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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-11-21

過食をがまんすれば摂食障害は治る?

これも患者さんたちからお聞きした話なのですが
摂食障害を克服する」と謳うところでは、
「このままだとどうなるか?」などと
過食に費やす時間や、過食費に直面させて罪悪感を刺激し、
ひたすら過食をがまんさせたり、
カウンセリングを受ければ、○○日で過食が止まる」とか
「この△△を飲めば、過食をしなくなる」など、
かなりアヤシゲなやり方のところも多いようです。

水島先生が『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』に

拒食症過食症も、症状を抑えれば治るという単純な病気ではありません。
症状はストレスの表れです。
なぜその症状が表れているのかということを理解しなければ、対処することができません。

と書いておられるように、
そもそも、摂食障害はれっきとした病気ですから
カウンセリングではなく、ちゃんとした治療が必要ですよね。
(『カウンセリングと精神療法の違い』参照)

また、そのうち治るだろうという考え方は、
「今後の人生が、病気のために損なわれないようにする」という
治療の考え方と正反対で、

もちろん、中には、治療をしないで自然に治る人もいます。
就職や結婚などの生活上の変化が偶然プラスに働き、うまく治ることもあります。
でも、決して多い数ではありませんし、自然に治ることを期待していたら、それこそ取り返しのつかないことにもなりかねません。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

今後の人生が、病気のために損なわれる可能性の方が高いのです。

摂食障害対人関係療法による治療で目指していくことは
(摂食障害の)症状に頼らなくても心のバランスをとれるようになること
ですよね。

摂食障害の症状である過食(むちゃ食い)は、
体温計の数字のようなもので、症状はストレス度を表すものであり、
体温計の数字を眺めて数字そのものについて論評したりせず、
症状がひどくなった誘因(ストレスとの関連)を考えていく
ということが対人関係療法による治療の原則になりますよね。

摂食障害という、好きでなったわけでない病気

症状のように、基本的に本人ではなく「病気」に属するものは、コントロール出来ないし、「しなくてよい」ことになる。
一方、(対人関係療法のように)効果が実証されている治療における課題は本人に「できる」ということであり、「すべき」ことでもある、ということになる。

水島広子『摂食障害の不安に向き合う』岩崎学術出版社

つまり「過食やむちゃ食いという症状を抑える・ガマンする」というやり方は
自分の力でコントロールできないし、
しなくてよい症状をむりやりコントロールしようとして
自責感や罪悪感の悪循環を生み出してしまうために、
治るどころか、かえって悪化してしまうのです。

また摂食障害は、意志の問題や気持ちの持ちようではありませんし、
病気を治すことと、「克服して」人間的に成長することは別の次元の話ですよね。

対人関係療法による治療では「病気から学ぶ」ということを重視しますし、
医療機関に通院しているけど治らない、
カウンセリングに通っているけど、いまひとつピンと来ない
と感じられている方は、もう治らないとあきらめずに、
この機会に、是非、三田こころの健康クリニックで
対人関係療法による治療を体験してみて下さいね。

摂食障害の不安に向き合う―対人関係療法によるアプローチ

摂食障害の不安に向き合う―対人関係療法によるアプローチ

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-11-17

「対人関係-社会リズム療法」を用いた慢性うつ病の治療と復職・就労支援

「不安型気分変調症/性格スペクトラム障害」の治療』の冒頭に書いたように
慢性の抑うつ状態を呈する可能性のある疾患としては

・反復性うつ病性障害
・双極うつ病(とくに双極性障害・II型)
・トラウマ関連障害(いわゆるトラウマうつ病
・持続性気分障害(気分循環症・気分変調性障害/持続性抑うつ障害)
・遷延性抑うつ反応(適応障害

などが挙げられます。

このような「慢性うつ」の方の社会的な支援として
さまざまな復職支援あるいは就労支援がありますよね。

しかし内容は、ほとんどが復職後の作業のシミュレーションであり、
パソコン作業や認知行動療法的なトレーニングなどであり、

・どのようにすれば社会復帰が可能になるのか
・どのようになれば社会復帰が可能になるのか

ということが、明確に示されていないですよね。

社会復帰のための条件と方法が明確でないと、
復職支援のために、逆に休職期間が延長してしまうことや
復職率が低下したりという矛盾した事になったり、
あるいは復職してもまた休職してしまうなど、
効果につながらないことも多いようです。

復職・就労支援で必要なことは「生物学的リズムの安定」と「社会的リズムへの適合」なのですが、
9時〜5時の集中や起床時間は通勤時間から逆算するなど、
社会的リズム」のみが強調され「生物学的リズムの安定」はあまり考慮されませんよね。
どうもここに復職支援の問題点があるようです。

ドクターズ・ファイルのインタビューでも話したのですが、
双極性障害治療法として知られる「対人関係-社会リズム療法」は、
セルフモニタリングを用いて「社会的リズム」を安定させ、
刺激の頻度と強度を調整することによって「生物学的リズムの安定」を目指す
というやり方で、
重要なのは「生物学的リズムの安定」なのです。

社会リズム療法(ソーシャル・リズム・メトリック:SRM」によって

・毎朝決まった時間に起きることができる
・一晩寝ることで疲れが取れる

という、復職のために必要な前提条件である「生物学的リズムの安定」が
達成可能になりますよね。

生物学的リズムの安定」が達成できたら、次に

・9時〜17時の集中が可能である

という「社会的リズムへの適合」ができるよう時間全体をシフトさせることで
安定した「生物学的リズム」が「社会リズム」に同調するようになってくれば、
復職・再就労が可能になってきますよね。
(復職再就職支援施設「リエンゲージメント」はこのようなコンセプトで指導しています)

