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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-09-20

過食(むちゃ食い)や過食嘔吐の治療をはじめる

過食やむちゃ食いのきっかけは?』で
「内受容感覚」という内臓感覚について触れ、
過食症や過食性障害(むちゃ食い障害)では
内受容感覚に対する気づきの欠如があるため
その結果、食べ物や空腹感に対しても
無感覚や無反応を示すようになります。

でも過食症や過食性障害(むちゃ食い障害)の人は
食べ始めると止められないから食べないようにしている、と
通常の食事ですら避けようとしてしまいますよね。

摂食関連の刺激に対して、無感覚・無反応なのか、
逆に過剰反応をしてしまうのか、わからなくなっていると思います。

以前から摂食障害の人は感情や身体感覚に対して
内省して感じたり言語化することが難しいため(アレキシサイミア)、
あれこれと解釈(往々にしてネガティブな思考になるのですが)したり、
思考への反応である感情やイメージを現実であると錯覚してしまい
その内容にはまりこんでしまう傾向が指摘されています。

「私は太っているから価値がない/受け入れてもらえない」
「体重を落とさなければ幸せになれない/自信がつかない」などの
ネガティブな自己評価に関する思考を現実と思い込むことで嫌な気持ちになり、
その不快感を和らげるための過食(むちゃ食い)や過食嘔吐、
あるいは体重に関連した思考に対抗するための食事制限など
機能的でないやりかたで考えや感情に対処しようとします。

解釈や思考に対する不快感、つまり体型や体重に関する考え、
寂しさや手持ちぶさた、自責感や不安、
過食衝動などに対する気分耐性の低さもあるため、
さまざまな内的体験を調整するために
食行動や体重コントロール行動に走りやすいと考えられています。

  • 状況判断なくすぐ行動に移してしまう(性急自動衝動性)
  • 少ない報酬でも早く得ようとする(衝動過敏性)

さらに、満腹になって食べるのをやめるのではなく、
食欲とは無関係な感情体験や、食べ物があるなどの外的刺激によって
食行動が調節されてしまいますよね。

それに加えて、食べ物のことで頭がいっぱいになった状態から抜け出したい、
過食(むちゃ食い)や過食嘔吐をやめたいと考えれば考えるほど
ますます食べ物や食行動にとらわれてしまい、
悪循環(二次的な苦痛)のサイクルにはまりこんでしまいますよね。

どんなに苦痛で望ましくないものであろうと
私たちは皆、外的な刺激(ストレッサー)を感じながら生きています。

たとえば、よく知られているところでは、抑うつ的な人たちは、
自分自身の対人関係のパターンについてネガティブな情報を思い出しやすい、
といわれています。

過食症や過食性障害(むちゃ食い障害)の人でも
ネガティブにとらえやすい出来事の約半分は
対人関係に関することといわれています。

だからといって、外的な出来事や対人関係に問題があったり
あるいはストレス反応そのものが問題だったり、
有害だったりするわけではないのです。

問題は外的な出来事や対人関係、
そしてそれに対する自分自身の反応に対して
ある「解釈(考え)」を恣意的に結びつけてしまい、
誰しも感じる苦痛を苦悩に変えてしまうことなのです。

それだけでなく、苦悩に変化した誰しも感じる苦痛に対し
長期的な人生の価値や目標をなげうってまで
苦痛をすぐにでも感じなくしようと足掻くところに問題が生じるのです。

つまり、ネガティブな内的体験を軽減・除去しようとする前提こそが問題で
その前提を放棄することから始める必要があります。

ですから三田こころの健康クリニックでは
対人関係療法の初診の時に診断もさることながら、
「もともとどんな人だったか?」とともに
過食(むちゃ食い)や過食嘔吐という手段を使って
麻痺させようとしている苦痛な思考や感情はどのようなものか?
を診ていきますよね。

対人関係療法による治療を始めるときに必要になるのが、
自分で感じている苦痛や不快感を
感じないように麻痺させる、なかったことにするため試みた
過食(むちゃ食い)や過食嘔吐などの方法によって
自分の思い通りの結果が得られたかどうか、
そして摂食障害行動を使うことによって
得られたものと失ったものにしっかり向き合うということになります。

これが「過食を抑えつけない」ということの真意であり、
そこから自分の手足を動かすのと同じように
自分の反応の仕方を自分で選ぶことができるという
パラダイムシフト(価値の転換)が起こせたら
過食(むちゃ食い)や過食嘔吐が人生に及ぼす影響を減らしていく
治療の準備性が整ったということですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
嗜癖(クセ)になった食行動異常からの回復:衝動の波に乗る」というタイトルで
嗜癖(クセ)になった食行動過食や過食嘔吐のスイッチが入ることは
「衝動の波に乗る」ことができるチャンスであり、
そのときに自分の内側に目を向け(リフレクション:内省)、
衝動はたんなる心のさざ波に過ぎないことがわかると
回復のキッカケになることを書いています。

他者とのコミュニケーションは、
自己内対話(自分を振り返ること)の対人関係バージョン
ですから、
自分との関係の改善なくして対人関係やコミュニケーションの改善はありえないのです。

ですから三田こころの健康クリニックでの対人関係療法
重要な他者との関係の土台として、
まず、自分自身との関係を改善(調和)させていきますよね。

過食や過食嘔吐が嗜癖(クセ)になったと感じていらっしゃる方
どうしても治したいと考えていらっしゃる方は
三田こころの健康クリニックに対人関係療法を申し込んでくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2016-09-12

過食やむちゃ食いのきっかけは?

三田こころの健康クリニックで治療をしている過食症の方たちは、
何かしらの挫折体験や傷つき体験があってダイエットを始めるのではなく、
友達が始めたからなど、軽い気持ちでダイエットを始めた人がほとんどです。

ところが体重を減らすためのこれらの努力は将来、
ダイエットによる飢餓状態 → 飢餓大食や飢餓過食 →
ダイエットの失敗と考えて感情的苦痛を感じる →
→ 感情調節の無益な試み(過食症やむちゃ食い障害)
という悪循環につながりかねないのです。

しかし、ダイエットにチャレンジした人全員が
食行動異常や摂食コントロールの異常をきたすわけではありません。
それを分けるのは「強迫および依存としての過食の要素」と
ダイエット依存症』に書いてありますね。

しかし最近の研究では、ダイエットから摂食障害を発症しやすい人は
ダイエットや拒食からの回復期の過食〜満腹感と嘔吐への対処』や
過食(むちゃ食い)や過食嘔吐の治療1』で書いた
「内受容感覚への気づきの欠如」があることがわかってきました。

「内受容感覚」とは、空腹や満腹といった内臓感覚のことで
この感覚をちゃんと把握できないと、
解釈(想像や推測)で埋め合わせることになります。

たとえば、お腹が張っていることを太ったと誤解したり
浮腫んだことを体重が増えたと錯覚したりすることで、
お昼ごはんを食べないでおこうとか、ダイエットしようとか、
あるいは太った自分はダメだと感じて過食・嘔吐に走るなど、
食欲とは関係のない「解釈(認知・感情体験)」によって
食行動が調節されるようになってしまうのです。

