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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2015-05-18

気分変調性障害と評価への過敏性〜脳内劇場

「気分変調性障害」だけでなく「過食症」の患者さんで

○人にどう思われるかが心配で自分の気持ちを表現できない
○自信がなく、親しい関係を持ったり維持したりすることができない

というタイプの人たちに対して対人関係療法では
「評価への過敏性」という問題領域を設定しますよね。

摂食障害の回復と「評価への過敏性」の2つの次元』で
「評価への過敏性」は2つタイプがあることを書きました。

「評価への過敏性」の1つは、自尊心が慢性的に低く、
一見、過敏型自己愛性、回避性、依存性などの
パーソナリティの問題に見えるタイプで、
気分変調性障害とパーソナリティの問題』で挙げた
DSM-IV-TRの診断基準の代案の一部を満たすタイプで
発達障害の要素のない「無力型気分変調症」が相当し
生来的な特性としての「脳内劇場」が特徴です。

このタイプは、もともと対人関係に過敏で、
その中核には「嫌われるのがコワイ」という
「脳内劇場(想像上の対人関係)」があります。

不可知の他者の視線によってそのように構築されているはずとの信念から患者自身によって夢想される、空疎な張りぼての自己である。
これを強化し肥大させることによって、彼らが「本当の自己」と仮定する、弱々しくか細い自分は、他者の目に触れることなくひっそりと生き続けようと試みる。

野間俊一『解離する生命みすず書房

野間先生が上記のように描写される「脳内劇場」タイプは

○無意識に誇大な自己イメージを持っているものの他の人々の反応に敏感である
○抑制的で、内気で、あるいは自己消去的でさえある
○自己よりも他の人々に注意を向ける
○注目の的になることを避ける
○侮辱や批判の証拠がないかどうか、注意深く他の人々の言動に注意する
○容易に傷つけられたという感情を持ち、羞恥や屈辱を感じやすい

という「過敏型の自己愛性パーソナリティ」を特徴とします。
このような対人関係パターン(愛着スタイル)は
「拒絶・回避型/愛着軽視型」と呼ばれますよね。
(『「無力型気分変調症」と愛着(アタッチメント)』参照)

この「脳内劇場」タイプの気分変調性障害の人たちは
「心のブレーキ」を踏みこんでいますから(損害回避の高さ)、
対人交渉を避け、自分の中に引きこもってしまうことで、
成功体験が得られず、失敗恐怖(不安)が大きくなり
「やる気」は低下して、「無力感」が強くなってしまうのです。

この「脳内劇場」タイプの気分変調性障害の対人関係療法による治療では、

○自分を守るために採用してきた方法が実際の対人関係や自己肯定感にどのような影響を与えているかを考えてみる

ということで、想像上の相手ではなく現実の相手との関係に取り組む中で

○不安を感じることは当然のことだとしても、いつもと異なるパターンに一歩を踏み出す(対立やリスクに向き合う)

という「交渉」を治療目標にすることが多いのです。
この部分が『心のブレーキを外すトレーニング』で書いた
「自己モニタリング」のやり方と共通するのです。
(『マインドフルネスで関係性に開かれる』参照)

対人関係療法でなおす 気分変調性障害』に書いてある
「気分変調性障害の症状に気づく」という治療目標と違う
と感じられるかもしれませんが、「今の瞬間に気づいていること」、つまり
症状に気づくことも心のブレーキに気づくことも「自己モニタリング」ですよね。
このように三田こころの健康クリニックでは
患者さんの特性に合わせた対人関係療法を行っているんですよ。
(『マインドフルネスで現実に戻る』参照)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症と対人関係」というタイトルで、
対人関係療法で焦点を当てていく問題領域は
「繰り返される対人関係パターン」のことで、
これが過食症の維持因子としての文脈を明らかにしていくこと、
つまり、愛着スタイルによって焦点を当てる問題領域が変わってくる
ことを書いています。

対人関係療法で重視する「鑑別診断学」は
患者さんを治療法に合わせるのではなく、
治療法を患者さんに合わせて柔軟に適用するということですから
どのような治療のすすめ方が向いているのか、のアセスメントを
対人関係療法ではフォーミュレーションと呼びますよね。
(『対人関係療法・閑談』参照)

三田こころの健康クリニックで初診を90〜120分取るのは
そのようなアセスメントまで行うためなのです。

対人関係療法による「過食症」の治療を希望される方や
「持続性抑うつ障害/気分変調性障害」で通院されている方は
是非、三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2015-05-11

心のブレーキを外すトレーニング

対人関係療法では、認知(考え方)に直接焦点はあてませんよね。
しかし、対人関係療法の原則である
「自分の気持ちをよくふりかえり、言葉にしてみる」とか
「心のブレーキを外すトレーニング」とかに対して
認知に焦点を当てているではないか、という意見があるのです。

この「いろいろやってみたいけれどできない」という欲求不満の状態から脱するには、一歩一歩の努力が必要です。
「性格」を変えることはできませんから、まずは自分の「性格」がアクセルもブレーキも強いものであることを自覚することが必要です。
そして目標を「ブレーキよりもアクセルがやや強い状態に持っていく」ことに置きます。
目標に向けての第一歩は、ストレスを軽くしてブレーキを弱めることです。
(中略)
ある程度ストレスが軽くなってきたら、二歩目として、意識してブレーキを外していくことが必要です。
あれこれ心配しているよりも、実際に行動してみるとうまくいったり、失敗しても楽しめたりするものです。
自分がやりたいことに気づいたら、「心配」「気が進まない」という心のブレーキを、思い切って一歩乗り越えてみることです。

水島広子・著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

「心のブレーキ(損害回避)」とは
「いろいろやってみたい」というアクセル(want:新奇追求)と
「でも、できない」というせめぎ合い(葛藤)ですよね。

ということで「心のブレーキを外すトレーニング」は

・ブレーキが強いものであり、踏み込んでいることに気づく(自覚する)
治療の力を借りてストレスを軽くしていく
・意識してブレーキを外す

という3つのプロセスからなっていますよね。

「ブレーキが強いものであり、踏み込んでいることに気づく」ためには
対人関係療法で行う「自分の気持ちをよくふりかえる」という「自己モニタリング」と
「自分の性格(生まれつきの気質)を知り、受け入れる」というプロセスが必要になりますよね。
(『サイコロジカル・マインドと自己モニタリング』参照)

