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如実知自心〜対人関係療法@三田こころの健康クリニック〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-04-14

環境因と身体因による気分障害

精神疾患は、身体科のように
血液検査や画像検査で診断できるわけではなく
本人の自覚(主観的体験)しか手がかりがないため
非常にわかりにくいものになっています。
そのため丁寧に病歴を聴かないと診断に至らないばかりか
表面的な症状だけの判断は、不適切な治療につながってしまします。

ちなみに。
うつ病の簡易スクリーニングとして

・毎日の生活に充実感がない
・これまで楽しんでやれていたことが、楽しめなくなった
・以前は楽にできていたことが、今はおっくうに感じる
・自分が役に立つ人間だとは思えない
・わけもなく疲れたように感じる

などのチェック項目は
4月からの新年度が始まった今の時期では
誰しも2つか3つは当てはまると思います。

これらに該当したから「うつ病」だとか
「何もやる気がしない」「仕事や家事が手につかない」
などの意欲の低下があるから「うつ病」、
「気持ちが晴れない」「憂うつ感が続く」から「うつ病
というのは、あまりにも安易な判断ですよね。

摂食障害の分野でも、食べられない・体重減少=拒食症
食べ過ぎる・体重増加=過食症などのお手軽診断が急増していて
目を覆いたくなるような状況が増えているようです。

そもそも、簡単に症状を聞いただけで
「軽い抑うつみたいですから、薬を飲んで様子をみてください」
と言われ、抗不安薬抗うつ薬睡眠導入剤を処方され
生活や食事、睡眠時間のことや余暇の過ごし方などは聞かず
薬を処方されるだけで「どこをどう改善していけばいいのか」
「どのようなプロセスで治るのか」などは
説明を受けた事のある方はほとんどいらっしゃらないと思います。
診断とはいえないお粗末さですが、多くの医療機関がこのレベルのようです。


たとえば。
夜遅くまで仕事や勉強をしていて
(あるいはTVゲームでも夜遊びでもかまいません)
翌朝、寝坊もせずにすっきりした気分で目覚めることができますか?
あるいは食生活が偏っていたり暴飲暴食や深酒が続いていたりして
翌日の朝からやる気が起きるでしょうか?

このような個人の生活状況・生活環境の改善は
サイコロジカル・マインドとともに
治療効果の約40%を占めることがわかっています。

とくに生活リズムの乱れと炭水化物中心の食事は
ビタミンB群の低下をもたらすことで意欲の低下の大きな要因
になります。
このような生活習慣は「環境因」と呼ばれます。
過食症」でも炭水化物過食が続き、不安になったり、気分が落ち込んだりする場合も
ビタミンB群(とくにビタミンB1)の低下があるようです。

また恐怖記憶は、DHA(ドコサヘキサエン酸)など
不飽和脂肪酸のバランスによって弱められることを
国立精神・神経医療研究センターの研究チームが発表しました。
将来的には「不安障害を食事で予防できるようになるかもしれない」
ことが期待されています。
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release140313.html

生活習慣病としてのうつ病

生活習慣病としてのうつ病

若い女性に多い隠れ貧血(フェリチン(貯蔵鉄)の低下)や
橋本病バセドウ病などの甲状腺疾患は、
「月経前症候群(PMS)」や「月経時気分不快症(PMDD)」だけでなく
うつ病」や「双極性障害」と似た気分症状を呈します。

それ以外でも、脳血管障害や心疾患などの身体疾患で
抑うつ状態を呈することもよく知られている事実です。

このような甲状腺疾患や隠れ貧血などの身体疾患による気分障害
身体因」と呼ばれます。

うつ病」や「気分変調性障害」、あるいは「双極性障害」という診断で
医療機関受診中の方で、就寝時間と起床時間、あるいは食事内容について
聞かれたことがある人の方が少ないはずです。

当然のことながら
生活習慣などの「環境因」や身体疾患などの「身体因」にともなう気分障害
まずその是正が最優先であることは常識的にも明らかで、
抗うつ薬抗不安薬を処方するのは不適切ですよね。

気持ちが沈む、憂うつで億劫だ、やる気が起きない、何も手につかない、
気分にムラがある、イライラしやすい、と感じていらっしゃる方は
まず「生活リズム」と「食生活」を見直してみてはいかがでしょうか?
(参照URL:http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69636370Z00C14A4X11000/

うつ病治療の基礎知識 (筑摩選書)

うつ病治療の基礎知識 (筑摩選書)

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
サイコロジカル・マインドと自己モニタリング」というタイトルで
三田こころの健康クリニックで使っている「問診票(診療申し込み票)」では
自分自身や状況を客観視し、具体的に描写するという
まとまりを持った【主体】である『サイコロジカル・マインド』を
対人関係療法による治療適合性(治療が向いているかどうか)の
アセスメントとして重視していることを書いています。

摂食障害」や「慢性のうつ(気分変調症)」などで
対人関係療法による治療を受けたいと考えておられる方は、
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-04-07

気分反応性をともなう気分障害

双極性障害とパーソナリティ・気質』で
たとえば、サッカー中継を観ていて
「アアァ…」と唸って頭を抱えたらうつ病うつ状態
「ヨッシャア!」と叫んでガッツポーズすれば躁病(躁状態

と揶揄(やゆ)しましたが、このような気分反応性は「心因」と呼ばれます。

この反応が正常であるか異常かの判別は
日常の行動からの明らかな変化」や
「気分や機能の変化は、他者からも観察可能」であるかどうか、
動機の理解や追体験、感情移入での理解可能性で判断され
これを「了解」といいます。

サッカー中継を観ているという状況で
自分の応援するチームが負けたという心理的要因がわかれば
なるほどと納得出来るので、この場合は了解可能です。
(つまり了解不能な内因性の双極性障害ではない!)

