります。
たとえば気分変調性障害では、状況をどのように解釈したか、
感情がどのような影響を受けたかという記憶をもとに、
「自分はなにもできない無力でダメな人間なんだ」と自己組織化(意味づけ)され
この時に感じた予期不安や屈辱感、罪責感・自責感が症状としての感情です。
(色メガネ:不適応感情スキーマと呼ばれます)

対人関係療法では、絶望感や無力感など
二次感情反応を伴った記憶が活性化されたときに
「症状に気づく」ということを強調します。

この二次感情反応に「症状なんだな」と位置づける作業が、
次の瞬間の体験と語りに影響を与えるのです。
これが「症状に力を与えない」ということです。

この「気づく」という自覚は
感情について考える、言葉で表現する、
という次元だけにとどまるものではありません。

「自分の気持ちをよく振り返る」という対人関係療法の原則を説明すると
気分変調性障害の人の多くが
「私は自分の気持ちがよくわかっています」
とおっしゃいます。

気分変調性障害の人がおっしゃる「自分の気持ち」というのは
気分変調性障害の症状そのものである「思考」や「思考に対する二次感情」なのです。

感情を抑圧したり回避したり、感じないようにすると
抑え込まれた感情は身体症状として表現されますし、
あるいは抑圧しようとした感情が、逆に増幅してしまい、
感情の洪水のような感情調節不全に陥ることもありますし、
過食(むちゃ食い)や衝動買い、などの衝動行為につながることもあるのです。
(衝動行為やイライラがあれば双極性障害と過剰診断されている場合もあります)

心の中で起きる現象にすぎない反応(感情)に振り回されると
私たちは思考や感情の奴隷になってしまいます。
そうではなくて、「私という主体の意識」が心を観察し
感情や思考に「気づく」ことが必要になります。
そのため、三田こころの健康クリニックでは
マインドフルネスを指導しているのです。

「気づき」は、明晰な自覚を持って一次感情を感じとり、
その感情が持っている適応的な情報と行動の方向性を知る
ということです。

対人関係療法では、「そのときどう感じたか」
「本当はどうなって欲しかったか」
「そのためにはどうしたらいいか」ということで
このプロセスに取り組んでいきますよね。

気分変調性障害、過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法
不安定型愛着スタイルによる対人関係の修復を希望される方は
感情や思考との向き合い方を理解しておいて下さいね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症の対人関係療法で食べ物のことを扱うというタイトルで、
食べる行為(共食)と人との関わりは同じであることをふまえ、
過食症治療では、食べ物と対人関係の両方に向き合う必要があることを書いています。

対人関係療法では食べ物や食べ方に焦点を当てないことになっていますが
摂食障害は個々のケースで個別性が非常に高いために
対人関係療法を適応する際も、その人に合うアレンジが必要なのです。

過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法による治療を受けたい方は
ぜひ『摂食障害から回復するための8つの秘訣』を参考にして、
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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2016-01-25

出来事に対する反応としての感情

グリーンバーグは感情体験を4種類にわけています。

一次適応感情
一次不適応感情
二次的反応感情
道具感情

の4つです。
これは『自分の心と向き合う習慣』でちょっとだけ触れましたよね。

感情(気持ち)は状況や出来事に対して反応的に生じるのですが、
感情は状況に対して適切な行動の方向性を含む情報でもあるので
対人関係療法で取り組んでいくように
「感情を指標に現実を変える」ために必要不可欠なのです。

たとえば多くの人が感じたくないと思っている「恐怖」は
状況に潜む危険に対するアラームであると同時に、
その場でじっと身を潜めたりたり、必要であれば逃げたりすることで、
危険を避けることで身に迫る危険を回避する行動を促します。

また「恥ずかしさ」は、その場にふさわしくない行動をしていることや、
他者から非難されたり拒絶される可能性があることを知らせてくれます。

あるいは、過食の原動力となる「怒り」は
脅威に対して、自己主張的な行動の原動力にもなりますよね。
これは対人関係療法で扱っているので体験された方はおわかりと思います。

状況を変化させる方向性をもつ反応としての感情を
「一次適応感情」と呼びます。
これに対して状況に対する反応ではあるものの
行動を変えるための助けにならず、妨げるものを
「一次不適応感情」と呼びます。
この「一次不適応感情」は過剰学習の結果であることが多いのです。
(例:「評価への過敏性」のうち、傷つく評価を怖れる学習性無力)

行動変容を妨げる「一次不適応感情」には、たとえば
自分の価値のなさについての「恥ずかしさ」の感覚
基本的な安心感・安全感のなさについての「不安」
見捨てられる「悲しさ」などがあります。

さらに「一次不適応感情」は、手放すこと、暴露、消去、馴化などのやりかたでは
弱まらないといわれています。(二次感情にはこのやり方が有効です)

しかしこの「一次不適応感情」、たとえば「恥」や「不安」などは
より適応的な感情体験を同時に活性化することによって
変化させることが可能になります。

たとえば、対人関係療法では「役割不安」ということで、
それまでのやり方やパターンが
実際の対人関係や自己肯定感にどのような影響を与えているかを考えてみることで、
怒りや恥、恐怖を感じたとしても、他者との境界線を作ることで安全感に変わり、
さらに、自分への思いやりなど、以前は接触できなかった感情に触れ安心感に変わる
こともありますよね。