さらに、過食やむちゃ食いを有する女性では
日常的な出来事の中でもネガティブな感情を感じやすいこと、
過食やむちゃ食いをした日は気分がよりネガティブであったことや
する前よりした後の方が気分はずっと悪化していることなど
気分調節の障害であることを裏づける報告もなされています。

つまり「体重や体型そのコントロールへのこだわり」は
従来いわれていた、やせ願望や肥満恐怖といった認知の問題ではなく、
退屈や悲しさ、虚しさといった不快な感情体験から
自分をなだめたり、気をそらしたりするために
食べ物を利用する気分解消行動であることがわかってきました。

食べ物には、気持ちを静め、落ち着ける効果があります。
実際に、むちゃ食い障害の人の報告によると、過食の引き金としていちばん多いのは、ネガティブな気持ちです。
今まで、過食は、あなたが自分を大切にするためにとってきた方法だったのです。
残念ながら、この方法にはあまり効果はありませんでしたし、それどころか、逆効果でした。あなたは自分をコントロールできないと感じ、やる気を失ってきたのですから。
食べたいという願望のきっかけになるのが何なのかを知ることができれば、こういった問題にもっと直接取り組むことができるようになるでしょう。

ウィルフリィ『グループ対人関係療法創元社

自分の中で起きてくる思考、感情、イメージ、身体的感覚などに対して
解釈としての認知を関連づけることで、現実だと錯覚してしまいます。
三田こころの健康クリニックでは「脳内劇場」と呼んでいますよね。

そのような体験を避けようとし、食べ物を利用してしまい
ますます心が柔軟性をうしなってしまうことが
過食やむちゃ食いの中核病理のようです。

さらに嫌な考えやネガティブな感情を解消したいという思い、
「体験の回避」とよばれる逃避機制が
情動鈍麻方略としての過食やむちゃ食いの維持要因に
なってしまっているようですよね。

ですから、先に引用したウィルフリィは

自分の反応や気持ちをはっきりつかみ、コントロールし、表現することを学べば、自分を落ち着かせたり、慰めたりするために、食べ物に走らないですむようになります。
食べ物で自分を麻痺させるのではなく、自分の気持ちに注意してはっきりつかめるようになる、つまり自分自身との関係を改善し、他人との関係を改善できれば、ネガティブな気持ちをコントロールするために食べ物を利用しなくてすむようになるでしょう。
自分の気持ちがうまく扱え、他人との関係もうまくいくようになるほど、過食はへっていくでしょう。

ウィルフリィ『グループ対人関係療法創元社

と、内的体験を受容し、自分自身との調和を培うことで、
ネガティブな気持ちをコントロールするために食べ物を利用しなくてすむようになる
と述べていますよね。

つまり、ウィルフリィが述べているのは

(a) 感情・考え・情動のコントロールについての気づき
(b) 心の状態の変化についての気づき
(c) 自己概念あるいは関係のなかにおける役割についての気づき

であり、これはホロヴィッツ(Horowitz)のいう「自己-関係観察」と同じで
これが対人関係療法のコア・エッセンスなのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
嗜癖(クセ)になった過食:計画的過食(とりあえず過食)とは」というタイトルで、
ストレスと感じた出来事やネガティブな感情がなくてもおきる
「計画的過食(とりあえず過食)」について解説しています。

「余暇刺激(することがなく手持ちぶさた)過食」とはちょっと違いますが、
病態の成立プロセスはよく似ていますよね。

このような過食に対しては、過食をガマンするしかないと
多くの患者さんが感じていらっしゃるみたいなのですが、
過食をしたくなったとき(スイッチが入ったとき)に
心の中で何が起きているかを考えてみると
回復のカギは見えてきそうですよね。

過食(むちゃ食い)や過食嘔吐を治したいと考えていらっしゃる方は
三田こころの健康クリニックに相談してくださいね。

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2016-09-05

ダイエットのピットフォール

先日、某有名雑誌記者さんから
「どうしてダイエットは良くないんですか?」
と聞かれました。

みなさんは、どう思いますか?
ダイエットすることが良くないことなのかどうか?

記者さんには
ダイエットの意図と身体感覚への着目と態度が大切です」
と話したのですが、良い/悪いという文脈で判断されてしまったようです。

そもそも、ダイエットの元々の意味は
メタボリック症候群糖尿病などの病気治療のために
カロリー摂取量と消費量のバランスをとり
「健康な身体に戻すための食事療法」のことであり、
結果、体重が減るということなので、
体重を減らすことそのものが目的ではないのです。
(スポーツ選手では競技のための減量を行いますが)

先日の摂食障害学会でちょっとだけ話が出たのですが
フランスでは痩せすぎのファッションモデルに対し
BMI18以下で罰金が課せられるそうです。

「意図」と「身体感覚への着目」と「態度」を自覚できてないと、
ダイエットという「方法」が、体重を減らすだけの「目的」に変わってしまい、
望んでもいなかった状態を引き起こすことになりかねないのです。
それが「食行動障害および摂食障害」という病気です。

9月以降はダイエットに励んでいた人が
飢餓大食(リバウンド過食)を起こしやすい時期です。
摂食障害に対する知識や治療技術のない
その場しのぎの治療を受けてでこじらせる前に
三田こころの健康クリニックに相談してくださいね。

さて、摂食障害の発症要因に関するこれまでの研究では、
やせを礼讃する社会文化的な圧力が、
身体への不満とネガティブな感情を引き起こすだけでなく、
過食症やむちゃ食い障害などの食行動障害のリスクを高める
と示されています。

とは言っても、思春期から青年期の女子の多くは
ダイエットをしたり、その他の体重コントロールを試みることで
自分自身のスタイルの不満とそれに伴うネガティブな感情に
抵抗しようとしますよね。

では、体型不満(および体型に関するネガティブな感情)の解消は
明確な「意図」ではないのでしょうか?
(意図:選択肢をリストアップし、保持する能力)

それは立派な意図だと思います。
「すぐに!」と考えて待つことができないことが問題であることを除けば。

これは、過食症やむちゃ食い障害(過食性障害)に共通する

  • 状況判断なくすぐ行動に移してしまう(性急自動衝動性)
  • 少ない報酬でも早く得ようとする(衝動過敏性)

という特徴ですよね。

過食やむちゃ食いといった不適応的な食行動に代わる
長期的に価値をもたらす代替行動は
退屈や何もすることがないといったハイリスク状況に対抗し
さまざまな状況に対処するためのスキルにつながります。

そのような長期的に価値をもたらす代替行動には
健康的なライフスタイルを育むための
適切な食事を含む生活習慣、運動、瞑想などがあります。

最初は、そのような活動をするのは難しいと感じられるのですが
時間とともにそのスタイルが生活に溶けこみ生活の一部になることによって
長期的な価値をもたらすことになるのです。

