2. チベットの総括的研究
昭和54年(1979年)に始まり、昭和58年度(1983年)文部省在外研究員派遣(長期)事業『ラダック地域におけるチベット系住民の生態と世界観に関する研究』、および、平成元−2年度日本学術振興会国際共同研究『西チベット民族の生態と世界観の動態に関する文化人類学的研究』以来、現在に至るまでの30年間にわたり、インド領西チベットをはじめ、インドのチベット難民社会、中国領チベットなどにおいて、チベット文化の文化人類学的調査・研究を進めてきたところである。
さらに、上記の調査・研究に続き、平成18年度以後は、『チベットの文化復興とアイデンティティの形成に関する文化人類学的研究』(平成18−21年度科学研究費補助金、基盤研究(B)(海外学術調査)が、中国チベット自治区、青海省、甘粛省、四川省において行われてきたところである。これらチベットの広域的、かつ集中的調査・研究に基づき、チベット文化圏全域の概観を把握し、同時にチベット研究の国際的現状とデータベース作成状況についての分析が行われた。
したがって、今後、フィールド調査、フィールドデータの整理、分析に基づき、チベットの総括的研究を行うものである。