しかし、気分反応性の一部は「了解」可能でも
それにともなう症状が「了解」できない場合もあります。

たとえば「非定型うつ病」では
「現実のまたは可能性のある楽しい出来事に反応して気分が明るくなる」
逆に嫌なことがあると気分が沈む「気分反応性」があり
状況に反応していますから「了解」可能ですよね。

「非定型うつ病」の症状は、上記の「気分反応性」に加え

・著明な体重増加または食欲増加(大食)
・過眠(惰眠ではない)
・鉛様の麻痺
・拒絶過敏性(著しい社会的・職業的障害をひきおこしている)

のうち2つ以上を満たすもので、「双極性障害」だけでなく
「大うつ病」「気分変調性障害(慢性うつ病)」でもみられるとされますが、
うつ病エピソードの「ほとんど一日中、ほとんど毎日、
ほとんどの状況に影響されることなく持続する抑うつ気分」や
「通常なら快楽をもたらす活動に対する興味・関心の低下」
という基本的な症状に合致しないことになります。

また、非定型うつ病にともなう「食欲増加(大食)」を
むちゃ食い障害』と診断されていることもあります。

このような「非定型うつ病」の特徴である「気分反応性」は
典型的な「内因性うつ病(大うつ病性障害)」とは異なり、

・恐怖感や不安
・夕方に増悪する日内変動
・強度の疲労・倦怠感
・身体へのとらわれ
・月経前緊張(月経前症候群)

などが特徴とされており、クライン(Klein)らは、
周囲からの注目・賞賛を切望するタイプの人物が
拒絶されたときに反復して生じる抑うつ
として
気分反応性を「類ヒステリー性不機嫌(ヒステロイド)」ととらえ
のちに「非定型うつ病」を定義しました。

このような気分反応性をともなう抑うつ状態は
動揺性で持続しない場合が多く、
さまざまな「慢性うつ病性障害」2』で触れた
不安型気分変調症(性格スペクトラム障害)』と非常に似ています。
つまり、愛着の問題が背景にある可能性も考える必要がありそうですよね。
また安易に「双極II型障害に伴う非定型うつ病」と診断されて
不適切な薬物療法を行われていることがかなり多いですよね。

しかし「非定型うつ病」の症状を引き起こす要因をよく考えてみると

・著明な体重増加または食欲増加(大食)
・強度の疲労・倦怠感
・月経前緊張(月経前症候群)
・類ヒステリー性不機嫌

など、ビタミンB1とフェリチンの不足が疑わしい状態のようです。
ということで、身体因(身体疾患に伴う心の不調)とみることで
了解不能だった非定型うつ病の症状の一部は、了解が可能になりました。

東部フィンランド大学で行われた調査研究で
生活習慣改善指導(健康的な食事)によって
体重が減ると抑うつ症状も軽減する
ことが示されていることから、
「非定型うつ病」には、抗てんかん薬抗うつ薬を処方する前に
食生活の是正と不足したビタミンB1あるいはフェリチンの補充が
先決のようですよね。

実際、バセドウ病橋本病などの甲状腺疾患に伴う
大食や不食、やる気のなさや動揺する自律神経症状を
摂食障害」や「うつ病」「パニック障害」「双極性障害」とみなされ
長く抗うつ剤による治療カウンセリングを受けているのに治らないと
三田こころの健康クリニックを受診された方も何人もいらっしゃるんですよ。

精神科医は身体疾患や身体要因に対する診断は苦手ですし、
カウンセリングでは、そもそも診断は行わず
すべて心の問題、親子関係の問題とみなしてしまうクセがあります。

上記のように、身体疾患であれば、
診断がつけば対処法や治療法が明確になりますよね。
精神疾患もじつは同じなんですよ。
そもそも。
治療は、病気のために人生が損なわれないようにするために行うもので、
そのためには、三田こころの健康クリニックで行っているような
その人の全体を診る正確な診断が何よりも必要ですよね。

うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪

うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
アレキシサイミア〜右脳機能不全」というタイトルで
ミラーニューロン機能や、愛着(アタッチメント)とも密接に関係し、
うつ病(慢性うつ病を含む)や摂食障害での比率が高く、
思春期から青年期の若い世代に多い「アレキシサイミア」について
対人関係療法による治療ではどのように扱っているかについて書いています。

摂食障害対人関係療法による治療を希望される方は
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-03-31

摂食障害の低体重の定義と重症度

2013年に発表されたアメリカ精神医学会の
精神疾患の分類と診断の手引(DSM-5)」では
拒食症(神経性無食欲症)』の診断基準に変更がありました。

「標準体重の85%以下」と「無月経」の規定がなくなり
著しい低体重」という表現になっていますが
具体的な数値は記載されていません。
そうなると「食べられない=拒食症」や「体重減少=拒食症」という
安易な診断が、いま以上に横行してしまうのではないかと危惧しています。

f:id:ipt-therapist:20140203152707p:image:w480
ちなみに。
私は三田こころの健康クリニックの院長として
世界保健機関(WHO)の臨床実践グローバルネットワークに登録しているので
2015年に導入予定の『ICD-11 精神と行動の障害』作成のための
インターネットでのフィールドスタディに参加しているんです。

ICDでは成人ではBMI:18.5 kg/m2未満
小児期や青年期では各年齢のBMIの5パーセント以下
が低体重に相当するという基準があります。
ICDではWHOのBMI:22を標準体重として想定しているようです。

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

しかしながら、この10年間で日本人女性のBMIは低下し、
最近では日本人女性ではBMI:20.5が平均といわれています。
前・大阪市立大学教授の切池先生は
ICDのBMI:18.5は日本女性にとっては厳しすぎるため

平均BMIより低めのBMI:20を平均と考え、この90%、BMI:18を著しい低体重の目安としたらどうか

と提唱されています。
DSM-5での重症度は日本に当てはめると以下の表のようになります。

f:id:ipt-therapist:20140203153957p:image:w360
この数値を神経性食欲不振症のプライマリケアのためのガイドライン
身体状況と活動制限に当てはめてみると
摂食障害の身体重症度をうまく反映したものになりそうです。

f:id:ipt-therapist:20140203153958p:image:w540
摂食障害認知行動療法の適応は
「著しい低体重ではない(BMI≧17.5)」とされているようですので、
認知に焦点を当てる高度な頭脳作業には
「軽度」でないとついて行けないのかもしれません。

一方、三田こころの健康クリニックで
対人関係療法での摂食障害治療を開始できる目安は、
標準体重の-30%未満(15歳未満の方は、標準体重の-20%未満)
としており、上記の表の「中等度」「軽度」に相当します。
実際に摂食障害対人関係療法による治療を行ってみると
BMIが15以上ないと出来事と気持ちの整理は難しい
ようです。