「自分はダメだ」「もし失敗したらどうしよう」とか
さまざまなネガティブな考えに支配され、
「疲れているし…」などと自分への言い訳をしていると
変化が起きない・起こせないだけでなく、
「やりたい(アクセル)けど、できない(ブレーキ)」と
アクセルもブレーキも踏み込まれてエネルギーが消耗するだけでなく
エンジンがヒートアップして自分自身も傷ついてしまう
のです。

現実から離れて、頭の中の言い訳に逃避してしまい、
現実に対する集中力が落ちて、ボンヤリしている状態から、
「ブレーキを踏み込んでいることに気づく」ためには
「今の状態に意識を向ける(集中し心に懸けて離れない)」ことが必要で
これは「一心(集中=マインドフル)」な状態と呼ばれます。

この「マインドフルな状態(注意深さ)」では
「明晰さ」という「気づいている状態」にとどまります。
さまざまに散乱した心のいろんな側面を集束して
わが家へ連れ戻し、その中にゆったりとくつろいでいること。
今流行りの「マインドフルネス(ヴィパサナ)」と似ていますが
コトバでのラベリングを挟まないところが違いなのです。
対人関係療法でも必須になる心との向き合い方ですから
皆さんも練習してみて下さいね。
(『アウェアネス〜言亡慮絶(ごんもうりょぜつ)2』参照)

「心のブレーキを外すトレーニング」の2段階目の
治療の力を借りてストレスを軽くしていく」については、
その人に合わせて対人関係療法による治療を行いますが、
基本は「…ねばならない」という「べき思考(shouldやmust)」から
「試してみる」という試行錯誤に移行するプロセスで

  • 実現可能な課題に細分化しハードルを下げるプロセス
  • どのようなやり方なら簡単にできそうかというアレンジ

ということで、これが自尊心の要素の一つである
「自己効力感(コントロール感)」につながります。
対人関係療法を受けていらっしゃらない方は
バイロン・ケイティの「4つの質問」を参考にしてくださいね。

そして3段階目の「意識してブレーキを外す」ところで必要なのが
「明晰さをともなうマインドフルな状態」を行為の中にゆっくりと溶け込ませ、
「目の前のことに取り組もう」と行動に意識を向け、注意深く行うことなのです。
「行為の中の瞑想(一意専心)」と呼ばれるこのやり方は
三田こころの健康クリニックで指導したりしていますよね。
(『マインドフルネスで現実に戻る』参照)

このような「気分に関わらず行動する」というやり方は
認知行動療法の「行動活性化」と共通するようですし、
とくに過食症の患者さんや気分変調性障害の患者さんが
対人関係療法による治療終結時の振り返りで
「考え方が変わった」「別の考え方ができるようになった」と
認知の変化を嬉しそうに報告して下さるのは、
対人関係療法では、認知行動療法とは違う形で
認知に焦点を当てているからなのかもしれません。
だからこそ、「自分自身の折り合い」の問題である
「気分変調性障害」の治療にも向いているのかもしれませんね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
対人関係療法はどのような患者さんに有効なのか」というタイトルで、
摂食障害のうち「過食症」にエビデンスのある対人関係療法
「対人関係が苦手な性格を変えるというものではない」ことから
対人関係上の出来事と症状の関連が文脈的に理解できて
それらが過食症の維持因子に関与していることが明確であれば
診断名によらず対人関係療法による治療が可能ということを書いています。

ちなみに認知行動療法は、排出型の過食症を対象としています。
そのため「非排出型の過食症」や「むちゃ食い障害」など
「過食性障害」の臨床病状にあてはまらないことがあります。
一方、『2つの「むちゃ食い障害(過食性障害)」』で触れた
「ダラダラ食い」タイプには認知行動療法が有効なようです。

つまり、患者さんのもともとの特性や文脈を踏まえて
どのような治療が適切かを考える必要があり、
これが対人関係療法で重視する「鑑別治療学」ですから、
過食を取り巻く状況や、過食のタイプを詳細に鑑別し、
あるいは元々どんな人だったのかを把握した正確な診断と
その人に合った治療方針を考える必要がありますから
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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2015-05-02

対人関係療法・閑談

三田こころの健康クリニックは
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害(気分変調症)」や
過食症(自己誘発嘔吐を伴う過食症)」
「過食性障害(嘔吐のない過食症・むちゃ食い障害)」など
プチ・トラウマによる愛着の傷つきをもつ疾患の詳細な診断と
対人関係療法による治療を専門にしています。

対人関係療法は、対人関係が苦手な性格を克服するとか
問題のある対人関係を修復する、というカウンセリングではなく、
重要な他者との対人関係から力をもらい、
健康な部分(レジリエンス)を広げていくことで
不安定型愛着スタイル(岡田先生のおっしゃる愛着障害から
修正・安定型の愛着スタイルを獲得し修正アタッチメント体験
自尊心(自己肯定感・自己効力感)を高め、病気を治していく
世界的に効果が認められている期間限定の精神療法です。
(『あらためて対人関係療法とは』参照)

対人関係療法による治療を希望して
三田こころの健康クリニックを受診された患者さんには
初診時の診断面接で以下のことを一緒に診ていきます。

  • もともとどんな人が(気質や性格、パーソナリティなどの準備因子)
  • いつ頃から、あるいは、どんなきっかけで(誘発因子)
  • どのような症状が出て、何と診断したか医学モデルの適用・鑑別診断)
  • その病気が今も続いている要因はなにか(維持因子)
  • この患者さんにはどのような治療法が向いているのか(鑑別治療学・仮フォーミュレーション

対人関係療法による治療の適応になる/ならないに関わらず
上記のような「仮フォーミュレーション」を呈示しているのです。

この「仮フォーミュレーション」だけでも
これまで得体の知れなかった症状がおきるメカニズムや
どのような取り組みをすれば改善するのかがわかりますから、
それだけで、すごく楽になったと感じられますし、
場合によっては過食が良くなったりもするのです。

対人関係療法による治療の適応になる場合は
初診の後1〜3回をかけて、「治療の土台作り」や
日々の生活・対人関係の状況などを把握し、
コミュニケーションや愛着スタイルなどをアセスメントしたあと
フォーミュレーション」や「治療目標」を呈示します。

フォーミュレーション」というのは、
上記の仮フォーミュレーションに加えて

という治療者の理解を患者さんに示し、
治療目標(取り組んでいく課題)」を呈示するプロセスなのです。

というのも、「フォーミュレーション」の質が
対人関係療法治療効果を左右する最大のポイントになるからなのです。
というのも、適切な「フォーミュレーション」のもと
適切な問題領域を選ばなければ、症状の改善につながらない

