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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-10-20

感情がコントロールできない

月経開始前(2週間前〜月経2日目にかけて)に

・気分の不安定さ(突然涙もろくなる・拒絶に敏感になる)
・苛立たしさ(怒りの爆発・対人関係での摩擦)
抑うつ感、絶望感
・不安・緊張や気分の昂(たか)ぶり

などの感情症状にくわえ、

・通常の活動における意欲減退
・集中困難
・疲労感・倦怠感
・食欲の変化(特定の食物への渇望・過食/むちゃ食い傾向)
・過眠または不眠
・圧倒される、または制御不能という感じ
・他の身体症状:乳房の圧痛、関節痛、浮腫、体重増加

などの非定型うつ病に類似した症状を伴う「月経前不快気分障害(PMDD)」でも
感情のコントロールができない感じを伴います。

「月経前不快気分障害(PMDD)」は環境因子として
季節の変化のほかにも(『季節性感情障害〜「冬季うつ病」と「夏季うつ病」』参照)
女性の社会的役割や、ストレス(対人関係での傷つき)などが関連することが知られています。

苛立たしさは「思い通りにならない/予定が狂った」ときの感情ですが、
「易怒性」と呼ばれる癇癪(かんしゃく)(怒りの爆発)は、
相手から理不尽な決めつけを受けたことで
自尊心(いわゆるプライド)や関係性(愛着)が
「攻撃された/傷ついた」と感じたときにスイッチが入りやすい

ですよね。

感情がコントロールできない「易怒性」をこのように見ると
「非定型うつ病」に似た抑うつ状態とトラウマには密接な関係がある
ことがわかりますよね。

DSM-5で抑うつ症候群に分類された「重篤気分調節症(DMDD)」は
児童から青年期(6歳〜17歳)の感情調節不全で、
虐待による愛着形成の障害により、
みずから不安をなだめることができず、
周期的に癇癪(かんしゃく)ををくり返すもので、
当初は「双極性障害」と考えられていましたが
抑うつが中心症状であるため「抑うつ症候群」に含まれたという経緯があります。

実際「双極性障害」や「気分変調性障害」の併存のある/なしにかかわらず、
「トラウマ関連障害」では「非定型うつ病」の状態を呈しやすい
ことも臨床経験からわかっています。(『気分反応性をともなう気分障害』参照)

双極性障害」にトラウマ(あるいはPTSD)が併存する場合、
誘因のない内因性の気分エピソードではなく、
対人関係に関連する出来事がきっかけとなり
状況反応的に、躁状態 or うつ状態を呈しやすい
ことが知られています。
(『愛着やプチ・トラウマが関与する気分変調性障害の治療』参照)

つまり「感情がコントロールできない」ときは、
その状況反応性を考えてみると、
対人ストレス(対人関係の軋轢・摩擦)が引き金になっており、
背景に「対人トラウマ(とくにII型トラウマ)」がある場合も多い
のです。

しかし、メンタルクリニック心療内科受診すると
感情と気分は違うにもかかわらず、感情の起伏を気分の波とみなされ
抑うつ状態」や「うつ病」あるいは「双極性障害」と診断されて
何種類も薬を処方され、休職を勧められたりしますよね。

背景にある「トラウマ」に対しての位置づけと対処はなされないので、
抗うつ薬や抗不安薬によって逆に悪化したり、
気分調節薬でも気分の変動が止められないなどが起きて
薬の量や種類が増えるだけで、難治例・遷延例とされていることも多いのです。
(実際、「トラウマ関連障害」と診断を変更し対人関係療法を導入して、減薬・断薬が可能になることも多いのです)

また、多くのカウンセリング心理療法諸派では
クライエントの病態水準の問題(脆弱性)とされ、
個人心理学的なアプローチがなされることが多いのですが、
これではトラウマで最も影響を受ける
周囲の人たちへの信頼感(二者関係)の回復は期待できませんよね。

このようなトラウマによる「抑うつ状態(トラウマうつ病)」に対し
愛着の問題やプチ・トラウマが関与する気分変調性障害の治療』で触れたように
三田こころの健康クリニックの対人関係療法では、
愛着(アタッチメント)関係の修復と再構築を目標として
思春期版の対人関係療法(IPT-A)』を導入することもあるのです。

「トラウマ関連障害」に対する『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』の応用は
三田こころの健康クリニック独自のアレンジと自負していたのですが、
カナダのCANMATガイドラインでは
PTSDうつ病の併存に対人関係療法治療の第1選択肢として挙げられており、
なかでも『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』による治療
認知行動療法よりも良好な結果が得られたと報告されていました。

つまり対人トラウマを背景にした「慢性の抑うつ状態(トラウマ関連障害)」は
三田こころの健康クリニックで行っているような
『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』による治療
世界的にもスタンダードな治療だということですよね。

トラウマや衝撃体験をお持ちの方は
診療申し込み票(問診票)の記入が辛く感じられることもあるので、
そういうときは、一人で悩まずに
三田こころの健康クリニックに相談して下さいね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
トラウマと気分障害の関係」というタイトルで
感情調節不全や抑うつ状態をともなう複雑性PTSD
愛着障害を呈することもある「発達性トラウマ障害(DTD)」について書いています。

「トラウマ関連疾患」は「双極性障害」と誤診されやすいこと、
「愛着障害」などの対人トラウマによる影響は
発達の各段階において特異的な表現型を示す
ことから、
三田こころの健康クリニックで行っているような
発達精神病理学をふまえた包括的な診断が必要ですよね。
発達障害(自閉症スペクトラム症)やADHD
双極性障害」と誤診されることが非常に多いことが知られています)


