Hatena::ブログ(Diary)

Dr.Kato’s Bar

2016-11-22

カルチャロミクス 文化をビッグデータで計測する

知財の保存は古く先史代,羊飼いが小石(計算calculs:歯石の語源)を用いて頭数を記録(アーカイブ)したのに遡る,石窟壁画の象形は文字となり,書籍や新聞など,現在までに膨大なデータとなった.著者らはすべての図書館蔵書を自動スキャンし,電子化する計画を立てた.当初,著作権個人情報問題で危ぶまれたが,"言葉"の出現頻度と歴史軸情報だけで人類文化を可視的に分析した論文が2010年Science誌に掲載され,同時にそのデータはGoogleで公開された,受験英語の不規則同士は規則化されつつあり,有名人(クリントンBeatles)名の出現率には半減期がある.事件や戦争などの負の集団記憶には忘却曲線がある.逆に脳磁計を用いて記憶を外部化し,死後も自己保存をめざすSF張りの構想もある.エッ! あなたのそのひと言もBig Data?

2016-07-04

 現在の多細胞生物はすべての材料(Cell Staff)や動力源(ミトコンドリア葉緑体)、細胞接着、公共機能(微生物群落のクオラムセンシングから)等の仕組みを微生物から拝借して進化している。古細菌、細菌やウィルスは、遺伝子の水平伝播により素早く変化に対応し地球創始期の環境さえ変えた。24億年前シアノバクテリア酸素を生み出し大気オゾン層を形成し有害紫外線をカットした。02濃度上昇によるCO2やメタンなど温室効果ガス減少で全球凍結が起こった。火山活動などで再度気温が上がった際、氷河などが地中のリンを削り出し海水中リン濃度を上げ、これを利用し(核酸、骨格、ATP等)生命の多様性大爆発が起った。微生物は死後も地中深くエネルギーを蓄え、地球環境〜ヒトの腸内細菌まで、今も我々を支配し続けている!

2016-06-02

9月27日 ITDN主催セミナーのご案内

歯周病を、いま一度考える”の表題で、2016年9月27日、庭のホテル 東京 2F“燦“会議室(JR水道橋駅東口 東歯大新館 白山通り向かい)セミナーを開催します。

  

米国ではOne Healthという新しいコンセプトのもと、ヒト、動物、さらに環境の健康を同時進行で推進するという動きが出てきた。歯周病は犬や猫といったペット動物でも多く見られる。人と動物での類似点、あるは相違点という観点から、新しい病態論が生まれてくるかもしれない。さらに、Drug Screeningや16S metagenomicsといったビッグデータが、これまでの仮説を証明する研究方法論に新しい方向性を示し始めた。本セミナーでは、歯周病を今一度、一見無関係と思われるようなデータから考証してゆきます。

UCLAの西村先生にご講演いただいます。皆さんふるってご参加下さい。

http://implant-kato.com/archives/nishimura_20160927.pdf

2016-03-29

ITDN主催セミナーが歯科展望に掲載されました。

2015年12月27日東京国際フォーラムで開催したITDNインプラントセミナーの内容について、UCLAの石島先生より、歯科展望 Vol.127 2016年4月に寄稿、掲載されましたのでアップいたします。

:歯科展望記事はこちら

2016-02-14

ヒトラーの科学者たち

 2つの世界大戦ドイツ最高峰の科学者たちを翻弄した.

ロンドン空襲のV2ミサイル開発のファン・ブラウンはユダヤ人虐待の汚名を背負い戦後米国帰化し,アポロロケットを月に導いた.一方,アインシュタインに天才と評されたハーバー(ノーベル賞受賞)は,毒ガス兵器開発で妻(初の女性博士)を自殺に追いやり,ユダヤ人排斥で研究所を追われ,自ら開発したチクロンBは600万の同胞の命を奪った.

また排斥された多くの学者は米国原爆開発に協力した.現代科学はパトロン(科研費請求しかり)に異様に依存的である.ニュートリノが注目の日本だが,ブレずにいかないと科学も道を誤る. 負の歴史もあるが闇に目を向けてこそ見える光もある!

2015-12-06

THE SIXTH EXTINCTION

米国自然史博物館の足元プレートにこうある.”地球規模の気候変動により種の大絶滅に5度遭遇した”.そのたび役者が総入れ替えになった舞台のように繁栄生物が変わった.最後は白亜紀末に起き,その地層のイリジウムの多さから地球外物体の衝突説が1980年代に認められた.”人類の出アフリカ”により6度目がすでに起動している・・・! 人の分布にともない,両生類の大半の種が絶滅し,鳥類,大型哺乳類の乱獲(繁殖と成体への期間が長いため),果てはネアンデルタール人に至るまで(4%のDNA痕跡をわれわれの遺伝子に残し)絶滅に追いやった. 生命進化樹頂点の人類, 温暖化環境破壊により今, 自らの枝まで切り落そうとしている!?