しかし「一次不適応感情」を感じ取ることができて、
心が落ち着いた状態でないとこのような感情の変容は起きません。
この時に、マインドフルネスが役に立つのです。

あるいは治療者が患者さんの代わりに感情を表現することで
患者さん自身のこれまでのパターンの妥当性が揺らぎはじめ
「一次不適応感情」の影響力は弱まっていきます。

その状態で、対人関係療法で取り組んでいくような
怒りの感情や、対立やリスクに向き合うという新しい体験をすることが
スキルを身につけることにつながります。

このような感情との取り組み方は、
対人関係療法治療する過食症やむちゃ食い障害、気分変調性障害だけではなく、
不安定型愛着スタイル、とくに「とらわれ型/不安・アンビバレント型」の
タイプCストラテジーを使う人には非常に役に立ちます。

このあたりの感情との向き合い方については
対人関係療法ではあまり強調しませんので
いつまでも不安が消えないと感じられるかもしれません。

しかし、不安を消そうとすること自体
感情、つまり自分自身の心を敵に回してしまうので
なかなか不安は消えないのです。
(『マインドフルネスの注意点』参照)

自分のこころと闘うのではなく、感情の意味と働きを知るという自覚と
本当はどうなりたいかという選択を自覚することが重要なのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害の治療でジャッジメントを手放すことというタイトルで、
対人関係療法による過食症治療での課題は
ありのままの気持ちを感じられるようになり、
その感情を指標にして行動を起こすことで
摂食障害からの回復を目指していく、ことを書いています。

三田こころの健康クリニックで対人関係療法の初期に行っている
治療の土台作りで使っているプリントと『8つの秘訣』から引用しながら
過食症やむちゃ食い障害の治療で必要になる
ジャッジメントを手放すということを説明しています。

ジャッジメントを手放すということは
マインドフルネスの1つの因子でもありますから
三田こころの健康クリニックでは
過食症対人関係療法による治療と合わせて
マインドフルネスを指導したりしているのですよ。

過食症やむちゃ食い障害で通院しても
薬を処方されるだけの治療に疑問を感じている方
過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法による治療を受けたい方、
摂食障害から回復するための8つの秘訣』を参考にしたい方は
上記の『状況に対する反応としての感情』についてもある程度理解して、
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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2016-01-18

愛着の問題と対人関係の怒り

「とらわれ型/不安・アンビバレント型」の人の課題』で

「とらわれ型/不安・アンビバレント型」タイプの人は、
「あれは母親のせい(親の育て方・かかわり方)だったんだ」ではなく、
「不安は過去の感情記憶から生まれていた」と理解する必要があります。

と書きました。

自らの感情をどのように捉え・感じ・行動するかによって、
その後の感情が強まったり、和らいだりすることが知られていて、
自らの感情をどのように捉えるかの「感情スキーマ」が
「不安や抑うつと関連」していることが確認されています。

たとえば、「とらわれ型/不安・アンビバレント型」では
「罪悪感」「反すう」「他者非難」など不適切な感情スキーマが高く、
「妥当性」「高い価値」「他者との一致」など
適切な感情スキーマが低いことがわかっています。

また、気分のコントロールができないと感じている人ほど
重要な他者からの批判で動揺し、否定的な感情が喚起される傾向が高い
ということがわかっています。

とくに、完璧主義的な傾向(クロニンジャーの「固執」)が高いほど
重要な他者への批判と、重要な他者からの批判に伴う動揺が関連している
と言われています。

さらに「固執」が高いと、自分を取り巻く世界に関して、
杓子定規な態度や思い込みが強く、他者にも完璧さを求める傾向があり、
他者に受け入れられない場合には、他者に批判を繰り返すなど
悪循環が生じている可能性が示唆されています。
(例:摂食障害とも併存することの多い、まきこみ型の強迫)

このような重要な他者との間に生じる批判とそれに伴う動揺は

  • 重要な他者から受ける批判
  • 批判を受けたことでの動揺
  • 重要な他者に対する批判(攻撃)
  • 批判(攻撃)による重要な他者の動揺

の4つの要素、つまり対人関係療法であつかう
「役割期待の不一致(不和)」が起きているのです。

このような批判の応酬を対人関係療法では「口が曲がる」といっていますが
こうした批判と、動揺にともなう条件反射的な怒りは
外的対象(この場合は重要な他者)に対して
何らかの思いこみをあてはめる誤った認識が反映されているのです。
そして、その思いこみは、自分の心に起源があり、
自分でその影響を受けているにすぎないのです。

相手を、そして自分のまわりの状況を変えたければ
自分の心を変えるしかありません。
そして、自分の行為、言葉、思考のもたらす結果を
しっかりと認識して受容する必要があります。
これが「自分の選択に自覚と責任をもつ」ということですよね。

強い感情がうずまいている最中に、それがもたらす不快な結果を調べる方が
心が穏やかな時よりも、容易に調べることができます。

たとえば、他人を傷つける行為と
他人に親切にする行為を交互に行ってみると
後味の悪い感じとほんわかした気持ちを明瞭に体験できるように、
強い感情を経験している瞬間こそが、
精神的な苦痛を減じるまたとない機会となるのです。