なかなか良くならない「うつ病」や「摂食障害」、
あるいは「感情がコントロールできない」と感じられる方や
「愛着障害(愛着トラウマ)かもしれない」と悩んでいらっしゃる方、
「対人関係がいつもうまくいかない」と感じられる方は、
気づかれていないトラウマの影響の可能性がありますので、
思い切って三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-10-13

「食べること」と「こだわり」からの回復

三田こころの健康クリニックでは対人関係療法を専門にしているため
さまざまな医療機関から、摂食障害の患者さんとか
気分変調性障害の患者さんが紹介されたり、
全国各地から受診されているんですよ。

個人情報保護の観点から詳しくは書けないのですが、
過食症」ということで紹介された患者さんの中に
三食たべることで過食がほとんどなくなった
おっしゃる患者さんが数名いらっしゃったんですよ。

これらの患者さんたちは、
「「食べる/食べない」という葛藤が過食につながっているのではないか」
「過食するから太るのであって、ちゃんと食べれば太らないのではないか」と
頑張って1日3回の食事をするようにしたら
体型にも影響がなかったし、過食も減ってきた
とおっしゃっていました。

食べることで過食(むちゃ食い)が良くなっていくのは、
過食(むちゃ食い)の2つの要素のうちの、
ダイエットの反動としての過食(飢餓過食)」が緩和したためですよね。
だから対人関係療法では、過食を抑えつけないということが大切なのですよね。
(『ダイエットの反動としての過食』『過食症の食生活の改善』参照)

多くの医療機関では摂食障害の診断そのものがあやふやですから、
摂食障害、とくに過食やむちゃ食いの後の自責感を「うつ病」、
評価に関する不安を「社会不安障害」と誤診され抗うつ薬を処方されたり、
場合によっては、過食症の患者さんに「食べなければいい」という
本末転倒の指導(というより無責任な押し付け)をなされるため
過食を押さえつけることになり、確実に悪化しそうですね。

つまり過食やむちゃ食いという症状を「摂食障害過食症)」と診断する以前に、
過食が起きるメカニズムである「身体のコンディションとニーズ」を読み取る必要があり
そのために、身体の状態まで見据えた専門的な診断が必要になるのです。

摂食障害未満」(※やせ願望や肥満恐怖がない場合)であれば、
社会リズム療法」を応用した生物学的リズムの再構築と、
時間遺伝子の動きに合わせて「いつ・何を食べればいいか」という
食事指導だけで改善することも多い
のですが、
このことはほとんど知られていないですよね。
(このことについては、いつか改めて書く予定ですのでお楽しみに♪)

逆に、生活リズムが夜型になっていると飢餓過食は遷延しますので、
過食やむちゃ食いが良くならないと感じられてる方は、
まずご自分の生活スタイルを見直す必要があるということですよね。

さて『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学』に

彼女たちは、痩せ願望も緩和し過食や嘔吐をしなくなった後にも、痩せることと同様に何かの対象への〈執着〉や〈こだわり〉のある時期が続き、これらを摂食障害の延長線上に位置づけていた。
(中略)
これは「痩せている自分には価値がある/痩せていない自分には価値がない」という考え方からは離脱しているが、今度は別の価値の追求がなされている状態と考えることができる。
「価値がある自分/価値がない自分」という枠の中で生きているため、主観的には生きづらさや苦しみからは解放されない。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

とあるように、ある患者さんは
体重を測ると数字にとらわれてしまうから体重は測らない」と
「食べる/食べない」という二項対立も
「体重を測る/測らない」という別の〈こだわり〉も手放された方も
いらっしゃったのです。

さらに下剤乱用に取り組んでおられた患者さんもいらっしゃいました。
ピーク時には1日50錠以上使っていた下剤も
頑張って徐々に減らしてこられたそうです。

「○○ができる自分には価値がある/○○ができない自分には価値がない」という二項対立的な考え方自体が、苦しみを生む元になる考え方として相対化されていく。
第2節では、他者に肯定されたり、自分で自分を肯定することが、痩せていることへのこだわりからの解放の契機として語られた。
しかし、本節で見てきた回復者からは、他者からの承認を得ようとすることや、自分自身の価値観を追い求めようとすること自体が苦しみを生むということが、さらに踏み込んで語られた。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

つまり、摂食障害という多種多様な症候群を考えた場合、
これらの患者さんたちのように、「食べる/食べない」「体重を測る/測らない」
「下剤を使う/使わない」という二項対立、つまり
「強迫傾向」という「自分自身との折りあい」をいかに乗り越えていくか
ということも、一つの回復への過程(プロセス)と見ることができますよね。

摂食障害の診断を満たす場合には、ダイエットにのめり込むきっかけとなった
「自己肯定感(自分らしさ・他者への感謝・自尊心)」の低さ、
「新しい環境への適応不全」の中心にある「空虚感」や「不安感」が治療焦点
であり、
このような患者さんに対する対人関係療法による治療は、
「自己効力感(なんとかなる・やってみよう)」を有効に使うこと、
つまり心のアクセルとブレーキのバランスを考えていくということになりますよね。
判断の一助として、水島先生が『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』に書いておられる
クロニンジャーの「気質・性格検査」も参考になりますので、興味がある方はおっしゃってくださいね。

大人のための「困った感情」のトリセツ

大人のための「困った感情」のトリセツ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
非定型の摂食障害〜選択的摂食」というタイトルで、
男性にも見られることのある「拒食症」に似た状態や、
単一食品の過食(大食)」などの場合はどのように診断するか、
について書いています。

このようなケースでは栄養指導などでは解決に至らず、
生まれつきの特性の把握と、こだわりに合わせた見守りや
行動を変えていくような対応が必要になることを解説しています。

