ダン・シモンズ Ilium 読書メモ

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ダン・シモンズイリアムISBN:0575072601

関係した本など

数字は章の番号。ネタバレありなんで先は読まないほうがいいです。ゆっくりスクロールしてください。








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  • 隠れ兜:映画『タイタンの戦い』ではヘラクレスが誰かからもらったんだっけな。(追記:ペルセウスだった)。あともちろん The One Ring も連想。
  • フェイズシフト:ゼラズニイの『真世界シリーズ』でアンバーの王族が使うシャドウシフトにそっくり

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  • プルーストの引用: なんか難しくってあたし分かんないけどぉ〜、説教してるみたいで〜、好きじゃないとしないような説教みたい〜。好きなんだったら言うこと聞かなくてもいいかな〜みたいな。ずっと聞いててもいいけどぉ〜、なんか遅れそうだから行くねぇ〜。

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  • 火星の地理: 地名は全てギリシャでなく火星の地名。地図→http://www.the-planet-mars.com/map-mars.html
  • MPS: Mars の GPS
  • Hang on: 何度も出るけど、どう訳すのかな。あと他にも "literally なんとか" っての多いよな。英語慣用イディオムの文字通りの情况になってる、っていうの。訳が大変そう。

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  • みんな英語しゃべってるのはそのうち説明あるだろうと思ってたけど、さすがにヘクトルが四文字言葉はどうよ、って感じ。まだ説明ないのか。
  • Ionian sea: 地中海の地域。木星の衛星ではない^^;
  • Morph の仕組み: まー量子ネタは話半分で読んでりゃいいんじゃないかと。波動関数が収縮しないとなんで変身できるんだ。わけわかんねー。
  • God と gods: God と書くとキリスト教とかの唯一神

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  • "Does illiterate's tool stand any less erect?" Horace という人とか、似た文を検索したけど見つからなかった。tool はdick かなぁ。
  • Singing sword と The Lady of the lake: アーサー王伝説エクスカリバーが歌う設定のバージョンもあるのか。いずれにせよ後の時代の話だけどオデュッセウスは勉強したのかな。

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  • In for a penny, In for a pound: やり始めたらやり通せ、という意味。このへんすべてそういう意味の成句。
  • フィッツジェラルド:作家ではなく翻訳家らしい。 R.フィッツジェラルド訳『オデッセイアISBN:0374525749 他の名前も翻訳者
  • the gollum: 固有名詞なんで正しくは冠詞なしGollum と書く。シモンズ自身はインタビューで Gollum と言ってるんで、これはホッケンベリーがうろ覚えで言ってるんだろう。
  • to bind them all: One ring to rule them all, One ring to find them, One ring to bring them all and in the darkness bind them.

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  • アインシュタイン: 量子論を批判して「神はサイコロ遊びをしない」という言葉が有名。また EPR パラドクスと呼ばれる思考実験を提案し、これによると情報が光速を超えて伝搬するように見えるのでおかしいと批判した。後にこれは実際に起こることが示され、量子テレポーテーションなどはこれを利用している。
  • ハエ: わらた。

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  • デウス・エクス・マキナ: 昔の演劇では主人公がピンチになると脈絡無く神の乗った箱が出てきて助けた。この箱の名称。
  • Greek: It is Greek to me で「ちんぷんかんぷんだ」という意味だけど、実際ギリシャ語なんだな、わはは。

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  • Caliban on Setebos: http://eir.library.utoronto.ca/rpo/display/poem267.html に原文あり。 以下 CoS と略
  • He creeps down ... vex is now: CoS 冒頭からの引用
  • orc's armour: 指輪のオークは造語なんで違うよな。なんだろ。これも CoS からの引用らしい。シャチかな。
  • 台詞だけじゃなく地の文もかなり CoS 引用あるな。コンテキストに引っ張られるからあまり気にしない方がよさそうだ。
  • CoS は日本語訳存在しないのか。訳が大変そうだ。原典のコンテキストから外れないようにもしないといけないから。

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  • "We are such stuff as dreams ...": Tempest といえばこの台詞というくらい引用されまくってます。どこで出るかと待ってましたが、「うるせーヴォケ!」とさえぎられて大笑い。後で量子ネタと絡んで出てくるかと思ってた。

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  • "No man": オデュッセウスが「そりゃいい、憶えとこう」、笑えます。オデュッセイア参照。しかしエオウィンの I am no man と同じく訳しにくいな。
  • 家に帰るのにどれだけかかりますか?: 彼にそう聞くのは酷だろう(笑




いろいろ謎は残る。まず世界線の絡み方。特に戦争してるトロイはどこなのか。過去の地球か、別の宇宙か。今のところオデュッセウスだけがその世界と別の世界線をつなぐ手掛かりになる。あと turin cloth はライブなのか録画なのか。オデュッセウスが同時に存在はできないから録画かな。地球にいる彼はすでに戦争が終った時点のオデュッセウスだろう。モトネタからしても。量子嵐かなんか(Quantum Tempest!) で別の時空に飛ばされたか。そうすると地球と火星の時間的関係は分からない。あと、彼が戦いの準備をしてるのは何に対してか。voynix は何者か。分からない。思いだすのはハイペリオンの十字架とコア。なんらかの形で人類を利用してるのか。

ゼラズニイのアンバー世界では、シャドウシフトは並行世界の中から自分の意志で望みの世界を選んで転移していく。QT は実はそれに近いのかも知れない。同じ世界で情報を持ってテレポートすることは不可能だから。ホメロスなどのすぐれた意識を持った人間が宇宙を量子的に(?)作るという説もオルフが述べてる。これはノイマン観測問題の解釈をSF的にパワーアップした感じ。プロスペローの有名な台詞とも符合する。

仄めかされてる事実としては、他の宇宙からワームホールを通って voynix や神々がやってきて、セティボスが神々を強くした。

  • セティボスは何者なのか
  • LGM は何者なのか
  • プロスペローとの関係は?
  • キャリバンはどうやって産まれた?
  • Quiet とは何者?

さて指輪で言うとゴンドール前にローハン騎士が集結して「フォース・エオリンガース!」てとこで「続く」になって「早く続編読ませろゴルァ!」状態ですが、作者のページ http://www.dansimmons.com/ では初めの一章だけ読めます。改行後に感想。


















モラヴェクのハイテクでバリアを張ったトロイの城塞に神々の攻撃が続き戦闘は膠着状態。すでにそうなって長いようです。イリアスと同じだ。しかし今度は神VS人間のガチンコSF戦争。伏線は全て回収されるのか!?つーかもう伏線だいぶ忘れたよ。






















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