6度目の大絶滅

6度目の大絶滅

2015-05-14

「インプラントにおける治癒の病理」講演会

2014年12月21日(日)表記がITDN-Tokyo主催(東京国際フォーラム)にて行われた.「新編治癒の病理」(2011),「やさしい治癒のしくみとはたらき」(2013)著者の下野正基(東歯大名誉教授)先生にインプラント臨床の疑問に答えて頂いた. 

 講演に先立つ打ち合わせにて“貴君(きみ)がボケで私が突っ込む漫才調でやりましょう〜!?”と,ご提案を受けた.“ボケる“のは得意なので早速,前振りの症例を探し始めた.

閑話休題–(–それはさておき–),本会では, 1.顎骨内病変(根尖病変・エナメル上皮腫など)の発生機序と骨内欠損の治癒.2.咬合力とインプラント周囲骨組織として,過度な力が歯周組織に及ぼす変化について.3.インプラントと天然歯周囲組織の防御力の違いなどについて解説された.

⒈ではまず筆者がエナメル上皮腫区域切除後再建移植された腸骨にインプラント埋入した長期経過例と,嚢胞摘出や歯根端切除の骨治癒経過例を供覧し,下野先生にその発生機序と鑑別法,適切な処置と治癒機転を解説頂いた.

2.の力が歯周組織に及ぼす変化については、吉野晃先生(東京都北区開業)が骨は進化の過程で生命が揚陸した際の重力に耐えるためや,免疫機構内包のため役割が多様化した経緯を述べ,力とインプラントの関係について質問された.

3.では先の下顎骨区域切除移植骨症例では歯槽固有粘膜は無く口腔粘膜から直接アバットメントが貫通していることを示し,この部の治癒の機序や,天然歯周囲軟組織とインプラント周囲軟組織の付着の違いについて解説頂いた.

 インプラント周囲上皮の弱点として,内側上皮は非角化上皮から成るので天然歯付着上皮より3倍も遅いターンオーバーであること.CEJが欠如しており接着タンパクは一部のみの発現で弱く,インプラント周囲上皮には歯肉血管叢はみられず,従って歯肉溝滲出液による防御機構も期待できない.歯槽上線維群も部分欠如しており機械的障壁が低いなど.

 また初期の骨吸収(皿状骨欠損)原因として,歯根膜が無く炎症・免疫応答が遅く防御が弱いためや,CEJがないため上皮先端の位置が骨頂の位置によって決まり生物学的幅径にも不利なこと,過度な応力については,矯正治療の知見から穿下性骨吸収(内部骨吸収)により血管のないインプラント周囲骨側からでなく,血管の多い(破骨細胞は循環血液の単球から分化する)骨髄側から短時間で広範囲な吸収を起こすなどが挙げられた.

−−−−恩師である下野先生に講演を依頼するにあたり大学の友達に,その人となりをリサーチした.1. 一流の研究者で紳士である.2. 留学先がミラノイタリア通.3. 北海道出身のワンゲルOBで日本100名山のうち過半数以上を登破.なるほど!と思わせる反面,自筆の挿絵(シモノ画伯作)を本講演のため,わざわざ画材屋で絵筆を調達して描いていただいた大作を多用しての解説は,我々素人の脳みそに少しでも記憶を残し,今後のヒントを与えたいというパッションを感じた.“ボケる”どころか,講演後も暫くプッチーニの“誰も寝てはならぬ!”が私の頭の中で鳴り続いていた−−−−

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双子の遺伝子「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける

 自然発生のクーロンともいうべき一卵性双子の疫学研究より,盲信されてきたメンデル/ダーヴィン以来の遺伝学の定説※に異を唱える本書(※:遺伝子は生命の不変的根源で運命は変えられない,環境要因は遺伝子に永続的に作用しない.先の代が受けた後天要因(エピジェネティクス)は受け継がない).見た目もDNAも同じ双子,実は発生して母体にいるときからすでにホルモンをはじめ,激しい世間の荒波に翻弄され,大きく運命片方だけが肥満やがん体質,ゲイ,等)は分岐していた! それは祖父母の時代の飢餓や戦争PTSDさえも受け継いでしまう.IPSなどの培養操作や体外受精時の皿のBPA(環境ホルモン)微漏も例外ではない

―――エピジェネティクス恐るべし!!

2015-01-04

UCLA西村一郎教授 「疼痛を伴う神経障害という難病に立ち向かって」講演会

 2014年7月28日(月)東京歯科大学水道橋本館会義室にて表記の講演がITDN-Tokyo/歯周病勉強会主催にておこなわれた。2000年より年一回開催の西村講演は独特で、濃密なディスカッションに重きをおいた参加型の内容だ!

