田中ロミオ『人類は衰退しました』
「おいしいっ」
ひとり増えてしまいそうな味わい。
- 作者: 田中ロミオ,山崎透
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/01/19
- メディア: 文庫
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妖精さんの、ひみつのおちゃかい
うおお……これはきつかった。リアルでもMP切れ起こしそうな低調期なので余計辛い。
これまで細々とした語られなかった、主人公の学生時代や友人Yのお話。なんですが、他の子供らより遅れて入学した主人公は周囲から浮きっぱなしで、その学生時代は厳しいスタートなのでした。
リアルペインで読者の心をくじくノリが、AURAと同じ階層のロミオを感じさせる。
こう、胸にパリパリのアルミホイルで包んだプラスチックを突っ込まれ、それを丹念に折り曲げ潰し割る音を延々聞かされ続けるような精神力掘削構造。
まあそんな状況も、妖精さんの登場で乗り切っちゃうんですけどね!
ただ、六巻での鳥人間大会のような派手に力業で乗り切るのではなく、静かにじんわりとした活躍だったのですが。というか、妖精さんの影からの助力でナニコレいい話、という回。
主人公が友達を作れるようになってからは、お気楽なノリになって安心安心。巻き毛ちゃんとか禁書目録の黒子思いだすわあ。どんなトラウマ抱えてたんかしら。
しかし小ネタの元ネタが分かるとクスリと出来るのも、この作品のいいところ。文化助手機ってまんま夏への扉(旧訳)やんけーw
妖精さんたちの、いちにちいちじかん
いつの間にか発動していた妖精的アイテムの効力で、里が大変なことに! という、つまりいつも通りのシリーズに戻ってまいりました。
今回はクスノキの里全体がゲーム世界になってしまってさあ大変……ん? グリードアイランド?
グミが消える現象はすぐぷよぷよだと分かりましたけれど、建物消失がテトリスで、しかもその原理がペプチドを用いて(強引ながら)論理的に説明されてるバカさ加減がすがすがしい。タイムパラドッグスに匹敵だね。
序盤の視線ネタがガンパレでつい嬉しくなったり。
ドラゴンがDの字で表現されてたのは何のゲームだっけな……。
ふーどぷろせっさーはあれですよね、かみをも殺すチェーンソー。
でも、描画レベル最高(10000ポリゴン)時の妖精さんたちが嫌すぎる。
コンフィングメニュー奪い取るシーンも含め、漫画とかヴィジュアルで楽しみたいお話でした。そういえば漫画化されましたが、未見ですけど評判はいかほどかな?
さー早く六巻も消化するぞー。