その人に合わせた適切な治療に結びつくためには
元々どんな人だったのかという背景を含めた正確な診断が必要です。
病院に通っていてもなかなかよくならないと困っていらっしゃる方、
摂食障害かもしれないと悩んでおられる方は
ぜひ三田こころの健康クリニックで診断を受けてみてくださいね。

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2014-10-06

愛着の問題やプチ・トラウマが関与する気分変調性障害の治療

診断は気分変調性障害であっても、いろいろとトラウマティックな経験をしている人はいますので、一見区別がつきにくいケースも多いのですが、その外傷の強度はどの程度か、外傷がよみがえるような症状(悪夢やフラッシュバック)があるか、覚醒亢進状態があるか…というあたりで診断を区別していきます。
(中略)
なお、トラウマの結果としてPTSDではなくうつ病になる人もいますので、トラウマの有無だけで診断が決まるわけではありません。

水島広子・著『対人関係療法でなおす 気分変調性障害創元社

と水島先生も書いておられるように、
イジメをうけたことがあるから「PTSD」、
両親との間に葛藤があったから「複雑性PTSD」と
安易に診断されているケースも多いようです。
(自分で「愛着障害」ではないかと思われている方も、同じ考えなのかもしれません)

ちなみに、PTSDに該当するトラウマティックな出来事として、
切迫した生命の危険、深刻な怪我、性的暴力による被害、
災害救援者の惨事ストレス、暴力または事故による死別体験が
具体的に述べられており、イジメやDVなどの
日常的なトラウマ(プチ・トラウマ)は厳密にはPTSDとは診断されない
ことになっています。

また6歳以下の子どもの場合は、惨事ストレスは除かれますが
主たる養育者や親のトラウマ体験(上記)の目撃が
挙げられています。

現在は、なんでもかんでも「うつ病」という
イージーな診断がまかり通っていて、
適応障害」さえ「うつ病」と診断され
休職と復職をくり返したり、薬をあれこれ試してもなかなか良くならず、
三田こころの健康クリニックに相談される場合も非常に増えています。
適応障害抗うつ薬を処方されると、遷延化することが分かっています)

問題はトラウマ(プチ・トラウマを含む)の結果、
うつ病(慢性のうつ状態や非定型の気分変調)になることもある
ということで、
環境要因によるエピジェネティックス(環境要因による後天的な遺伝子発現の変化)のため、
感情制御が脆弱になり、抑うつ症候群が発症しやすくなると考えられています。
(『思春期以降に明らかになる愛着障害とは?』参照)

このようなプチ・トラウマに起因するうつ状態は内因性のうつ病とは診断されず
抑うつ反応」「反応性うつ病」「軽症うつ病」などと診断されていました。
(「同調性」を基盤に執着気質や循環気質をもつ「慢性の抑うつ症候群」ではない)

「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」の混乱』に書いたように
従来診断で「神経症性うつ病」や「抑うつ神経症」と呼ばれていた

・対象関係因性の葛藤や不安を伴う性格神経症的な「慢性の抑うつ症候群
・ストレス因が解決されず慢性に経過した適応障害タイプの「遷延性抑うつ反応」

との鑑別が必要になりますよね。

とくに虐待などのトラウマ(プチ・トラウマを含む)が
養育者(とくに親)との関係性に起因するときには
児童期であれば「反応性愛着障害/反応性アタッチメント障害」や
「脱抑制型反応性愛着障害/脱抑制型対人交流障害」との鑑別が必要
になりますが、
その場合、水島先生が書かれているように
外傷(虐待や社会的ネグレクト)の強度がどの程度か?
ということも判断するうえで必要ですし、思春期〜青年期であれば、
発達障害自閉症スペクトラム症)やADHDがあるのかどうか?
を考慮する必要がありますよね。
(『『反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害』の最新情報』参照)

このような「対象関係因性の気分変調(ディスチミア」)では、
「ダブル・デプレッション(二重うつ病)」を呈することも多く
うつ病」と診断されて抗うつ薬の服用を何年も続けているのによくならない
というタイプがかなり見られます。

対象関係因性の気分変調(ディスチミア)」というのは
「相手に嫌われたのではないかとひどく気にする」ということで、
「傷つきそうな評価が気になる」「評価への過敏性」ということになりそうです。
(『摂食障害の回復と「評価への過敏性」の2つの次元』『非定型うつ病と気分変調性障害(慢性うつ病)』参照)

このタイプの「評価への過敏性」はヒルデ・ブルックのいう「内部混乱」のように
小さい頃から自分の気持ちを受け止めてもらえず、
日々のプチ・トラウマが蓄積していく中で自分の気持ちを切り離して抑圧し、
学習性無力感」のためにコミュニケーションを避けるようになった結果、
不安型気分変調症」、つまり
「対象関係因性の葛藤や不安を伴う性格神経症的な「慢性の抑うつ症候群」」
の発症につながったのではないか、と考えられますし、
このようなタイプは「摂食障害過食症やむちゃ食い障害)」を併発することも多いようです。
(『評価というプチ・トラウマと「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」』参照)

対人関係療法による気分変調性障害の治療(IPT-D)』では
治療による役割の変化」という問題領域を適応することが多いのですが、
この「不安型気分変調症」は
「評価への過敏性」の結果として発症していますから、
治療による役割の変化」では治療がうまく進まないことも多いのです。