この際に、心そのものをみつめるマインドフルネスが役に立ちます。
マインドフルネスは、気持ちを穏やかにするとか
感情を受け入れたり、距離を取るという方法ではなく、
いかなるときも、心の本質と離れていないということを体験する
マインド・トレーニングなのです。

そのプロセスの中で、過去の出来事に由来する強い情動が
いまの感情として流れ込んできていること、
それがナラティブ(物語)に影響を与えていたことを理解すること、
「いま自分はこういう状況にある」と自己モニタリングができるようになることが
「とらわれ型/不安・アンビバレント型」タイプの人の課題になりますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症からの回復に必要な自分との向き合い方というタイトルで、
対人関係療法ではあまり重視されない自分との向き合い方は、
自分自身との役割期待の不一致を解消するプロセスであると同時に、
過食症から完全に回復するために避けて通れないプロセスでもある
ことを書いています。

さらに多くの人が陥りがちな問題点として
重要な他者に話を聞いてもらうときに「症状トーク」になってしまうと、
気持ちが安らぐどころかますます病気のトラップ(策略)の中にはまり込んでしまうという
という陥穽にも触れています。
(『摂食障害はどのように治っていくのか』参照)

摂食障害、とくに過食症やむちゃ食い障害から
完全に回復するためには、対人関係療法による治療を通して

  • 周囲の人たちとの関係性を変化させていくこと
  • 自分の心との向き合い折り合いをつけていくこと

の2つがぜひとも必要なのですよね。
(『摂食障害の脳機能』参照)

過食症あるいはむちゃ食い障害、気分変調性障害の治療を希望される方、
摂食障害から回復するための8つの秘訣』を参考に治療に取り組みたい方は
対人関係療法による治療を専門に行っている
三田こころの健康クリニックに相談して下さいね。

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2016-01-12

愛着トラウマの脳科学

食べものと人とのかかわりの類似点は
料理をすること」と「共食すること」で
そこに相手との関係性が反映されるといわれます。

その中でも共食とは、食べ物を独占せず他個体に分け与える配慮があり、食べることによる喜びや楽しさを共有し、そのことによって個体間の結びつきを高めるものとされている。
長谷川智子「子どもの健やかなそだちと食べること」そだちの科学 25 (10): 53-56, 2015

対人関係療法が「過食症」や「むちゃ食い障害」に有効なのは
自己効力感と自己肯定感が高まってくる過程で
「境界線」や「敷地」という考え方を通して
自分と考え方が違う他者を認められるようになり
他者との関係が再構築されることによります。

この「個体間の結びつき」が養育関係や夫婦/パートナー関係など
重要な他者である場合に、アタッチメント・システムが作動します。
(『アタッチメントの意味』参照)

摂食障碍という病を関係病理の視点からみていくと、「甘え」体験の質が世代を超えて伝達していることがわかる。
しかし、それは摂食障碍という病が世代を超えて伝わることを意味しない。
幼児期に「甘えたくても甘えられない」という関係病理が、「育てられる者」としての子ども時代に摂食障碍という病をもたらし、「育てる者」としての親になった際には、自らの子育ての中で自分の子どもに「甘え」のアンビヴァレンスをもたらすことにつながっているということである。

小林隆児「「育てられる者」と「育てる者」としての摂食障碍という病」そだちの科学 25 (10): 72-76, 2015

「甘え」を「愛着」と読み替えると
アタッチメント神話の行方』で書いた
世代間伝達」の意味がよくわかりますよね。

このような養育関係における「「甘え」の欠如」と
一般に愛着障害として知られる「不安定型愛着スタイル」が関係します。

一方、幼少期の身体的・性的虐待やネグレクトと密接に関連する
「恐れ/未解決型」「安全基地のゆがみ」
「愛着障害(反応性愛着障害・脱抑制性社交障害)」など
治療の対象となる「アタッチメント関連トラウマ」では、
ソーシャル・エンゲージメント・システムに関わる
腹側迷走神経の活性化不全があり、
「シャットダウン(解離)」が起きることがわかっています。

アタッチメント・システムを「養育者を安全基地として利用する乳児の行動システム」
つまり、トラウマの脅威を対人的に緩和するシステムととらえると

  • 恐怖などの情動中枢である「扁桃核
  • 内的な感覚への気づきや感覚的情報と感情との統合、動機づけに関わる「帯状回
  • 攻撃的および運動的衝動の調節に関わる「前頭前野(眼窩面)」
  • 気づきや意味づけに関わる「島」

を含む回路が関与していることが知られています。

これらの部位は摂食障害でも機能不全がみられる領域でもあり
また前帯状回と島は、『マインドフルネスの脳科学』で触れた
「顕現性ネットワーク」に関わる中枢でもあるのです。

つまり、トラウマを背景にするアタッチメントの問題や
「とらわれ型/不安・アンビバレント型」の愛着スタイルの修復、
あるいはトラウマやむちゃ食い障害を含む過食症治療では
三田こころの健康クリニックで行っているように
マインドフルネス(顕現性ネットワーク)を使って
皮質とのつながり(中央実行ネットワーク)を強めていくことが必要
ということですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害と脳機能というタイトルで、
摂食障害からの回復に必要な

  • 心の中の過食衝動と向き合い、嗜癖症状とトラウマ症状を軽減すること(自分との折り合い)
  • 対人関係療法によるアタッチメントの修復

という、2つの要素について書いています。

摂食障害の文献を読んでいると、専門家側から書かれたものと、当事者側から書かれたもののあいだに、大きな乖離があるように思われる。
そしてその乖離自体が、治療効果の低さと密接に関わっていると思われる。