たとえば拒食期から飢餓大食が起きてきた時期の人や
過食症やむちゃ食い障害の人に身体感覚(内受容感覚)を感じてもらうと
感覚なのか、考え(解釈)なのか、気持ちなのか
わけがわからない感じがして混乱してしまうことがあります。

グエン:「こんなにたくさんの気持ちが湧き上がってきて、いったいどうしたらいいの?」
キャロリン:「感じるのです」

摂食障害から回復するための8つの秘訣星和書店

このような、短期的には不快に感じられても
長期的には有益な結果をもたらす代替行動を
ポジティブ・アディクションと呼びます。

たとえば、ネガティブな感情は過食症やむちゃ食い障害の
きっかけ(発症要因)または維持因子として重要です。
運動は、ポジティブな感情を生みだし、
それによって過食行動の再発のリスクを高める
ネガティブな感情を抑えることが示されています。

また呼吸に意識を向けるマインドフルネスや
オープン・アウェアネスの瞑想なども、ストレスに対処し
ネガティブな感情に触れつつも巻き込まれない方策として役に立ちます。
とくに、過食行動の再発のリスクになりやすい
衝動や渇望などの認知状態や感情に対しても有益性が示されています。

しかし大切なことは、運動やマインドフルネスあるいは瞑想にしても
嫌な考えや衝動、あるいはネガティブな感情をなくしたり
感じなくするために行うものではなく(身体感覚への着目)、
それらの考えや感情があっても、行動することができることが
「態度」だということを理解しておく必要がありますから、
三田こころの健康クリニックで指導を受けてくださいね。
(態度:好奇心、開放性、受容、優しさ

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症の対人関係療法での食事日記の位置づけ」というタイトルで、
摂食障害から回復するための8つの秘訣』にもある食事日記は
食べ物と自分自身との「関係性」に目を向ける手段であることを説明しています。

コミュニケーションを使って重要な他者との関係を改善することで病気治療していく
対人関係療法とは関係なさそうに思えるかもしれませんね。

「自分自身との関係を改善していくこと」が「自己受容」につながり
それこそが対人関係療法の効果を早く発揮するコツでもあり、
また過食症という病気の根本病理に対する治療になります。

過食症やむちゃ食い障害(過食性障害)の治療を希望される方は
8つの秘訣』の「秘訣5 やはり食べ物の問題なのです」も参考にして
自分は食べ物に対してどんな意味づけをしているのだろうか?
それは健康な部分の考えだろうか?それとも自分の中の摂食障害の考えだろうか?
ということを考えてみてくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2016-08-29

それでも過食症の回避傾向に向き合う

今回は『過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法のすすめ方』で書いた
最近の過食症やむちゃ食い障害の中ではいちばん多い
「新奇性追求(冒険好き)」が低い「強迫-回避タイプ」について説明します。

「不安型気分変調症」の合併も多く
三田こころの健康クリニックで対人関係療法を行っている患者さんでは
もっとも頻度が高いタイプなのです。

「固執」が高ければ、ダイエットから拒食症になることもありますが、
多くは、早期に飢餓過食から過食、あるいは過食嘔吐に移行します。
中には、ダイエット→排出性障害→過食(むちゃ食い)を伴う排出障害
のように非典型的な経過で発症することもかなり多いのです。

クロジンジャーの七因子モデルの「性格」では
「自己志向性(自己受容・価値の創造・価値に基づく行動)」の低さと
「協調性(他者受容・共感・協働)」の高さとして表現されるのですが、
問題は「協調性」の高さで、読み過ぎて読み誤ることが多いのです。

過食症やむちゃ食い障害の対人関係療法による治療では、
「人にどう思われるかが不安で、表面的な関係しか持てない」状態のうち、
「自分を傷つけそうな評価を怖れる(学習性無力感)」
「自分への価値を下げるような想像上の評価を恐れる(脳内劇場)」
のどちらかの問題領域に取り組んでいきますよね。
(『摂食障害の回復と「評価への過敏性」の2つの次元』参照)

このタイプは、他者とのかかわり方に特徴があり、
自分の不甲斐なさや弱さ、ダメさ加減を強調し
自分の能力やスキルを過小評価する一方で、
他者に対しては、控えめで、過剰な気遣いで従属し、
ときには束縛クンに支配されてその関係を苦痛に感じていても
拒絶や見捨てられることを避けるためにずるずると関係を続けてしまう、など
主体性に乏しい受身的な生き方が特徴です。

ネガティブな気分を麻痺させるための過食やダラダラ食い、あるいは、
なかったことにする、見ないふりをする自己誘発嘔吐などで
精神的なバランスをとるか、他者に依存するかなので、
今日は時間が取れそうにないから、先に過食しておこう、など
予期不安に伴う過食や過食嘔吐も多いタイプですよね。

よく知られている研究結果で
摂食障害と診断できない程度の過食(むちゃ食い)では
過食(むちゃ食い)が起きた日は普段よりも気分がネガティブで
さらに過食(むちゃ食い)をする前よりも
過食(むちゃ食い)をした後の方が、気分が悪化している
という報告があります。

過食はネガティブな感情に対する回避的な対処行動とみなされていますが、
過食(むちゃ食い)した後の方が気分が悪化しているので、
「ストレスやネガティブな感情が先行したわけではない」ことに加え、
「過食という対処行動は気分解消行動としては非効果的」ということですよね。

このタイプの過食症の人は多くの対処行動(コーピング方略)を使うものの
効果のある方略を選択していないことや、
1つの特定のコーピング方略をうまく実行することが上手ではないのです。
ですから、効果的なコーピング・スキル(対処能力)を身につけていくことで
過食やむちゃ食いという気分解消行動を使わないで済むことにつながります。

治療では、考えや気持ち(願望や欲求)を言葉にして表現することで
「自己受容」を高めていくこと、価値にそった主体的な行動を促進すること、
変化に伴う一時的な不安に耐えられるようになることや
生きていく上で誰しも感じる感情を苦悩に変えないことなど
「自分自身との関係を改善する」ことが治療テーマになることが多いです。
(『自尊心から自己受容へ』参照)

自分の気持ちに注意してはっきりつかみ、コントロールし、
表現することを学べば、自分を落ち着かせたり慰めたりするために
食べ物に走らないですむようになるというセルフコントロールも必要になるのです。

思考や気持ちが摂食障害行動に結びつく仕組みを理解し、分析し、さらには変えていこうとするときに、とても役に立つ簡単な考え方があります。
行動が完全に習慣化された段階になっていると、以下でお伝えする内容は少しわかりにくいかもしれませんが、それでも根気よく取り組めばわかってくるはずです。
(中略)
私たちの内面で起きるこうした一連の反応は、「思考―気持ち―衝動―行動」という連鎖反応なのです。

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この連鎖反応に対して、ポジティブな代替行動を増やしていくことが大切です。