そのため安全感(自己肯定感)や安心感(コントロール感)を培うことを目標に
役割期待をめぐる不一致(病気のために傷ついた対人関係の修復)」を治療目標にして
『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』を応用することで、
愛着(アタッチメント)の修復と再構築が可能になることを
プチ・トラウマと「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」』で
解説しましたよね。(『愛着の問題の関与を疑うとき』も参照してくださいね)
このことは水島先生も書かれていませんけれども、
対人関係療法の初心者では治療が難しいんですよ。
(梅こんぶさんの『対人関係療法|梅こんぶの幸せごちそうさま』も参照して下さいね♪)

実際、対人関係療法(?)と称する治療をうけた過食症の患者さんが、
治療終結時に「気分変調性障害」が背景にあったことがわかって
「ここでは治療できない」と言われた方もいらっしゃるのです!。
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」の最新事情」に書いたように
対人関係療法による気分変調性障害の治療(IPT-D)』は、
治療経験を十分に積んだ治療者でないと困難なのです。

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
『気分変調性障害/持続性抑うつ障害』の混乱」というタイトルで
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」を気質(病前性格)によって考察し、
背景因子の把握、疾患の成立プロセス、疾患のバリエーションの診立てなど、
ある程度の診断分類を行うことが、治療のすすめ方の決定につながることを書いています。

とくに、「気分変調性障害」の診断は
かなり熟練を積んだ臨床家でないと困難ですし、
治療は十分な経験を積んだ治療者でも難しい
と言われています。

摂食障害過食症/むちゃ食い障害)や「うつ病」と診断されて通院しているけれども
なかなか治らない方と困っておられる方は、
是非、三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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2014-09-29

「自分が管理を任された身体」という考え方

水島先生は『ダイエット依存症』の中で
「自分自身の身体との折りあい」のつけ方について
自分が管理を任された身体」という考え方を紹介されています。

摂食障害対人関係療法による治療では
「自分を大切にする生き方」として
「評価=ジャッジメント」や境界線とも関連する
身体への一方的な決めつけを「虐待」と位置づけます。
(他者からの暴力的な一方的な決めつけも「虐待」ですよね)

身体には、自分が望んだわけでもない限界がいろいろとあります。
それを「自分そのもの」と考えてしまうと、身体の足りない点を責めるような気持ちになります。
身体が自分の価値を下げるようにも感じられるからです。
そして、「やせたがり」の声が活発になって、虐待的な態度をとるようになってしまうでしょう。
自分の所有物と考えてしまうと、虐待することの問題にも気づきにくくなっていまいます。
(中略)
ダイエット依存症」は身体への虐待だと私は思っていますが、「虐待」と言われてもピンと来ない人がいるかもしれません。
ここで改めて「虐待」とは何かと考えてみれば、それは、自分側のストレスを相手にぶつけるということだと思います。
本来は自分で引き受けるべき問題を、相手に暴力的な形で押しつけてしまうのです。
身体への虐待について言えば、自分のストレスを身体に投影してしまう、という形をとります。
つまり、本来は心の問題であるのに、身体の問題であるかのように転化してしまうということなのです。

ダイエット依存症』水島広子・著 講談社

本来、対人関係療法では
「自分との折りあい方」も自分と自身との対人関係(個人幻想)と見なします。

自分自身との対人関係(折りあい)については

この人生が始まるときに一つの身体を支給され、この身体の面倒を見て暮らすように言われた、とイメージしてみるのです。
あるいは、自分が養育を任されている大切な子どもと考えても良いと思います。

ダイエット依存症』水島広子・著 講談社

という見方をしてみる、ということなのです。
つまり、重要な他者が自分に向けてくれた
「無条件の肯定的関心」を自分の身体に向けてみる
ということですよね。

身体そのものの存在を認め、身体の聲(身体感覚)に耳をかたむけ
身体がそれなりに頑張っていることに目を向けてあげる
というプロセスによって、
身体が「虐待」というトラウマ(=摂食障害)から回復していくのです。

摂食障害という状態は、意志の力で身体を過度にコントロールしようとするところに生まれる。
ここには“自己”と“身体”の分離があり、“自己”による“身体”への不信がある。
しかし、回復過程を考察したC.ガレットも述べるように、自己と身体は再びつながっていく。
(中略)
ガレットのインタビューでは、回復者から、コントロールを手放しても大丈夫なのだという身体への信頼が語られていた。
身体は敵ではない。コントロールをしなければ暴走していくような無知なる存在でもない。
身体には叡智があり、それは私たちにさまざまな形でメッセージを送ってくれる。

摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学』中村英代・著 新曜社

「自分が管理を任された身体」という考え方は
身体の肯定感や効力感を高め
自分と身体の間でのトラウマを解消していく癒しのプロセス

ということになりますよね。

また「評価を気にする」ことは、考えによって
気持ちを無視・抑圧することでもあり、これもトラウマになります。
対人関係療法で「感情を指標にして現状を変える」に取り組むことは、
自分と他者のあいだの摩擦(役割期待のズレ)を解消するだけでなく
自分(思考)と心(感情)の間でのトラウマを解消することでもある
ということですよね。

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害から回復するための要因」というタイトルで
対人関係療法によって「現在」の対人関係の困難を軽減することで
摂食障害はどのように治っていくのかというプロセスや
摂食障害の治癒につながるメカニズム
について書いています。

このことは、ほとんど知られていないことですから、
もし対人関係療法と称する治療カウンセリングを受けている方は
治療者の技量を推察する目安にもなると思いますよ。

水島先生も「対人関係療法もどき」が広まることを
すごく憂慮されていました。


摂食障害対人関係療法による専門的な治療を希望される方は、
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-09-22

リバウンド「過食/むちゃ食い」が起きやすい季節

秋分の日には、日の出が5時30分前後になり
夏至から約1時間も日の出が遅くなります。
また夏至には約14時間半だった日照時間も
秋分の日には約12時間まで短くなります。

