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如実知自心〜三田こころの健康クリニック新宿〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-12-22

自尊心と育てられ方との関係

「自尊心」の低さを作り出すものとして、虐待をはじめとする「育てられ方」の問題が挙げられます。
最も頼りにすべき実の親から虐待を受けた、「産まなければよかった」と言われた、などというのは、「自尊心」を決定的に下げる原因となります。
自分なんて生まれてくるべきではなかったなどと思ったら、自分の存在を肯定する気持ちになれるわけがありません。
また、ふつうであれば子どもをかわいがるはずの親から否定されることで、「自分は人間としてできそこないなのだ」「自分はどこかおかしいにちがいない」という感覚を植え付けられることにもなります。
(中略)
また、過保護にされた場合にも「自尊心」は低くなります。

水島広子『拒食症・過食症を対人関係療法で治す紀伊國屋書店

このように、育てられ方は
自尊心(自己肯定感+自己効力感)」と密接に関わりますよね。

とくに乳児期〜幼児期に虐待やネグレクトを受けると
トラウマと気分障害の関係』に書いたように
発達トラウマ障害(DTD)」を基盤にして

幼児期〜児童期:調節障害、愛着障害、情緒障害、児童期の双極性障害
思春期・青年期早期:ADHD、反抗挑戦性障害、社会的行動の障害、物質乱用、過食症気分障害(慢性うつ病双極性障害)
青年期〜成人期早期:パーソナリティ障害解離性障害、身体表現性障害、自傷・自殺念慮

など、成長過程に応じてさまざまな病像を示すことが知られています。

乳児期から幼児期に愛着障害や情緒障害だった人が
児童期には忘れ物やケアレスミスが多かったり、
じっとしていられなかったりなどの「ADHD様の症状」を示し、
思春期から青年期にさしかかると「過食症」や「慢性うつ病」を発症し
さまざまな衝動行為(リストカットや万引き)や
アルコールの問題など感情コントロールの障害を引き起こす
ということですよね。

愛着障害』の著者の岡田先生は
発達トラウマ障害(DTD)」から派生する
さまざまな病像をひっくるめて「愛着障害」と呼んでおられるみたいですね。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

このブログで反応性愛着障害の検索が多いのですが、
対人関係療法では「発達トラウマ障害(DTD)」から派生する
虐待やネグレクトによるさまざまな病像を
「複雑性PTSD
とみなすこともあります。
その根幹にあるのは「自尊心の低さ」ということもわかっています。

たとえば、レイプやいじめなど対人トラウマを受けた人は、
人に対する警戒心が強いにもかかわらず、
病気の事も含めて、つい自分のことを喋ってしまうことがあります。
医療機関で正しく診断されないことも多いので注意してくださいね)

また社交辞令が使えずに、つい本当のことを言ってしまい、
相手につけ込まれたり、自責感を抱いたり
さらに自尊心が低下してしまう悪循環におちいりやすいのです。

  • 自分の気持ちを話せない
  • 自分の気持ちがわからない
  • 自分には価値がない
  • 自分は浮いているのではないか
  • 自分は変なのではないか

などの『気分変調性障害』とそっくりの感じ方は
反復性うつ病」や「双極II型障害」、
複雑性PTSDを含むPTSD(トラウマ関連障害)
社交不安障害(対人トラウマを契機に発症するタイプ)
などでもみられる「自尊心の低さ」を反映した「症状」なのです。

つまり、このような「自尊心の低さ」は
小さい頃から対人関係のルールがわからずに育ってきたことで
どういう言動に対し、どういう反応が返ってくるかがわからないという症状なのです。

これらの「自尊心の低さ」にともなうさまざまな症状を
「心のクセ」とか「仮面の奥のインナーチャイルド
などと言っているカウンセラーもいるみたいですが、
そうではなく、対人関係療法治療可能な病気の症状なのですよ。
(『カウンセリングと精神療法の違い』参照)

対人関係療法による治療を導入する時には
幼少期の虐待の強度と持続、ソーシャルサポートや当時のストレス因など
生育歴についての詳細なアセスメントを行った後、
それが「現在の対人関係にどのように反映されているか」という
対人関係パターンと愛着スタイルを把握し文脈的に現在の診断を診ていきますよね。

そして三田こころの健康クリニックで行っている
対人関係療法による治療で行っていくことは
「人間というのはこういうものだ」という対人学習であり、
エクスポージャー(曝露)や想像(イメージの中)ではなく、
重要な他者を中心として他者とのやりとりの中で実体験する
修正情動体験や修正アタッチメント体験
によって
自己肯定感とコントロール感を育てていくんですよ。

「愛着障害」ではないかと悩んでおられる方や
なかなか良くならない「うつ病」や「双極性障害」、
または「摂食障害過食症/むちゃ食い障害)」で通院されている方は、
三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』
最近の摂食障害』を参考にして
対人関係療法による治療か適応になるかどうかについて
三田こころの健康クリニックに相談してみて下さいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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