真じろう『タブー・タトゥー』1

 正義は『理』であり『法』だ?
 だったらオレはお前の『理法(せいぎ)』を喰らってやる

タブー・タトゥー 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

タブー・タトゥー 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

 正しき良性中二病漫画、ただし新人ゆえまだ荒削り、な一巻。三話収録なのですが、一話と三話では作者の成長が感じられるんで、次巻も買いたいところです。今三巻まで出てたはず。
 主人公は赤塚正義(ジャスティス)、通称セーギ。DQNネームとして作中でも突っ込まれているが、本当に酷いw 弱い者イジメは許さない格闘バカの彼は、いつものように助けた相手から『呪紋(タトゥー)』を託されてしまい……と、まあベタベタ。古代兵器てあーた。
 超常能力を発揮するタトゥーというのはデザイン的にオイシイというか、それだけでも中二度は高い設定ですが、その中でも超強力で扱いの難しい奴に主人公が適合しちゃうわけです。
 舞台は一応現代日本ですが、セリニスタン王国という架空の国家が存在する所がポイント。南アジアの新興国家で超巨大。ネーミングの法則はインド系なんですが、王女始め王国の刺客が白人っぽいのはどうなんだ。
 主人公はアメリカ軍人のおっちゃん(相棒に萌えるヘタレ)とロリ婆(タトゥーのために成長が止まっている。軍人のくせに尾行がド下手な萌えキャラ)に監視されたり協力したりしながら、戦いに巻き込まれていきます。
 かなりベタベタというか王道というか正統派な感じで、お約束を求めるにはまだ少し絵や運びが粗いのが難点か。ただ、それを補うように作者がちょいちょいギャグを入れてくるので、それが面白いなら続きを読んでいくのも悪くないと思う。
 格闘シーンにはかなり力が入っているのが感じられるし、何だか後々化けそうな予感もあって楽しみというか……。うまくブレイクしたらアニメ化の目も……なんて思うのはもちあげすぎだろうか?
 そういえばカバー下の四コマで世界設定が一部開かされていたが、「外国人だらけのキャラたちと、日本の学生である主人公が言語に不自由せず意思疎通できる理由」が、「この世界はエスペラント語が普及しているから」というのに大笑いしました。良い意味でかっ飛んでいるというか、エスペランティストなのか作者。