ということが、2012年に水島先生が報告された厚生労働研究の
精神療法の有効性の確立と普及に関する研究」で示されています。

つまり「フォーミュレーション」と「問題領域」の設定は、
「今後の人生が病気のために損なわれないようにする」という
治療の質と方向性に関わる対人関係療法の最重要事項なのです。

三田こころの健康クリニックで行っているような
このような正式な対人関係療法ができる医療機関は限られていますので
中には他所で対人関係療法もどきを受けたけどよくならなかったと
患者さんが受診されることも多いのです。(『対人関係療法の現状』参照)

私たち対人関係療法を専門に行っている治療者は、
数日かけて「フォーミュレーション治療戦略)」を練り、
今後の治療の方向と患者さんの回復力(レジリエンス)を推測し、
治療目標(だいたい3〜5つ程度)」を考えているのです。
治療者の力量が反映されるプロセスなので、かなり丹誠を込めて仕上げています)

この「治療目標」がその患者さんにうまくマッチすると、面白いことに、
治療目標で示した順に取り組む課題が不思議と現実に起きてきますし、
やり残した治療目標があると、
似たようなパターンが何度も繰り返して起きてくるのです。
まるでシンクロニスティですよね。

たとえば、過食性疾患の人であれば
5月11日エントリー予定の「心のブレーキを外すトレーニング」や
重要な他者とのかかわりを扱っていく過程で
友達との関係でも「境界線」や「敷地」の考え方ができてきますし
重要な他者との関係に向き合わざるをえなくなるのです。

また発症のきっかけが「傷つき体験」だった人の場合、
似たような状況がたびたび起きてくるのですリエナクトメント)。
患者さんは気づかずに取り組んでおられますが
乗り越えられた後に振りかえりを行うと
パターンの相似性にビックリされます。

以前は衝撃をうけて遭難したかのように感じていた出来事が
似たような「対人バターン」を乗り越えることで、
プチ・トラウマ記憶とその影響そのものが無力化され、
患者さんは、コントロール感覚(自己効力感)を取り戻し、
現在に向き合うことができるようになります。
私はこれを「卒業試験」と呼んでいるのです。

対人関係療法による過食症やむちゃ食い障害の治療では
過食はストレスマーカーと位置づけ、過食そのものに焦点を当てませんよね。

過食がなくなってくるプロセスは人それぞれですし、
過食症(自己誘発嘔吐をともなう過食症)」の治り方はまた違うのですが、
「過食性障害(非排出型の過食症+むちゃ食い障害)」の人では
評価への過敏性」を問題領域として
治療目標の中に「現在に戻る」という項目を盛り込むことが多く、
脳内劇場」から離れて、現実の問題にしっかり取り組めるようになると
そういえば、ここしばらく過食はしていないです」と
対人関係療法らしい治り方をする方が多いようです。

対人関係療法による治療では、重要な他者との間で
週に1回、最低30分は話し合いの時間を取る」ことが宿題です。
とくに「気分変調性障害」や「トラウマ」の患者さんでは、
家族には「自己肯定感」を支えてもらい
治療では「自己効力感」に取り組んでいくことで
治療も中盤にさしかかると、家族からも
治療を受けるようになって、以前と比べて明るくなった」と
肯定的なフィードバックをもらえることで
ますます治療への取り組みが加速していくのです。
(『対人関係療法で取り組んでいくアタッチメント課題』参照)

GWの真っ直中ですから、今回は軽い読み物として、
ほとんど知られていない対人関係療法のすすめ方や
治療中に起きてくること、そして対人関係療法では
「過食性障害(嘔吐のない過食・むちゃ食い)」や
「気分変調性障害/持続性抑うつ障害(気分変調症)」が
どのように治っていくかについて書いてみました。

三田こころの健康クリニック公式ブログ聴心記』は5月10日までお休みです。
5月11日に『対人関係療法はどのような患者さんに有効なのか』というタイトルで
エントリー予定ですので、お楽しみに♪

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2015-04-27

気分変調性障害と発達障害

生来的に対人関係の困難さを抱え
変化の時期に抑うつを伴う不適応を呈しやすい
知能の障害のない「自閉スペクトラム症発達障害)」

「シゾイド・パーソナリティ」との類似性から
「気分変調性障害」と診断されることが多いようです。

もともと「自閉スペクトラム症発達障害)」の要素をもつ人は
相手の意図が読めずに対人関係の摩擦が多かったり、
こだわりや変化の苦手さのため、融通がきかずに要領が悪く、
学校や職場で不適応を起こし抑うつ的になり
退避しやすいこともよく知られていますし、
自我違和感の乏しい「強迫症状」の合併も多いのです。

さらにこのような特性のため緊張を抱えやすく
感情の言語化困難(アレキシサイミア)や
身体への気づき困難(アレキシソミア)傾向を有するため
ストレスや葛藤が容易に身体化しやすいことも知られています。

さらに生来的に聴覚(音)や嗅覚(におい)だけでなく
身体感覚にも過敏性(ときに鈍麻性)があるため、
身体症状にこだわり、内科や整形外科などの身体科を受診し、
「仮面うつ病」や「自律神経失調症」と診断されることも多いですし、
精神科領域では「不安を伴う抑うつ」と診断されている場合が多いです。

「気分変調性障害」との関連では、半世紀以上前にバイトブレヒトが
無力的かつ易疲労的で、対人関係に敏感な性格の人が
精神的負荷状況にさらされることで生じる
軽度の持続的なうつ状態や心気的な自律神経症状に対し
内因反応型気分変調症」という概念を提唱しています。
無力型気分変調症に似ていますよね)

アキスカルはこのようなタイプは
身体レベルの抑うつと密接な関連を有することから
生物学的基盤が同じであると想定し、
過眠や軽い日内変動など生体リズムの特徴を
「双極スペクトラム障害」とみなしています。

よく見ると「非定型うつ病」のような過眠ではなく「惰眠」であり
いやな気分からの「退避(寝逃げ)」による生活リズムの混乱によって、
昼夜逆転や自律神経のバランスの乱れを引き起こし
日内変動のように見えているような印象があります。