 “最近,司馬遼太郎に凝っていてネ!”数年前の暑い昼下がり UCLAのオフィスを訪ねた際の教授のこんな言葉を、講演後思い出した。

閑話休題–(–それはさておき–)、今回は三叉神経痛をはじめとする顎顔面痛の発現の謎解きから始まる。神経の細胞膜を貫通するタンパク質でNa+を制御するVoltage-gated Naチャンネル(NaV)は現在10種程確認され、各々異なる神経障害に関与している。この合成を阻害する遺伝子mRNAを細胞に導入すれば治療の道が開ける。当然司令塔である核に指示を与えなければ成せないが神経細胞は特異な形態をしており、核を有する細胞質と末端線維は座骨神経等ではヒトで1つの細胞が1mにも達する。知覚神経ではその末梢が表皮直下まで来ている。

 血管・脊髄や経口投与ではなく、 今回その末梢皮下への注射と経皮投与(トランスダーマル)が試みられゼラチン(+10mvに荷電)を7.5:1比で遺伝子と混合した600nmのいわば人工ウィルス感染ともおぼしきデリバリー法の高い導入効率が示された。

 神経痛の強烈な痛みはNaV1.8が発現している細胞で認められる。 P11という低分子タンパク(P)はNaV1.8の設計図であるNaV1.8mRNAの細胞膜への移動をつかさどる。これを合成するDNAの一部 [1-127]のみを阻害できれば他のNaVへの副作用リスクも減る。

 低分子Pの研究より、新たな知見が得られた。最初細胞質内の核の近傍で合成されたNaV1.8が神経繊維末端に運ばれて来ると考えたが、その前駆のmRNA のまま、神経線維細胞膜に運ばれそこで転写合成されていた。また、NaV1.8mRNAは神経に傷があっても無くてもその量は変らず、その亜型d−NaV1.8 mRNAが有意に増える。この病変mRNAは3`UTR末端部が大きく変異しておりこの部分直接への遺伝子治療が現在模索されている。

 ディスカッションでは、この荷電ゼラチンにmRNAや低分子Pを包み、知覚のみならず運動神経にも経皮や舌粘膜下よりの神経導入の可能性があることや、新たに示された細胞膜近傍でのmRNAからNaVへの転写のメカニズム、麻酔薬との混合による臨床応用、神経損傷の大きな症例での応用、巷の話題STAP細胞研究の行方にまで及んだ。

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−−−−2年前のUCLAでの暑い日、“司馬は学生時代、蒙古研究会に入ってテネ!?”この遊牧の民は、羊の群れの中にあり常に移動し姿を変え、その土地での文化や環境に適合し、やがて融合し大陸を掌握し溶け込んで新たな文化を各地に生んでいった−−−−.一つの流れが次の流れを呼ぶ今回の内容は、そんな西村教授の話しを彷彿とさせた。

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ダーウィンを数学で証明する

ヒトゲノム配列解明から早10年!! ダーウィン進化論に有利な経験的証拠はあるが、数学的証明(アプリオリ)がないので”メタ生物学”を提唱する著者、ラ・メトリは、1748年に人体(ハードウェア)を機械構造と同じに数理的に論じようとした。本書はDNAをプログラミング言語に擬えて”人間ソフトウェア論”を提唱し、神化史(エラの時期さえある)を発生中の胚で繰り返し人体をアルゴリズムで組み立てている。進化は確立的変異をともない、この最短期間がNなら”シラミつぶりの探索(=2*N)”より実際ははるかに早いN2〜N3だ・・・! ついに、人類は”命”の最終形も計算しうるのか!?

2014-08-19

2014年12月 ITDN講演会 

治癒の病理 インプラント

上記講演を2014年12月21日 10:00〜16:00 東京国際フォーラムG棟 会議室にて開催いたします。

真理探究する多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。


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詳しい情報、お申し込みはこちら

http://www.implant-kato.com/archives/201412semi.pdf

アナロジー思考

ゲイツやジョブスが巨大企業のラボに眠っているアイデアを具体化してPC革命がなされたように、できるだけ遠い分野の技術を借りてきて組み合わせる思考を”アナロジー(類推)”と呼び、たとえば、電力のインフラが、企業個別発電から電力会社の発電所に集約した経緯を類推し、インターネットのクラウド化は生まれた。科学や物理の分野でも多くの発見をみている。柔らかい発想で遠くから借りてくるオープンマインド。たとえ話でうまくプレゼンする訓練や比較力が鍵だ!では、あたなの類推力は?!謎かけです!

