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如実知自心〜三田こころの健康クリニック新宿〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-05-13

さまざまな「慢性うつ病性障害」2

さまざまな「慢性うつ病性障害」1』で
アキスカルらの慢性うつ病の分類を紹介しましたので
もう一度、簡単にまとめておきますね。

  • 早発型(性格因性うつ病):21歳未満で発症

 ・抗うつ薬に反応(軽症感情病性気分変調症)≒「非定型うつ病」?
 ・抗うつ薬に反応せず(性格スペクトラム障害)≒「トラウマや愛着の問題」?

  • さまざまな発症年齢(二次性のディスフォリア(不機嫌症)の慢性化したもの)
  • 遅発型(一次性うつ病で残遺的に慢性化しているもの):21歳以降に発症

ニクレスク(Niculescu)らは、気分変調性障害を
「不安型気分変調症(anxious dysthymia)」と
「無力型気分変調症(anergic dysthymia)」の2群に分類しています。

不安型気分変調症」は、

不安定さや自己評価の低さを認め、過去のトラウマと関係していることもある。衝動的で対人関係で相手に嫌われたのではないかとひどく気にする。
依存症の傾向も強く、薬物依存や過食などを認めることもある。中には双極II型様の経過を認めるものもある。

とされています。
衝動型過食症」やADHDなどにも似ていますよね。

無力型気分変調症」は、

鈍い反応性と気力のなさ、無快楽症(アンヘドニア)によって特徴づけられる。失敗に敏感であり、衝動性は高くないが偏った考え方を持つ。
しばしば過眠を呈し、睡眠脳波でREM睡眠潜時の短縮を示す。男性に多く、ドパミンノルアドレナリンを増強する薬物に反応する。
精神刺激薬の乱用を認めることもある。中には双極I型様の経過を認めるものがある。

ということですから、
アスペルガー症候群広汎性発達障害などの
自閉症スペクトラム障害との類似性がうかがわれますよね。

21歳未満で発症する気分変調性障害(慢性うつ病性障害)の
アキスカルとニクレスクの分類をまとめると
以下の表のようになります。

f:id:ipt-therapist:20130217131739p:image

さて、思春期に発症することの多い
早発型・気分変調性障害(慢性うつ病性障害)ですが、
性格と間違われやすい「慢性のうつ病(気分変調性障害)」について
にも書いているように、

気分変調性障害の方は、物心がついてからずっと暗い気持ちだった、とおっしゃることも多いのですが、思春期の悩みどころか、「自分は生まれながらにしてのできそこない」だと思っている人もとても多いのです。

ということで、もう一つの問題が浮上してきます。

それは、「生まれながら」という表現を考えた場合、
幼少期から発症するタイプがあるのではないか、
あるとすれば、それは生来的な発達要因なのか
あるいは幼少期の養育要因なのか、ということで、
次回は、早発型・気分変調性障害(慢性うつ病性障害)と
発達や愛着との関係についてみていきます。

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』の、
成人発症の気分変調性障害(慢性うつ病性障害)」で、
21歳未満で発症する「気分変調性障害(慢性うつ病性障害)」の3タイプのまとめと
21歳以降で大うつ病として発症し、抑うつ状態が遺残する遅発型について
成人の「気分変調性障害(慢性うつ病性障害)」が
どのように「前操作期」まで退行するのかについて書いています。

こちらも是非、読んで下さいね。


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気分変調性障害とは編集

  • 気分変調症(ICD)とも。 従来の神経症性抑うつに相当するものとされているが、異種性も多く、わが国でも十分浸透しているとは言い難い。 アキスカルらの慢性うつ病の分類 早発型(性格因性うつ病):21歳未満で発症  抗うつ薬に反応(軽症感情病性気分変調.. 続きを読む
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