加えて「自閉スペクトラム症」の人のこだわりや
気分不耐の気分解消行動、あるいは癇癪(かんしゃく)が
躁状態とみなされることも多いようですし、
境界域の知的能力障害群も癇癪を起こしやすいので
双極性障害」と診断されているケースをよく見かけます。

あるいは抗うつ薬による奇異反応が
薬剤誘発性の躁状態にみなされるなど
「双極スペクトラム障害」と過剰診断されることもあるのです。

実際、最近、国立精神・神経医療研究センターのMatsuo先生らは
寛解した大うつ病性障害を除くと

成人発症の精神疾患患者の約半数で、高レベルの自閉症様特性/症状が認められた
双極性障害統合失調症では、重症度と関係なく、自閉症様特性/症状を認める割合が高かった
うつ病性障害の患者では、うつ病の重症度と自閉症様特性に関連がみられた

という報告されています。(Matsuo J, et al. PLoS One. 2015;10)
以前より、統合失調症と診断された方の約70%は
自閉スペクトラム症発達障害)ではないかと言われており
また気質をみずに症状だけによる双極性障害の過剰診断をみる機会が多かったため
この報告は妥当性があると感じています。


つまり難治性といわれる抑うつ障害群の中の約半数に
自閉スペクトラム症の方がいらっしゃるということですから、
治療という観点から考えた場合、対人関係療法でおこなう
どのような臨床的特徴をもった患者に
どのような治療が最もよく効くかというアセスメント
つまり「鑑別治療学」が重要ということですよね。

自閉スペクトラム症と「双極性障害」との鑑別は
「循環気質」や「執着気質」などの生来的特性や
他者配慮などの「同調性」
が決め手になることが多いような印象です。

「元々どんな人」がどのような臨床的特徴を呈しているかによって
対人関係療法という治療法を患者さんに合わせてアレンジする、
つまり、患者さんの文脈にあった問題領域と治療目標を設定する
ということを三田こころの健康クリニックで行っていますよね。

双極II型障害という病 -改訂版うつ病新時代-

双極II型障害という病 -改訂版うつ病新時代-

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害の治療の問題〜カウンセリング」というタイトルで、
対人関係療法で過食症がよくなった梅こんぶさん
なぜふつうに食べられないのか』から悪質なカウンセリングの実例を挙げて
「なぜ、摂食障害では、カウンセリングは避けた方がいいのか」
について説明しています。

そもそも。
病気である摂食障害は、医学的な治療が必要で、
そのためには、診断ができる医療機関受診が大前提なのです。
このような詳細な診断プロセスが行われない場合、
統合失調症強迫性障害など他の精神疾患にともなう食行動異常を
摂食障害とみなされて、不適切なカウンセリングを何年も続けるケースが多いのです。

さらに摂食障害治療医療機関を選ぶ際のポイント
摂食障害の専門的な診断が可能で、
エビデンスのある精神療法を施行できる治療者がいて
短時間診療でなく時間を取った丁寧な治療がなされる医療機関
つまり『対人関係療法の現状』で書いたような
医療機関を選ぶ必要があるということですよね。

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2015-04-20

あらためて対人関係療法とは

否定的な認知様式が抑うつ状態の形成に寄与していると考えられる場合は認知行動療法が、他者との関係のあり方が問題となっている場合には対人関係療法が推奨されている。

と某大学の教授がお書きになっていました。

治療法の名称は、その治療法の特徴を表しており、
たとえば認知行動療法では、認知に焦点を当て
認知の緩和あるいは行動の変容を起こしていくことにより、
「自分自身との折り合えない心の不調」を治療していきます。
さらに他者との対人関係問題であっても
「受け止め方・とらえ方」という認知の問題として取り扱っていきます。

一方「対人関係療法」ではどうでしょうか。
「対人関係に焦点をあてて変化させる治療」という理解の仕方では、
対人関係に問題があるからそれを修復する、
対人関係が苦手な性格を克服する
、ということになっていまいますよね。

上記の某大学教授の理解がそうなっていますので、
対人関係療法」の本をお読みになったことのない一般の方なら、
そのように誤解してしまうのも無理もないですよね。

さらに一般の方がよく理解ができないとおっしゃるのは
重要な他者との関係に焦点をあてるだけでどうして病気が良くなるのか?
というのがあります。

対人関係療法は、患者が自分の愛着欲求を満たすために、より有益にコミュニケーションをはかり、自分の期待を現実的に評価し、全般的な社会支援を向上させることを支援する。
対人関係療法の目的は、患者の愛着スタイルを考慮したうえで、患者がより効果的に自分の愛着欲求を満たすことを援助することである。

短期精神療法の理論と実際』「第五章 短期対人関係療法星和書店

つまり対人関係療法とは、重要な他者との関係に焦点を当て、
その関係性から自己肯定感・自己効力感を引き出し、自尊心を高めることによって、
過食症」や「気分変調性障害」などの病気治療しますから、
「対人関係に焦点を当てる技法を用いる」
「対人関係の力を利用して病気治療していく」という名称なのです。
(『摂食障害から回復するための要因』参照)

そのため三田こころの健康クリニックでは初診の時に

「対人関係療法」の適応になる病気なのかどうか
○この患者さんに「対人関係療法」が向いているのかどうか
○「対人関係療法」を継続出来るだけの愛着スタイル(対人関係パターン)コミュニケーションスキルのレベルはどうか

についてのアセスメントを行っていますよね。
これがその人に合った治療法を選択するという
「鑑別治療学」の考え方なのです。

たとえば「評価への過敏性」が問題領域になるような人の場合、
「想像上の相手とのやりとり(脳内劇場)」が活発ですから、
健康的な人とのコミュニケーションのスキルを身につける必要があるので
本格的な「対人関係療法」に入る前に「治療の土台作り」を行っていますよね。
とくに愛着に問題がある場合(「未解決型(おそれ/回避型)」)は、
自分の心(感情)や身体との向き合い方などを含め、
時間をかけて修正愛着スタイルを身につけていく必要があります。

例えて言うなら、体力に自信がなく山登りができない人に対し、
本格的な山登りの前に基礎体力作りを行う、という感じです。
これを行わないと、なかなか頂上に着かないだけでなく
途中で遭難してしまうことだってあるのです。

ちなみに、難易度の高い腹腔鏡手術で
手術適応と術者の技量の問題が取り沙汰されていましたよね。

対人関係療法などの専門的な精神療法でも同じで、
この患者さんにはどのような治療が向いているかの「鑑別治療学」と
治療者にそれを行う技量があるのかという「修得レベル」の問題があるのです。
(『対人関係療法の現状』参照)

