「大山鳴動鼠ゼロ匹」で終わる企業統治改革

コーポレート・ガバナンスというと、企業経営者の暴走を防ぐ「ブレーキ」機能を強化せよ、という議論に聞こえるが、本来は、利益追求をする企業経営者の背中を押す「アクセル」機能もあります。企業が剰余金を抱え込んで新規投資をしない、と批判されますが、これもコーポレート・ガバナンスの機能不全が引き起こしている問題だと言うことができます。企業にもっと儲けて、給料や配当、税金などをもっともっと払ってもらわなければ、日本経済は復活しません。そんな話を、フォーサイトに書きました。ご一読いただければ幸いです。


 法務省の法制審議会は8月8日に会社法制部会を開き、会社法見直しのための要綱をまとめる。これを受けて政府は会社法改正案を国会に提出する見通しだ。企業統治(コーポレート・ガバナンス)の強化が最大の焦点だったが、試案として示されていた「社外取締役の1人以上の義務付け」も、日本経団連など経済界の反対で、あっけなく棚上げされた。会社法改正は企業に都合の良い規制緩和ばかりが繰り返されてきた。企業に厳しい規制の導入は1993年改正以来19年ぶり。しかも、社外取締役1人以上の義務付けという極めて低いハードルだった。それすら嫌だという経済界はあまりにもひどいのではないか」長年、商法改正を見てきた法律学者は吐き捨てるように言う。オリンパス事件や大王製紙事件など、経営者自身が関わった不祥事が相次いで表面化し、経営者の暴走を防ぐ手立ての必要性が叫ばれているにもかかわらず、経済界自身が襟をただそうとする姿勢を示す…

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