宮地尚子「食べることの調律もしくは食べることの失調−−複雑性トラウマと摂食障害そだちの科学 25 (10): 77-82, 2015

8つの秘訣』は、かつて当事者であり現在は治療者である
キャロリン・コスティンさんとグエン・グラブが書かれているので
専門家側と当事者側の乖離がありません。

8つの秘訣』を参照にして対人関係療法を併用することで
高い治療効果が得られますので、
過食症やむちゃ食い障害で通院して薬しか処方されていない方は
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

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2016-01-04

マインドフルネスの脳科学

最近の脳科学ではマインドフルネスに関して
3つのネットワークが関与することがわかってきました。

自分のことを考えたり、創造性に関与する「デフォルトモードネットワーク」(図・左の青)
潜在的抑止や知的活動など実行機能をつかさどる「中央実行ネットワーク」(図・右の赤)
中央実行ネットワークとデフォルトモードネットワークが切り替わるときに活動する、
刺激に気づきを向ける働きをもつ「顕現性(サリエンス)ネットワーク」(図・中央の黄色)の3つです。

f:id:ipt-therapist:20151108141800j:image:w420

脳には負担を減らすため、大量の情報に対するフィルターとして
潜在的抑止(選択的注意)という働きがあります。

たとえば、「カクテルパーティー効果」。

多人数の談笑している会合の中で、周辺の雑音レベルがかなり高いのにもかかわらず、自分の相手としている人の声はきちんと聞き取れる現象。

のことです。
これは「中央実行ネットワーク」が活性化した状態ですよね。

逆に、あれこれ考えて反芻や心配が大きくなっているとき、
三田こころの健康クリニックでは「脳内劇場」と呼びますが
このようなマインドレスな状態では
デフォルトモードネットワーク」が活性化しています。

また自閉症スペクトラムでは障害があるといわれる
「心の理論」を可能にする能力は
目標に応じて意識的に行動を制御する能力であり
「中央実行ネットワーク」の注意制御能力と関連している
とする知見が有力になっています。

三田こころの健康クリニックでのマインドフルネスで
呼吸に意識を向けている、思考を見守っているときに
注意がそれてしまったときには、ただ気づいて
また呼吸や思考への注意に戻す、を指導しますよね。

この中で、意識を向けている状態が「中央実行モード」、
注意がそれて脳内劇場の始まりが「デフォルトモード」で、
「おっと!」と気づいた瞬間の「顕現性モード」が
マインドフルネスが生じた瞬間なのです。

対人関係療法やアティテューディナル・ヒーリング(AH)で
ジャッジメントを手放すということを言いますよね。
ジャッジメントに関する好悪刺激の反応中枢は扁桃核にあります。

嫌な画像や楽しい画像をマインドフルに見る研究で
瞑想経験がない人たちは前頭前野が活性化していて
情動の中枢である扁桃体の働きを抑えていることがわかっています。

前頭前野の背内側(額の奥)は
概念化された自己や自己イメージと関連していて
距離をおいて見ることと対応しているといわれます。

一方、瞑想を長く続けている人たちは前述の好悪刺激に対して、
前頭前野扁桃核の働きは変化せずに
デフォルトモードネットワーク」が鎮静化し、
「顕現性ネットワーク」が活性化しているという結果があるのです。

「顕現性ネットワーク」の中枢は前帯状回の背側部と
島(側頭葉頭頂葉下部を分ける外側溝の中にある皮質)といわれ
島は瞬間瞬間のマインドフルな自己と対応しているといわれます。

反芻や心配などあれこれ考えて症状に巻き込まれてしまう
「脳内劇場モード(デフォルトモード:神経回路のうわさ話)」から
「症状に気づく」「顕現性モード(あぁあれね!)」が最初の段階。

「症状に力を与えない」ため「中央実行ネットワーク」を使った
客観視と自己制御(前頭前野扁桃体を抑制)する段階から、
どんな思考、どんな感情、どんな状況もヴィヴィッドに感じながらも
巻き込まれずに完全に自由に見つめることができる「顕現性モード」を
三田こころの健康クリニックでのマインドフルネスでは指導しています。

一般的にマインドフルネスは、最初は
アティテューディナル・ヒーリング(AH)のように
脳(思考)を使って練習します。

しかし瞑想でマインドフルネスを行うときは思考を使うのではなく
気づき(顕現性モード)を使い、「デフォルトモード」が起きると
自動的に「顕現性モード」が活性化するようになり、
次第に「顕現性モード」が心の自然な状態になってきます。

三田こころの健康クリニックで、気分変調性障害や
過食症/むちゃ食い障害の対人関係療法による治療
マインドフルネスを指導する理由もこれらのエビデンスにあるのです。

それだけではなく、マインドフルネス瞑想を通じて
それまでの無意識な反応パターンである「デフォルトモード」から
「顕現性モード」によって「中央実行モード」に切り替わると、
以前と今の出来事の違いに対するフォーカス・アテンションと
自分あるいは他者の行動への注意(オープン・モニタリング)によって
行動パターンを変えていくことが修正獲得型の愛着の構築につながるんですよ。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食衝動とマインドフルネスというタイトルで、
過食衝動というやっかいな情動に対して「症状に力を与えない」ために
衝動を客観視するマインドフルネスの取り組みが必要であることを書いています。