 のれんとかけて、セールスマンと解く。その心は??



答:外に出れば、営業中

アナロジー思考

アナロジー思考

2014-06-08

UCLA西村一郎先生講演会 2014

「疼痛を伴う神経障害」という難病に立ち向かって-研究室の声

上記講演を2014年 7月28日(月)19時〜21時

より、東京歯科大学水道橋病院にて開催いたします。

終了後 場所を改め懇親会の予定があります。西村先生のご研究の内容や今後のテーマなどをカジュアルな雰囲気で話し合える絶好の機会です。多数のご参加をお待ちしております。

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詳しい情報、お申し込みはこちら

http://www.implant-kato.com/archives/semi_nsmr.pdf

2014-02-08

元素検定 The ELEMENT EXAMINATION

元素周期表”?を覚えてますか?!古代ギリシャ人が星空を眺めて万物の答えを求めたように、われわれは18世紀からこの科学の黙示録の解明と完成に挑み、この世の成り立ちを解き明かそうとしている。地球クラーク数、O(49.5)、Si(ケイ素25.8)、Al、FeCaMgの%順で、宇宙は、H、He、O、Cの順で構成されている。それぞれ、質量とエネルギーをもち生体内でも流れのなか、生き物の機能と形態を維持して治癒や再生に利用されている。生物化学防人たる歯科医師も臨床応用のロジックに本書のQ&Aを活用されては如何だろう!ではQ;ヒトの体内でもっとも多い(重量)のは水素炭素窒素酸素

元素検定

元素検定

2014-02-06

師走のITDN−Tokyo講演会 「インプラントのマテリアルセンス」

Implant & Tissue-engineering Dental Network Tokyo:代表 加藤 英治先生)主催による 講演会東京国際フォーラムにて開催された.2013年も残りわずか.年を締めくくるに相応しい真理を探究する師走講演会に多くの臨床家、研究者が集った。

今回のテーマ「インプラントマテリアルセンス」は、格段に進歩したインプラント治療において、改めて生物学的応答を検証し、近未来のインプラント治療の進むべき道を探るには、マテリアル研究開発のなかに多くのヒントがあるとの思いから、昨年夏に行われたテーマ「インプラントのバイオロジックセンス」を引き継ぐ形で企画されたものである.

インプラント周囲の生物学的環境を、「骨・硬組織」と「粘膜貫通部・軟組織」に分け、午前のセクションでは、コーディネーターである加藤英治先生が、「抜歯窩のバイオロジックセンス」をテーマに問題提起され、それを受ける形で小川哲朗先生(オリンパステルモ社長)が骨充填材の展望についてお話された。我が国でセラミクス人工骨が開発されてから40年になるが、各人工材料開発逸話からそれぞれの特徴、吸収置換型βリン酸カルシウムンに至るまでの経緯は、今後の人工骨の使用に大きなヒントを示すものであった。午後のセクションでは、粘膜貫通部の問題提起に対し、東京歯科大教授 吉成正雄先生が「ジルコニアの歯科インプラントへの応用」をテーマに、軟組織接触部位へのジルコニア材料の生物学的可能性と表面改質法のみならず、比較として酸化チタン光触媒作用にまで言及された。最後に改めて三講師にご登壇頂き、トータルディスカッションの時間を設け、会場からの講演内容に関する質問に対し、熱い議論が交わされ大変充実した1日となった.

東京オリンピックの招致と開催決定に沸いた2013年.歯科界からも日本発世界へ.本講演会が確実な一歩と成ったはずである.

以上

吉野 晃(吉野デンタルクリニック 東京都北区開業)

の寄稿より

2013-12-29

偶然の科学

Appleの復活劇は、ジョブズとは関係ない!!歴史は繰り返さないなど、「常識は盲点」だとする著者は、スモール・ワールド(6〜7人の知人をたどれば全人類と繋がる)理論で一躍脚光をあびた。本書では,人間は単純な自明の事項は予測できても複雑系社会を科学する事は不可能としている。モナリザが注目されたのも、i-Podの成功もSONYのビデオ規格やMDディスクの失敗も偶然の産物だ。Evidenceに基づくのが科学的予測とされるが、その尺度やデフォルトの方向、歴史の解釈など多くのバイアスインセンティブ(真の選択)をゆがめる。常識に囚われず、偶然を見抜くことこそが、成功の鍵だ!