このように三田こころの健康クリニックでは、
「対人関係-社会リズム療法」を双極性障害の方だけでなく、
うつ病」や「慢性うつ病(気分変調性障害を含む)」など気分障害の患者さんや
摂食障害過食症や過食性障害/むちゃ食い障害)」の方に適応
し、
効果を上げているんですよ。

双極性障害だから「対人関係-社会リズム療法」という短絡的なやり方ではなく、
「患者さんの現実に合わせて、最も適した治療法を選ぶ」という
対人関係療法の重視する「鑑別治療」の考え方ですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
「不安型気分変調症/性格スペクトラム障害」の治療」というタイトルで
対人関係療法で「不安型気分変調症」の治療を進める際には
通常の「気分変調性障害」の治療と違った工夫が必要なことを書いています。

しかしこれも、「不安型気分変調症」の診断ができないと
マニュアル通りのやり方が押しつけられることになりかねないため、
対人関係療法が重視する「鑑別治療学」とは矛盾してしまいます。

・些細なことでひどく怒るなど、感情のコントロールが難しい
・人を信じられず、怖く感じることが多い
・自分の感じ方を全く肯定できない
・なかなか治らないうつ病摂食障害などがある
・「月経前不快気分障害(PMDD)」や「月経前症候群(PMS)」がある
・愛着障害かもしれない

などと感じられる方は、ぜひ、参照して
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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2014-11-14

『拒食症(神経性やせ症)』をめぐる問題

拒食症(神経性無食欲症)』という病名は、
「食欲の病気」という誤解を生じやすいとの理由で、
DSM-5では『神経性やせ症』という病名になりました。

新しい診断基準では「無月経」が削除され、
さらに「期待される体重の85%以下」がなくなりました。
つまりBMI: 18.5以上であっても、
体重減少による精神症状を伴えば「著しい低体重」とみなすようです。
このあたりのことは『摂食障害の低体重の定義と重症度』を
参考にして下さいね。

しかしながらDSM-5での一番の問題は
拒食症(神経性やせ症)』の診断基準から
客観的に評価しにくいという理由で「肥満恐怖」が必須項目ではなくなり、
かわりに「体重増加を防ぐための持続的な行動」が追加され、
どちらかがあればよいことになりました。

行動観察により『拒食症(神経性やせ症)』が診断しやすくなったといわれますが、
「体重増加を防ぐため」という行動目的を明確にしようとすれば
必須項目でなくなった「肥満恐怖」と同じように客観的に評価しにくいですよね。

そうすると
「現在の低体重の深刻さに対する認識が持続的に欠如」し
体重増加を防ぐためかどうかわからないけれど
摂食関連で「持続的な行動」を続ける他の状態が
拒食症(神経性やせ症)』と誤診されてしまう可能性が大きくなっているのです。

たとえば。
グレート・オーモンド・ストリート・クライテリア(GOSC)の

強迫や抑うつ、不安を伴う「食物回避性情緒障害
食べるものへのこだわりが強い「選択的摂食
年齢相応より摂食量が少ない「制限摂食
嘔吐恐怖や飲み込み恐怖がある「機能的嚥下障害と他の恐怖状態

などが『回避・制限性食物摂取障害』としてひとまとめにされ、
よくわからない診断基準になったという印象を持ってます。
そうなると「食べない・食べられない・食べたくない」人たちが
安易に『拒食症(神経性やせ症)』と診断されますよね。

摂食障害のミニエンサイクロペディア」と銘打った某・書籍
「(摂食障害の)診断は難しくない」と書いてあるのですが、
たくさん食べると「過食症」、食べないと「拒食症のように
安易な診断は、病気の本質に合った適切な治療には結びつきませんよね。

上記の書籍には「(摂食障害の)治療は難しい」と書いてあったり、
拒食症(神経性やせ症)』に対してエビデンスのある治療法はないといわれるのも
このような分類がなされてこなかったことにも一因があるのかもしれませんね。

さらに『回避・制限性食物摂取障害』は
併存症として、不安障害強迫性障害、あるいは
発達障害自閉症スペクトラム症、知的能力障害など)が知られていることから
一括りに『拒食症(神経性やせ症)』と診断するのではなくて、
元々どんな人だったのか」という背景因子や
併存症の把握、疾患の成立プロセス、疾患のバリエーションの診立てなど
ある程度の分類を行うことで治療の方向性が見えてきますよね。

三田こころの健康クリニックでの初診時の面接では
対人関係療法で最も重視する、元々どんな人で、
どういうきっかけで病気が発症し、それが続いているのはなぜか、について
対人関係療法の概念で説明する「フォーミュレーション」を行っていますので、
受診された患者さんが「はじめて自分のことをわかってもらえた」
「すごく楽になった」「楽しかった♪」とおっしゃって下さるんですよ。

これまで医師にわかってもらえずに、どれだけ辛い思いをされていたのか、
そして、いい加減な治療方針での医療を受けてこられたかを想像すると、
ちょっと切なくなりますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
非定型の摂食障害〜制限摂食」というタイトルで、家族内葛藤について書いています。

本人のペースを考慮しない刺激や強制は
摂食障害だけでなく、さまざまな影響を子どもに与えますので
治療という医学的観点の前に
「元々、どんな人だったのか」という個別性を明確にすることで解決可能になります。

その時に必要になるのが「(過度の)期待」というプレッシャーではなく
そこはかとない安心感」という
オキシトシンの関与する愛着関連の安心感ですよね。
(『ストレス過食とアタッチメント(愛着)の生物学的関連』参照)

昨今の医療機関では摂食障害の診断だけでなく
うつ病などの診断すらおざなりになっているようですので、
何年も通院しているのに良くならない
薬ばかり増えていく、と感じていらっしゃる方は
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