しかし単純に日本人の平均と比較するだけでは問題があるのです。
たとえば、70kgだった人が40kgになった場合と
45kgだった人が40kgになった場合では
身体が受ける変化の衝撃は大きく異なるため、
その人の元々の体重からの変化が重要ですし、
さらに「どのくらいの期間で減ったのか」「体重はどう変化したのか」など
体重減少に至るまでのプロセスによって、
その人にとっての体重減少の意味が変わってきます。
この事はほとんど知られていないし、考慮されていないことですよね。

実際に、もともとやせていらっしゃる女性が「過食」が始まり
ある大学病院受診したところ「拒食症からの回復期の過食」と診断され
入院治療を勧められました。
その方は、診断に納得できずに三田こころの健康クリニックを受診されました。
診断は『過食症』で、拒食の要素はありませんでした。

たとえば双極性障害でも、「日常の行動からの明らかな変化」や
「気分や機能の変化は、他者からも観察可能」という項目が無視され
医療者の主観によって双極性障害と診断されてしまう、という、
「レッテル貼り診断」が問題になっているんです。

「もともとどんな人だったのか?」を考慮しない安易な診断は
その人に合ったエビデンスのある治療には結びつかない
だけでなく
不適切な治療になってしまう可能性が非常に高いということですよね。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
その人に合った精神療法のあり方」というタイトルで
同じ診断であっても患者さんの特性によって最も適した精神療法は異なること、
そして精神医療(とくに精神療法)の憂慮すべき現状について書いています。

とくに、こころと身体を巻き込み、
人生の質を大きく損なう摂食障害治療者を選ぶには、
日本摂食障害学会の会員になっているなど、
摂食障害についての専門知識をもっていることが大前提ですよね。

さらに、身体の状態に対する知識と経験があり、
かつ、精神療法にも精通した医師を選ぶ必要がありますよね。

対人関係療法による治療を考えていらっしゃる人は、
通院されている医療機関HPなどで治療者の経歴をチェックしてみて、
ぜひ、ホンモノの治療者を選んで下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-03-24

過食症の経過と治療

拒食症』と『過食症』には
「やせ願望」と「肥満恐怖」が共通してみられることから、
拒食症』と『過食症』は、一つの『摂食障害』という病気
二つのステージ(病気の段階の違い)と考えられています。

『神経性大食症(過食症)』は、10年ほど前までは
『神経性食欲不振症(拒食症)』から移行した病期であり、
過食症として発症することはまれと考えられていました。

最近では、さまざまなきっかけで過食やむちゃ食いが生じ、
排出行動を伴いながら慢性化するタイプが
過食症』の中ではいちばん多いことが知られています。

また、もともと大食い(overeating)傾向があり、
慢性化して肥満傾向が持続するタイプもあり、
非排出型「過食症」か「むちゃ食い障害」かの鑑別が難しいのですが、
適切な診断ができると治療への反応も良好なタイプが多いようです。

「気分変調性障害(慢性うつ病)」が先に発症していて、
気分の落ち込みの解消行動として
過食症』が合併してくることもあります。

『神経性大食症(過食症)』という病気になると
栄養バランスが偏るために(とくにビタミンB1の低下
不安になったり、落ち込んだりすることも知られています。

このような状態をうつ病の合併と誤診され
抗うつ薬を処方されている場合を多く見かけますが、
本質的な改善にはつながりません。

あるいは、食べないでいると気分が落ち着くため
食事を制限したり、体重増加に対する不安から、
食べたものを吐いたり下剤を使ったりするようになり
そうなるとさらに過食の悪循環を招いてしまいます。

自己誘発嘔吐は、体重増加への不安から行う場合もありますが、
過食後に気分が悪くなって嘔吐したり、
アルコールを飲んだ後に嘔吐したのをきっかけに
それが常習化することも多いようです。
また一部では、嘔吐そのものが目的で
嘔吐するために過食を行う人もいるようです。
排出障害といいますよね。

過食症』で(あるいは『拒食症』も)嘔吐を伴う場合は
電解質異常(とくに血中カリウムの低下)を来しやすく、
QT延長などの心電図異常から突然死の危険もあるため
定期的な身体管理が必要になります。

過食そのものは気分不耐にともなう衝動制御の障害ですが、
自己誘発嘔吐は、衝動性と強迫性(損害回避の高さ)もあり、
また自己誘発嘔吐による身体的飢餓が過食を悪化させます。


治療では、病気について正しく知るということが前提になります。
哀しいことですが、いまだに
「親の育て方の問題」「親の愛情不足」とか「本人の意志の問題」など、
原因探し・犯人探しをする医療機関カウンセリングによって
患者さん本人だけでなく、ご家族も傷ついたというケースも
かなりあるようです。

三田こころの健康クリニックで専門的に行っている対人関係療法は、
過食症』に対して科学的に効果が実証されていて、
対人関係療法」による「治療」では、
病気を維持させている要因をいかに変えていくか
という治療方針のもとに治療セッションを行います。

とくに気分変調性障害の治療焦点とも重なる
「評価への過敏性」を治療焦点にすると、
「気分変調性障害(慢性うつ病)」と「過食症」の2つの病気に対して
対人関係療法で一つの問題領域として対応することができますので、
治療効果はさらに向上することが実証済みです。

また『過食症』の背景に、「愛着(アタッチメント)の問題」や
PTSDとは言えない「対人トラウマ」がある場合には、
「対人過敏」や「対人パターン」として
「役割期待の不一致」や「役割の変化」に反映させる
ことで
過食症』の維持因子の改善を目指していきます。

「過食を治したい」ことが主訴であったとしても
過食しないで済む方法についてあれこれ指示を出すやり方は、
悪いところを治す、努力して困難に打ち勝つ(克服)、という考え方であり、
阻害されたプロセス(症状)に焦点を当てることになりますから、
対人関係療法のすすめ方とは矛盾しますし、
やみくもに気持ちを伝えることを勧めたり
親同席面接で親教育だけでやっていくのも
対人関係療法のやり方ではありません。

さらに、対人関係療法カウンセリングではなく
医学的診断に基づく医療行為(治療)ですから、
対人関係療法で焦点とする問題領域は、
症候診断だけでなく、精神病理や家族内力動の診立てが必要であり、
対人関係療法による治療は、専門のトレーニングを受けた精神科医が行う
あるいは処方する、ことが前提になりますよね。

大切なことは、対人関係療法では
プロセスを阻害しているものを解決する力を高める」ために
「解決する力(治癒力)」に焦点を当てることで、
対人関係療法治療が終わってからも効果が伸び続けるのです。