2013-10-19

12月22日ITDN主催セミナーにご期待ください

インプラントの早期の安定性やインテグレーションの獲得は20年前に比べ格段の進歩がみられます。更なる飛躍への一考とし国際フォーラムにて下記テーマでセミナーを開催いたします。

「骨補填剤の展望」

オリンパステルモバイオマテリアル社の小川社長より

ジルコニアの歯科インプラントへの応用」

東京歯科大学口腔科学研究センターの吉成教授より

「抜歯窩と粘膜貫通部のバイオロジックセンス」

私加藤より

12月22日日曜日の9時半から開催です。

真理探究する多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。

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内容詳細/お申し込みはこちら

http://www.implant-kato.com/archives/1222semi.pdf

講演内容/抄録はこちら

http://www.implant-kato.com/archives/1222semi.pdf

2013-07-06

7月28日にて講演いたします。

安心・安全なインプラント治療のための最新トピックスと題し、7月28日10時より新宿NSビルにて講演をさせていただきます。シンプラントを活用したシミュレーション実習を行います。症例の相談も受付いたしますので、ご興味ある方は是非!

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2013-05-17

シムプラント・サージカルガイドの有効性について

POI-EX サージガイドシステム【的心】を用いて 確実にインプラント治療を行うために

最近は、安全確実なインプラント治療が要求される時代になってきております。CBCT、シュミレーションソフト、CAD/CAM 技術による企画化されたサージカルガイドなどデジタル技術も進歩してきておりますが、これらの先端技術を安全に取り入れる為、インプラント手術において、より安全により確実に治療を行うために必要なガイドシステムの取扱いについて、有用性などについてワークショップ、症例を交えながら幅広く解説します。

■期 日 平成25年6月30日(日)

■時 間 10 : 00~12 : 30

■定 員 20名

■参加費 無料

■会 場 ケーオーデンタル株式会社 城北営業所

    東京都板橋区志村3-20-18

ご興味ある方は、PDFをご利用いただきFAXにてお申し込みください。

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2012-10-06

天衣無縫 我が人生  /田川 清

震災支援のあり方にも参考になる本書。国連児童基金(ユニセフ)と混同されがちだが、最近は世界遺産関係で注目されている教育・科学・文化の国連機関(ユネスコ)。その活動に50年かかわった歯科医の半生記。途上国への学校建設(識字教育)や歴史文化遺産の保存は“カネやモノ“を送りつけただけでは根付かない。また継続しなければ後世に何も残せないと“120%で走り、チャレンジし、熱くなれ(怒れ)”を信条に次世代の育成に余念がない。何事も現地に出向き肌で感じないとダメ!インドネパール・べトナム・カンボジア・・出向いた先の国状も様々だが続けてこその価値がある。

2012-10-03

スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼンテーション

ご存知Appleの創始者ジョブズ!!リスクを恐れない天才は、この5年でP.Cのみならずi-pod.i-pad .i-phoneなど音楽産業やケータイのモバイルコンテンツに激変をもたらした。『シンク・ディファレント』をはじめとする記憶に残るMacのCMや新作発表会での彼自身の伝説的なプレゼンがある。本書では、商品を魅力的により簡単そうに見せるためスリムな構成と、わかりやいアナロジー(たとえ)を用い聴衆にアイ・コンタクトする口演法を紹介している。巨星が急挫して一年、残した言魂は数知れず。彼の生き方そのものが今後の市場開拓やプレゼンに語り継がれるバイブルとなるだろう!!

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

2012-09-03

真夏のITDN−Tokyo講演会 「インプラントのバイオロジックセンス」

 2012年8月5日(日),ITDN-Tokyo (Implant & Tissue-engineering Dental Network Tokyo:代表 加藤 英治先生)主催による 講演会東京国際フォーラムにて開催された.なでしこジャパンの快進撃の余韻がのこるこの日の外気温は34℃。真夏の太陽が照りつける有楽町には、多くの臨床家、研究者が集い、会場はロンドンオリンピックに負けない熱気につつまれた.

 「インプラントのバイオロジックセンス」と銘打たれた本講演会は、進歩著しい今日のインプラント治療において、生体応答や生物学的リサーチを考慮した日常臨床こそが、長期予後の獲得に不可欠との思いから、真理探究を志して企画されたものである.

 午前のセクションは、インプラントの生体力学をテーマに、筆者 吉野(東京都北区開業)が「構造力学とメカニカルストレスによる骨の変化」、河原優一郎先生(長野市開業)が「インプラントー骨接触率(BIC)と応力負担部位の評価」と題して,オッセオインテグレーションにおける力学的挙動についてそれぞれ講演した. 午後のセクションでは、「TE−BONEは腸骨移植を凌駕できるか?」と題して、長谷川晃嗣先生(東京都開業)が新規骨再生医療TE−BONEの臨床応用と可能性について言及され、山田将博先生(東京歯科大学有床義歯補綴講座 助教)が「抗酸化バイオマテリアルの臨床家研究」と題し、今後注目されるであろう抗酸化アミノ酸誘導体を応用した多機能性生体材料の現状について報告された。また、本会の代表で、一日を通して会をコーディネートされた加藤英治先生(東京都 目黒区開業)自らが、「インプラントのバイオロジックセンス」をテーマに、インプラント周囲組織のバイオロジックセンスを硬組織と軟組織の2局面に分け、多くの海外文献から科学的根拠を紹介するとともに、実際の臨床例を提示しながら長期経過と予後を報告された.