対人関係療法ではこのように感情を大切にしますから、
ちょっと難しいですけれども、理解しておく必要がありますよね。

過食症あるいはむちゃ食い障害、
気分変調性障害の治療を希望される方は
対人関係療法による治療を専門に行っている
三田こころの健康クリニックに相談してくださいね。

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2015-12-28

マインドフルネスの注意点

このブログでもマインドフルネスについて触れていますが
認知療法の分野で流行りのマインドフルネスは

今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚して、それに対する思考や感情にはとらわれないでいる心の持ち方や存在のありよう

と定義されており、マインドフルネス認知療法が行われています。

ある本には

マインドフルネスでは、価値判断をする代わりに、ありのままに受け入れてそれを感じるということを目指す。(中略)まったく逆に、症状を受け入れ、それをコントロールしようとしないことを目指すものである。
(中略)
マインドフルネスでは、生きると言うことの原点とも言える呼吸や身体の感覚に注意を向け、それをありのままに味わうことから始める。それを基本にしながら、つらい体験や苦しい感覚も、ありのままに受け止め、味わうことで、そこから、乱されない心と豊かな気づきを手に入れていく。
(中略)
その意味で、マインドフルネス体験は、とても高次な体験であると同時に、とても原初的な体験でもある。それは母親の子宮内での羊水の中に浮かんでいたときのような、あるいは母親に抱かれたときのような安心感にも通じる。

と書いてありますが、「ありのままに受け入れる」とか
「とても高次な体験であると同時に、とても原初的な体験でもある」
という理解とはかなり違うのが本当のマインドフルネスです。

マインドフルネスのメインストリームは上座仏教の瞑想がベースにあり

  • 今この瞬間の体験に注意を向けること(観察)
  • 内的体験に言葉でラベル付けをすること(描写)
  • 気づきを向けて行動すること
  • 評価をしないこと(受容)
  • そのままにさせること(受け流すこと・経験への開放性)

などの概念が含まれています。

マインドフルネスに関する先行研究では、
「観察」は「受け流すこと(経験への開放性)」と相関があったものの、
神経症傾向や精神症状とは有意な相関を示さず、
「言葉でのラベリング(描写)」「気づきを伴う行動」「評価を加えない受容」は
抑うつや不安ではうまく機能していない、と考えられています。

あるパイロットスタディ(予備研究)の発表で
不安障害パニック障害、社交不安障害強迫性障害)に対し
マインドフルネス認知療法(毎週2時間、全8回)を行った結果、
「評価をしない(受容)」については有意な改善が認められたものの、
「観察」「受け流すこと(経験への開放性)」は元のまま、
「言葉でのラベリング(描写)」「気づきを伴う行動」には
変化が認められなかったと報告されていました。

「評価を加えない受容」については、
アティテューディナル・ヒーリング(AH)のように
考え方を変えることで変化が可能だったけれども
「受け流すこと(経験への開放性)」「気づきを伴う行動」には
マインドフルネスの効果は得られなかった、ということなのです。

不安になっていることはわかるけれども(評価を加えない受容)、
何に対する反応としての不安なのか(観察・描写)
不安に対してどう向き合えばいいのか(経験への開放性)
は今ひとつピンとこないし、
不安を感じながらどう行動すればいいのか(気づきを伴う行動)
はよくわからない、という結果だったということですよね。



「マインドフルネス認知療法」のやり方を見てみると

  • 心の体験(顕現性モード)よりも、学習に重きが置かれていること
  • 思考そのものに焦点が当たりすぎていること
  • 「不安」をラベリングすることで、逆に受け流しにくくなっていること
  • 出来事の反応としての一次感情と思考に伴う二次感情の区別ができていないこと
  • 座瞑想の時間が40分と初心者にとっては長すぎること

などの印象を受けました。

上記の予備研究を含め、このやり方では「不安」が実体として捉えられ、
マインドフルネスが不安回避のための方略として使われているため、
本来のマインドフルネスの効果が発揮できなかったのではないかと考えられます。
指導者がマインドフルネスでの心の使い方について
十分な経験がなかったことも一因なのかもしれませんね。

ちなみに、私は「静寂と明晰の瞑想」を17年ほど続けているので
座瞑想での安定した集中が1時間は可能なのですが、
経験上、初心者では最大10分が限度でしょう。

私が教わったやり方では、5〜10分の短いセッションを数多く繰り返し、
瞑想やマインドフルネスの状態に馴れることが最初のステップです。
ストレスが軽減するマインドフルネスの状態からはじめ
マインドフルネスの状態を保つことができるようになると
苦しみの深いレベルを緩和する次のレベルの瞑想に進みます。

三田こころの健康クリニックでは、過食症やむちゃ食い障害、気分変調性障害、
「拒絶・回避型/愛着軽視型」や「とらわれ型/不安・アンビバレント型」など
不安定型愛着スタイルの修正に対し対人関係療法と並行して
マインドフルネスを教えたりしていますよね。

上記の予備研究を発表された先生に
「心のなかで起きることは、現象ではあるが実体ではない」と
マインドフルネスのエッセンスをお話したのですが、
認知(とらえ方・理解の仕方)の話と誤解されてしまい、
残念ながらマインドフルネスの真髄には気づいてもらえませんでした。
指導者もマインドフルネスを修習されてなかったのかもしれませんね。

