issyunの日記

2006-11-24

『名文素読暗唱法』山内清著vs『素読のすすめ』安達忠夫 00:04

内容の似通った本を複数冊同時購入することがよくある。それぞれ別々に感想を書いてもいいのだが、比較対照したほうがそれぞれの論点が明確となり、私の理解が深まる可能性が期待できる。というわけで今回はその一回目。

それぞれ簡単に要約しよう。

『名文素読暗唱法』(以下『暗唱法』)

毎日5分ほどの素読を提唱。カード方式。素読に適した文章を書いたB6判のカードを50枚ほど用意し、その中からその日の気分で2,3枚選んでそれぞれ1,2回大声で朗読する。それだけ。解説なし。ただ、はっきりと大きな声で音読することだけは注意。漢字にはルビ付。毎日素読しするが日々素読の文章は違い、同じ文章に半月後また出会うのが新鮮さを与える。カードは時々入れ替える。こどもの様子で「気乗りしない」カードがあるのを感じたら、そっと入れ替える。

素読のすすめ』(以下『すすめ』

意味よりも音の響き。素読は感受性を増す。「音訓式素読」を提唱。「音訓式素読」とは、まず音読みで一句読んだあと同じ文を訓読みでも読む。例えば杜甫の春望なら「国破山河在 城春草木深・・・」であるが、これを「コクハサンガザイ 国破れて山河在り ジョウシンソウモクシン 城春にして草木深し・・・」と読むというもの。著者が自称「寺子屋」で近所の子どもたち相手に実践したところ、音読み直読が非常によかったとのこと。この本のすごいところは、初版が1986年というところ。昨今の「声を出して読もう」ブームに15年先んじている。

共通点としては、いずれの本でもシュリーマンが出てきた。やはりというべきか。

★比較評価★

おまけのつもりで購入した『暗唱法』の方が私の好みであった。最初に要点だけ手短にまとめ、あとは暗唱文の紹介に大部分を費やすという思い切りの良さに好感を持った。筆者お勧めのカード式暗唱法も実用性が非常に高い。

逆に『すすめ』の方は、やや冗長。暗唱の具体的方法・暗唱題材のスペースをもっととってくれていたら、もっといい仕上がりだったと思うのに残念だ。音訓式素読もイライラしそうな方式に感じられ、「どっちかにしてくれ」というのが正直な感想だ。

結論。勝者『名文素読暗唱法』!