日の出が遅くなり、起きる時間が遅くなってくると
睡眠覚醒リズムを調節する「メラトニン」がオフになる時間も遅れ
さらに、「メラトニン」の分泌開始も遅れることから
なかなか眠くならずに、さらに夜更かしになってきます。
これが秋の夜長といわれる所以ですよね。

そうなると、光刺激によって体内時計をリセットする
BMAL-1(ビーマルワン)」の増加時間に起きていることになり、
お腹が空くだけでなく、食べたものが脂肪合成と
脂肪細胞へのカロリーとして貯蔵されるようになります。
これが馬肥ゆる秋といわれるメカニズムのようです。
(『対人関係療法による摂食障害の治療8〜むちゃ食い障害』参照)

また外気温が高く基礎代謝が低めになっていた夏と違い、
秋には基礎代謝も上がってきますから、お腹が空きやすくなりますし、
夜型生活になると「ダイエットの反動のための飢餓過食」や
「ストレスを麻痺させるための過食」とは異なり
夜間食行動異常症候群のような「夜更かし過食」が起きてきます。
生活リズムが乱れると太りやすくなるのはこのためですよね。

さらに、日照時間が短くなることによって
神経伝達物質である「セロトニン」の分泌も減るため
炭水化物や動物性の食物を摂取することによって
セロトニン」を増やそうとする生理的な欲求も高まります。
このようなメカニズムが重なって食欲の秋と呼ばれるようですね。

夏前から体型を気にして、食事制限や運動で急激に体重が減った人は、
この時期から気温が下がってくる冬にかけて、リバウンド大食や、
あるいは過食やむちゃ食いが起きやすくなります


さらにこの時期に絶食や極端な食事制限などのダイエットをすると
もともと早食いや大食いだった人は
気分が落ち込んだり、死にたくなったりするのは、
セロトニンが不足した影響と考えられます。

リバウンド大食には、「過食症」の一つの症状としての
ダイエットの反動としての過食やむちゃ食い」の場合もありますので、
身体のコンディションとニーズを読み取る必要があります。

たとえば水島先生は

食欲は、量だけが指標になるのではありません。
脂っこいものが苦手になるときには、身体が弱っていることも多いというのはよく知られた話です。
また、精神的に健康なときは、比較的身体によりものを「おいしい」と感じ、精神的に不健康になると、身体に悪いものを「食べたい」と感じる傾向があります。
(中略)
何となく食べる量が増えてしまうようなときもあります。
このようなときには、私たちは食べてしまった自分を責めがちです。
そして、食欲をコントロールしなければ、体重を減らさなければ、と焦ってしまいます。

水島広子・著『ダイエット依存症講談社

と、「つい食べてしまう」量や内容から
ダイエット依存症」が加速してしまう可能性に注意をうながしておられます。

秋分の日を過ぎ、日照時間が短くなり、涼しい秋風が吹く時期には
上述のセロトニンの減少による軽い抑うつ状態(もの寂しさ)も重なり
食べ過ぎ(overeating)が起きたときには

何となく、つまり空腹でもないのに食べてしまう、ということは、精神的な満たされなさやホルモンバランスなどによって心身が不安定な状態になっていて、それが食べるという行為に向けられているということです。
ところが、「食べた」ということだけに注目し、それに対して「悪いことだ」と評価を下し、そのレベルでコントロールしようとしてしまうと、解決しないどころか悪循環に陥ってしまいます。

水島広子・著『ダイエット依存症講談社

ダイエット依存症」に陥りがちな
「意志が弱い」とか「自分をコントロールできない」という感じ方

身体の要求を無視したためにおきた身体からの反撃だということですよね。
ここでも対人関係療法で重視する
「症状はコントロール出来ない」という位置づけが必要ですよね。

空腹でもないのに食べてしまうときは、体型が気になるときと同じで、自分が何らかのケアを必要としているときです。
(中略)
第八章で述べた「現在」は、ここでもキーワードになります。

水島広子・著『ダイエット依存症講談社

水島先生は「とらわれ」という未来志向と
「評価」という過去のデータベースを手放すことで
「現在」につながることができる
とおっしゃいます。

つまり自分自身をありのままに振り返り認めること(如実知見)と
評価(ジャッジメント)を下さないこと(断遍知)が
摂食障害に陥らないポイント
だということです。

また大食(過食/むちゃ食い)が起きたときに
食事制限や断食などをすると飢餓過食はさらに悪化しますので
食欲の秋は無理もないことだと認めることや、
生活リズムを整えることをとおして、摂食障害への移行を防いでくださいね。

大食なのか、過食/むちゃ食いなのか、の違いがわからないだけでなく、
やせ願望や肥満恐怖など、摂食障害特有の精神病理や
身体のコンディションを読み取ることのできない医師も多いですから
摂食障害かもしれないと思うときは、
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
季節性感情障害〜冬季うつ病と夏季うつ病」というタイトルで
秋から冬にかけて日照時間が短くなり、セロトニンの分泌が減ることと関連する
「季節性感情障害」のなかの「冬季うつ病」と
まれなタイプである「夏季うつ病」について書いています。

あまり知られていない「季節性感情障害」ですが、
高照度光療法が有効ということもあり、
どうも身体をベースにした心の不調のようです。

そのため起床時間を一定にする、光刺激をコントロールするなど
生体リズムを整えることや漢方薬による身体調整が
社会リズムとのミスマッチを防ぐようです。

うつ病双極性障害などの対人関係療法による本格的な治療を希望される方は、
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-09-17