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2014-11-12

対人関係と心の健康

水島先生の一般向け講演会のお知らせです。


怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ

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2014-11-07

ストレス過食とアタッチメント(愛着)の生物学的関連

"The Journal of Nutrition(栄養雑誌)"に
抑うつ症状のある女性では、
チョコレートケーキビスケットペストリーなど
カロリーのスナック食品の摂取が多く、
情動的摂食(いわゆるストレス過食)と関連があった
という論文が掲載されていました。

カロリー甘味食はドーパミンを放出させる作用があり、報酬系に関与している
ということが医学的にも知られていることから、
ストレス時には、空腹でなくても食べすぎてしまう可能性があり、
食べることでストレスが軽減されることも示唆されています。

また女性と違って
抑うつ症状を伴う男性では、ストレス過食は見られなかった」
ということでした。
つまり男性の抑うつは、メランコリーに関連していて
ストレス下では食べる量が減るということですよね。

生物学的には、「ストレス過食」により
レプチンを上昇させて、一時的に抗不安作用を得ているのではないか
と考えられています。

レプチン生物学的な作用については
海馬に作用して、抗うつ効果、抗不安効果を誘発する
視床下部ノルアドレナリンの放出を抑制し、ストレス反応を減弱させる
報酬系に関与する腹側被蓋野ドーパミン作働性ニューロンを活性化する

ことなども報告されています。

しかし過食や大食が続き、慢性的なレプチン抵抗性が形成されると
摂食の持つ報酬系が増大し、ますます過食してしまう
という悪循環が形成されることが考えられます。

さらに動物実験では、
さまざまなストレス刺激や摂食、社会行動で、
視床下部オキシトシン産生細胞の活動が増加する

ことが明らかになっています。
オキシトシンは、出産や授乳などで分泌が刺激され
「アタッチメント(愛着)」や自閉症スペクトラムに関係するホルモン
として知られています。

また、オキシトシンは、
ストレス反応を減弱し、摂食を終了させ、社会的行動を促進させる
ことが分かっています。

つまりストレス下で、過食(レプチンが関与)という方法をとらずに
ストレス反応を減弱させるには、

他者の協力を求めることで(アタッチメント希求行動・オキシトシン放出)
他者からの承認が得られると(報酬依存=ノルアドレナリン放出)
安心感が得られ(セロトニン作動性ニューロンの活性化)
過食が抑制され(レプチン低下)、社会行動が促進される(ドーパミン放出)

という生物学的反応が知られていることから
過食症やむちゃ食い障害の人が、レプチンを増やす必要をなくす(過食せずにすむ)ためには
愛着を修復し、オキシトシンを増やせばよいということですよね。

これを薬物に頼らずに行っていくのが対人関係療法で、

「他者との折りあい(ノルアドレナリンが関与)」をあつかう対人関係療法は、
「クロニンジャーの「協調性」(オキシトシンが関与する愛着の修復)」を介して
安心感(自分との折りあい=セロトニンが関与)や
社会や集団との折りあい(ドーパミンが関与)を
調整しているのではないか

という推測ができますよね。

三田こころの健康クリニックでは
クロニンジャーの気質・性格についての検査
希望があれば行っていますので、「摂食障害かもしれない」とか
「(反応性)愛着障害ではないか」と悩んでいらっしゃる方は、
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
葛藤に対する対人関係療法の効果」というタイトルで、
対人関係療法の効果は、比較的短時間で現れること、
臨床的な寛解期間も長くなる理由について考察し、
対人関係療法治療構造が「
私的自己」「公共的自己」の葛藤を減らす効果による
ということについて解説しています。

いろんなところで、対人関係療法やってますを見かけるようになりました。
本格的な精神療法のトレーニングを受けたことのない人でもできるよう
マニュアル化されたのが対人関係療法ですから、
見よう見まねが増えるのは致し方ないことかもしれません。

しかしそれでも「対人関係療法?」を受けた方が
「本格的な対人関係療法」を希望して
三田こころの健康クリニックを受診されています。

今の治療で改善が感じられない方や、
自分でできる対人関係療法」を読んでやってみたけど
どうもうまくいかないと悩んでおられる方は、
三田こころの健康クリニックで
診断や治療のすすめ方についての相談もお受けしていますので
思い切って連絡してみて下さいね。

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2014-11-01

「唾(つば)恐怖症」〜機能的嚥下障害

三田こころの健康クリニックの公式ブログ『聴心記』で書いた
食物回避性情緒障害」「選択的摂食」や
機能的嚥下障害と他の恐怖状態」などは
グレート・オーモンド・ストリート・ホスピタルのクライテリア(GOSC)で
幼小児期や小児期早期にみられるとされていたものですが、
学童期以降の思春期から青年期にかけてもみられるため
回避/制限性食物摂取障害』としてまとめられました。

非定型の摂食障害〜機能的嚥下障害と他の恐怖状態』で触れている
嘔吐恐怖」とともに多く見られるのが「嚥下恐怖」です。

これは自分や他人の
食べ物を食べる音(咀嚼や嚥下)」に過敏に反応してしまう状態
会食(他者と食事をともにすること)困難」や
嚥下(飲み込み)困難」を訴えることが多いのです。

「機能的嚥下障害」でも、食べられなくなって体重減少があるので
拒食症(神経性やせ症)」とみなされることが多いのですが、
「体重や体型へのコントロールへのこだわり」はみられず
拒食症(神経性やせ症)」とは明確に区別される病態です。

摂食障害のミニエンサイクロペディア」と銘打たれた某・書籍
「診断は難しくない/治療は難しい」と書いてあるのですが、
そもそも診断は、適切な治療のために行うものですから、
治療が難しいこと自体、診断が適切ではないということですよね。