対人関係療法で焦点を当てる「解決する力(治癒力)」
クロニンジャーの「自己志向(自尊心)」と「協調性」ということなんですよ。

焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識

焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
精神療法の問題点」というタイトルで

診断可能な病気の状態にある人の場合は、一般に「治療」が必要である。
そのような患者にとっては、(カウンセリングによって)安心することは必要条件ではあるが十分条件ではない。

という水島先生の言葉を受けて、
診断可能な病気に対する「治療」としての十分条件は、
患者さんの現実に合わせた治療法の選択(鑑別治療学)
であることについて書いています。

そもそも、「治療」はカウンセリングでは良くならない
医学的な「治療」が必要な「病気」に対して行うもので、
精神状態が悪いからこそ、治療(精神療法)が必要
ということなのですよね。

摂食障害対人関係療法による治療を考えていらっしゃる人は、
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-03-17

過食症という病気について

神経性大食症(過食症』は、生活のすべてを蝕んでいく病気です。
過食症という病気が発症すると、食の問題だけではなく
考え方や感じ方の変化や、身体合併症など個人の問題にとどまらず、
家庭、学校・職場やプライベートな対人関係まで問題が拡がっていきます。

『神経性大食症(過食症)』は、現代の若い女性を中心に
急増していることが知られています。
この病気は、「過食(ビンジ・イーティング(binge eating))」を
くり返すのが特徴です。
「ビンジ(binge)」とは、どんちゃん騒ぎの意味で
過食は大量の食物をむちゃ食いすることを示します。

過食は「むちゃ食い」「気晴らし食い」「多食」「大食」とも言われますが、
健康人にもみられる「食べ過ぎ」「ドカ食い」など「overeating」とは異なり、

(1) 一定の時間内(たとえば2時間以内)に大部分の人が食べるより明らかに大量の食物を摂取する
(2) その間、摂食を自制できないという感じをともなう(たとえば、食べるのを途中で止められない感じや、何をどれだけ食べるかをコントロールできない感じ)

を病的な症状である「過食」と定義されています。

あるいは、お腹が一杯で苦しくなるまで食べる、
お腹が空いていないのに大量に食べる、こともありますし、
むさぼるように食べものを口の中流し込むようにして
普段よりもずっと早く食べ、その間のことを憶えていなかったり、
だらだらと食べ続けることもあります。

過食症」では食物の摂取量が多いだけでなく、
炭水化物脂肪含量の多い、スナックや菓子パンが多いのですが、
拒食からの移行例や自己誘発嘔吐を伴う過食症では、
炭水化物中心の過食になること多いことが知られています。

過食は,ダイエット後のリバウンド拒食症からの回復期、
あるいは、心理的ストレスが強く解消できないときや
ひどく落ち込んだ後に生じやすいことがわかっていて
過食は気分調節行動として機能していることが知られています。

リバウンド過食や回復期の過食は
体重が元の体重の80%ほどまで回復すると自然に落ち着いてきますが
過食の要素(新奇追求性の高さ、自尊心の低さ)があれば
過食症へ移行しやすいため、過食症治療が必要になります。
リバウンド過食や回復期の過食と過食症の過食の区別は、
摂食障害を専門に診ている医師でないと鑑別が困難
です。

また過食という気分調整行動が習慣化すると、
イライラしたり、辛くなった時や淋しい時、退屈な時だけでなく、
嬉しいことがあったときなど、気分が変化する出来事に反応して
過食が起きるようになります。
そうなるとますます気分の変化を抱えられなくなり過食が習慣化します。
この状態は「気分不耐」と呼ばれ、衝動性と関連があります。

3月から4月にかけて、進学や進級、
卒業や新入社、あるいは引っ越しなど
さまざまな変化が起こる時に過食が悪化するタイプは
「気分不耐」の可能性
があり、専門的な治療が必要になります。

過食症」に対して抗うつ薬は一時的に有効であっても、
その後は些細なきっかけで過食が続くようになるため
本質的な改善にはつながりません。

「神経性大食症(過食症)」は医学的な診断に基づく病気であり
医学的に治療可能で、かつ治る病気です。
摂食障害が治るということはどういうことかは『カウンセリングと精神療法の違い』参照)
神経性大食症(過食症)に対して効果が実証されている治療法には
認知行動療法対人関係療法
があります。
しかし一番大切なことは、その人の特性に合わせて
エビデンスのある治療法を選ぶ必要があるということです。
また、認知行動療法対人関係療法医学的な治療法ですから、
同じ技法を用いたカウンセリングとは質的に異なります。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』でが、
カウンセリングと精神療法の違い』というタイトルで、
病気に対する治療としての精神療法カウンセリングの違いについて書いています。

病気からの回復のプロセスを促す「治療」では
その病気を詳しく知っていて、精神療法にも精通した専門医
「健康な部分を広げていく」ことが「治療」になりますから、
医学モデルに基づく診断が不可欠です。

カウンセリングでは精神病理や診断など医学的判断は行えず、
どうしても症状を目安にせざるを得ないため
努力して困難に打ち勝つ「克服」という考え方は
「ジャッジメントに気づき手放す」対人関係療法の本質とは
相容れない部分がありますよね。

対人関係療法を希望される方は、こちらのブログも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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2014-03-10

修正アタッチメント体験

DSM-5では「愛着障害」は
「トラウマとストレス関連障害」に分類されました。
「愛着障害」は虐待やネグレクト、養育者の頻繁な変更などの
安全でない環境で発症するとされていますから、
この分類は納得しやすですよね。
(「愛着障害」は幼児期のみに適応される診断で、児童期以降には適応されませんので念のため!)