マインドフルネスの大きな特徴は、頭でわかっても、役に立たないということだ。
心や身体を通して、それを実践的に体験し、身につけていく必要がある。
いくら言葉を尽くしても伝えることができない。
実際に体験する中でしか、会得できないのである。

岡田尊司『回避性愛着障害光文社新書

巷にはマインドフルネスが溢れかえっています。
本で読んだだけのマインドフルネスを指導され
状態が悪くなった患者さんの話も聞いたことがあります。

マインドフルネスの指導者が脳波fMRIMRIを用いたニューロイメージング)をやってみて
マインドフルネスの状態を保てているかどうか見る必要がありますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』
今週はお休みです。
新年は1月5日に更新予定ですのでお楽しみに。

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2015-12-21

「とらわれ型/不安・アンビバレント型」の対人関係療法

対人関係療法の導入時に愛着スタイルをアセスメントし、
病気治療」として重要な他者との関係に焦点を当てますが
愛着スタイルそのものは直接の治療焦点にしませんよね。

一方、愛着の問題が関与する夫婦/パートナー関係の修復では
愛着スタイルそのものに焦点を当てた対人関係療法を導入しますし
場合によっては、マインドフルネスと対人関係療法の技法を用いる場合もあります。

とくに

  • 排除された否定的認知(他者の感情や思惑を無視するなど、心の交流がむずかしい)
  • 歪曲された否定的情動(怒りの表出や威嚇など、感情コントロールの著しい阻害)

などのタイプC愛着ストラテジーを多用する
「とらわれ型/不安・アンビバレント型」は
ネガティブな情報についての感受性が高く、
最近の脳科学による研究では

  • 恐怖や怒りなどの情動中枢である「扁桃核
  • 内的な感覚への気づきや感覚的情報と感情との統合、動機づけに関わる「帯状回
  • 攻撃性や衝動の調節に関わる「前頭前野(眼窩面)」

などの部位が関与していることが知られています。

「とらわれ型/不安・アンビバレント型」は
潜在記憶により呼び起こされる激しい情動反応によって
怒りにもとづく攻撃や衝動行動が繰り返され、
生活や精神状態がしだいに分断され崩れていきますから、
まずマインドフルネスのトレーニングで
潜在記憶から生まれた感情(一次不適応感情)に気づく
ということに取り組んでいきます。

マインドフルネス(気づき)をつかって、

  • 外的現実と心の中で起こる不安や先入観(色めがね)を区別すること
  • 過去の出来事に由来する強い情動がいまの感情として流れ込んできていること
  • それが「いま自分はこういう状況にある」とナラティブに影響を与えていること

などを理解することが最初の課題になります。

「あれは母親のせい(親の育て方・かかわり方)だったんだ」ではなく、
「現在の不安や怒りは過去の感情記憶から生まれていて
現実にフィルターがかかって見えているんだ」と理解する必要があります。
(この「気づき」のプロセスを担っているのが「島皮質」です)

一次不適応感情や色めがね(先入観)の奴隷になるのではなく
感情や思考は自分という主体の中で起きていることであり、
『心の中で起きたこと(一次不適応感情や色めがね)は現象に過ぎず実体ではない』と
感情耐性を高め「コントロール感を取り戻していく」ことがテーマになります。

マインドフルネスによるインナー・ワークととともに
対人関係療法では自分を傷つける評価を怖れる「評価への過敏性」に取り組みます。
対人関係療法で取り組んでいくのは
「再交渉」や「対人学習」が課題になることが多いですよね。

そして一貫したライフストーリーをつくっていくこと
つまり、自分はこれでいいと「自己肯定感を高めていく」ことが
修正された安定型愛着スタイルの獲得につながるのです。

この取り組み方は過食症の人や、不安型気分変調症
対人関係療法による治療とも共通するテーマですよね。

「とらわれ型/不安・アンビバレント型」愛着スタイルの修正には
三田こころの健康クリニックで行っているように
対人関係療法に加えて、マインドフルネス(顕現性ネットワーク)を使って
大脳皮質とのつながり(中央実行ネットワーク)を強めていくこと
が必要ということですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症状の背景にある気持ちに気づくというタイトルで、
摂食障害から回復するための8つの秘訣』と対人関係療法で共通する

  • 過食や過食嘔吐という症状につながった対人関係上の出来事とその時の気持ちをふり返る
  • 過食や過食嘔吐という症状を使わなくてもコミュニケーションを通じて出来事に対処できるようになること

過食症からの回復につながることを書いています。

患者さんから「過食症栄養補充療法で治りますか?」と聞かれました。

なお、過食はストレスからばかり起こるものではありません。
十分な炭水化物脂肪をとっていない人は、生物学的にも過食に陥ります。「飢餓状態」になると、ネズミでも過食するのです。
これは、精神的な問題とは別次元の反応であり、生きていくために十分なエネルギーを摂取しようとする身体の欲求なのです。
このような場合に、過食だけをガマンしようとしても、それは不毛な努力です。一時的に収まっても、すぐにまた始まります。
過食を抑えるには、とにかくちゃんとしたものをちゃんとした量食べるしかありません。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