このような「機能的嚥下障害」も「拒食症」と診断され
病気の本質を見ない診断が、治療の難渋につながっているのではないか
と個人的には感じています。

☆☆閑話休題☆☆

「機能的嚥下障害」の典型的な場合は、
学校や会社では食べられない、でも一人だとなんとか食事はできる
というタイプですが、場合によっては嘔吐恐怖と同じように
不安の範囲が嚥下(飲み込み)だけに限定されずに
他者からの視線への過敏(「対人恐怖」や「社会恐怖」)と診断されることもあり、
きっかけが明瞭な場合は対人関係療法治療適応になったりしますよね。

また一人の時だけしか食事ができないため、
飢餓過食に似て「夜間の過食(夜間摂食症候群)」
のように見えることがあります。
(『「排出障害」と「夜間摂食症候群」』参照)

あるいは摂食の問題まではいたらずに
ただ、唾を飲み込む音が気になるという
「唾(つば)恐怖症」の場合もあります。
このような場合は、恐怖症に対しての段階的な暴露療法が必要になります。

このように摂食障害拒食症を疑われる場合でも、
症状の増悪のきっかけや症状の発現の仕方、
あるいは元々の気質や性格の把握をすることで
正確な診断、そして適切な治療につながりますので、
摂食障害が疑われる場合は、一般のメンタルクリニックではなく、
かならず専門医受診する必要があるということですよね。

大人のための「困った感情」のトリセツ

大人のための「困った感情」のトリセツ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
非定型の摂食障害〜機能的嚥下障害と他の恐怖状態」というタイトルで、
比較的多く見られる「嘔吐恐怖」について書いています。

このようなケースは
食べない・食べられない・食べたくない」理由を聞かないと
診断に結びつかない上に、強制的な栄養補充は
逆に、恐怖症を強化することにつながるため
摂食障害治療を専門にしていない医療機関受診
逆効果になりかねません。

対人関係療法の適応になれば三田こころの健康クリニックで治療を行いますので、
摂食障害について説明を受けていらっしゃらない方や
説明を受けたけど何か違うと感じられている方は
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

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2014-10-27

「過食症/むちゃ食い障害」の対人関係療法の初期に過食が増える

摂食障害、とくに過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法による治療では、

治療において、自分の気持ちを見つめて実際に人に伝え始めてみると、劇的な効果が現れるのです。
水島広子・著『ダイエット依存症講談社

と水島先生が書かれているように、過食に結びついていた
評価への過敏性」というパターンに変化を起こしていきますよね。

対人関係療法の中で「自分の気持ちを見つめ」ることで、
過食という症状を使って、どのくらいのストレスを麻痺させていたのか
がわかるようになると治療初期には過食が増えることがあります

そうは言っても、治療に入った時点での患者さんは、症状を中心に生活が回っており、ある意味「針が振り切れている」状態ですから、ストレスと症状の関連という微妙なテーマがまったくピンとこない場合も多いのです。
この時点では、私は、「今はピンとこないと思いますが、もう少し対人関係のストレスが落ち着いてくると、どういうときに過食をしたくなるかがわかるようになってきますよ」と予言するにとどめておきます。

水島広子・著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

ということなのですが、過食がどんな時に起きるか?というと
治療前あるいは治療開始直後の患者さんにとっては「心が動いたとき」なのです。
(『対人関係療法では気分不耐性をどう治療していくか』参照)

「針が振り切れている」わけですから、
嫌なことだけでなく、楽しいこと、嬉しいことがあっても「心が動く」ので、
過食が起きてしまうのです。
ですから、過食がクセになっているのではないか?と、不安に感じてしまいますよね。

しかし水島先生も書いていらっしゃるように

実際には、数回の面接を経て、ほとんどの患者さんが過食と精神状態の関係に気づいていきます。
ここまで来れば、治るための軌道に乗ったといえます。
その瞬間から、取り組むべき対象が、過食というとらえどころのない症状ではなく、その精神状態につながった対人関係の問題になるからです。
治療にもますます真剣に取り組むようになります。

水島広子・著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

対人関係療法で、自分の気持ちをよく振り返ることができるようになると、
対人関係のストレスを「モヤモヤ」した気持ちして感じ、
それが過食に結びついているということが実感できるようになってきます。

「(ストレス計の)針が振り切れた」状態ではなく、
ストレスの強度と持続に応じて針が振れるため
嬉しいとき・楽しいときには過食が減り、嫌なことがあると過食が増える
ということがわかるようになってきますから、
「過食は対人関係ストレスのバロメーター」になりますよね。

双極性障害に合併した過食症でも似たようなパターンが起きます。
気分が高揚する躁状態で過食が減り、治ったと錯覚されることがある一方、
うつ状態になると過食が増え、非定型うつ病の状態をすることもあるのです。

☆☆☆閑話休題☆☆☆

治療で取り組むべき対象が、過食というとらえどころのない症状ではなく、
その精神状態(ネガティブな感情)につながった対人関係の問題ということがわかると
対人関係に変化を起こすという取り組みが加速してきます。

長い間自分の気持ちを言葉で表現してこなかった患者さんたちは、最初の頃はとても不器用で、相手を怒らせたり傷つけたりするような言い方しかできないことが多いものです。
でも、コミュニケーション分析を続けていくことによって、だんだんとうまい自己表現の仕方を覚えていきます。

水島広子・著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

という感じで、患者さんが気持ちを表現するようになると、
最初は「相手を怒らせたり傷つけたりするような言い方しかできない」ため
対人関係療法治療初期には周囲の人たちとの衝突が増える
こともよくあるのです。