対人関係療法」で焦点とする問題領域は4つありますが
たとえば、「気分変調性障害」でも
「役割不安」や「対人関係過敏」を問題領域に適用したり
過食症でも「対人過敏」を問題領域とするなど
この病気だからこの問題領域ということではなく
熟練した対人関係療法治療者は
患者さんの「文脈」に合わせて柔軟に適用していくのです。
これが「修得レベル」ということなのですよね。
(『気分変調性障害と対人関係療法の治療焦点』参照)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
摂食障害の治療の問題〜短時間診療」というタイトルで、
野間先生がおっしゃる「各心理療法のエッセンスをうまく組合せる」
というやり方は理想的だけれども
治療者のトレーニングレベルや精神療法の構造化度の問題などで
実際には困難どころか、できないのではないか
ということについて書いています。

「愛着」スタイルに合わせた治療法、という観点から考えても
治療関係が「安全基地」となりうるかどうか、が
治療の成否に関与することが分かっています。

つまり、患者さんの愛着スタイル(治療関係を発達させる能力)と
治療者の愛着スタイルとの適合性という安全な治療関係の中で
修正安定型の愛着スタイルに変化するかどうかが重要で
小手先の治療技術には大きな意味はない、ということですよね。

過食症にエビデンスのある対人関係療法を正式に行うことのできる
三田こころの健康クリニックのような
専門的な治療機関が増える必要があるということですよね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2015-04-13

気分変調性障害と対人関係療法の治療焦点

気分変調性障害の診断基準(DSM)では、

・食欲の減退、または増加
・不眠、または過眠
・気力の減退、または疲労感
・自尊心の低下
・集中力の低下、または決断困難
・絶望感

のうち2つ以上をみたすと定義されています。

DSM-5では「気分変調性障害」の診断基準は変更されませんでしたが
DSM-IV-TRで「気分変調性障害」の診断基準の代案として

・低い自尊心または自信、または自分が不適切であるという感じ
・悲観主義、絶望、または希望のなさ
・全般的な興味または喜びの喪失
社会引きこもり
・慢性の倦怠感または疲労感
・罪悪感、過去のことをくよくよ考える
・いらいらしているという主観的感覚、または過度の怒り
・低下した活動性、効率、または生産性
・集中力低下、記憶力低下、または決断困難に反映される思考困難

のうち3つ以上をみたすものとされています。
水島先生は、こちらの「代案」のほうがより適確に
気分変調性障害の現実をとらえているように思う
、とおっしゃいます。

よく読むと、この代案は「気分変調性障害・中核群」ではなく、
他者との関係性の問題や「とらわれ型(不安/アンビバレント型)」愛着スタイルを抱えた
不安型気分変調症(性格スペクトラム障害/性格因性うつ病)」や、
社会との折りあいが問題の、引きこもりを主とする群」である
無力型気分変調症(感情病性気分変調症)」が混在しているようです。

「執着気質、あるいは、メランコリー親和性性格」を持ち
「自分自身との折り合いの問題」を抱えた「気分変調性障害・中核群」では

○要求を表現することはわがままで、怒りは「悪い」感情だという感覚
○表面をできるだけ明るく取り繕い、注目を避け、「正常」として通そうとする

という特徴のため「気分の落ち込み」を「病気ではなく怠けている」と感じ
性格の問題を何とかしようと、さらに自分を追い込んでしまいます。
ですから「気分変調性障害」ではないかと治療を受けようと思われる方は
「気分変調性障害」ではないことがほとんどなのです。

対人関係療法でなおす 気分変調性障害』には
対人関係療法による気分変調性障害の治療
治療による役割の変化」を適用し「症状に気づいていく」こと、
と書いてありますよね。

「気分変調性障害・中核群」は「うつ病」と同じように
「愛着軽視型(拒絶/回避型)」の愛着スタイルが多いため
「気分変調性障害の症状に気づく」という「自己モニタリング」を通じて
「ありのままの自分や現実を認識する」こと、つまり、
「評価をせず、いまこの瞬間の体験に意図的に意識を向ける」ことで
「自分を感じる心(自己肯定感)」を育てていくのです。

一方、「不安型気分変調症(性格スペクトラム障害)」で焦点を当てるのは
「とらわれ型(不安/アンビバレント型)」の愛着スタイルの原型となった
対人関係での「傷つき体験(プチ・トラウマ)」のことが多いのです。

そのため、不安障害の合併や「非定型うつ病」の状態を呈することも多く
過食症」を合併しやすいのもこのタイプの特徴です。
また、中には「双極II型障害」と診断されている場合もあります。

この場合、何を言ってもムダという「学習性無力感(役割をめぐる不一致)」や
自分が傷つく評価を怖れ交渉を諦めてしまうという「評価への過敏性」であり、
対人関係療法によって「修正安定型の愛着スタイル」の獲得を目指すこと
治療目標になるのです。

一方、「無力型気分変調症(感情病性気分変調症)」は
「愛着軽視型(拒絶/回避型)」が多いのですが、
慢性の「適応障害」(不適応)との鑑別が必要で、
行動療法認知療法的な治療が向いているのです。(『回避性愛着障害』参照)

ちなみに岡田先生が『愛着障害』で書かれている「愛着障害」とは

こうした不安定型愛着に伴って支障を来している状態を、狭い意味での愛着障害、つまり虐待や親の養育放棄による「反応性愛着障害」と区別して、本書では単に「愛着障害」と記すことにしたい。このような広い意味での「愛着障害」は、筆者が既に提起した「愛着スペクトラム障害」と同義である。
岡田尊司『愛着障害 子ども時代を引きずる人々光文社新書

と、「愛着軽視型(拒絶/回避型)」「とらわれ型(不安/アンビバレント型)」
「おそれ型(未解決型 or おそれ/回避型)」などの
「不安定型愛着スタイル」を「愛着障害」とおっしゃっています。(『愛着スタイルと気質・性質』参照)

摂食障害と「不安定型愛着(アタッチメント)スタイル」の関係については
摂食障害の愛着(アタッチメント)スタイルと気質』で触れたことがありますが
今後、対人関係療法の視点からあらためて書いていきますので
楽しみにしていてくださいね♪

このようにパーソナリティや愛着スタイルを把握して
患者さんへの「適合性」に応じてエビデンスに基づく精神療法を選ぶ、
ということが、対人関係療法でもっとも重視する「鑑別治療学」なのです。