最近の研究では、養育者の精神状態や情緒的無視や過保護などの行動が
子どもの愛着形成に与える影響は10%未満にすぎず、
愛着形成のプロセスのゆがみや発達停止はむしろ
子ども側の要因が大きいということがわかってきました。

さらに身体的虐待によるトラウマとされてきた部分は

社会的要因:家庭の生活水準
家族的要因:親の教育程度、離婚・再婚や死別など親に生じた変化、子どもと親との愛着形成の程度
個人的要因:子どもの知能指数

など複合的な要因からなることが明らかになってきました。
つまり、虐待を受けた[から]愛着障害になったという単純な原因論は成立せず、
さまざまな要素が絡み合って疾患になったということですよね
また子どもの愛着パターンはそのまま成人の愛着スタイルに移行するわけではない
ということがわかっています。

つまり愛着の問題や愛着プロセスの発達過程は
子ども側の要因(気質)が大きいとしても、
社会的要因(集団や社会との折りあい)、家族的要因(重要な他者との折りあい)
個人的要因(自分自身との折りあい)という3つの環境的要因に影響を受け(性質・性格)、
感じ方、考え方、振る舞い、人との関わりのパターン(パーソナリティ)として
形成されるということですよね。

思春期・青年期から成人期の愛着スタイルが
パーソナリティという持続的なパターンであるとすれば
重要な他者との関係という「対幻想」の問題から
集団や社会との関わりである「共同幻想」、
自分自身との折りあいである「個人幻想」の問題が分化していますから
治療は「二者関係(自分-他者の関係)」を中心にしたものになります。
(『「幻想」と3つの対人関係』参照)

愛着の問題とパーソナリティとの関係を考えると、
愛着(アタッチメント)と対人的心的外傷(アタッチメント関連トラウマ)3
で触れたような「偽記憶」の問題が浮上してきます。

そもそもトラウマの記憶は、忘却する能力が障害されるため
フラッシュバックとして現前しているわけですから
抑圧されているわけではない。というのは通説になっています。

偽記憶(偽りの記憶)」とは、
虐待などトラウマと関連する記憶が抑圧されていて
催眠を使って治療者が誘導し、過去の記憶を想起・回想することが
トラウマの解消につながるという誤った仮説にもとづいて
「抑圧された記憶を回復させる」目的で
1980〜90年代に欧米で流行し、パーソナリティ障害だけでなく、
摂食障害あるいは解離性障害などの患者に行われていました。

実際は、患者が虐待をめぐるストーリーを作り上げるよう
あるいは記憶を書き換えるようセラピストから促されていた

という良識を疑うような非人道的なやり方への反省と
治療効果が出ないばかりか悪化する患者さんが多かったため
現在では行われなくなりました。
(病理が重篤なほど、偽記憶が多かったという報告もあります)

実際、記憶の書き換えは、現在の現実の対人関係から離れて
想像(イメージ)の中で過去の記憶を扱う作業ですから、
最終的には自分を偽ることになり
「自分自身との折りあい」さえつかなくなりそうです。
過去を問題にすることでの悪影響はあっても
利益は得られないことは、心理療法の常識になっています。
つまり催眠やイメージなどで記憶を書き換える方法では
アタッチメントやトラウマの問題を克服することはできない
ですよね。
催眠が有効なのは、身体(自律神経系)との折りあいの領域ですよね。
(参照:http://www.seiwa-pb.co.jp/htmlmail/131.html#colmun

そもそも愛着のプロセスは「二者関係(他者との折り合い)の問題」で
「受容(二人の人間関係)」を中心とした介入が必要になります。
アタッチメントの傷つきは二者関係の中でしか癒やすことはできず、
それが治療関係をベースに現実での対人関係の中で起きてくる「共感」や
「無条件の肯定的関心」「照らし返し(リフレクティブ・ファンクション)」、
または「ボンディング(情緒的な絆)」なのです。

対人関係でのトラウマの回復プロセスを考えてみても
周囲の人への信頼感の回復(修正アタッチメント体験)
自分自身や世界への信頼感の回復をもたらすように、
さらに二者関係の快復(修正アタッチメント体験)は、
世界や自分との折り合いまで改善するのです。

ほめ日記」もそうですが自己モニタリングがうまくいくためには
「無条件の肯定的関心」という修正アタッチメント体験が必須で
対人関係療法治療プロセスにあてはめると
治療初期にその土台を構築していきますよね。

母と娘はなぜこじれるのか

母と娘はなぜこじれるのか

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
愛着の形成プロセスとその障害』というタイトルで
アタッチメントの形成プロセスと「自己」アイデンティティの形成の関係、
そのプロセスが障害された状態で起きてくるさまざまな症候群について書いています。

いずれも対人関係療法で対処可能な状態ですから
対人関係療法による治療を希望されるかたは
是非、参考にしてみてくださいね。

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2014-03-03

対人関係療法でのセルフモニタリング

対人関係療法では

・自分の気持ちをよく振り返り、言葉にしてみる
・自分のまわりの状況(とくに対人関係に関すること)に変化を起こすように試みる

に取り組んでいきますよね。

・どんな出来事があって
・それをどう体験して(感情と認知
・過食あるいはむちゃ食いに結びついたのか?

という「出来事」と「感情」、それと「症状」の関連についてみていきます。

この際、重要なのが出来事を客観的に描写する事ですが
多くの人は、体験した出来事を解釈や想像で埋め合わせて
それを事実(現実)と錯覚してしまう
ようです。

とくに「脳内劇場(左脳」優位の人は
事実を詳細に聞かれることが苦痛みたいで
この苦痛が非適応的、非建設的な行動を行わずにはいられない
抑えがたい「衝動」につながっている
ようです。
(「衝動性と強迫性〜摂食障害との関係」参照)

女子の人間関係

女子の人間関係

このような衝動をコントロールする目的で導入されるのが
セルフモニタリングで、このセルフモニタリングには

・観察する(距離を置いて眺める)
・描写する(「私は…」と客観視する)
・ジャッジメントしない(善悪を脇に置く)
・感情に反応しない(感じた以上は正当な感情)
・行動する

などの要素が挙げられます。

「感情は感じた以上は正当なもの」と認め、
しかしそれを「悪いことが起きた」と決めつけるのではなく、
出来事と自分自身の心(感情や認知)を観察し描写するという
「現実を距離を置いて眺める」「自分自身を客観視する」
というメタ認知認知に対する認知アウェアネス
が、
衝動制御のためのセルフモニタリングの重要な第一歩になりますよね。

ところがここに問題がある場合があります。
たとえば、過食症認知行動療法では食事日記をつけますよね。
対人関係療法では食事日記は行いません、念のため)
この方法はセルフモニタリングのやり方なのですが、
中には苦しくなって続けられない人もかなりいらっしゃるようです。

セルフモニタリングで自分自身を振り返るときに「自尊心の低下」があると
内在化できない不安への防衛である「理想化された自己」が
「現実の自分」に対して批判(ジャッジメント)を加えるようになります。