これも治療初期には過食につながりますし、
それ以上に、家族やパートナーなどのサポーターは
過食が増えたこと、衝突が多くなったことで不安になり、
同席面接を申し込まれることも多いのです。

でもここで大切なことは、
過食という症状に目を奪われることではなくて、
症状はストレスの表れですから、
解決すべきは、過食に結びついた出来事と
そこで行われたやりとり(コミュニケーション)の整理ですよね。

つまり、「「何が起きたのか」という出来事の位置づけ」と、
その出来事を自分の心の土俵に乗せたときに、
相手とのやりとり(コミュニケーション)の中で
「どう感じ、本当はどうなって欲しかったか」と
自分の気持ちを指標に現状を変えていくということですよね。

その際に必要なのが
「直接的なコミュニケーション」のあり方をふりかえってみる
という「自己モニタリング」にも関わることなのです。
水島先生は『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』に
「自分を知ることの意味」として書いていらっしゃいますよね。
(『サイコロジカル・マインドと自己モニタリング』参照)

つまり、「直接的に話す」というのは、何も攻撃的な話し方をするという意味ではないのです。むしろその逆になります。
ケンカになってしまう話し方を見ていると、まずほとんどが相手についての決めつけを中心に進んでいます。
(中略)
これらは、相手についての決めつけをしているにすぎず、自分の気持ちを話しているわけではないのです。こういう言い方が相手を怒らせます。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

というようなことで、相手を主語にして話す「決めつけ」は
自分の感情(たとえば怒り)の中に相手を巻き込み、
相手から同じ感情を返されることによって、
さらにエスカレートしていきますよね。
(「決めつけ」は主観と客観の混乱をもたらし、「妄想」に発展することもあります)

ですから対人関係療法で取り組んでいく課題でもある

・人の心の仕組みと動き方を知る
・トラブルにならない言い方を身につける
・ここまでだったら言っていいという言葉の限界を知る

というコミュニケーションスキルを身につけることで、
「自分の選択に自覚と責任をもつ」という
主体的な生き方ができるようになってくる
のです。
(三田こころの健康クリニックでは、治療の土台作りで学んでもらっていますよね)

ということで「摂食障害」だけでなく、「慢性のうつ病(気分変調性障害」)や
「トラウマ(愛着の問題を含む)」に対する「対人関係療法による治療」は
治癒までのプロセスが明確になっているだけでなく、
人生全般にプラスの感覚も与えるということですよね。

『「気づかい」のコツ』特別セット

『「気づかい」のコツ』特別セット

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
それでも症状が気になってしまうとき」というタイトルで
対人関係療法による過食症治療で問題領域としてあつかうことの多い
「役割期待の不一致」と「評価への過敏性」を治療焦点とした場合には、
治療の初期にどんなことが起きて、
それにどう対処していけばいいのか、ということと、
もう一つ、治療の終盤で症状が治まってくるときの対処について
「役割の変化」という現在位置の確認が大切であることを書いています。
(簡単に言うと、対人関係療法による治療の進歩を振り返る、ということですよね)

「自分の気持ちをよく振り返ることができる」患者さんによっては
「ストレスを麻痺させるための過食」と
ダイエット反動としての過食(飢餓過食)」の区別がつくようになり
自分は何に取り組めばいいのかがわかってきて
自分の力でどんどん進むことができるようになってきます。
対人関係療法は、治療が終わった後も効果が伸び続けるというのは
こういうことですよね。

摂食障害だけでなく、慢性うつ病(気分変調性障害)や
対人トラウマに対して、本格的な対人関係療法による治療をご希望の方や、
対人関係療法らしきもの」を受けたけど効果が実感できない
と感じられている方は、参照してみて下さいね。

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2014-10-20

感情がコントロールできない

月経開始前(2週間前〜月経2日目にかけて)に

・気分の不安定さ(突然涙もろくなる・拒絶に敏感になる)
・苛立たしさ(怒りの爆発・対人関係での摩擦)
抑うつ感、絶望感
・不安・緊張や気分の昂(たか)ぶり

などの感情症状にくわえ、

・通常の活動における意欲減退
・集中困難
・疲労感・倦怠感
・食欲の変化(特定の食物への渇望・過食/むちゃ食い傾向)
・過眠または不眠
・圧倒される、または制御不能という感じ
・他の身体症状:乳房の圧痛、関節痛、浮腫、体重増加

などの非定型うつ病に類似した症状を伴う「月経前不快気分障害(PMDD)」でも
感情のコントロールができない感じを伴います。

「月経前不快気分障害(PMDD)」は環境因子として
季節の変化のほかにも(『季節性感情障害〜「冬季うつ病」と「夏季うつ病」』参照)
女性の社会的役割や、ストレス(対人関係での傷つき)などが関連することが知られています。

苛立たしさは「思い通りにならない/予定が狂った」ときの感情ですし、
「易怒性」と呼ばれる癇癪(かんしゃく)(怒りの爆発)は、
相手から理不尽な決めつけを受けたことで
自尊心(いわゆるプライド)や関係性(愛着)が
「攻撃された/傷ついた」と感じたときにスイッチが入り
ますよね。

「感情がコントロールできない」(易怒性)をこのように見ると
「非定型うつ病」に似た「抑うつ状態」と「トラウマ」には密接な関係がある
ことがわかりますよね。

DSM-5で抑うつ症候群に分類された「重篤気分調節症(DMDD)」は
児童から青年期(6歳〜17歳)の感情調節不全で、
虐待による愛着形成の障害により、
みずから不安をなだめることができず、
周期的に癇癪(かんしゃく)ををくり返すもので、
当初は「双極性障害」と考えられていましたが
抑うつが中心症状であるため「抑うつ症候群」に含まれたという経緯があります。