対人関係療法の治療を受けた患者さんのブログ

三田こころの健康クリニックで
過食症対人関係療法による治療を受けられた梅こんぶさんが
その経過をブログに書かれています。

梅こんぶさんが三田こころの健康クリニックに
対人関係療法の申し込みされてから
どういうことに取り組まれて
摂食障害が良くなっていったのか、
「<<前ページ」をクリックして経過をたどってみて下さいね。

対人関係療法|梅こんぶの幸せごちそうさま

梅こんぶさんは、虐待(DV)の影響で愛着の傷つきもあり、
脱抑制型対人交流障害/脱抑制型・反応性愛着障害」の状態でした。
対人関係療法に取り組まれる中で、
「赦す/赦さない」とは違う次元で母子関係を修復されています。
愛着障害ではないかと感じられている方は、
愛着のトラウマ(愛着障害)がどのように癒されていくのか、
ぜひ参考にしてみて下さいね♪

三田こころの健康クリニックでの
対人関係療法による過食症治療が終わった後の感想は↓こちら

対人関係療法|梅こんぶの幸せごちそうさま

対人関係療法による摂食障害治療を希望される方も
対人関係療法と称する治療を受けている方も、
あるいは、ただ薬を処方されていらっしゃるだけの方も、
三田こころの健康クリニックで行っている対人関係療法では
患者さんはどんな感じで過食症が治っていくのか、
ぜひ、参考にしてみると何かヒントが見つかるかもしれませんね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-09-16

摂食障害を持つ方の「親御さん」向けワークショップ

◆日時:2014年12月8日(月)09:30〜16:30(昼休み1時間、午前午後に休憩あり)

◆場所:水島広子こころの健康クリニック

◆定員:12名

午前:摂食障害についての知識の整理
午後:アティテューディナル・ヒーリング(AH)の体験を通して、本人とより楽で効果的な関わりができるようになるための練習を実践

9月23日(火・秋分の日)正午から申し込み開始で、
定員は12名ですので、申し込みはお早めに!!
http://ipt-event.com/parents/


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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-09-15

「解離」と「過食/むちゃ食い」

摂食障害、とくに「神経性やせ症/拒食症・過食・排出型」や
「神経性過食症」や「過食性障害/むちゃ食い障害」の人の中には
過食やむちゃ食いの最中にボンヤリして
食べているときのことを憶えていない方も多いのではないでしょうか。

そもそも、過食という症状そのものは、
「ストレスを麻痺させる」ため「プチ・解離」と言えますし、
アレキシサイミアや気分不耐とも関連があるのです。
(『アレキシサイミアと情動対処行動〜多衝動型過食症』参照)
(リストカットも同じような側面があると考えられています)

場合によっては、知らない間に買い物をしたり、
あるいは気がつくと買った記憶のない品物を持っていたり
万引きや「窃盗癖(クレプトマニア」に間違われることもあります。
(『摂食障害と問題行動(万引き)』参照)

このような症状は「解離」と呼ばれますが
生育歴の中で、暴力や虐待、いじめなどの外傷体験があったり、
あるいは「安心出来る居場所(安全基地)」が乏しかったりしたなど、
水島先生がおっしゃる「トラウマ関連障害」を見過ごされている場合も多いのです。
ちなみに「解離」はトラウマ関連だけで起きるものではありませんし、
解離性障害」は「統合失調症」や「パニック障害」「パーソナリティ障害」と誤診されることが多いようです。


このような「解離」は、いわゆる「心の痛み」を切り離し(離隔)
感じないようにする(区画化)という心理的な働きによって
選択的注意力や分割注意力の障害(認知的柔軟性の低下)をともないます。

それを体験する自我の意識を変容させ、それらを体験として切りはなすことによって状況をやり過ごそうとする。
意識の連続性や同一性は保たれず、情動、身体、食行動は不安定に変化する。
また、他者の視線に対する怯えや人込み恐怖などの対人過敏症状が見られることも多い。

柴山雅俊『解離性障害――「うしろに誰かいる」の精神病理ちくま新書

と、不安定な食行動の変化を伴うことはあまり知られていません。

上記の柴山先生は、解離性障害の患者さんの中で
過食があるという患者は約半数にのぼり、
約三割は過食のために自発的に嘔吐が見られた
、と書かれています。

解離性障害」では摂食障害だけでなく、
状態不安やうつ症状との関連があることが知られているものの、
出来事と感情、そして症状との関連に焦点を当てていく対人関係療法は、
マニュアル的には、原則として適応にはなっていない
のです。(理由は不明)

そうは言っても、三田こころの健康クリニックでは
解離性障害」そのものや「解離を伴う摂食障害」の
対人関係療法による治療を行って良好な治療効果をあげているんですよ。

とくに「解離を伴う過食症」の対人関係療法による治療の初期には、
それまで麻痺させていた感情が顕わになり
過食(および嘔吐)が増えることはよくみられます。
(三田こころの健康クリニックでは、治療導入時に予言していますよね)

対人関係療法による治療が可能なのはなぜかというと

解離の病態に対してとられる治療的接近は大別すると二つの方向に分けられる。
一つは興奮を鎮め、愛着欲求を満たすことによって安らぎをもたらす接近法である。
それによって安心出来るさらなる眠りへと導くことを目標とする。多くの場合、子供返りなど良質な退行的色彩を伴う。
二つは意識の覚醒度を上げることである。これは症状が比較的軽度であり、ある程度、治療者との信頼関係がみられる場合に有用である。
物事を明確に提示し、説明し、曖昧なことには深入りせず、はっきりと現実に対し目を逸らさないことを目指す。退行的構えや愛着欲求を断念し、現実適応を目指す接近である。