飢餓過食は、過食症とは別次元栄養失調ですから
必要なのは高価なサプリメントではなく、
「ちゃんとしたものをちゃんとした量食べる」ことですし、
過食症飢餓過食と誤診されると、治る病気も治らなくなります。

過食症あるいはむちゃ食い障害でなかなかよくならないと感じている方、
対人関係療法による治療を希望される方は、
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

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2015-12-14

「拒絶・回避型/愛着軽視型」を対人関係療法で癒す

このブログで「愛着(アタッチメント)」のことを書いているため
「自分は愛着障害かもしれない」と思っていらっしゃる人が
どうやったら治るのか?と検索されていることも多いですよね。

「拒絶・回避型/愛着軽視型」の不安定型愛着スタイルで
満たされなさや生きづらさを感じている人に対しては
三田こころの健康クリニックでは
対人関係療法を用いたカウンセリングという形で治療を行っています。

「拒絶・回避型/愛着軽視型」の人は、
愛情を希求しながら満たされない苦しみを感じないで済むように
ミラーニューロン・システム(他者の意図・感情・行動のシミュレーションを行う)が活性化しないので、
関係性のなかで相互的な自己感覚を高めることができなくなります。
(クロニンジャーの「自己志向」「協調性」の低さ)
このタイプの人が「自分は愛着障害ではないか?」と感じやすいようです。

「拒絶・回避型/愛着軽視型」の愛着スタイル、
つまり、回避や否認などのタイプAの愛着ストラテジーを使う人は
自分なりのペースと方法で社会適応もそれなりにできています。

しかしこのタイプの人が不適応を起こすと慢性化しやすく

  • 否定的情動の排除(嫌な気持ちを感じないように回避している)
  • 歪曲された認知(事実に対するフィルターがかかっている)
  • 偽りの情動(気持ちを抑圧して他者の目を気にする)

などのパターンに終始し、医療機関受診すると「うつ病」や
「気分変調性障害(慢性うつ)」と診断されることが多いですし、
自閉症スペクトラムの方も多く混在している印象があります。
無力型気分変調症に似た経過をとることが多いようです)

このタイプの人は、歪曲された認知で「自分は治らない」と自縄自縛したり、
気持ちを抑圧して他者の目を気にするパターンから
医者が何とかしてくれると受動的(人任せ)になったりすることも多いのです。

「拒絶・回避型/愛着軽視型」では「回避傾向」が維持因子になっていて
対人交流による愛着スタイルの修正が起きないため、
「回避傾向」と向き合うことが最初の課題になります。
「拒絶・回避型/愛着軽視型」の人はぜひ
回避性愛着障害』を読んでみてくださいね。

摂食障害、とくに過食症やむちゃ食い障害の方でも
重要な他者とのコミュニケーションを回避される方がいらっしゃいます。
対人関係療法では「重要な他者」の協力がないと治療ができませんので
「重要な他者」に病気の事を伝えるということが治療の第一歩となります。

「拒絶・回避型/愛着軽視型」の人が愛着スタイルの修正を進めていくときには、

  • マインドフルネスを使って休眠状態だった右脳の感覚を取り戻すこと
  • 身体感覚や感情をしっかり感じ、言葉で表現出来るようになること

が次のステップになります。
「自分の気持ちをよく振り返り、言葉にしてみる」ということで、
摂食障害対人関係療法による治療でも同じですよね。

対人関係療法を適応するときには、
過食症や気分変調性障害の治療と同じように
「自分の価値が下がる「かもしれない」評価を怖れる」
「評価への過敏性(脳内劇場)」を焦点として、

  • 外的現実と頭の中での想像(脳内劇場)を区別すること
  • 感情を指標にコミュニケーションを通じて現実を変えていくスキルを身につけること

に取り組んでいきますよね。

とくに「外的現実と頭の中での想像(脳内劇場)を区別する」は
「自分の気持ちをよく振り返る」ことと関連しています。
マインドフルネスで「身体感覚や感情をしっかり感じ」られるまでは、
そういうものだと頭で理解しておく必要がありますから
三田こころの健康クリニックで対人関係療法による治療の最初に
怖れを手放す』の考え方を説明していますよね。

そして対人関係療法の技法を使って
「感情を指標にコミュニケーションを通じて現実を変えていく」のですが
その際、回避型愛着スタイルによって隠れていた
愛着欲求の不満と怒りが表面化して葛藤状態となり、
一時的に「とらわれ型/不安・アンビバレント型」のような状態が現れることがあります。

回避性愛着障害』にも書かれておらず
回復過程でのこのような状態の変化がほとんど知られていないのは
傷ついた愛着の治療経験がないとわからないからなのです。
II型トラウマ(対人トラウマ)の治療の最終段階でも怒りの発露が見られますよね。

過食症や気分変調性障害の対人関係療法による治療でも同じで
それまでコミュニケーションが抑制的で情緒的交流が乏しかった状態から
感情を指標にコミュニケーションを取るようになると
期待のズレが顕わになり、口論が起きてくることがありますよね。

このことは治療の最初にあらかじめお伝えしますから
三田こころの健康クリニックに通院中の患者さんは
お聞きになったことがあると思います。

そして、過去の出来事を理屈で理解するのではなく、
人生の物語に「意味を見つける」こと(身体感覚での納得:腑に落ちる)と、
その物語を実際の生活で実現していくこと、がテーマになるのですよ。