ポジティブな代替行動とは、
「短期的には不快に感じられても、長期的にはポジティブな結果をもたらすもの」という意味で、
三田こころの健康クリニックでは「(長期的な)価値にもとづく行動」と呼んでいますよね。

過食症や過食性障害(むちゃ食い障害)の対人関係療法による治療で、
対人関係のパターンと、自分との関係を改善していくことに取り組み
多くの方が過食症から回復されることを願っています。
(回復の仕方は「梅こんぶの幸せごちそうさま」を参照してくださいね)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食症のもう一つの回避傾向と向き合う」というタイトルで、
対人関係療法が向かないといわれる「回避傾向」について説明しました。

このタイプも治療に時間がかかるのですが、それでも
「今後の人生が病気のために損なわれないようにする」ために治療が必要です。
このタイプも「自分と向き合うこと」に注目することが何よりも重要なのです。

過食症やむちゃ食い障害の治療を希望される方は
摂食障害から回復するための8つの秘訣』を読まれたら
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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2016-08-22

過食症/むちゃ食い障害の治療と愛着(アタッチメント)の修復

ステファン・ポルヘス(スティーブン・ポージェス)の多重迷走神経理論では
社会的関わり(耐性領域)」を支える腹側迷走神経の活性化には
「他者との安全な関係(愛着システム)」が不可欠とされています。

f:id:ipt-therapist:20160811162347p:image:w360

「耐性領域(社会的関わり領域)」を拡げるためには
過覚醒領域(交感神経の活性化)に触れてなお巻き込まれない
心の状態を培っていく必要があります。
(このことと、その方法はほとんど知られていないようです)
さらにマインドフルネスによるリラクゼーションは
回避方略になる可能性があるため不十分なこともわかっています。

言うまでもなく、子どもの頃に批判的な親のもとで育った場合、成人しても自分に対して批判的である傾向があることが実証されている。
私たちは親の批判を自分の中に深く内面化する。
つまり、私たちが頭の中で聞く中傷的な実況解説は親の声の反響であるということである。
これはしばしば、何世代にもわたって伝わり、再現される。
(中略)
ボウルビーは、親との早期の愛着の結びつきが他者との「内的作業モデル」の形成に影響すると主張した。
これは私たちが何者であり、また、他者から何を期待できるのかという問題に関わる、無意識的で、心の深い部分に根差した精神的な自画像である。
(中略)
これはつまり、慈悲や軽蔑にかかわらず、私たちの内的作業モデルが自分自身と付き合う方法において重大な影響を持っているということである。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

「愛着(アタッチメント)システム」の「内的作業モデル」は
「自分自身と付き合う方法」に大きな影響を与えます。
つまり、愛着システムが目指す他者との「協調性」は
「内的作業モデル」の「自己志向」に影響を与え、
「自己志向」は「協調性」に影響を受ける
「入れ子構造」になっていますよね。

内なる自己がむき出しの状態になるため、私たちは親密な関係において脆弱である。
そのため、私たちは他者が自分を非難することに対して不安になる。
しかし、自分を評価することや裁くことをやめたとき、他者から承認を受けることをそこまで気にする必要はなくなり、代わりに他者の感情面での欲求を満たすことに集中できるようになる。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

「自分自身と付き合う方法」の問題は
「自己批判」という形で動機づけをしようと試みますが、
残念なことにこの方法はさらなに努力するという顕在的行動を生み出すことはなく、
あきらめる、起きるかもしれない失敗を回避する、などの行動を引き起こしてしまいます。

ドラッグの常習やアルコール中毒、意図的な危険運転、自傷行為など、不満感や劣等感は自分に危害を加える行為と結びつくことが多い。
本来、これらの行為は感情的な苦痛を外面化し、解放する試みである。
(中略)
心理学者は、過食する人が内なる感情の飢餓感を満たそうとしているのだと解釈している。
彼らは食べるという行為によって痛ましい感情を鈍化させているのである。
それは食べ物によって自分を治療する方法でもある。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

過食症やむちゃ食い障害のような「自分自身と付き合う方法」の問題は
他者との関係性にも影響を与えるのです。

私たちが自分を裁いて攻撃する際、私たちは批判する側とされる側の両方の役割を担っている。
鞭を持っている人間と地面で震えている人間の2つの視点を持つとき、私たちは自らの不満に対する義憤の感情に耽ることができる。また、義憤を感じることで優越感を抱くこともできる。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

「2つの視点」のうち「鞭を持っている人間」に相当する
食行動や体重・体型をコントロールしようとする
摂食障害の部分に投影されているのは、
「地面で震えている人間」の「不満に対する義憤」であり
それは同時に不完全さや、つながりに対する怖れ(幻想)でもあるのです。

自分の考えや行動が完全にコントロールできないものであることことを認めたくないため、多くの人は自分たちが本質的にはお互いにつながっていることを知ることを恐れている。そのため、彼らは無力感を抱くことになる。
しかし、何かをコントロールしているという幻想は、やはり幻想に他ならない。
それは自己判断と自己批判を助長するため危険である。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

過食症やむちゃ食い障害の治療で、『8つの秘訣』を用いて
自己内対話や「健康な部分と摂食障害の部分の対話」を通して
自分自身との和解や、自分自身との調和を強調するのは、
「自己志向」を高めることで過食や過食嘔吐などの嗜癖症状の軽減するとともに
愛着(アタッチメント)システムの修復プロセスである「協調性」を伸ばすことを
同時並行的に行う必要があるからなのです。

幸い、自己に対する見方を変えるために他者に頼る必要はない。
自分に愛情を込めた世話と理解を提供するとき、私たちは思いやりと受容が価値あるものだと感じるようになる。
自分に対して共感と支援を提供する場合、私たちは救いの手がすぐそばにあると信じるようになる。
自己に対する思いやりの腕で自分を包み込むとき、私たちは安全と安心を感じるのである。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

愛着(アタッチメント)の「内的作業モデル」の修復は
必ずしも他者の協力を必要とせず、
「マインドフルネス」「人類共通といった視点」
そして「セルフ・コンパッション」からなる3つの次元
「心の深い部分に根差した精神的な自画像(自己受容)」を変えていくことができる
ということも新しい知見ですよね。

すべての人が組み込まれている原因と条件の複雑な世界を理解することで、私たちは自分や他者に対して判断的になることは少なくなるだろう。
「相互存在“interbeing”」を深く理解することで、与えられた人生において最善を尽くしているという事実に対する慈悲を持つことが可能となる。
(中略)
その本質において、慈悲の心は人間関係の中にあり、無数にある人間のありようや、それらの相互の関係性を理解しようとする多様な観点の間を往復するのである。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

