ミュゼ88号から佐用町昆虫館

ミュージアムを『自分化』するための博物館・美術館ジャーナル」というキャッチフレーズの雑誌『ミュゼ』。その第88号に佐用町昆虫館についての記事がありました。執筆したのは兵庫県人と自然の博物館職員であり,NPO法人こどもとむしの会に所属するの八木剛氏。
1971年に開館した兵庫県昆虫館が財政難等を理由に2008年3月をもって廃止されることとなってから,最終的に2008年4月に兵庫県佐用町の施設として再オープンするまでの経緯が紹介されています。
敷地面積942㎡,延べ床面積165㎡,「県」時代の2007年度の予算は500万円程度という施設。
人口は約2万人の佐用町に施設が譲渡され,2008年度はNPO法人こどもとむしの会が指定管理者となって,運営を開始していますが,指定管理料は年間約200万円。財政的に厳しい中で,開館日数は年間70日と以前に比べ4分の1となりましたが,館の存続に向けて様々な人が町行政に働きかけながらも,ともに考え,ともに活動している様子が紹介されています。
継続に向けた取り組みは感動的ながら,これまでの,そして今後の荒波が予測されるところもつらいところです。


他に,三木美裕氏による金融危機アメリカの博物館の状況に関する記事もおもしろい。マサチューセッツ・ブランダイス大学ローズ美術館問題など。(参考→AAM Statement on the Closure of the Rose Museum at Brandeis University)

10月15日追記

2009年台風9号佐用町昆虫館は大きな被害を受けています。いま佐用町昆虫館復興義援金の募集が行われています。詳しくは10月15日のエントリー「佐用町昆虫館復興義援金」を!
また,上で紹介したミュゼ88号の佐用町昆虫館の記事が,兵庫県人と自然の博物館のサイトにアップされていましたので,リンク(pdf)します。