またいつかもっと詳しく書く機会があると思いますので
お楽しみに。

悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法

悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
クセになった過食や過食嘔吐とどう取り組むかというタイトルで、
拒食症・過食症を対人関係療法で治す』に書いてある治り方と
三田こころの健康クリニックでの治り方の違いは、
「自分の心との向き合い方」を指導していることによると書きました。

「自分の心との向き合い方」は、クセになった過食や過食嘔吐にも有効で、
過食に焦点を当てて過食をがまんするという行動抑制ではなく
過食や過食嘔吐の「衝動と向き合うこと」で
感情耐性を高め心の枠組みを広げる方法であることを説明しています。
この方法でマインドフルネスを指導したりしているのです。

対人関係療法では使われないやり方ですので書こうかどうか迷いましたが、
マインドフルネスにしろ対人関係療法にしろ、大切なことは
その人に合った、もっとも適切な治療法を考えることですし
せっかくの治療の機会を有効に使っていただきたいとの思いから
思い切って紹介することにしました。

通院しているのによくならないと感じられている過食症やむちゃ食い障害の方は
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

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2015-12-08

飢餓過食から回復する時期の身体とのつきあい方

拒食や過食の症状や発症の仕方にはいろんな本で情報は得られますが
ダイエットや拒食からの回復期、とくに飢餓過食が起きたときの対処法や
その後の経過について説明されている本はほとんどありません。

摂食障害で悩んでいらっしゃる方の一助になればと思い
過食症に転じる人と転じない人のちがい
ダイエットや拒食からの回復期の過食〜満腹感と嘔吐への対処
ダイエットや拒食からの回復期の過食〜肥満感と向き合う
で、飢餓過食からの回復過程を詳しく書いてみました。
今回が「回復期の過食」シリーズの最終回になります。

摂食障害、とくに拒食症で体重が減少している間は
自己不全感や自己不全感を感じなくて済みますから
治療に向かう気持ちはまったく持てません。

しかし体重が減れば減るほど満足するどころか
イライラや不眠が強くなっていきますし、
飢餓症候群によってとらわれがますます強くなります。

体重が身体の限界に近づくと
生命維持のための摂食衝動が起きやすくなりますし
食べ始めると止まらない感覚を感じやすくなります。

この時期の過食・大食は生理的な反応ですから
多くの場合は元の体重を超えてしばらくすると
過食は治まってきます。

しかし飢餓状態で大量の摂食が起きると
低リン血症からリフィーディング症候群をきたし
心不全などを起こしやすくなるので注意が必要です。

またこの時期にはビタミン欠乏や急激な糖代謝の変化、
急性の胃拡張などさまざまな身体の変化がおきますから、
それまでかなりの飢餓状態にあった人は
内科などの身体科で身体管理を十分に行う必要があります。

飢餓状態からの回復期に体重増加を受け容れられずに
自分で嘔吐したりすると、過食嘔吐が慢性化しやすくなります。
ダイエットや拒食からの回復期の過食〜満腹感と嘔吐への対処』で
注意点について書いていますよね。

飢餓過食が起きた時期は飢餓状態のバランスが一時的に破綻します。
自覚的な身体感覚では、寒がりだったのが
摂食により代謝が上がるため汗をかきやすくなったり、
風邪をひきやすくなったり、あるいはそれまで自覚できなかった
思考力の低下や記憶力の減衰を自覚しやすくなります。

また心の中では、「痩せていた方が楽だった」
「太ってしまうと自分には価値がなくなる」など
「やせれば解決するかもしれないと考える頭(思考)」と
「食べて生きようとする身体」との葛藤の時期にもなります。

虐待してイジメると身体は反発して敵になりますが
身体の言い分を聞いてあげると、この上ない味方になってくれます。
「自分が管理を任された身体」という考え方』で

身体は敵ではない。コントロールをしなければ暴走していくような無知なる存在でもない。
身体には叡智があり、それは私たちにさまざまな形でメッセージを送ってくれる

中村英代『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新曜社

と引用したとおりです。

身体が生命に目覚めたこの時期に必要なのは、
対人関係療法や○○療法という特殊な治療ではなく、
意識から最も遠い身体の言い分に耳を傾け、
無意識の表現としての身体症状の意味を解読してあげる
サイコソマティック(身体心理学的)なアプローチなのです。

ですから身体も心も診ることができて、かつ、
摂食障害を専門に診ている(治し方・治り方がわかっている)
医療機関受診する必要があるのです。

身体からのメッセージを受け取り、
身体に任せても大丈夫と覚悟を決める(自分と折り合いをつける)と
次第に身体の混乱は落ち着いてきます。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

身体が落ち着いてくるとダイエット拒食症に駆り立てた本来のテーマである
「自己肯定感の低さ」が明瞭になってきて、軽い抑うつ状態になります。
このことに触れてある本はありませんよね。

ここでようやく自己コントロール感と自己肯定感を高める
対人関係療法のような専門的な治療が必要になります。
病気が治るということは、元に戻ることではなく、
身体は健康な状態になり、病気につながった生き方の方向転換ができる
ということだと思います。

これが「身体が先、心は後」という治療方針ですから
身体の混乱期を抜け、BMIが15以上になって
摂食障害を治したい、対人関係療法を受けたいと思っていらっしゃる方は
三田こころの健康クリニックに相談してくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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