「相互の関係性(社会的関わり)」に関与するのが
愛着と社会神経系』や『「耐性領域」にとどまる方法』で書いた
自分自身と他者に対する慈悲(思いやり)の実践です。

f:id:ipt-therapist:20160811151131p:image:w360

三田こころの健康クリニックでは
非言語的なコミュニケーションの自覚も重視して
過食症やむちゃ食い障害の治療、あるいは
愛着(アタッチメント)の修復を行っているんですよ。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
過食・大食をともなう排出性障害」というタイトルで、
最近急増しているにもかかわらず、専門家の間でもほとんど知られていない
「過食・大食をともなう排出性障害」を取り上げました。

読んでいただくとおわかりのように「過食・大食をともなう排出性障害」は
「排出型の過食症」や「過食嘔吐を伴う拒食症」と鑑別が難しいのですが
治療方針がかなり異なるため、認知行動療法や対人関係療法の従来の治療法では
治療効果が出にくいのです。

思い当たる方がいらっしゃったら
三田こころの健康クリニックに治療を申し込んでくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2016-08-15

愛着の修復と過食からの回復

愛着システムはネガティブな感情(負の情動)に対する
処理システムであることがわかっています。

エモーショナル・ブレイン』の著者であるルドゥーは
外界からの刺激は、視床から直接扁桃体に向かう「視床扁桃路」と
視床から大脳皮質を経由して扁桃体に向かう「視床皮質路」の
2つからなる二重経路説を示しました。
「視床扁桃路」から生じる反応を「情動」、
「視床皮質路」から生じる反応を「感情」と呼びます。

思考は(扁桃体を活性化することによって)容易に情動を引き起こしうるが、われわれは(扁桃体不活性化することによって)情動を故意に消すことをそれほど効率よくは行えない。
自分自身に対して、不安を抱いたり落ち込まなくてもよいのだと言い聞かせてもほとんど役に立たない。

ルドゥー『エモーショナル・ブレイン東京大学出版会

「過去のことなのに(情動体験の記憶)」、
「現在のことのように感じられ(情動反応)」てしまうのです。

「情動体験の記憶(認知の記憶)」は、関係性(コンテクスト)から生まれ、
「情動による記憶(情動反応)」は、ワーキングメモリの修飾を受けて
罪悪感、自責感、憎しみなどの「社会的感情」を生みだします。
(『愛着の傷つきからの回復のカギ「ニューロセプション」』参照)

この2つの記憶が「入れ子構造」のように循環しているので、
「思い出すとつらい」という体験になりますし、
たとえ不合理だとわかっていても、その刺激を回避し続けるのです。

愛着の傷つきを癒したり、不安定な愛着を獲得安定型に修復していくとき、
ニューロセプション」に関与する社会神経系を安定させる必要があります。
この時に、大脳皮質を経由する経路で感情をあつかい認知記憶の修正を行う方法と、
言語によらず情動反応を受容していく2つのプロセスが必要になります。

他者との「協調性」の土台となる「愛着(アタッチメント)システム」は
内的作業モデルである「自己志向(自分との折り合い)」に影響を与え、
「自己志向(自分との折り合い)」は「協調性」に影響を受けます。

アタッチメントを修復していく(協調性を高める)ためには
関係性の中での「自己志向」を高めていく必要がありますし、
「自己志向」を高めるためには、アタッチメントの修復(協調性)が必要なのです。

摂食障害過食症やむちゃ食い障害)の治療でも同様のプロセスが必要です。

彼女たちの物事を見通す能力は、瞬く間に何層もの自己不信や自己嫌悪に閉じ込められてしまいました。
女性へと成長して、何かがおかしいと感じたり、会話から些細なことを読み取ったり、人間関係の気まずさを察知したり、行動のパターンや言動の違いを感じ取ったりする能力に気づきましたが、自分が見たものへの解釈は自己不信や自己嫌悪によって歪んでしまいました。
(中略)
そして、感情的な苦痛を食べ物のことを考えることで鎮めようとしたのです。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

ネガティブな感情の解消手段であった過食や嘔吐は身体を巻き込むため
さらなるネガティブな情動(過食衝動)を生み出します。
治療においては、意味づけ(認識)が変わるというプロセスだけでなく
記憶の修飾をうけずメタファー(隠喩)として表現される情動を受容する
2つのプロセスが必要になるんですよ。

過食や過食嘔吐などの嗜癖症状(自分との折り合い:自己志向)と同時に
アタッチメントの修復(協調性)を同時並行して治療していく必要があり、
その方法としての対人関係療法は非常にすぐれた方法だと思うのです。

三田こころの健康クリニックではウィルフリィの対人関係療法に則り
「自分自身との関係を改善する」「行動の仕方を改善する」の自己志向の2つの要素と
「他者との関係を改善する」の協調性に焦点を当てて治療をしているんですよ。

その際、「自己志向」の根幹の「自己受容」が重要な鍵になります。
「自己受容」と似た概念とし「自己肯定感」や「自尊心」がありますが、
多くの精神疾患からの回復に必要だと考えられてきた「自尊心」は
他者との比較や、自己に対する評価に基づく認知の仕方という
論理性や競争性などの男性性の原理からなっています。
(『自尊心から自己受容へ』参照)

だからこそ、

神話やおとぎ話や民話を聞くことで、メタファー(隠喩)という言語、つまり自分の内なる真実を理解して吸収するのに必要な言語を学び、現実と向き合い、自分の物語に潜んでいる深い英知を理解できるように
ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

メタファーを通して自分の内側に目をむけること、
これが「自己受容」のプロセスの1つなのです。

ジョンストン博士は、すべてを明るみにさらす日光は男性の象徴であり、月光は女性の特性と位置づけ、原著のタイトルにも引用しています。
本書を読みながら、ご自分に月明かりのような柔らかく優しい光を当ててみてはいかがでしょうか。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

「自分に月明かりのような柔らかく優しい光を当てて」みるのは
「自己受容」の3つの要素のうちのセルフ・コンパッションですよね。

「敏感すぎる自分」を好きになれる本

「敏感すぎる自分」を好きになれる本

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
自尊心から自己受容へ」というタイトルで、
「自尊心(自尊感情)」と「自己肯定感」の違い、
「自己効力感」を含む、さまざまなレベルの「自己肯定感」、
そして深い癒しにつながる「自己受容」についてまとめました。

この「自己受容」は「自分と他者」という対人関係の土台になるだけでなく
自分自身との関係の調和という愛着の傷つきの癒しや愛着の修復、
過食症/むちゃ食い障害からの回復の土台にもなります。

そのメカニズムは今回書いた脳科学にもとづく治療アプローチですから
過食症/むちゃ食い障害を治したい、あるいは愛着の問題を改善したい方は
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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2016-08-08

愛着と社会神経系

愛着のボタンはリセットできる』で書いた内容が
よくわからなかったと何人かの患者さんに言われました。

医学的な説明をすると面白くないかなぁと考えて
結論めいたものだけ書いてしまったので、
読まれた方はチンプンカンプンだったかもしれませんね。

認知を経由しない生理学的な反応である
ニューロセプション(神経感覚)」に関与する脳神経は、
迷走神経を中心に、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、副神経があります。