柴山雅俊『解離性障害――「うしろに誰かいる」の精神病理ちくま新書

というように、安心感の提供と現実適応という二つの側面は
水島先生が『摂食障害の不安に向き合う』に書いておられる

不安をコントロールして現状を受け入れるー「位置づけ」という考え方
不安をコントロールして前進するー「土俵」に乗せるという考え方

応用して、対人関係療法での治療が可能になるのですが、
対人関係療法を学んでいる治療者の中で
解離性障害を扱ったことがある人はいないようです。

私が福岡で対人関係療法をやっていたとき、対人関係療法治療者向けの勉強会で
解離性障害のケースを発表したときの様子が以下のブログに書かれていますので
興味がおありの方は参照してくださいね。
【IPTの魅力と】2011.4.24日曜日 対人関係療法勉強会メモ【威力について振り返る】

解離性障害のことがよくわかる本 影の気配におびえる病 (健康ライブラリーイラスト版)

解離性障害のことがよくわかる本 影の気配におびえる病 (健康ライブラリーイラスト版)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
夜間食行動異常症候群」というタイトルで、
夕食の後に過剰に食物を消費する「過食性障害/むちゃ食い障害」も
夜間食行動異常症候群」に入れられることもありますが、もう一つ、
「睡眠関連食行動異常」の「睡眠時遊行症型」について書いています。

「睡眠関連食行動異常」は食行動異常(過食)の頻度や
過食につながるきっかけとなる出来事などを見ていくことが難しく、
さらに幼少期のことをよく覚えていないなどで
対人関係療法で最も重要なフォーミュレーション
治療方針を組み立てるのが困難なことも多いのですが、
概日リズムとの関連が明確で、強迫症の要素がなければ
対人関係療法による治療も可能であることを書いています。
(『睡眠関連摂食障害と夜間摂食症候群の治療』参照)

このようなケースでは、正確な診断が適切な治療に結びつきますので、
対人関係療法による治療を希望される方は是非、参考にして下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-09-08

健常人の過食嘔吐

患者さんの友人で、モデル体型なのに、
嫌なことがあるとバイキングビュフェ)で
これ以上食べられないくらい食べて、
その後キモチ悪くなって戻して(嘔吐して)、
ちょっとスッキリしたからまた食べ始める
という人がいらっしゃるそうです。

この人と私(患者さん)みたいな摂食障害の違いは何なのですか?
食べても太らないのは体質ですか?

と聞かれた事があります。
みなさんは、どう思われますか?

おそらく、この友人が精神科心療内科受診すると
嘔吐を伴う過食症」と安易に診断されて、
これまた安易に抗うつ薬が処方されたりしそうですよね。
またDSM-5では「特定不能の摂食障害」に該当してしまいます。
この友人は、本当に摂食障害なのでしょうか?

拒食症・過食症を対人関係療法で治す』にも
摂食障害でない人でも、単発の過食嘔吐くらいはします。
と書いてあることを示して、
摂食障害には、「やせ願望(体重や体型への病的な没頭)」や
肥満恐怖(体重や体型への異常な認知)」という特有の精神病理があり、
「体重や体型へのコントロール感へのこだわり」により
頻度と量が著しい食行動異常が起きていることで診断する

ということを伝えました。

摂食障害という状態は、意志の力で身体を過度にコントロールしようとするところに生まれる。
ここには“自己”と“身体”の分離があり、“自己”による“身体”への不信がある。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

摂食障害では「“自己”による“身体”への不信」が
体重や体型へのコントロール感へのこだわり」につながっていますよね。

しかし上記の友人は、ストレスを緩和するために
身体の力を借りて身体に協力してもらっているようにもみえますよね。
これは

身体は敵ではない。コントロールをしなければ暴走していくような無知なる存在でもない。
身体には叡知があり、それは私たちにさまざまな形でメッセージを送ってくれる。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

という身体への信頼感が揺らいでいないということですね。

また摂食障害では、食べて太るかどうかということは体質とは無関係で、
ダイエットの反動としての過食(飢餓過食)」の程度
によりますよね。

この質問をされた患者さんは「ストレス解消としての過食」と同時に、
ダイエットの反動としての過食(飢餓過食)」や
解離過食」の要素もかなりあったのです。
(『解離と過食』参照)

診断は「排出型の過食症」だったのですが、対人関係療法の中で、
「自分の気持ちを振り返る」という作業と同時に、
飢餓過食」を減らすため「過食とは無関係の食事を増やしていく」ことも指導し、
さらに「身体感覚に意識を向ける」ことや
社会リズム療法を応用した「生物学的リズムの調整」も並行して行ったんです。

これまで過食嘔吐でまぎらわしていた自分の気持ちを振り返ることで
初期には過食嘔吐が増え、患者さんもご家族も慌てられましたが、
対人関係療法による治療初期のライフチャートを見ていく時点で
どういうときに過食をしたくなるか」が明確になってきました。
それで、「自分のまわりの状況に変化を起こす」ことに取り組まれ
生活リズムが整って、通常の食事を摂ることも出来るようになりました。

実際には、数回の面接を経て、ほとんどの患者さんが過食と精神状態の関係に気づいていきます。ここまで来れば、治るための軌道に乗ったといえます。
その瞬間から、取り組むべき対象が、過食というとらえどころのない症状ではなく、その精神状態につながった対人関係の問題になるからです。治療にもますます真剣に取り組むようになります。

水島広子・著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』紀伊國屋書店

過食の維持因子をフォーミュレーションして、治療目標を話し合った翌週には
何年もの間、毎日のように朝から何度もくり返されていた過食嘔吐も週に1、2回に減り、
過食しない日ができたことで、患者さん自身も驚いておられたことが印象に残っています

