『なでしこ御用帖』

なでしこ御用帖
宇江佐真理が好き。時代小説は一切読まなかったけど、この人の本だけは読んでいる。その中でもいちばん好きなのが『斬られ権佐』という小説で、これは権佐の孫娘が主人公。なでしこちゃんこと紺がすごくいいキャラクター。楚々とした雰囲気で、たぶん地味できれいな子なんだと思う。でもすごい酒豪で、17歳にして毎晩飲むし、「何やってんだい」「何言ってんだい」が口癖で、しゃらりと悪態をつくんだけど、雰囲気がふんわりしてるので、相手はそれが悪態とは気づかないっていう。権佐の血か、好奇心が強くて捕り物に手を出す、その事件簿って感じ。権佐が本当に好きだったので、ところどころに「祖父ちゃんが」とか「斬られ権佐は〜」とかいう箇所があるときゅんとする。ああいい話だった。やっぱり好きだなあ。