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2014-07-28

WSJ162カ国に日本の魅力発信を

| 11:50

1971年の朝霧高原でのジャンボリーに行った人の多くは60歳前後になっているはずです。日本のリーダーとして活躍している人の中にたくさんボーイスカウト出身者がいるということはなかなか知られていません。フジサンケイビジネスアイの1面コラムに書きました。→ http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/140721/cpd1407210500001-n1.htm


世界162カ国から3万人のボーイスカウトが集まるキャンプ大会「世界スカウトジャンボリー(WSJ)」が来年夏、山口県きらら浜で開かれる。日本での開催は1971年の静岡朝霧高原以来で、44年ぶりのこと。政財界を挙げて支援する態勢づくりを急いでいる。

 開催までちょうど1年となる7月30日にキックオフの記者会見を開くそうだ。会見が予定されているのは森喜朗元首相と御手洗冨士夫・元経団連会長。WSJを支援する「日本委員会」で森氏が総裁、御手洗氏が会長を務めるためだ。

 実はこのお二人、2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会の組織委員会では御手洗氏が会長で森氏が副会長、20年の東京オリンピック組織委員会では森氏が会長、御手洗氏が名誉会長を務める。世界が注目するビッグイベント3つを一手に引き受ける役回りを担う。そのホップ、ステップ、ジャンプと続くイベントの第1弾がWSJというわけだ。

 1971年のWSJは日本が高度経済成長の真っただ中にあったこともあり、財界を挙げて支援した。石坂泰三・元経団連会長自身がボーイスカウト日本連盟の総裁でもあった。当時、青少年育成や社会奉仕を標榜(ひょうぼう)する団体は少なく、政府も財界もボーイスカウトを応援しやすかったのだろう。大会は大成功を収めた。

 まだまだ海外旅行が難しい時代、世界中から集まったスカウトたちは直接見た日本の印象を自国へ持ち帰った。日本といえば安い工業製品のイメージばかりが先行していた。日本人の素顔や文化を世界に広め、日本ブランドを売り出す役割を果たしたのは間違いない。

 日本国内からも多くの青少年が参加したが、その中には少年だった豊田章男・トヨタ自動車社長もいたという。その後、政財官界で活躍する多くの国際人もこの大会から巣立っていった。たくさんの外国人と直接触れ合う貴重な機会だったのだ。

 今また、日本を世界にどう売り出していくかが大きな問題になっている。工業製品を大量に輸出する日本経済の形が変わり始めて久しい。日本の文化や生活に対する世界の関心は大きく膨らんでいる。安倍晋三内閣も成長戦略などで「クールジャパン」の推進や、日本食を世界に売り出す取り組みに本腰を入れ始めている。

 そんな折、3つのイベントで多くの外国人が日本を訪れるのは、日本にとって大きなチャンスである。日本の素晴らしさを知ってもらい、世界へと日本の魅力を売り出していくことができるのだ。WSJに参加する162カ国の中にはまだ発展途上の国々も多い。そうした国の若者が大きな期待を抱いて大勢やってくる。ホームステイを希望している青少年も多いそうだ。

 44年前との違いは大会の運営財政が厳しいことだという。政財界の大物が顔役を務めているものの、企業の寄付などはなかなか集まらない。ボーイスカウト日本連盟の理事長を務める奥島孝康・元早稲田大学総長らは、日本企業の技術やブランドを世界に売り出すチャンスになると、企業への協力を呼び掛けている。2020年へと続くビッグイベントの初っぱなが成功するか。注目される。