Oさんも、際限なく太ってしまうのではないか《本気で思っていた》と書いているが、拒食症過食症の人にとって、吐かずに普通に食べ始めること自体が、たいへん大きなチャレンジなのだ。
未知の領域に足を踏み入れるとき、人は恐怖を感じるし、立ち止まりたくなる。
そして身体や食欲をコントロールするという、いつもの慣れ親しんだ苦しみの世界にとどまってしまう。
しかし、Oさんが述べているように、《食べたいときに食べたいだけ食べても、そうそう簡単に太るもんじゃないんだ人間て》。
際限なく太るのではないかという恐怖は《幻想だった》のだ。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

とあるように、過食症の人は
一口づつ、少しずつ良くなっていけばいいのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
非定型の摂食障害〜食物回避性情緒障害」というタイトルで、
拒食症過食症など、安易に摂食障害と診断されている人たちの中には
回避/制限性食物摂取障害』の中核概念である「食物回避性情緒障害」という
従来の摂食障害の診断基準に一致しないケースが増えていることについて書いています。

このようなケースでは、正確な診断が適切な治療に結びつきますので
摂食障害と言われ長く通院しているけど一向に良くならない
と感じていらっしゃる方は、是非、参考にして下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-09-01

摂食障害の病前性格としての「よい子」

一般に、摂食障害は「よい子」がなりやすいといわれます。
それはどういうことかというと、

患者の多くは、小さい頃からの親の願望や希望を汲み取りそれを充足するようなかたちで生きてきている。
すなわち「よい子、手のかからない子ども」として育っており、表面的にはしっかりしていても、自律性に欠け、いつも自己不全や自信のなさにさいなまれ、自尊心が極めて傷つきやすく、些細なことで無能感に陥る。

切池信夫『摂食障害』in「精神療法としての助言や指導―私はどうしているか」臨床精神医学 43(8): 1155-1159, 2014

という「失敗恐怖から生じた思い込み」を背景にした脆弱性(自己肯定感と自己効力感の低下)のために、
周囲からも「おとなしい」「自己主張しない」「マジメ」と思われており、
『相手からの想像上の評価(自分の価値を下げそうな評価)』を気にして
本人は「ボロが出ないよう」一生懸命、自分を繕っている状態のようですし、
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」と共通する基盤があるようです。
(『摂食障害の回復と「評価への過敏性」の2つの次元』参照)

精神科治療では、「気分障害」や「不安障害」が併存する場合
その治療を優先するという大原則がありますから、
摂食障害拒食症過食症・むちゃ食い障害)」の背景に
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」がある場合は
その治療を先に行うことになっているのです。

だからといって、抗うつ薬を服用すれば治るというわけではなく

患者さん本人の気持ちは言葉では語られず、ただ「やせる」という現象でしか語られないのが一般的です。
水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

という体重や体形、そのコントロールへのとらわれ
心の問題を回避するための代理症状で不適応的解決策の表現としての摂食の問題
であることを明確にする必要があるのです。

水島先生も

「よい子」のままではそれを解決することができないのです。どこかで「よい子」をやめる決意をしなければ、病気へと向かっていくことになります。
水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

と書かれていますよね。

そのため、ストレス(出来事と精神状態)と過食という症状の関連をみていくのですが、

したがって思春期や青年期の発達課題医である自我同一性を確立して自立するための問題(自分らしさの追求)に直面したときに容易に挫折し、それから立ち直ることができなかったり、また挫折することを恐れてなにもしないという状態に陥る。
切池信夫『摂食障害』in「精神療法としての助言や指導―私はどうしているか」臨床精神医学 43(8): 1155-1159, 2014

「挫折することを恐れて」心のブレーキを踏み込んだ状態(回避)が
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」も「摂食障害」に共通
しますし、
過食症の場合は、同時に心のアクセルも踏み込まれているので
「心の問題を体重の問題にすり替える(気分不耐)」ということが起きてきくるのです。

摂食障害」の治療では
「アクセルとブレーキも強いものであることを自覚すること」が第一歩になります。
そして「ストレスを軽くして、ブレーキを弱める」ために

そんなときのための用心として、何か地道な努力を続けておくとよいでしょう。
冒険として楽しめる部分(当たりはずれのある部分)と、地道な満足を与えてくれる部分(当たりはずれのない部分)を、両方とも確保しておくと、バランスがとれて安心です。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

健康な部分(行動力)を使ってできることを広げていくことで
病気の部分を減らしていく
、といことを
三田こころの健康クリニックで対人関係療法を導入するときに説明していますよね。

対人関係療法では過食や嘔吐などの症状には焦点をあてません。
対人関係療法は「症状をなんとかする」という対症療法的な治療ではなく、
「健康な部分」を広げることによって「病気の部分」を小さくしていくという
患者さんが本来持っている「治癒力(レジリエンス)」を高める治療だからなのです。

摂食障害と寄りそって回復をめざす本

摂食障害と寄りそって回復をめざす本

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
DSM-5での摂食障害の最新事情」というタイトルで、
DSM-5では「拒食症」が『神経性やせ症』、
過食症・排出型」が『神経性過食症
そして「過食症・非排出型」と「むちゃ食い障害」が
『過食性障害』と呼ばれるようになり
診断基準も若干、変更になったことと
(たとえば拒食症では「肥満恐怖」と「無月経」が必須項目でなくなり
「期待される体重の85%以下」という低体重の目安も削除されています)

その問題点を書いています。

とくに「過食症・非排出型」「むちゃ食い障害」は
回避傾向(心のブレーキ)や感情不耐をクリアー出来れば
対人関係療法による治療効果は非常に高いことにもふれています。

過食をともなう摂食障害対人関係療法による治療を希望される方は、
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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