これらの神経は、摂食、吸引、表情、頭部の動き、発声・発語、聞こえなど
他者との交流に関わる行為と密接に関連しているので
社会神経系」と呼ばれることがあります。

生後2ヶ月の赤ちゃんはあやすと笑うようになりますよね。
新生児期から乳幼児期にかけての母子関係の中で
自分に注意を向け、世話を受けるために発達したこれらの神経群を
ポージェス(ポルヘス)は「社会神経系」と名づけました。

社会神経系」にもとづく行動パターンの1つが「愛着」であり、
他者との対人関係や、他者集団である社会との関係の土台であると同時に
生活や心の健康(メンタルヘルス)の根底をなしていますよね。

と同時に、社会的関わり、つまり他者や他者集団である社会との関係は、
他者の意識状態についての認識や共感的理解と同時に
自分自身の意図的状態を深く内省し、協応することに加えて、
この認識に従って、関わり行動を適応的に変化させることが必要になります。
(「自分-(愛着)-他者」の共感的理解と、関わり行動の変容を目指す治療対人関係療法です)

また「社会神経系」の一部は、心臓や気管支・肺にも分布しています。
さらに頚部から顔面、そして頭部に分布している社会神経系が関与する筋肉は
心臓以外は意識して動かすことができる随意筋です。

社会神経系が機能しているデフォルトの状態では
私たちは、ゆっくりとした言葉で話し、穏やかな表情や態度で
呼吸も心拍もゆったりとくつろいでいますよね。

やや低く穏やかな声でのゆっくりした話し方を聞くことや、
よせては返す波の音、小鳥のさえずりや木々のざわめき、
小川のせせらぎを耳にすることで
私たちは穏やかな気持ちになることができます。

穏やかでありながら適度な覚醒状態であるデフォルトを「耐性領域」と呼び
外界の周囲の人に対して、柔軟にかつ冷静に意思疎通をすることができ
適応的な対応状態にあるということなのです。

これらの神経が関わる摂食(食べる)という行動も
私たちをリラックスさせる効果がありますよね。
過食症やむちゃ食い障害との関連が見えてきましたよね)

私たちが日常生活の中で他者との関係で危険を察知したとき、
最初に反応するのが社会神経系です。
穏やかでゆっくりした話し方や、深い頷きで
こちらに攻撃の意図がないことを示し、
対話や交渉で相手の感情をなだめようと試みますよね。

これがうまくいかないときには、交感神経のフル活性化による
「戦うか逃げるか(闘争-逃走)反応」が起きます。
それでも危機を回避できないとシャットダウン(凍りつき)
と呼ばれる反応が起きます。
(『愛着トラウマの脳科学』参照)

このニューロセプションの経路は、
視床から大脳皮質を経由せずに不安や恐怖の中枢である扁桃体に至るため、
後付けの意味づけ(物語の生成)しかできません。
危機が去ってから急に全身が震えてへなへなと崩れ落ちてしまうのは
交感神経がエネルギーを使い果たしてしまったからなのです。

恐いと思った出来事を思い出すと情動反応が起きます。
思い出そうとしなくても、危険と認識しただけでも交感神経は活性化します。
さらに情動反応は、大丈夫と言い聞かせただけでは落ち着きません。
言葉は当てにならないのです。

日常的な出来事に対してネガティブに解釈したことが
過食の引き金になることがわかっていますので、
「食べる」という行動で社会神経系を刺激し、
交感神経の闘争-逃走反応を鎮静化させようとしているのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
「耐性領域」にとどまる方法」というタイトルで、
愛着の傷つきからの回復、あるいは過食や過食嘔吐から回復するための課題である
「耐性領域」を拡げるには何に取り組んだらいいのかについて、
三田こころの健康クリニックでの治療内容の一部を公開しました。

対人関係療法でも取り組んでいく「自分との調和」は
自分の心と身体の状態を知り、本来の機能を取り戻すことです。
その上で他者との関わり方を変えていくことに取り組みます。

「愛着障害かもしれない」と感じたり、
過食嘔吐をやめたいけどできないと感じている方は
生きづらさの根底にある「自分との折り合い」の問題を
解きほぐしていく必要がありますので、
三田こころの健康クリニックに治療を申し込んでくださいね。

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2016-08-01

愛着の問題と過食症を根底から理解する

私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』や
摂食障害から回復するための8つの秘訣』を翻訳してくださった安田さんと
EAT119」「日本にも摂食障害専門病院を開設しようプロジェクト」で
啓発・広報活動をつづけていらっしゃる林さんが
三田こころの健康クリニックを訪れてくださいました。

お話をしている中で確信を深めたのは
摂食障害を専門に治療できる医療機関が圧倒的に少ないことでした。

彼女たちの身の上話には、特定のパターンが見られるということはありませんでした。
しかし根底にあるテーマ、つまり、彼女たちの多種多様な経験の中にも一貫した特色があることに気づきました。
それは、居場所がないように感じたり、他人と違う見方をしている感じがしたりと、「うまく合わない」ように感じていたということです。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語』で
「乱れた食行動」と表現されている摂食障害の方だけでなく
「自分は愛着障害かもしれない」と治療を求められる方も
「生きづらさ」という自分自身との折り合いがテーマであるように思います。

トンバ(Tomba)らは
「自己受容」「自己決定(自律性)」「環境調整(自己効力感)」
「個人的な成長」「人生の目標」「他者との親密な関係性」の6つの次元からなる
心理学的ウェル・ビーイング尺度を用いて摂食障害の患者さんを対象とした調査を行い
神経性過食症では、6つの領域すべてにおいて低く、
むちゃ食い障害では、自己受容、自律性、環境調整が低かった
と報告しています。

成人愛着における安定性を決めるものは過去の体験ではなく、その体験に対する現在のかかわり方です。
(中略)
ですから、幼年期に不安定な愛着を経験していたとしても、それをそのようなものとして首尾一貫した形で語ることができ、その際にひどく動揺したり事実を否認したりすることがなければ、現在の愛着は安定型であると判定されます。

上地『メンタライジング・アプローチ入門』北大路書房

過食症やむちゃ食い障害からの回復や
愛着を獲得安定型に変えていくプロセスの中心は
環境や親のせいにするのではなく、自分の課題として受けとめ、
「自己受容」「目的や価値の創造」「目的や価値に沿った行動」という
クロニンジャーの「自己志向」を高めていくことになります。

深いレベルの自己肯定感ともいえる「自己受容」は
「自分と向き合う」という内省のプロセスを通して、
腹側交感神経の「社会的関わり領域」を活性化していくことが課題になります。

乱れた食行動を克服する旅を始めた彼女たちは、行きつ戻りつしながら曲がりくねった道を歩いていく、自分の中心への旅を始めたのです。
(中略)
自分の本当の考え、感情、そして欲望を探す道中、自分の行く先を導いたり自分を助けたりするためには、内側からの声に耳を傾けなければなりませんでした。
そして、一筋縄でいかないことを受け入れ、理性を解放して自分の直観と感情の持つ力を大事にすることで自分自身を見つけることができました。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