つまり、三田こころの健康クリニックで行っているように
患者さん一人ひとりに合わせた対人関係療法のすすめ方や
その人に合った適切な治療法を考える、ということなのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』
摂食障害の治療の問題〜治療からの離脱」で
摂食障害の患者さんが医療からの離脱が多い原因は

●エビデンスのある精神療法を施行できる治療者が少ない
●短時間診療
●不適切な治療者による傷つき

などの問題があることが報告されていることに触れ
何が問題なのかについて説明しています。

とくに「短時間診療」と「不適切な治療者による傷つき」は
精神医療の質とも関連する問題でもありますから
「慢性のうつ状態」や「摂食障害」で医療機関を選ぶ際には
正確な診断と丁寧な診察が行われているかどうか
を基準に選んでみて下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2015-04-06

うつ病としての気分変調性障害/持続性抑うつ障害

新しい年度が始まり、うつ状態の人は
プレッシャーで不安な日々を過ごされているかもしれませんね。
(『変化を上手に乗り越えるには』参照)

気分変調性障害/持続性抑うつ障害」は広く見られ、成人の約3%、
とくに女性の方が男性の2倍多いといわれています。
さらに有病率も併存率も高く、
急性の「大うつ病」よりも慢性の「気分変調性障害」の方が
人を衰弱させる経過をたどるといわれています。

そのような「気分変調性障害」は「抑うつ状態」が最低2年間続いていて、
症状のある日の方がない日よりも多く、症状がない状態は2ヶ月以上続かない、
と定義されています。
つまり、長い期間「抑うつ状態」が続くため
人生における損失が大きいといわれているのです。

「気分変調性障害」の中核症状である「抑うつ状態」とは
抑うつ気分(憂うつ感)」であり、
日常生活で感じる憂うつな気分とは違い、
「喜んだり楽しんだりすることはもちろん、悲しむことすらできなくなる状態」
と定義されており、このことを「悲哀不能」と呼びます。
さらに身体的な苦痛を巻き込んだ「生気的悲哀」も
抑うつ気分(憂うつ感)」の特徴とされています。

つまり「抑うつ気分(憂うつ感)」とは、
これまでの人生で体験してきた憂うつな気分や苦痛とは次元の違った体験であり、
以前は感じられていた感情を感じられなくなり、
気分が反応しない状態(悲哀不能)や
前胸部の重苦しさや落ち着かなさなど(生気的悲哀)が
軽い程度で2年以上続いている状態が
「気分変調性障害/持続性うつ病性障害」と診断されます。
(これが抑うつを伴う「適応障害」と違うところです)

対人関係療法でなおす 気分変調性障害』にも書いてあるように
思春期頃から始まる「気分変調性障害」のため、
罪悪感、絶望感、無価値感をひっそりと抱き続け、
生まれつきの出来損ないと感じてしまうため、
「気分変調性障害」の患者さんは、罪責感(自責感)に突き動かされ、
自分の存在を正当化する必要から懸命に働く傾向があります。

しかし、慢性的な気力の低下や集中困難のため
苦労して物事を達成しても、努力すればもっとできたはずと
さらに自責感(不適切感)を強めてしまうのです。

このような社会的役割への同一化希求は
執着気質やメランコリー親和性性格と呼ばれ
「慢性の大うつ病」と差はないといわれます。

さらに対人関係療法治療前アセスメントでみていると
「愛着軽視型(拒絶/回避型)」の愛着スタイルと
関連していることが多いような印象があります。
「気分変調性障害」の人は、自分で何とかしようとすることが多く
気持ちの落ち込みだけで受診しようと思わない人が多いのはそのためなのです。
(真面目な人がなりやすいといわれる「うつ病」も「愛着軽視型(拒絶/回避型)」が多いようです)

このような「純型あるいは中核群の気分変調性障害」と
抑うつ症状を伴うさまざまな適応障害」を区別するためには、
DSMでの症状が大うつ病と同じであるが、数が少ない
(7つの症状のうち最低3つ。大うつ病では最低5つ。)
ということだけでは区別出来ず、
「もともとどういう人だったのか」という
気質や病前性格、愛着スタイルを手がかりに、
「出来事をどう体験したのか」という
「気分変調性障害」特有の認知様式の有無で鑑別するのです。

「気分変調性障害」の診断で通院中の方は
ぜひ参考にし、診断が合っているどうか
ご自分でも考えてみて下さいね。

そして、元々の「気質」や「愛着スタイル」だけでなく
「コミュニケーションスタイル」との適合性を考慮して
その人の「文脈」に沿って治療のすすめ方をアレンジするのが
対人関係療法で重視する「鑑別治療学」の特徴なのです。
(この病気にはこの治療法、というのではありません)

医療機関に何年も通って薬を飲んでいるにの治らない、
と感じられる方は、まず診断が適切なのかどうかを考えて
どういう治療法がその人に向いているのか?を考える必要があります。

対人関係療法による治療治療できる可能性がありますので
三田こころの健康クリニックに相談してみてくださいね。

対人関係が一瞬で楽になる心の技術

対人関係が一瞬で楽になる心の技術

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
特定不能の食行動障害」というタイトルで、
最近、多く見かけるようになった
「むちゃ食い障害/過食性障害」と間違われやすい
「ダラダラ食い(余暇刺激による大食)」や
強迫スペクトラム障害の「強迫-衝動」に位置づけられる
気分解消行動としての自己誘発嘔吐を主症状とする「排出性障害」は
どのような経過をたどるのか、について書いています。

排出性障害と回避・制限性食物摂取障害」とともに
摂食障害と似たような食行動異常を示す「排出性障害」や
「回避・制限性食物摂取障害」の実際のケースについて記載されている
専門書や一般向けの本はほとんど見あたりません。

対人関係療法を謳った不適切なカウンセリングが横行しているようですので、
摂食障害かもしれないと思っていらっしゃる方は
詳細な診断プロセスが必要ですし、そのためには
摂食障害を専門に治療している医療機関受診が必要ですから
食行動の問題で困っている人は、参考にしてみてくださいね。

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2015-03-30

診断名が変わるとき

精神科の診断は何のために行うのか』で
診断は、治療方針を考えるためであり
とりもなおさず
今後の人生が病気のために損なわれることがないようにする」という
身体科と同じ考えで行うものであることを書きました。