実際「双極性障害」や「気分変調性障害」の併存のある/なしにかかわらず、
「トラウマ関連障害」では「非定型うつ病」の状態を呈しやすい
ことも臨床経験からわかっています。(『気分反応性をともなう気分障害』参照)

双極性障害」にトラウマ(あるいはPTSD)が併存する場合、
誘因のない内因性の気分エピソードではなく、
対人関係に関連する出来事がきっかけとなり
状況反応的に、躁状態 or うつ状態を呈しやすい
ことが知られています。
(『愛着やプチ・トラウマが関与する気分変調性障害の治療』参照)

つまり「感情がコントロールできない」ときは、
その状況反応性を考えてみると、
対人ストレス(対人関係の軋轢・摩擦)が引き金になっており、
背景に「対人トラウマ(とくにII型トラウマ)」がある場合も多い
のです。

しかし、メンタルクリニック心療内科受診すると
感情と気分は違うにもかかわらず、感情の起伏を気分の波とみなされ
抑うつ状態」や「うつ病」あるいは「双極性障害」と診断されて
何種類も薬を処方され、休職を勧められたりしますよね。

背景にある「トラウマ」に対しての位置づけと対処はなされないので、
抗うつ薬や抗不安薬によって逆に悪化したり、
気分調節薬でも気分の変動が止められないなどが起きて
薬の量や種類が増えるだけで、難治例・遷延例とされていることも多いのです。
(実際、「トラウマ関連障害」と診断を変更し対人関係療法を導入して、減薬・断薬が可能になることも多いのです)

トラウマが病理性を持つ大きな要因は
トラウマそのものの大きさ(悲惨さ)よりも
○ソーシャルサポートの乏しさ
○トラウマを受けた時点でのストレス

が関与することがわかっているからなのです。

しかし、多くのカウンセリング心理療法では
クライエントの病態水準の問題(脆弱性)と考えられており、
場合によってはパーソナリティ障害や精神病圏とみなされて、
個人の問題とされることが多いのですが、
このようなやり方では、トラウマで最も影響を受ける
自尊心だけでなく周囲の人たちへの信頼感の回復も期待できませんよね。

また愛着トラウマ(愛着障害も含む)や複雑性PTSDの患者さんは
警戒心が強いにもかかわらず、つい病気のことを話してしまう
という矛盾した行動をしてしまうのは、周囲の人たちへのサポートを求める動きとも見えますよね。
このような行動は病気の症状とはいえ、つけ込まれ、
さらなるトラウマにつながることも多いのです。
トラウマ症状がトラウマ体験を招く

このようなトラウマによる「抑うつ状態(トラウマうつ病)」に対し
愛着の問題やプチ・トラウマが関与する気分変調性障害の治療』で触れたように
三田こころの健康クリニックの対人関係療法では、
愛着(アタッチメント)関係の修復と再構築を目標として
思春期版の対人関係療法(IPT-A)』を導入することもあるのです。

「トラウマ関連障害」に対する『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』の応用は
三田こころの健康クリニック独自のアレンジと自負していたのですが、
カナダのCANMATガイドラインでは
PTSDうつ病の併存に対人関係療法治療の第1選択肢として挙げられており、
なかでも『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』による治療
認知行動療法よりも良好な結果が得られたと報告されていました。

つまり対人トラウマを背景にした「慢性の抑うつ状態(トラウマ関連障害)」は
三田こころの健康クリニックで行っているような
『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』による治療
世界的にもスタンダードな治療だということですよね。

トラウマや衝撃体験をお持ちの方は
診療申し込み票(問診票)の記入が辛く感じられることもあるので、
一人で悩まずに三田こころの健康クリニックに相談して下さいね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
トラウマと気分障害の関係」というタイトルで
感情調節不全や抑うつ状態をともなう複雑性PTSD
愛着障害を呈することもある「発達性トラウマ障害(DTD)」について書いています。

「トラウマ関連疾患」は「双極性障害」と誤診されやすいこと、
「愛着障害」などの対人トラウマによる影響は
発達の各段階において特異的な表現型を示す
ことから、
三田こころの健康クリニックで行っているような
発達精神病理学をふまえた包括的な診断が必要ですよね。
発達障害(自閉症スペクトラム症)やADHD
双極性障害」と誤診されることが非常に多いことが知られています)


なかなか良くならない「うつ病」や「摂食障害」、
あるいは「感情がコントロールできない」と感じられる方や
「愛着障害(愛着トラウマ)かもしれない」と悩んでいらっしゃる方、
「対人関係がいつもうまくいかない」と感じられる方は、
気づかれていないトラウマの影響の可能性がありますので、
思い切って三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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2014-10-13

「食べること」と「こだわり」からの回復

三田こころの健康クリニックでは対人関係療法を専門にしているため
さまざまな医療機関から、摂食障害の患者さんとか
気分変調性障害の患者さんが紹介されたり、
全国各地から受診されているんですよ。

個人情報保護の観点から詳しくは書けないのですが、
過食症」ということで紹介された患者さんの中に
三食たべることで過食がほとんどなくなった
おっしゃる患者さんが数名いらっしゃったんですよ。

これらの患者さんたちは、
「「食べる/食べない」という葛藤が過食につながっているのではないか」
「過食するから太るのであって、ちゃんと食べれば太らないのではないか」と
頑張って1日3回の食事をするようにしたら
体型にも影響がなかったし、過食も減ってきた
とおっしゃっていました。

食べることで過食(むちゃ食い)が良くなっていくのは、
過食(むちゃ食い)の2つの要素のうちの、
ダイエット反動としての過食(飢餓過食)」が緩和したためですよね。
だから対人関係療法では、過食を抑えつけないということが大切なのですよね。
(『ダイエットの反動としての過食』『過食症の食生活の改善』参照)