大切なのは「内側からの声に耳を傾け」ることで
他者に頼ることは「愛着のパラドックス(承認欲求)」の問題を引き起こします。

自分に愛情を込めた世話と理解を提供するとき、私たちは思いやりと受容が価値あるものだと感じるようになる。
自分に対して共感と支援を提供する場合、私たちは救いの手がすぐそばにあると信じるようになる。
自己に対する思いやりの腕で自分を包み込むとき、私たちは安全と安心を感じるのである。

クリスティーン・ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版

治療でこのプロセスをたどるときは、患者さんと治療者が
自分や他者の精神状態(考えや感情)を共同で詳しくみていく
「共同注意」を行っていきます。

共同注意を始める際のアイコンタクトを通して
社交性をつかさどる脳領域(ミラーニューロン群)が活性化し、
共感力や社会的な協調力、前向きなコミュニケーション力を向上させる
愛情ホルモンとしても知られているオキシトシンの分泌が促進されます。

これが不安定な愛着を安定型に変えていくプロセスでもあり、
外的な安全感や安心感とはちょっとちがう
社会的関わり領域」で自分の中に生まれてくる安全基地なのです。

しかし患者さんの中には、「覚えていない」「よくわからない」と
ワーキングメモリでの回想が不十分で「語る」ことができない場合や
過食がどう酷かったかと身体状態としてしか語れない場合もありますが、
この「共同注意」を根気よく進めていくプロセスは
たんなる体験の回顧や自分自身をふり返るという次元ではなく
関係性の中に立ち現れてくる自己回帰的な視点を培うものなのです。

迷宮(ラビリンス)を歩く間、惑わされたり迷ったり、飽きたり方向感覚を失ったり、イライラしたり不安になったりすることもありましたが、一歩一歩、歩み続けました。
自分の中心、つまり女性としての自分の本質を見つけることが旅の終わりではありません。
新しいビジョンと新しいあり方でもって、迷宮を出なければならなかったのです。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

ここで示されている「迷宮(ラビリンス)」のメタファーは

迷宮(ラビリンス)は誇大的で神秘的なアーキタイプ(元型)です。
中心に着いたらまた来た道を戻り、一巡しては何度も元の場所に戻るという、ひとつの道からできています。
(中略)
自分の中心に導いてまた外の世界へと戻してくれる道を持つ迷宮は、瞑想の道具として使われていました。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

「自己志向」と「協調性(社会性)」あるいは
「ミラーニューロン」と「ニューロセプション」の
「入れ子構造」をうまく言い表してくれていますよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
愛着の修復のために」というタイトルで、
愛着障害』や『回避性愛着障害』で書かれていた
「肯定」「共感」「受容」を柱とする一般的な心理療法の根本が
愛着の修復には有効でなかったのは
ニューロセプション」の土台になる「生物学的な体験」が乏しく
「入れ子構造」に対する視点が欠如していたためということを解説しています。

また『回避性愛着障害』で書かれていたマインドフルネスだけでも
「自己志向」と「協調性」の入れ子構造の修復には不十分なので
三田こころの健康クリニックで行っている
入れ子構造(迷路(ラビリンス))の立体的な通り方のアウトラインを
ごく簡単に紹介しました。

過食嘔吐やむちゃ食い障害を治したい、あるいは
その背景にある不安定型愛着を改善したい方は
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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2016-07-25

愛着のボタンはリセットできる

以前に、制限型と脱抑制型に分けられていた愛着障害は、それぞれ

  • 反応性アタッチメント障害
  • 脱抑制型対人関係障害

として「心的外傷およびストレス因関連症候群」に分類されました。

両者に共通した「重度の社会的ネグレクト状況(虐待)」の存在から
「発達性トラウマ障害」「愛着トラウマ」と呼ばれることもあり、
施設児の研究から特徴や反応性、予後の違いがわかってきつつあります。

「反応性アタッチメント障害」は
生得的に選択的な愛着を形成できないという問題があるものの
適切な養育環境による修正が可能であるといわれています。

「脱抑制型対人関係障害」は、獲得安定型の愛着を形成した後も
対人関係の距離感に関連する症状の持続がみられる
という特徴が知られてきました。

トラウマ関連障害ではなく「不安定型愛着スタイル」の人が
「自分は愛着障害ではないか?」と治療を求められることも多いので
「愛着スタイルが獲得安定型に変化しなかったのはなぜか?」という問いを
このブログで何度も書いたことがありますよね。

最近の脳科学の研究でわかったことは
思春期には神経細胞同士の結合(シナプス)の合成が盛んになり
不要な神経同士の連結がそぎ落とされるため
一時的に前頭前野の機能が不安定になり
ストレッサーに対する処理効率が低下するため
機能不全(不適応)を起こしやすいということが知られています。

思春期から青年期、そして成人期にかけて
自分は何者であり、他者から何を期待できるのかに関わる
「精神的な自画像(内的作業モデル)」は
「自分自身との折り合い」に大きな影響を与えます。

しかし「内的作業モデル」は普遍的なものでなく
「自分自身との折り合い方」を変えることによって
愛着のボタンをリセットする」ことができます。

幼少期に虐待があったかどうか、厳しいしつけを受けたかどうか、
あるいは両親との愛着関係がどうだったかという事実がどうであれ、
過去の体験と折り合いをつけ、
筋の通った「現在のナラティブ」を生み出すことは可能で、
これが「獲得安定型の愛着」ということですよね。

過去の体験と折り合いをつけるために、
自分が体験している現実は自分の心が作り上げた「表象」であることを理解する、
つまり「自己イメージ」「他者イメージ」など自分特有のとらえ方(表象)を知る
ことが第一歩になります。

私たちの気分を悪くするのは他人や出来事そのものではない。
それに対する自分のとらえ方である。

怖れを手放す星和書店

摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語』に

彼女たちは、身の上話を私のいわゆる精査にさらすことで、人生を蝕んでいた不可思議な執着がどうして始まったのか、その手がかりや答えが見つかることを望んでいました。
ある女性は両親からの虐待に苦しんでいたことを話してくれましたし、別の人は、父親はすることなすことすべてを激励して称賛してくれたと話してくれました。
アルコール依存症で生きるか死ぬかの問題に気をとられてばかりで、愛情を与えてくれなかった母親を持つ女性もいれば、出来合いする過保護な母親を持つ女性もいました。
親を死や離婚で失った人もいましたし、結びつきの強い家族の中で育った人もいました。
育った環境は違えども、どの悲しい身の上話にもそれなりの困難がつきものでした。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語星和書店