詳しい診断をしてほしい、と希望されて
三田こころの健康クリニックを受診された患者さんの診断名に
驚いたことがあります。

その患者さんの診断は、これまで
何カ所もの精神科の病院やクリニックで

神経衰弱統合失調症双極性障害強迫性障害・社交不安障害→うつ病適応障害

と全く違った病名がつけられていたのです。

詳しくお聞きすると、経過の中で病像が変化したというより、
同じ病像に対して複数の精神科医が違った診断をしているような
不思議な印象を受けたことがあります。

この患者さんの「統合失調症」の幻聴とされた症状は
昔に他人から言われたことのある内容が繰り返される
「解離性幻聴」のようでした。

さらに「躁状態」とされた状態は
爽快感や誇大感や睡眠欲求の減少などはみられず、
不機嫌で癇癪(かんしゃく)が爆発するということで
直前の不快な体験に対する「反応性」でした。

さらに、からかわれる(イジられる)ことをイジメと感じていたなど、
被害的に受けとめる傾向があるだけでなく、集団が苦手で「視線恐怖」もあり
不安が強くなると「確認行為」が増えることなどが、
強迫性障害」や「社交不安障害」と見なされたようです。

このように状況や場面によって症状が異なること、
そして症状が非典型的・非定型的であることが特徴でした。

この方は、発達歴や生活史から「自閉症スペクトラム症」と考えられました。
感覚刺激や情報の少ない環境であれば落ち着けるけど
刺激が多い状況ではさまざまな二次障害を呈して
それらが「統合失調症」や「双極性障害」などと診断され
10年以上の長きにわたり、多種多様の薬が処方されていたのでした。

たとえば、Amazonのkindle版で見つけた書籍
統合失調症・躁うつ病・アダルトチルドレン・愛着障害・摂食障害・トラウマ
という病名がついた統合失調感情障害の方の書籍がありました。

診断の基本はできるだけ1つの病名で説明できるかを考えることですが
重複診断が増えてしまうと、「群盲象を評す」のように
元々どんな人で、どのような「苦悩を抱えている人」なのか
という存在への視点が等閑になっていますよね。

同じように、食行動異常があるから「摂食障害」、
人付き合いの苦手さがあるから「愛着障害」、
人間関係で傷ついたから「トラウマ」、
気持ちの落ち込みが続くから「気分変調性障害」など
症状が当てはまる数で判断する操作的診断では
「苦悩する主体」としての全体像が見えないのです。

また、病名が同じであったとしても、一人ひとりの人生は全く違いますから
治療もその人の人生の中での病気の「位置づけ(文脈)」によって
違ってくるのが当然なのです。

元々どんな人が、いつごろからどのような出来事をきっかけに
どういう状態(診断基準と照らし合わせて何という病気)になって、
それが現在も続いているのは、どのような要因が考えられるのか、
そして病気治療していくためには、どこをどのようにしていったらいいか
ということを、三田こころの健康クリニックでは
対人関係療法の初診時の面接のときに説明していますよね。
これが「フォーミュレーション」といわれるもので
診断が治療につながるとはこういうことなのです。

今後の人生が病気のために損なわれないようにするために
正確な診断が必要ですし、対人関係療法の適応になれば
三田こころの健康クリニックで行いますので、
相談してみてくださいね。

大人のための「困った感情」のトリセツ

大人のための「困った感情」のトリセツ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食や不適切な代償行動の頻度と重症度」というタイトルで、
DSM-5で新たに規定された「過食性の重症度分類」は
健常人を過剰に診断してしまう可能性があるだけでなく、
症状だけでは正常と病理の区別はつかないことを書いています。

「拒食の要素」「過食の要素」という「気質」と
「状況への反応の仕方」に注目することで
治療方針も立ちやすくなるだけでなく、
症状が表れる背景(出来事と症状の関係)も理解出来ますから、
対人関係療法による治療焦点がわかりやすくなりますよね。
三田こころの健康クリニックでは、このやり方をしています。

摂食障害」や「気分変調性障害/持続性うつ病性障害」の
対人関係療法による治療を希望される方は
是非、参考にしてみてくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2015-03-23

抑うつ状態に薬は必要なのか

三田こころの健康クリニックでの家族面接の時に
ある患者さんの親御さんが
病名をつけるから病気になるんだ
とおっしゃったことがあります。

その時は、本末転倒した意見、と感じたのですが、
近頃は、あの親御さんの意見もまんざら間違いではないかも、と
考えるようになってきました。

というのも、ここ最近、「人生の悩み」が「病気」と見なされ
不必要な投薬が行われているケースを診ることが増えた
からなのです。

そもそも、「悩み」なのか「病気」なのか、の診断のために
従来診断やDSMなどの診断基準があるのですが、
症状のみを診てその人を診ない「木を見て森を見ず」式の
薬だけ処方して事足れりとするのが一般の精神科診療です。

たとえば、あることに悩んで、夜も寝られず
食欲も低下して、他の事に手が付かない状態で
医療機関受診すると問答無用で「うつ病」と診断され、
「この薬を飲んで様子をみてください」と
抗うつ薬睡眠薬抗不安薬のセットが
事務処理的かつおごそかに処方されるのです。

患者さんの側も、自分が取り組んで解決すべき悩みではなく
病気だったんだ、向き合わなくていいんだ
、と
安易な解決策を鵜呑みにしてしまうのです。
このことを、井原先生は辛辣に
えせ契約(Bogus contract)」と批判されました。

さて、それでも上記のような「抑うつ感」が
ある程度の期間持続すると「抑うつ状態」と呼ばれます。
抑うつ状態が、明らかなストレス因子によって引き起こされた場合
それは「適応障害」と呼ばれます。

「悩み」が病的な場合や、葛藤が著しく強い場合、
あるいは過酷な労働環境、ストレスフルな対人関係など
数値では表せないけれども明らかにそうだろうなぁと
推測できるような「抑うつ状態」は、かつては
神経症性うつ病(あるいは抑うつ神経症)」と呼ばれていました。

神経症性障害については、薬物は特に補助的位置に立つ。それは、葛藤を未解決のままに遷延させる。
しかし、それは悪いことではなく、そうしているうちに周囲の状況が変わり、問題が自然解消するかもしれず、面接の中で言語化できるように成熟するかもしれない。
しかし、あくまで、そういうものであって、慢性的に、特にいわゆる無診投薬、あるいはそれに近い状態は、薬物への精神的依存の生涯に陥らせかねない。