 ブローネマルクによるインプラントの発見から60年.その機能性から、臨床での普及速度に対し、生物学的考察が遅れている感は否めない。今回の講演会は、インプラン治療のさらなる発展のため、、今、検証の時がきていることを感じさせる一日となった.


 吉野 晃

 (吉野デンタルクリニック 東京都北区開業)

2012-01-03

ITDN/JMM共催「 医療安全に基づくインプラントガイドライン」

2011年12月23日(祝) ,新宿NSビルにおいてITDN-Tokyo (Implant & Tissue-engineering Dental Network Tokyo 代表加藤英治先生)・日本メディカルマテリアル株式会社共催による講演会が「医療安全に基づくインプラントガイドライン」と題して開催された。ITDN-Tokyo講演会は2000年より年1回開催されており、今回は座長に丹羽 健先生(愛知県一宮市開業)をお迎えし三名の演者の講演と参加者とのディベート形式で進められ、年末の祝日の開催にも拘らず多くの参加者が集い会場は熱心な質疑が交わされた。

 最初に加藤英治先生が「ガイドサージェリーと即時荷重の臨床」の演題で最新のアメリカインプラント事情を豊富に織り交ぜながらエビデンスとレビューより即時荷重には適切なケース選択とプランニング、治療術式の決定がより確実な成功への鍵になり即時荷重の長期的予後に関しても今後更なる検証が必要であると講演された。

 次いで鈴木龍先生(静岡県袋井市開業)が「一般開業医が行える医療安全優先の上顎洞アプローチ」と題して一般開業医がいかに外科的侵襲を抑えて上顎の症例を成功に導くための留意点や工夫を多くの臨床経験で得た症例を交えて、骨補填材、HAインプラントの変遷骨のリモデリング代謝を考慮してペーパーサージェリーを用いて綿密な治療計画の立案の重要性を講演された。最後に病院歯科において多くの自家骨による骨造成の症例をお持ちの鍋島弘充先生(愛知県名古屋市開業)は「病院歯科での医療安全基準に従った上顎インプラントメソッド」題して高度の骨吸収を認める難症例への自家骨による骨造成で欠損補綴を施行した症例の経時的変化のご提示頂き自家骨を用いた症例ではあらかじめ骨の吸収量を考慮した治療計画が必要であるとお話しされた。

 上顎骨へのインプラント埋入においては既存骨の状態、骨補填材の選択、埋入時期の決定、荷重の時期、審美領域の問題と多くの課題を考慮の上より予知性のある治療が望まれるところである。本年ITDNセミナーは 8月5日(日)東京フォーラムにて開催される。


岐阜県開業 折居恒典 

真夏のITDN−Tokyo講演会 「インプラントのバイオロジックセンス」

 2012年8月5日(日),ITDN-Tokyo (Implant & Tissue-engineering Dental Network Tokyo:代表 加藤 英治先生)主催による 講演会東京国際フォーラムにて開催された.なでしこジャパンの快進撃の余韻がのこるこの日の外気温は34℃。真夏の太陽が照りつける有楽町には、多くの臨床家、研究者が集い、会場はロンドンオリンピックに負けない熱気につつまれた.

 「インプラントのバイオロジックセンス」と銘打たれた本講演会は、進歩著しい今日のインプラント治療において、生体応答や生物学的リサーチを考慮した日常臨床こそが、長期予後の獲得に不可欠との思いから、真理探究を志して企画されたものである.

 午前のセクションは、インプラントの生体力学をテーマに、筆者 吉野(東京都北区開業)が「構造力学とメカニカルストレスによる骨の変化」、河原優一郎先生(長野市開業)が「インプラントー骨接触率(BIC)と応力負担部位の評価」と題して,オッセオインテグレーションにおける力学的挙動についてそれぞれ講演した. 午後のセクションでは、「TE−BONEは腸骨移植を凌駕できるか?」と題して、長谷川晃嗣先生(東京都開業)が新規骨再生医療TE−BONEの臨床応用と可能性について言及され、山田将博先生(東京歯科大学有床義歯補綴講座 助教)が「抗酸化バイオマテリアルの臨床家研究」と題し、今後注目されるであろう抗酸化アミノ酸誘導体を応用した多機能性生体材料の現状について報告された。また、本会の代表で、一日を通して会をコーディネートされた加藤英治先生(東京都 目黒区開業)自らが、「インプラントのバイオロジックセンス」をテーマに、インプラント周囲組織のバイオロジックセンスを硬組織と軟組織の2局面に分け、多くの海外文献から科学的根拠を紹介するとともに、実際の臨床例を提示しながら長期経過と予後を報告された.