迷宮(ラビリンス)を通って乱れた食行動から回復する
「自分自身への古い見方を捨てて、内なる自信を取り戻」す
「自分の中心への旅」を始める女性たちと同じように
不安定型愛着スタイルの人も、自分と折り合いをつけることが
獲得安定型の愛着を構築する「旅」になるのですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
愛着の傷つきからの回復のカギ「ニューロセプション」」というタイトルで、
愛着関係を獲得安定型に変化させていくときに必要な
「自己志向(自己の次元の成長)」と「協調性(社会次元の成長)」の土台は
「ミラーニューロン」の働きだけでなく
ほとんど知られていない「ニューロセプション」が関係していることを説明しています。

「ミラーニューロン」と「ニューロセプション」
そして「自己志向」と「協調性」が「入れ子構造」になっているため
どちらかにしか焦点が当たらないこれまでの心理療法では
愛着の修復が上手くいかなかったのだと思います。

慢性の抑うつ状態や、過食症/むちゃ食い障害を治したい、
あるいはその背景にある不安定型愛着を改善したい方は
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2016-07-19

摂食障害の精神療法のエビデンス

一般に摂食障害といえば、食べられずにやせていたら拒食症
たくさん食べていたら過食症とみなされることが多いのです。

この見方は、サッカーや野球の試合を見ていて
自分が応援しているチームが得点を挙げたり勝ったりして大喜びすれば躁状態
負けて落ち込んでいたらうつ状態、のように、短絡的な見方なのですが、
シャレにならないことに多くの医療機関でそのような診断がなされているようです。

「食行動障害または摂食障害」群の中で狭義の「摂食障害」は

なのですが、上記の狭義の摂食障害以外にも
「食行動障害または摂食障害」には

異食症:食べ物ではないものを食べる
反芻性障害:吐き戻しを繰り返す
回避・制限性食物摂取障害
  ・ 食物回避性情緒障害:不安、強迫などが身体化した情動反応
  選択的摂食:食べ物の種類や範囲へのこだわり(著しい偏食)
  ・ 機能性嚥下障害:食べ物の質感、外観へのこだわりと飲み込み、窒息、嘔吐に対する恐怖
  ・ 制限摂食:食が細い
  ・ 食物拒否:ハンガーストライキ
他の特定される食行動障害または摂食障害
  ・ 狭義の摂食障害の不全型(頻度が低い、または、期間が短い)
  ・ 排出性障害
  ・ 夜間食行動異常症候群

などの病態があるのです。

食べなくてやせていたとしても「拒食症」と短絡的に診断するのではなく
「回避・制限性食物摂取障害」のうちの1つの病態なのかの鑑別や、
統合失調症など他の疾患に伴う食行動異常なのかの判断が必要です。

また、過食嘔吐があるからといって「過食症」ではなく、
「過食性障害+排出性障害」のことだってありますし、
「回避・制限性食物摂取障害」にともなう飢餓過食のこともありますから、
発症の仕方や精神病理、症状の推移を詳細にみてみないと
正確に診断することはむずかしいだけでなく、
正確な診断をしないかぎり適切な治療方針が立てられないのです。

とはいえ今回は、ほとんど知られていないようですので
確立されているスタンダードな治療法を挙げておきます。

「神経性やせ症/拒食症」や「回避・制限性食物摂取障害」など
体重減少がある場合は、身体的治療が第一選択になります。

「神経性やせ症/拒食症」の小児から思春期までは
身体的治療に加えて、家族療法の効果が認められています。

思春期以降の「神経性やせ症/拒食症」では、
制限型/過食嘔吐型に限らずBMIが16未満では身体的治療と心理教育が行われ、
精神療法はBMIが16以上(できれば17以上)で、活動制限の必要がなくなり
社会や集団との適応が課題になるときに導入されるのが主流のようです。

「神経性やせ症/拒食症」に対しては認知行動療法のエビデンスが認められている一方、
非特異的な支持的精神療法が、認知行動療法と対人関係療法治療効果を上回った
というデータもあり、治療者が積極的に介入する期間限定の短期精神療法よりも
ゆっくりと変化していく支持的精神療法が向いているのかもしれません。

思春期以降(青年期から成人期)に発症する「神経性過食症」や
「過食性障害(むちゃ食い障害)」では、認知行動療法、
対人関係療法、家族療法などでエビデンスが認められており、
第一選択の精神療法は認知行動療法とされています。

対人関係療法は認知行動療法と同じくらいの効果があり、
治療効果では認知行動療法よりも長く維持されるものの、
効果の発現が認知行動療法より遅れること、
強迫性障害があると対人関係療法の適応にならないことから
認知行動療法の無効例に対して第二選択として考慮することになっています。

フェアバーンの研究では、治療終結時の治療反応率は
認知行動療法が約45%、対人関係療法は約30%ですが
1年後、認知行動療法は約40%、対人関係療法は約45%でした。
またローゼンバーグ式自己評価尺度(自尊心の尺度)は
対人関係療法よりも認知行動療法の方が大きく改善していました。

アグラスらの多施設研究では
認知行動療法も対人関係療法も、脱落率は約25%前後と変わらず
終結時の快復率は、認知行動療法が29%、対人関係療法は6%
改善率では、認知行動療法が48%、対人関係療法は28%
12ヶ月までのフォローアップでの改善率は
認知行動療法が40%、対人関係療法が27%で
統計学的には2つの治療間の効果に差がなかった(?)と報告しています。

ですが1回に60分前後かかる認知行動療法や
対人関係療法のような専門的な精神療法による治療
1時間に最低でも5〜6人の患者を診ないと採算が取れない現行の保険制度では
とうてい実現困難ですから、専門の治療機関で行う必要があります。

認知行動療法は学童期や思春期でも適応可能のようです。
対人関係療法は小学生や中学生に親同席面接の形で行ったこともありますが
過食症やむちゃ食い障害に対する個人療法としての対人関係療法は、
アイデンティティが確立した思春期以降でないと難しい、という印象があります。

以上の結果をふまえて、三田こころの健康クリニックでは
対人関係療法の効果を高める取り組みとして
摂食障害から回復するための8つの秘訣』を併用しているのです。

また「神経性過食症(自己誘発嘔吐を伴う)」でも
さまざまな身体合併症歯科合併症を起こしますので
嘔吐を伴う疾患でも基本的に身体管理が必要ですよね。
歯科治療を希望される方には歯科クリニックを紹介しています)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
強迫と衝動の治療」というタイトルで、
制限型の拒食症から、過食嘔吐への移行には
報酬系の異常である衝動性が関与していて
クロニンジャーの「報酬依存(人情家)」の低さで表され
このタイプは治療導入までに時間がかかることを解説しました。

しかし、いったん治療が軌道に乗れば(感情耐性が高まれば)、
このタイプの人には対人関係療法がすごくマッチするので
短期療法としての対人関係療法ではなく、
長期に対人関係スキルを高めていく治療という位置づけになります。

さらに治療効果を最大限に発揮するために「変化の段階」も大切ですから、
過食症治療を希望される方は『摂食障害から回復するための8つの秘訣』おを読みになり
三田こころの健康クリニックに申し込んでくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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