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如実知自心〜三田こころの健康クリニック新宿〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-11-27

被害者意識と攻撃性からの抜け出し方

マインドフルネスは自分の置かれている状況を改善する積極的な方法を改善すると同時に、変化できない状況を受け容れなければならない必要性に気づかせてくれる。

ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


愛着の傷つきからの回復に必要なこと」で「自己攻撃状態」について説明し、「回避-軽視型」の愛着スタイルからの回復には、自分が親に何を求めていて、何が得られなかったから失望し、怒っていたのかを省察(メンタライズ)することが土台になることを解説しましたよね。

ジェイコブのように、抑圧した感情を爆発させることは多くの人が経験することである。私はこのプロセスを「過剰な同一化“over-identification”」と名付けてみたい。自己の感覚が感情的な反応に飲み込まれてしまうため、現実が歪曲されるのである。

「ああ、今の自分は少し神経が昂ぶっている。もしかするとこの状況を別の角度から見ることができるかもしれない」と考えるほどの精神的な余裕は残されていない。
一歩引いて状況を客観的に眺めることなく、私たちはその状況の中で自分を見失ってしまうのである。
私たちは物事に個人的な解釈を与えていることを忘れて、自分が現実を正確に認知していると思い込んでいる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


三田こころの健康クリニック新宿の専門外来での治療の際には、観察・解釈(考え)・反応(気持ち)を明確に区別することを強調していますよね。

頭の中の解釈(考え)を現実あるいは事実と錯覚することで、私たちは過剰な反応を引き起こし、「過剰な同一化」の自動操縦状態に陥ってしまうのです。

私がこのプロセスを過剰な同一化と呼ぶのにはもう1つの理由がある。
過激な反応、あるいはより正確に言えば過剰反応は、自己の感覚が関わるときにより頻繁に起こるものである。
私が自分のことを批判する他者を恐れていて、スピーチをする必要があって緊張していた場合、スピーチについて考えるときに思い浮かんだことが現実を大きく歪めることになる。
私は想像の中で人々に拒絶され、嘲笑され、腐った野菜を投げられる場面などを思い描くかもしれない。

この種の感情的な過剰反応を駆り立てるのは、自分自身の欠点や「悪い」部分を見ることを回避しようとする試みである。自己概念が脅かされると、現実の解釈は急速に歪むことになる。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版


ネフが「過剰な同一視」と呼ぶ「自分自身の欠点や「悪い」部分を見ることを回避しようとする試み」は、心理では「投影同一視」と呼ばれます。
その背景には「感情体験の回避」があり、現実を歪曲してしまいその解釈を現実だと思い込み(認知的フュージョン)、ますます現実が狭まってしまうのです。

メンタライズ力が乏しい人がピンチの時、苦痛が生じるたびに最も苦しい自己破壊状態に陥らない方法、それが「投影同一視」と呼ばれるものです。
内なる攻撃者「ヨソモノ自己」を対象に投げ込み(投影)、相手を自分のヨソモノ自己の性質そのもののような存在と認識(投影同一視)するのです。
(中略)
このように投影同一視は内側からの攻撃による「自己攻撃状態」の耐えがたい苦痛を減じるために使われます。
行動主体自己が育ち、健康なメンタライジングを用いて苦痛を軽減していくということができないため、そうして投影同一視を駆使してとにかく外に吐き出してしまわないと、自分がバラバラになってしまう、死活問題なのです。


崔『メンタライゼーションでガイドする外傷育ちの克服星和書店


心的苦痛を減じるための「投影同一視」ですが、内側には「自己攻撃状態」の耐えがたい苦痛が減じられることなく続いています。
「怒っている人は困っている人」、どころではなく、「溺れる者は藁をもつかもう」としているのです。

私たち治療者や支援者が怒りを向けられ攻撃されて感じる惨めさや無力感は、本人が今現在抱いている感情そのものであることに思いを馳せ(メンタライズ)、相手は怒りを表出しても決して安心しているわけではないと理解できれば、事態を打開することも可能になってきますよね。

この投影同一視は誰でも無意識に使ってしまっていて、理由がよくわからない人間関係のトラブルや、怒りを向けられる場面では、ほとんどこの投影同一視が働いているといわれています。

投影同一視を理解すること、つまり緊迫した場面で感じる自分の心の中の情動は、もしかしたら相手が感じている苦しさなのかもしれないとメンタライズできれば、自分を見失うことなくその局面を乗り越える可能性が広がりますよね。

自分が傷ついていることに気づいたとき、あなたには潜在的な行動の選択肢が3つある。
・自分自身に優しさと思いやりを向ける
・苦痛を抱えることは共通の人間経験だということを思い出す
・マインドフルな認識のもとで思考と感情を保つ
(中略)
驚くべきことは、この能力を自分に向けるときに他者に頼る必要がないということである。


ネフ『セルフ・コンパッション』金剛出版





三田こころの健康クリニック新宿【専門外来】の『聴心記』では『http://wp.me/p8s70U-Pztitle=身体感覚とアタッチメントと摂食障害からの回復]』というタイトルで、身体感覚の感じ方と、心や魂が何に飢えているのかを理解していくプロセスについて説明しています。

気持ちを身体感覚として感じてみることは、感情を感じることが苦手(アレキシサイミア)で、情緒的な葛藤に対して知的理解を多用することで対処しようとする人にとっては、身体感覚を感じてみる練習は、心の中で気持ちを感じるプロセスよりも、ほんの少しだけ取り組みやすいと思います。

さらに、「心や魂」が何に飢えているのか、「心や魂が必要としているもの」がわかったときに、それをどう活かせばいいかについても説明しました。

じつはこのプロセスは、本に書いてあるわけではないのですが、摂食障害から回復した人たちは必ずこのプロセスを通るのです。
わかってしまうと当然のことなのですが、このプロセスは獲得安定型の愛着を形成するプロセスでもあるのです。

治療でここまでサポートしていきますから、三田こころの健康クリニック新宿の【専門外来】で目指している摂食障害治療は、症状の消失だけでなく再発防止を目指していることがご理解いただけると思います。

過食症」「むちゃ食い症」だけでなく、「不安定型愛着」や「不安障害」など、薬に頼らずに本気で病気を治したいと考えていらっしゃる方は、【専門外来】に申し込んでくださいね。

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摂食障害・過食症 の対人関係療法慢性のうつ病や双極性障害の リワーク(職場復帰支援) なら 心療内科専門の三田こころの健康クリニック新宿
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