中井久夫・永安朋子『分裂病の回復と養生――中井久夫選集』星和書店

と、精神医療の泰斗である中井先生は
薬物が葛藤を未解決のまま遷延させる」として、
心因に対する薬物療法に警鐘を鳴らしておられるのです。

心因による反応の最たるものが「トラウマ」や「PTSD」ですし、
「気分変調性障害」のうち、「不安型気分変調症」は
愛着の問題(「とらわれ型(不安/アンビバレント型)」)や
II型トラウマ(「未解決型(おそれ/回避型)」)など、
繰り返される対人関係パターン(不安定型の愛着スタイル)が多く、
医学モデルに基づく治療という文脈で対人関係療法の適応になりますよね。
(愛着の問題や不安定型の愛着スタイル≠愛着障害)

一方、「悩み」の解決は、その人自身の課題になります。
そのサポートのためにカウンセリング心理療法)があるのです。
(『カウンセリングと精神療法の違い』参照)

かつてC.G.ユング

心理療法の最高の目的は患者をありえない幸福状態に移そうとすることではなく、彼に苦しみに耐えられる強さと哲学的忍耐を可能にさせることである。

と『心理療法論』で述べています。

冒頭の親御さんの至言を言い換えると
治療薬への精神的な依存など、混乱した状態を招かないように、
性格や家族環境をふまえた、
「悩み」なのか「病的な葛藤(心因≒神経症)」なのか、精緻な鑑別診断が必要

ということですよね。

プレッシャーに負けない方法 ―「できるだけ完璧主義」のすすめ

プレッシャーに負けない方法 ―「できるだけ完璧主義」のすすめ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
2つの「むちゃ食い障害(過食性障害)」」というタイトルで、
DSM-5で新たに診断基準に挙げられた「過食性障害」は
やせ願望のある「嘔吐を伴わない過食症」と
やせ願望のない「むちゃ食い障害」の2つ
が含まれており
この2つはクロニンジャーの「新奇追求(冒険心)」で区別できること、
さらに「だらだら食い(overeating)」を過食とみなすかどうか、が
問題になっていることを書いています。

このように症状だけを目安にするのではなく、
もともとどういう人だったのかという「気質」に注目することで
治療方針も立ちやすくなります
ので、
摂食障害」や「気分変調性障害/持続性抑うつ障害」の
対人関係療法による治療を希望される方は
是非、参考にしてみてくださいね。

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2015-03-16

うつ病をめぐる混乱の時代

正常でも感じられる「憂うつ」な気分が
ある程度の期間、続いた状態を「抑うつ状態」と呼びます。

精神医学の泰斗である中井久夫先生は、
内因性のうつ病に限定して「うつ病」を用いるべきで
神経症(心因)による抑うつ状態は「うつ病」と呼ぶべきではない

とおっしゃっています。

神経症(心因)による「抑うつ状態」には
心の葛藤を抱えた状態である「神経症性抑うつ抑うつ神経症)」や、
抑うつを伴う適応障害」が該当
し、

軽症ほど、その人の性格、家族環境、地域性、文化的要因に左右されやすいのである。
中井久夫・永安朋子『分裂病の回復と養生――中井久夫選集星和書店

ということから、自分の性格を知り、環境調整などの対応が
主になりますよね。

「内因性のうつ病」には、性格とまぎらわしい「気分変調性障害」や
「大うつ病性障害」が該当しますし、
その中に、非定型の特徴を伴うものとされる
いわゆる「非定型うつ病」も含まれます。

DSMによる診断基準で評価する場合は、
「ほとんど一日中、ほとんど毎日の」などの症状の持続性が、
「心因による抑うつ状態」と「内因性うつ病」の鑑別に際して
最も重要なポイント
になります。

さらに「内因性のうつ病性疾患」では、
朝の具合が悪く、夕方にかけて回復する日内変動や
入眠困難早朝覚醒などの睡眠障害
食欲減退や体重減少などの自律神経症状(植物症状)とともに
自責感、罪業感などの特徴的な精神症状を伴います。

ちなみに。
心療内科受診前のうつ病患者が受診した診療科
内科、婦人科、脳神経外科、整形外科の順で、
消化器疾患(過敏性腸症候群、慢性便秘症)、
自律神経失調症更年期障害偏頭痛
慢性疼痛、繊維筋痛症慢性疲労症候群
などと診断されていたという調査があり、
とくに自律神経失調症」は、正式な病名ではないのですが
精神疾患よりも心身の不調全体を示すようなニュアンスがあり
患者さんも納得することが多い
といわれています。

さて、この程度が軽い抑うつが二年以上続くものが「気分変調性障害」と呼ばれますが、
「気分変調性障害」と「慢性の大うつ病性障害」を区別することは
ほとんど困難
であるため、DSM-5では
「持続性うつ病性障害」にまとめられたという経緯があります。

しかし、「内因性のうつ病」という診断でも
類似点はあるものの人それぞれ病態は異なるのです。

だからこそ、診断に際しては
操作的診断基準、あるいは従来診断を用いる場合も、
患者の生きたストーリーを理解すること(定式化)と
心理社会的側面や社会機能障害に関する評価が必要不可欠
なのです。

これらの診断プロセスがおざなりになると
治療がステレオタイプ化するだけでなく
正常範囲の抑うつ状態でさえ病気とされ
精神疾患を拡大診断させ、薬物使用を増やす企業戦略に一役買った
“disease mongering(病気の売り込み行為)”
という
軽薄化した精神医療に堕してしまう危険性がありますよね。

なぜうつ病の人が増えたのか (幻冬舎ルネッサンス新書)

なぜうつ病の人が増えたのか (幻冬舎ルネッサンス新書)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
排出性障害と回避・制限性食物摂取障害」というタイトルで、
嘔吐を伴う過食症」との差違を明確にできないといわれる
「排出性障害」の実例について書いています。

DSMによる操作的診断基準のように症状を目安にするだけではなく、
過食や自己誘発嘔吐の起きる状況を明確にして
その文脈を把握して診断する必要がある
ので
もともとの感覚過敏性やこだわり(固執)や
やせ願望やボディイメージの障害の有無を診ていく
という診断プロセスをたどるからこそ
三田こころの健康クリニックで行っているように
「どのような治療が必要か」の判断もできるのですよね。

摂食障害」や「気分変調性障害/持続性うつ病性障害」の
対人関係療法による治療を希望される方は
是非、参考にしてみてくださいね。

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