気分変調性障害の人が、つねに自責感や罪悪感にさいなまれ
みじめで沈痛な気持ちに陥ってしまうのもこのジャッジメントのためですし、
拒食症の人が体重や体型を繰り返しチェックするボディ・チェックが
望ましい行動変容につながらず、病気の維持につながるのは
ジャッジメントの存在下でのモニタリングの影響といえますよね。

上記のように自尊心が育っていなかったり、
自尊心の低下にともなう気分不耐や強迫傾向がある場合は、
「批判(ジャッジメント)」が働くため
自己理解をどれだけ繰り返しても行動に反映されず、
状況は変わらないばかりか、
さらに苦しくなり症状が悪化する
ということが起きてきます。

このような不適合は、患者さんの特性を無視して、
この診断にはこの治療法(やり方)と
機械的に治療を導入する場合に起きている
ことが多いようです。
実際、三田こころの健康クリニックで
対人関係療法による摂食障害治療を行った人の中には、
以前に受けた治療によって傷ついたという人が多いのです。
食事記録をやってみたけど続かなかったという過食症の人は、
意志が弱いのではなく、単にやり方が合わなかっただけなのですよね。

ですから「元々、どんな人だったのか?」という
患者さんの生育歴や内的発達過程、あるいは
愛着スタイルなど患者背景の把握が治療では不可欠ですし、
患者さん自身も自分の性格を知り、受け入れることで
自尊心が高まっていくような過食症治療を受ける事が必要ですよね。

三田こころの健康クリニックではエビデンスのある治療法(対人関係療法)を
患者さんの特性に合わせてアレンジして適応
しています。
一例を挙げると、対人関係療法の予備面接(導入準備)では
自分の選択に自覚と責任を持つ」ということで
批判(ジャッジメント)に気づき手放すアウェアネスを促す
ことを行っているんですよ。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
治療準備性とモチベーション」というタイトルで
三田こころの健康クリニックで使っている「問診票(診療申し込み票)」で
どのようなことをアセスメントしていて
それをどのように診断面接や対人関係療法による治療に活かしているのか
について書いています。
対人関係療法を受けたいと考えられている方は
ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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2014-02-24

「むちゃ食い障害」のサブタイプ(亜型)

「むちゃ食い障害(BED)」は摂食障害なのか』や
むちゃ食い症候群』で紹介した「むちゃ食い障害」は
単一の病態ではなくいくつかのサブタイプがあるようです。

そもそも、診断基準にある「むちゃ食い障害(中核群)」は、
18歳以上の男女比が1:2(男性0.8%:女性1.6%)で
拒食症過食症に比べて男性の割合が多く、
思春期や成人期早期に多く発症し、
治療を受ける年齢が高いと言われています。

「むちゃ食い障害」は過食症と異なり、
非機能的なダイエットの既往がないことが多く、
拒食症」や「過食症」と病型の変移をすることはまれであり、
他の精神疾患、とくに双極性障害や慢性うつ病
あるいは不安障害の合併が多い
ことが知られています。

「むちゃ食い障害」はむちゃ食いのみの症状があり、
自己誘発嘔吐などの不適切な代償行為がなく、
摂食障害の中心病理である
やせ願望(よい自分という理想追求へのとらわれ)」や
肥満恐怖(自己評価が体重や体型の影響を強く受ける)」を
ともなわないことが特徴で、比較的治りやすいタイプとされています。
(『肥満恐怖とやせ願望』参照)

しかし「むちゃ食い障害」の中には
過食症・非排出型」ほど顕著ではないにしろ
若干の「やせ願望」「肥満恐怖」を認める
低い自己評価群(過食症類似群)」もあります。

このタイプは「(自他に対する)怒り≒罪悪感・自責感」と
「羞恥心(評価への過敏性)」をあわせ持つため
「気分変調性障害(慢性うつ病)を有する過食症」と診断するケースもかなりあり、
このタイプでは、炭水化物過食、甘いもの過食が特徴です。
(『摂食障害の診断と精神病理に見合った治療法』参照)

その他のサブタイプでは、
「むちゃ食い症候群」と感情不耐性』や
対人関係療法では気分不耐をどう治療していくか』でふれたような、
特定の感情状態に対する耐性が低く
「…ねばならない」という「べき思考」は強いものの
行動抑制が機能しにくく(ガマンが出来ない、待てない)
衝動的行動が多い「感情不耐-衝動群(多衝動型群)」も多くみられます。

このサブタイプは「多衝動型過食症」に似て
むちゃ食い(過食)の他にもアルコールへの耽溺や、
あるいは自己誘発嘔吐をともなうこともあり、
愛着の問題があることもよく見かけます。
多くの場合、パーソナリティ障害(とくに境界型)や
双極性障害と誤診されていることがほとんどです。
(『摂食障害と衝動性』『対人関係療法による摂食障害の治療7〜多衝動型過食症』参照)

それに似たサブタイプで他の強迫行為や衝動行為をともなう
感情不耐-強迫スペクトラム群」もあります。
このタイプは背景に発達課題の問題を抱えていることが多く、
全体に自発性に乏しく受身的です。
しかし、安易に摂食障害過食症と診断され
食事指導や食事日記(過食日誌)を受けると悪化することが多いようです。
(『衝動性と強迫性〜摂食障害との関係』参照)

上記の「感情不耐-衝動群(多衝動型群)」「感情不耐-強迫スペクトラム群」は
「何もすることがない」退屈に対する気分不耐により
むちゃ食いが誘発される
ことが多いようです。

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

ダイエット依存症 (こころライブラリー)

つまり「むちゃ食い障害(BED)」は

○中核群
 むちゃ食いのみで「やせ願望」「肥満恐怖」をともなわず、比較的治りやすい
○低い自己評価群(過食症類似群)
 「罪悪感・自責感」と「羞恥心(評価への過敏性)」をあわせもち、炭水化物過食が中心
○感情不耐-衝動群(多衝動型群)
 「べき思考」は強いが行動抑制が弱く衝動的で、境界型パーソナリティ障害とみなされやすい
○感情不耐-強迫スペクトラム群
 強迫観念や強迫行為、抜毛や皮膚引っ掻きなど他の強迫症状もともなう

という4タイプに分けられそうです。
もちろん、明確に分類できるものではなく
オーバーラップしていることもよくみられます。

三田こころの健康クリニックでは摂食障害治療は専門ですが、
摂食障害はよくわからないという医療機関がほとんどですから
過食症と診断されて不適切な対応を行われていることが多いようです。
「むちゃ食い障害」の治療では三田こころの健康クリニックで行っている対人関係療法のように、
患者さんへの適合性に応じてエビデンスに基づく精神療法を選ぶという
鑑別治療」の観点が必ず必要になります。