多くの医療機関では摂食障害の診断そのものがあやふやですから、
摂食障害、とくに過食やむちゃ食いの後の自責感を「うつ病」、
評価に関する不安を「社会不安障害」と誤診され抗うつ薬を処方されたり、
場合によっては、過食症の患者さんに「食べなければいい」という
本末転倒の指導(というより無責任な押し付け)をなされるため
過食を押さえつけることになり、確実に悪化しそうですね。

つまり過食やむちゃ食いという症状を「摂食障害過食症)」と診断する以前に、
過食が起きるメカニズムである「身体のコンディションとニーズ」を読み取る必要があり
そのために、身体の状態まで見据えた専門的な診断が必要になるのです。

摂食障害未満」(※やせ願望や肥満恐怖がない場合)であれば、
社会リズム療法」を応用した生物学的リズムの再構築と、
時間遺伝子の動きに合わせて「いつ・何を食べればいいか」という
食事指導だけで改善することも多い
のですが、
このことはほとんど知られていないですよね。
(このことについては、いつか改めて書く予定ですのでお楽しみに♪)

逆に、生活リズムが夜型になっていると飢餓過食は遷延しますので、
過食やむちゃ食いが良くならないと感じられてる方は、
まずご自分の生活スタイルを見直す必要があるということですよね。

さて『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学』に

彼女たちは、痩せ願望も緩和し過食や嘔吐をしなくなった後にも、痩せることと同様に何かの対象への〈執着〉や〈こだわり〉のある時期が続き、これらを摂食障害の延長線上に位置づけていた。
(中略)
これは「痩せている自分には価値がある/痩せていない自分には価値がない」という考え方からは離脱しているが、今度は別の価値の追求がなされている状態と考えることができる。
「価値がある自分/価値がない自分」という枠の中で生きているため、主観的には生きづらさや苦しみからは解放されない。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

とあるように、ある患者さんは
体重を測ると数字にとらわれてしまうから体重は測らない」と
「食べる/食べない」という二項対立も
「体重を測る/測らない」という別の〈こだわり〉も手放された方も
いらっしゃったのです。

さらに下剤乱用に取り組んでおられた患者さんもいらっしゃいました。
ピーク時には1日50錠以上使っていた下剤も
頑張って徐々に減らしてこられたそうです。

「○○ができる自分には価値がある/○○ができない自分には価値がない」という二項対立的な考え方自体が、苦しみを生む元になる考え方として相対化されていく。
第2節では、他者に肯定されたり、自分で自分を肯定することが、痩せていることへのこだわりからの解放の契機として語られた。
しかし、本節で見てきた回復者からは、他者からの承認を得ようとすることや、自分自身の価値観を追い求めようとすること自体が苦しみを生むということが、さらに踏み込んで語られた。

中村英代・著『摂食障害の語り〈回復〉の臨床社会学新潮社

つまり、摂食障害という多種多様な症候群を考えた場合、
これらの患者さんたちのように、「食べる/食べない」「体重を測る/測らない」
「下剤を使う/使わない」という二項対立、つまり
「強迫傾向」という「自分自身との折りあい」をいかに乗り越えていくか
ということも、一つの回復への過程(プロセス)と見ることができますよね。

摂食障害の診断を満たす場合には、ダイエットにのめり込むきっかけとなった
「自己肯定感(自分らしさ・他者への感謝・自尊心)」の低さ、
「新しい環境への適応不全」の中心にある「空虚感」や「不安感」が治療焦点
であり、
このような患者さんに対する対人関係療法による治療は、
「自己効力感(なんとかなる・やってみよう)」を有効に使うこと、
つまり心のアクセルとブレーキのバランスを考えていくということになりますよね。
判断の一助として、水島先生が『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』に書いておられる
クロニンジャーの「気質・性格検査」も参考になりますので、興味がある方はおっしゃってくださいね。

大人のための「困った感情」のトリセツ

大人のための「困った感情」のトリセツ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
非定型の摂食障害〜選択的摂食」というタイトルで、
男性にも見られることのある「拒食症」に似た状態や、
単一食品の過食(大食)」などの場合はどのように診断するか、
について書いています。

このようなケースでは栄養指導などでは解決に至らず、
生まれつきの特性の把握と、こだわりに合わせた見守りや
行動を変えていくような対応が必要になることを解説しています。

その人に合わせた適切な治療に結びつくためには
元々どんな人だったのかという背景を含めた正確な診断が必要です。
病院に通っていてもなかなかよくならないと困っていらっしゃる方、
摂食障害かもしれないと悩んでおられる方は
ぜひ三田こころの健康クリニックで診断を受けてみてくださいね。

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2014-10-06

愛着の問題やプチ・トラウマが関与する気分変調性障害の治療

診断は気分変調性障害であっても、いろいろとトラウマティックな経験をしている人はいますので、一見区別がつきにくいケースも多いのですが、その外傷の強度はどの程度か、外傷がよみがえるような症状(悪夢やフラッシュバック)があるか、覚醒亢進状態があるか…というあたりで診断を区別していきます。
(中略)
なお、トラウマの結果としてPTSDではなくうつ病になる人もいますので、トラウマの有無だけで診断が決まるわけではありません。

水島広子・著『対人関係療法でなおす 気分変調性障害創元社

と水島先生も書いておられるように、
イジメをうけたことがあるから「PTSD」、
両親との間に葛藤があったから「複雑性PTSD」と
安易に診断されているケースも多いようです。
(自分で「愛着障害」ではないかと思われている方も、同じ考えなのかもしれません)

