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如実知自心〜三田こころの健康クリニック新宿〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2015-06-01

愛着志向の対人関係療法

愛着志向の精神療法を実践しておられる
ある精神療法家の先生とのやりとりで
愛着の問題について考える機会があり
岡田先生の『愛着障害』を読み返してみました。

実の親のもとで育てられている子どもでも(中略)、安定型の愛着を示すのはおよそ三分の二で、残りの三分の一もの子どもが不安定型の愛着を示すのである。
愛着障害と呼ぶほど重度でないが、愛着に問題を抱えた子どもが、かなりの割合存在することになる。

さらに成人でも、三分の一くらいの人が不安定型の愛着スタイルをもち、対人関係において困難を感じやすかったり、不安やうつなどの精神的な問題を抱えやすくなる。
こうしたケースでは、狭い意味での愛着障害に該当するわけではもちろんないが、愛着の問題であることにはまちがいはなく、それがさまざまな困難を引き起こしているのである。

こうした不安定型愛着に伴って支障を来している状態を、狭い意味での愛着障害、つまり虐待や親の養育放棄による「反応性愛着障害」と区別して、本書では単に「愛着障害」と記すことにしたい。このような広い意味での「愛着障害」は、筆者が既に提起した「愛着スペクトラム障害」と同義である。

岡田尊司・著『愛着障害 子ども時代を引きずる人々光文社新書

岡田先生がおっしゃる「愛着障害」は
「抑制型愛着障害(DSM-5では反応性アタッチメント障害)」
「脱抑制型愛着障害(DSM-5では脱抑制型対人交流障害)」
そのものを指すのではなく、青年(思春期〜成人期)の
「不安定型愛着スタイル」のことですよね。

いつだったか、このブログでも触れたと思いますが、
「不安定愛着スタイルがそのまま続くのはなぜか?」
という疑問がわいてきます。

というのも、
幼少期の愛着パターン(安定・回避・アンビバレント・無秩序)は
成人の愛着スタイル(自律・軽視・とらわれ・未解決)と関連するのではないか?

という研究も行われましたが、結果は想定されたほど明確ではなかった、
という報告があるのです。

さらに、「脱抑制型愛着障害/脱抑制型対人交流障害」が
「良好な養育環境で十分なケアを受けることにより改善する場合が多い」
という知見もありますし、よく考えてみると、昔から
「親はなくとも子は育つ」と言われていました。

つまり、成人の1/3が持つとされる不安定な愛着スタイルは
成長する過程で環境や人との相互関係によって修正されうる可能性がある
ということですね。(『修正アタッチメント体験』参照)

ということで、
「不安定愛着スタイルがそのまま続くのはなぜだろうか?」
という、先の疑問に戻るわけです。

健全な愛着を育むのは、親なのか、仲間(世間)なのか、
あるいは生来的な特性(神経発達の問題)なのかについては
明確な答えがでていません。

クロニンジャーの理論で考えると
生まれつきの「報酬依存(人とのふれあい)の低さ」が
「拒絶・回避型/愛着軽視型」という対人関係パターンを形成し
「協調性の低さ」が身についてしまうようです。

自己志向は、自尊心として知られているように
自分が選択した目的や価値観に従って状況に合う行動を
自ら統制し、調整し、調節する能力であり、
「協調性」は、共感や思いやり、協働と関連する他者受容ですよね。

このような「自己志向」「協調性」の低いタイプの人が
「自分は愛着障害かもしれない」という「自己限定の語り」で
対人関係療法を申し込まれることが多いような印象を持っています。
(『気分変調性障害と評価への過敏性〜脳内劇場』参照)

つまり愛着障害かもしれないという「自己限定の語り」は
自分の選択に自覚と責任が十分に持てていない状態で
他者に対する非難と目的志向性が欠如した状態のようです。

愛着の問題を来しやすい「神経発達の問題(発達障害)」の関与は
完全には除外できないとしても
対人関係療法は「診断可能な発達障害自閉症スペクトラム)」に対しては
効果が認められていませんし、発達障害に併存しやすい
こだわりや思いこみなどの「強迫性」は対人関係療法の適応にはならないのです。

過食症」「気分変調性障害」などの病気に対して
対人関係療法の適応を考える上で
発達障害と愛着障害の鑑別は非常に重要になりますよね。

なぜいつも“似たような人

なぜいつも“似たような人"を好きになるのか

三田こころの健康クリニック公式ブログ『聴心記』では
「傷つき体験(プチ・トラウマ)」と糖質制限」というタイトルで、
最近、多く見かけるようになった
「傷つき体験(プチ・トラウマ)」のある人が
糖質制限」を行うことで過食症になったり
抑うつ状態が悪化した、というケースに触れています。

摂食障害は長く人生を損なう結果につながるため、
ダイエットを始めようと考えている方は
「やせればすべての問題が解決すると考えていないかどうか」
「自分は何を問題と考えているのか」についてよく考えてみて
ジャッジメントを手放すことが必要であることを書いています。

それでも食行動異常が続いてしまうと感じられる方は
三田こころの健康クリニックで詳細な診断を受けてみてくださいね。

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摂食障害・過食症対人関係療法 慢性のうつ病(気分変調性障害) の 精神療法 なら 三田こころの健康クリニック
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