同じ「むちゃ食い障害」という診断であっても
各サブタイプによって必要な対応が異なりますし、
表面に見える症状だけでの診断は役に立ちません。

たとえば、「過食症」や「むちゃ食い障害」の背景に
アタッチメント(愛着)の問題や「気分変調性障害」がある場合は
それらの治療が優先になるため、
その人の病前性格生活歴を考慮されていない症候診断は
治療にすら結びついていないということになりますよね。
(『生きがい追求と快楽追求』参照)

最近よく見かけるのは、「過食症」や「むちゃ食い障害」で
症状の後の自責感をうつ病と誤診され抗うつ薬を投与されて
過食やむちゃ食いが抗うつ薬で悪化していたり、
摂食障害をよく知らない精神科医の心ない一言で傷つき
むちゃ食い障害だったのが、「むちゃ食い/排出型」に移行したりと
本来、治りやすいはずの「むちゃ食い障害(中核群)」が
いい加減な医療によってこじれたケースが多いことです。

以前、水島広子先生のツイッター
対人関係療法を使って治すというカウンセリングに20回以上通っているのに過食嘔吐が良くならない。」
という内容の書き込みがありました。

対人関係療法は正確な診断に基づく治療法(精神療法)ですから、
その疾患に精通している「対人関係療法のトレーニングを受けた精神科医」、
もしくは「その医師の指示を受けた対人関係療法治療者」が行います。

対人関係療法のトレーニングの経験もなく摂食障害もよく知らない精神科医には
摂食障害に対し対人関係療法という治療法を処方できるはずがないのです。

対人関係療法は、対人関係療法を使ったカウンセリングとは違いますし、
また対人関係療法摂食障害治療を行う場合は
フォーミュレーションを行い治療目標を明確にして
20回未満の期間限定治療になりますよね。

この書き込みをされた方は、おそらく正確な診断も
病前性格生活歴を考慮して治療目標を設定する
対人関係療法の核心とも云うべき「フォーミュレーション」も
受けていらっしゃらないのではないかと想像します。
対人関係療法という呼称を騙った
"もどきカウンセリング"に引っかからないようにして下さいね。


ということで。
対人関係療法では気分不耐をどう治療していくか』で
アレキシサイミアと気分不耐の関係に触れたので
この点をもう少し掘り下げてみていきましょう。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』でが、
アレキシサイミアと情動対処行動〜多衝動型過食症」というタイトルで、
アレキシサイミアの背景にある愛着の問題について
多衝動型過食症」との関連を書いています。
対人関係療法による摂食障害治療を受けてみようと考えていらっしゃる方は、
こちらも参照して下さいね。

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2014-02-17

過食症と衝動性

過食症の人は衝動性が高く、
葛藤刺激に対する衝動的な反応がむちゃ食い(過食)や
それに続く自己誘発嘔吐や体重増加を避けるための代償行動など
衝動的な行動を制御できないことが
過食症の反復エピソード(悪循環)を形成している

と考えられています。(『多衝動性過食症』参照)

Appetiteに掲載されたジョージア大学の研究によると、
衝動性パーソナリティ障害の人の食物依存率は高く
衝動的な摂食パターンは薬物依存によく似ていること
アルコールニコチンなどの他の依存症と
衝動性は密接な関連があることが報告されていました。
(衝動性パーソナリティ障害は、情緒不安定性パーソナリティ障害の衝動型)

つまり過食症は「食物依存」の側面もあるということから、
自己のコントロール下にあったはずの食行動が、
内的な苦しみからの一時的な開放感を伴いつつも
自発性・合理性能力が低下してコントロール不能になり、
強迫的で自己破壊的な衝動的行動として表現された
嗜癖(アディクション)」と位置づけることができますよね。
(いわゆる「習慣過食」や「クセになった過食」)

「嗜癖(アディクション)」の原動力である衝動性
前頭葉-線条体回路が適切に活性化されないために起きている
ということが、近年の脳機能科学の研究でわかってきました。

前頭前野の中で、とくに前頭前野眼窩部が
衝動性と関連が深いといわれています。
この前頭前野眼窩部は、辺縁系線条体とともに
情動制御と作業記憶に関わっているとされ
前頭葉-辺縁系回路」と呼ばれています。(図はこちらに→寝椅子の下

コロンビア大とニューヨーク州精神医学研究所の研究で
過食症の女性摂食障害のない女性と比べ
葛藤問題や整合性問題で応答が早く、間違いも多く
検査中に機能的MRIで脳の働きを調べると
過食症の女性では前頭葉-辺縁系回路が活性化されていなかった
という結果が得られています。
(正答するためには、自動的反応を自制し葛藤を解決することが必要)

つまり、過食症の患者さんたちが、
葛藤的状況に対し衝動的に反応してしまうのは、
理解、学習、推論など認知的課題の遂行中に
情報を一時的に保持し操作するためのシステムである
作業記憶と情動制御に関与する前頭葉-辺縁系回路が活性化されないため
リスク探究行動が起きる(衝動的に反応する)
ということがわかったということです。

水島先生が『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』で
「冒険好き」「心のアクセル」と表現されている
過食症の特徴である「新奇追求性」の高さと
「損害回避」「自己志向(自尊心)」の低さが
この前頭葉-辺縁系回路に関連しているようですよね。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

拒食症・過食症を対人関係療法で治す

しかし嗜癖的な問題行動は、
表面に表れた行動を抑えることができたとしても、
他の衝動行為に移行したり(シンドローム・シフト)、
異なる衝動行動の併存も多いことが知られており(『多衝動性過食症』参照)
さらに強迫傾向も強い場合は、自己モニタリングによって
逸脱した行動がさらに加速してしまうこともあります。
強迫傾向がある場合は、食事日記(過食日誌)は逆効果

この衝動性は「新規追求性」「損害回避」「報酬依存」という
発達初期の「気質」によって決定されますが、
「自己志向」「協調性」「自己超越」などの「性格」が
気質をコントロールするかたちで
パーソナリティの成長へとつながることがわかっています。

「性格(キャラクター)」は
環境を変化させる(たとえば対人関係の質を変化させる)ことによって
修正可能な部分
でもあり、
その時の自己洞察学習(修正情動体験)は
対人関係に影響する愛着スタイルによる影響が大きい