ちなみに、PTSDに該当するトラウマティックな出来事として、
切迫した生命の危険、深刻な怪我、性的暴力による被害、
災害救援者の惨事ストレス、暴力または事故による死別体験が
具体的に述べられており、イジメやDVなどの
日常的なトラウマ(プチ・トラウマ)は厳密にはPTSDとは診断されない
ことになっています。

また6歳以下の子どもの場合は、惨事ストレスは除かれますが
主たる養育者や親のトラウマ体験(上記)の目撃が
挙げられています。

現在は、なんでもかんでも「うつ病」という
イージーな診断がまかり通っていて、
適応障害」さえ「うつ病」と診断され
休職と復職をくり返したり、薬をあれこれ試してもなかなか良くならず、
三田こころの健康クリニックに相談される場合も非常に増えています。
適応障害抗うつ薬を処方されると、遷延化することが分かっています)

問題はトラウマ(プチ・トラウマを含む)の結果、
うつ病(慢性のうつ状態や非定型の気分変調)になることもある
ということで、
環境要因によるエピジェネティックス(環境要因による後天的な遺伝子発現の変化)のため、
感情制御が脆弱になり、抑うつ症候群が発症しやすくなると考えられています。
(『思春期以降に明らかになる愛着障害とは?』参照)

このようなプチ・トラウマに起因するうつ状態は内因性のうつ病とは診断されず
抑うつ反応」「反応性うつ病」「軽症うつ病」などと診断されていました。
(「同調性」を基盤に執着気質や循環気質をもつ「慢性の抑うつ症候群」ではない)

「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」の混乱』に書いたように
従来診断で「神経症性うつ病」や「抑うつ神経症」と呼ばれていた

・対象関係因性の葛藤や不安を伴う性格神経症的な「慢性の抑うつ症候群
・ストレス因が解決されず慢性に経過した適応障害タイプの「遷延性抑うつ反応」

との鑑別が必要になりますよね。

とくに虐待などのトラウマ(プチ・トラウマを含む)が
養育者(とくに親)との関係性に起因するときには
児童期であれば「反応性愛着障害/反応性アタッチメント障害」や
「脱抑制型反応性愛着障害/脱抑制型対人交流障害」との鑑別が必要
になりますが、
その場合、水島先生が書かれているように
外傷(虐待や社会的ネグレクト)の強度がどの程度か?
ということも判断するうえで必要ですし、思春期〜青年期であれば、
発達障害自閉症スペクトラム症)やADHDがあるのかどうか?
を考慮する必要がありますよね。
(『『反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害』の最新情報』参照)

このような「対象関係因性の気分変調(ディスチミア」)では、
「ダブル・デプレッション(二重うつ病)」を呈することも多く
うつ病」と診断されて抗うつ薬の服用を何年も続けているのによくならない
というタイプがかなり見られます。

対象関係因性の気分変調(ディスチミア)」というのは
「相手に嫌われたのではないかとひどく気にする」ということで、
「傷つきそうな評価が気になる」「評価への過敏性」ということになりそうです。
(『摂食障害の回復と「評価への過敏性」の2つの次元』『非定型うつ病と気分変調性障害(慢性うつ病)』参照)

このタイプの「評価への過敏性」はヒルデ・ブルックのいう「内部混乱」のように
小さい頃から自分の気持ちを受け止めてもらえず、
日々のプチ・トラウマが蓄積していく中で自分の気持ちを切り離して抑圧し、
学習性無力感」のためにコミュニケーションを避けるようになった結果、
不安型気分変調症」、つまり
「対象関係因性の葛藤や不安を伴う性格神経症的な「慢性の抑うつ症候群」」
の発症につながったのではないか、と考えられますし、
このようなタイプは「摂食障害過食症やむちゃ食い障害)」を併発することも多いようです。
(『評価というプチ・トラウマと「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」』参照)

対人関係療法による気分変調性障害の治療(IPT-D)』では
治療による役割の変化」という問題領域を適応することが多いのですが、
この「不安型気分変調症」は
「評価への過敏性」の結果として発症していますから、
治療による役割の変化」では治療がうまく進まないことも多いのです。

そのため安全感(自己肯定感)や安心感(コントロール感)を培うことを目標に
役割期待をめぐる不一致(病気のために傷ついた対人関係の修復)」を治療目標にして
『思春期版の対人関係療法(IPT-A)』を応用することで、
愛着(アタッチメント)の修復と再構築が可能になることを
プチ・トラウマと「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」』で
解説しましたよね。(『愛着の問題の関与を疑うとき』も参照してくださいね)
このことは水島先生も書かれていませんけれども、
対人関係療法の初心者では治療が難しいんですよ。
(梅こんぶさんの『対人関係療法|梅こんぶの幸せごちそうさま』も参照して下さいね♪)

実際、対人関係療法(?)と称する治療をうけた過食症の患者さんが、
治療終結時に「気分変調性障害」が背景にあったことがわかって
「ここでは治療できない」と言われた方もいらっしゃるのです!。
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」の最新事情」に書いたように
対人関係療法による気分変調性障害の治療(IPT-D)』は、
治療経験を十分に積んだ治療者でないと困難なのです。

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
『気分変調性障害/持続性抑うつ障害』の混乱」というタイトルで
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」を気質(病前性格)によって考察し、
背景因子の把握、疾患の成立プロセス、疾患のバリエーションの診立てなど、
ある程度の診断分類を行うことが、治療のすすめ方の決定につながることを書いています。

とくに、「気分変調性障害」の診断は
かなり熟練を積んだ臨床家でないと困難ですし、
治療は十分な経験を積んだ治療者でも難しい
と言われています。

摂食障害過食症/むちゃ食い障害)や「うつ病」と診断されて通院しているけれども
なかなか治らない方と困っておられる方は、
是非、三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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