 ブローネマルクによるインプラントの発見から60年.その機能性から、臨床での普及速度に対し、生物学的考察が遅れている感は否めない。今回の講演会は、インプラン治療のさらなる発展のため、、今、検証の時がきていることを感じさせる一日となった.


 吉野 晃

 (吉野デンタルクリニック 東京都北区開業)

2011-11-08

12月23日セミナー開催いたします。

医療安全に基づくインプラントガイドライン」と題し12月23日、新宿NSビル305号室にて10時〜16時まで日本メディカルマテリアル株式会社と共催でセミナーを実施いたします。私はそこで「ガイドサージェリーと即時荷重の臨床」

というテーマで講演をさせていただきます。興味ございましたら

是非ご参加ください。お申し込みの際は、添付のファイルをダウンロードしご活用くださいませ。

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2011-08-31


昭和60年 -東京歯科大卒、同付属水道橋病院総合科勤務

平成 2年12月 -都内勤務医医療法人和同会)を経て開業 (目黒区)

平成 7年 -医療法人祐清会理事長就任(現在港区目黒区大田区にて開業)

平成12年 - ITDN‐Tokyo設立・代表就任(学術医療研究関連会社,港区

平成16年 - New York University College of Dentistry Continuing Dental Education Programs ~20年

平成17年10月 -NYUCDE International Implant Program Certificate of Achievement(Oct.2005) 

平成20年2月 -NYUCDE International Implant Program Certificate of achievement(Feb.2008) 

平成19年 -目黒区歯科医師会理事(学術・保険担当理事)~21年

平成21年 -目黒区歯科医師会学術委員会委員長 ~23年

平成21年 -目黒区中目黒駅前再開発事業にともなう移転開業

2011-08-30

10月19日(水)東京歯科大学水道橋病院にて歯科再生医療セミナー開催!

UCLA歯学部教授 ワイントロープ再建生体工学研究所所長 である西村一郎先生を御招きしセミナーを開催いたします。場所は、東京歯科大学水道橋病院13F中会議室

開業医・一般/5000円  勤務医/3000円

懇親会 別途5000円 予定しております。

ご興味あるかたは、その旨ご連絡ください。

お問い合わせ カトウ歯科 FAX:03−3714ー1515 

加藤英治まで

“The Next Generation of Regenerative Dentistry” 

口腔領域における、骨欠損補填を目的としたバイオロジクスの開発は、ヒト由来あるいはウシ由来の多孔性乾燥骨片、ハイドロオキシアパタイトやベータ-TCPなどの合成素材をはじめ、最近では エムドゲンやリコンビナント製剤のBMP、PDGFといった細胞活性作用のある製薬製品と、きわめて盛んに行われてきた。これらは、主に骨増成作用のある製剤として、整形外科での治療から開発が始まり、そのままの作用機序を歯科再生治療分野に応用する形で用いられてきたものである。しかし、整形外科と歯科での骨欠損は、その病理から異なっていることが多い。例えば、BMP整形外科での適応症に脊椎固定術があるが、ここでの薬理作用は、隣り合う脊椎を新しい骨を生成して固定するもので、骨欠損を補填するものではない。

歯科分野では、まず歯肉の炎症や外傷から始まり、破骨細胞の異常な活性化を伴って、骨欠損を引き起こすことが多い。すなわち、歯科においては骨増成型ではなく、骨吸収予防型の再生治療を目指すことも十分考えられる。歯肉由来の骨吸収シグナルをインターセプトするような骨補填剤、骨吸収予防製剤など視野にいれた新世代の歯科再生医療の展開を議論する。

2011-05-26

"JFK暗殺" by ウィリアム・レモン

アメリカ、自由の国に選ばれた若き大統領。雨上がりのダラスに銃声が響く。それは頭上のビルか

ら、そして芝生の丘からも――。真実は陰謀による公開処刑か!? 最後の証人は今、歴史を覆す。


2001年9月11日、自分が何をしていたか記憶しているアメリカ人は多いという。同様に1963年11月22日あの瞬間何百万という場所でスナップショットの様な集団記憶がある。大統領が白昼公然と暗殺され、アメリカが純潔を失ったあの瞬間 ――。どの世代にも各々指標となる日付がある。