ということですよね。

衝動性の根底にある情動制御の困難さを「気分不耐」といいます。
「嗜癖(アディクション)としての過食」に対して
対人関係療法による治療を進めていくときには
情動に衝動的に反応してしまう「気分不耐」に対し、
三田こころの健康クリニックで行っているように
言語化や自己モニタリング等、耐性を高めていく方向を目指し、
新しいパターンを試すことを意識するような
「自覚(アウェアネス)」を培っていく必要があります。
これについては、なんちゃって対人関係療法が横行しているので
いつか詳しく書くつもりですので、過食症の人はちょっと待ってて下さいね。

このように、患者さんの特性に合わせて治療法をアレンジするやり方が
最近みかける"対人関係療法もどき"との大きな違いですよね。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』でが、
衝動性と強迫性〜摂食障害との関係」というタイトルで、
摂食障害の衝動性と強迫性は
目の前の小さな報酬にとびついてしまう「渇望(craving)」が原動力
になっていて、
これが「嗜癖(アディクション)としての過食」の中核病理でもあることを書いています。
対人関係療法による摂食障害治療を受けたいと思っていらっしゃる方は
こちらも参照していただくと参考になるかもしれません。

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2014-02-10

「無力型気分変調症」と愛着(アタッチメント)

「慢性うつ病(気分変調性障害)」は、
病前性格として秩序と規則性を好み役割規範への同一化や
対人関係では他者への尽力など「メランコリー親和型」をもち
14〜16歳の思春期に成績が下がってくるなど、ひっそりと発症する
思春期うつ病として知られる「気分変調性障害・中核群」が典型的です。

一方、最近増えている「気分変調性障害」のサブタイプである
「無力型気分変調症(軽症感情性気分変調症)」
(『さまざまな「慢性うつ病性障害」2』『さまざまな「慢性うつ病性障害」3』参照)

・見知らぬ人がいると情緒が制限される情緒的ひきこもり
・愛着対象に不安げにしがみつく過服従
・怖れによって特徴づけられた抑制
・他者からの慰めを受け入れない、喜びの欠如した強度の用心深さ

などが特徴で、「安全基地の歪み」タイプの中の
「抑制された」タイプや「過警戒」タイプ
似た特徴を示すことがあります。
(『虐待と愛着(アタッチメント)2〜反応性愛着障害』参照)

しかしながら、母子分離の早さを認める程度で
虐待やネグレクト、あるいはトラウマ的な環境がなかった場合は
「アタッチメント障害(愛着障害)」とは言えないのですが
このタイプの人たちが「自分は愛着障害ではないか?」と
対人関係療法による治療を申し込まれることが多いようです。

「無力型気分変調症(軽症感情性気分変調症)」では
子ども側の要素が関与していることが多く、
子どもの側に発達障害の要素があったり、
あるいは粘着・自閉・不安気質を認めるなど
「損害回避(心配性)」が高く、
「報酬依存(人情家)」や「新規追求性(冒険心)」の低さがあると
自分自身との折りあいだけでなく、二者関係や集団との関係が上手くいかず
子どもの頃から不確実性に対する怖れ、分離不安や人見知り、
易疲労感や無力感、ひとり遊び(お絵かきが多い)や引きこもりが目立ちます。
このタイプは、ノルアドレナリンドーパミンを増強する薬物に反応しやすい
と云われています。

親の側にも子ども同様に
「リフレクティブ・ファンクション(顧みる能力)」や
「メンタライゼーション(心を理解する能力)」の低さがあることが多く、
子どもは「褒めてもらう」「なだめてもらう」などの体験を
内在化することが出来ないまま成長し、
強さについての幻想(病的な自己愛)」を持ちやすくなります。

つまり「無力型気分変調症(軽症感情性気分変調症)」

・他の人々の反応に敏感
・抑制的、内気、表に立とうとしない
・自分よりも他の人々に注意を向ける
・注目の的になることを避ける
・侮辱や批判の証拠がないかどうか他の人々に耳を傾ける
・容易に傷付けられたという感情を持つ
・羞恥や屈辱を感じやすい

という特徴を持つ過敏型自己愛が病理を形成しているようです。

そのため、思い描いている自分と現実の自分の乖離(双極性)があり
「心的現実(脳内劇場)」が活発(妄想的・パラノイア的)で
無力感と絶望、攻撃的あるいは迫害妄想的自己が中心になりやすく、
それまでのやり方が通用しない、思い通りにならない「変化の時期」に
不適応をおこして引きこもり状態になったり、
気分の動揺性からの不安焦燥による自暴自棄的爆発などで
双極性障害(とくに双極I型やラピッド・サイクラー)と診断されているようです。

また拒食傾向や炭水化物過食(甘いもの過食)を認めることもありますが、
じっとしていられない状態や、何もすることがない時に過食が増えたり、
気分と食行動の異常が同調していないことが特徴で、
双極性障害との鑑別になりますよね。
双極性障害過食症が合併した場合は、うつ状態で過食が増えます

三田こころの健康クリニックでは、「摂食障害(とくに過食症)」や
「気分変調性障害」の対人関係療法による治療を専門にしているので、
摂食障害過食症)で治療を申し込まれた方の中には、
「無力型気分変調症(軽症感情性気分変調症)」と診断する例もかなりあります。

その場合、たとえば症候診断は「むちゃ食い障害」なのに、
精神病理診断は「過食症」だったり、あるいはその逆だったりと、
典型的な摂食障害とは発症の仕方も経過も違っていたりして、
奇異な印象を受けることが多いのです。

このタイプの人は、対人関係療法治療していくときには、
基本的に「気分変調性障害・中核群」や「社交不安障害」と同じように
「現実とのやり取りの中で、自分を虐める形の病気の症状に気づく」
「不安をなくすことではなく、不安でも出来ることに取り組んでいく」
ということが治療焦点になりますよね。

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』でが、
情動コントロールと摂食障害」というタイトルで、
摂食障害の情動制御不全の中核にある
アレキシサイミアと愛着の関係
について考察しています。
本当の対人関係療法による摂食障害や慢性うつ病治療を受けてみたい
と思っていらっしゃる方は、ぜひ、こちらも参照して下さいね。

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摂食障害・過食症 治療 慢性のうつ病(気分変調性障害) 対人関係療法 精神療法 の 病院 なら 三田こころの健康クリニック
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