92年度アカデミー賞にノミネート7部門、受賞2部門の『JFK』は、社会派監督O・ストーンとケビン・コスナー演じるJ・ギャリソン検事が主役の秀作で、暗殺事件後のウォーレン委員会による“オズワルド単独犯説”に疑惑を投げかけている。当日、大統領と共に撃たれたコナリー州知事の担架からほぼ無傷の弾丸が発見された。委員会はこれが後部座席にいた大統領の背中にあたり喉から出てコナリーの背中に当り彼のわき腹を通り胸から出て手首を砕き最終的に太腿で停止し担架で見つかった(魔法の弾丸説)としている。しかも6秒間に3発を発射するのは単独犯では不可能である。劇中流れる元洋服店主のザプルーダー氏が撮影していた実写フィルムで被弾したジョン・ケネディが後方に、次いで左側に跳ね返る映像を見せられればいやでも、弾丸が背後の教科書ビルからだけとは信じがたい。政府の公式見解と世論との亀裂は、このフィルムが初めてテレビで公開された日に始まった。

教科書ビルの6階は今では博物館になっており、著者の1人フランス人ジャーナリストのウイリアム・レモンはここから取材を開始した。館長はUFOを信じないのと同様に陰謀説も信じていなかった。今だJFK研究者の論調には、どこか“X-ファイル”ばりのSFに似た響きがある。

しかし98年、突如風向きが変わった。40年間沈黙を守ってきた73歳のもう一方の著者、ビリー・ソル・エステスが主治医から癌を告知されたのだ。死を前にして彼は最後の証人としての責任を果すことを考え始めた。「アメリカ人はもうあきあきしているんだ、元々この国には批判精神なんてものは無いのさ、9.11テロで、それさえも麻痺してしまった。イラクを見てみろ。大統領が国民に嘘を付いたとは言わんが、誰も真実なんて気にしちゃいない。だからJFKのことも‐‐、事実は単純なのに皆探し回っている。真犯人はどんな手を使っても権力の座に就こうとした男の仕業さ」と告げた。

真相を理解するにはテキサスを理解することが必要だ。1963年ダラスは2003年より1863年にはるかに近い、アメリカの真の西部、つまりハリウッド化された無色のアメリカの姿とは無縁な土地で、テキサス人はコルト拳銃の銃声を子守唄に少しでも多くの土地を子孫に残そうと血の涙を流し東海岸エリートに対する憎悪の中に育った世代である。南北戦争は過去のことではなくケネディー家をはじめとする東部のエスタブリッシュメントは敵なのだ。そんななか地元出身のリンドン・ジョンソン副大統領になったのは慰めになった。しかしJFKは次の選挙では彼と手を切ろうとしていた。アメリカでは真の勝者はなかなか決まらない、一方に東部のエリートもう一方はテキサス男。これは60年代のことか?2000年のことか?所属政党や年代は問題ではない。フロリダでのブッシュとゴアとの得票差をめぐる最高裁の内幕も63年ダラスの街角での惨事の現代版にすぎない。州の選挙人による間接選挙制度下、フロリダ州知事ブッシュの弟が責任者で「48年以来のテキサス流で選挙に勝った」と言われている。そして昨年テキサスは、また地元の人間をホワイトハウスに送り込んだ。

ジョンソンが初めてテキサス選挙に勝った48年、地元の権力は1人の保安官が握っており郡の開票は1人の判事が行っていた。彼らを味方に(金で)つけることが勝因となっていた。しかし10年前に死亡した人間まで投票したことが発覚、ジョンソンにまで捜査の手がのびていた(75年にこの判事自殺している)。そしてもう片方の勝因“金”はエステスら地元の利権にからむ富豪たちが担当していた農業公共事業、石油利権、軍事産業、彼らは世界屈指の金持ちでアメリカの政治を思いのままにできると信じて疑わなかった。

しかしエステスは62年にジョンソン失脚をねらうロバート・ケネディ司法長官(JFKの弟)によって57件の不正容疑で告訴された。免責と引き換えにジョンソンにいくら裏金を払ったか自白させようとした。彼が口を開けばケネディーはテキサス人をお払い箱にできる。そしてこの時期いろいろな事件が重なる。ジョンソンの秘書が収賄で逮捕され、地元軍事関連企業の資金提供者も関係を取りざたされ、61年エステスの不正を調べていた農務省の地元役人H・マーシャルが変死体で見つかった。自殺とされたマーシャルの家族は84年に裁判を起ししこれが殺人であることを立証した。この裁判ジョンソンの子飼、マック・ウォレスの目撃が証言されている。またJFK狙撃直後教科書ビル6階のダンボール箱から採取された指紋はオズワルドと2人の地元警官そして身元不明指紋が1人。今回の取材で新たにこれが33の点でウォレスと一致していることが判明した。

 本書ではもう1人重要人物が登場する。テキサス最大の墓地に勤める死体修復人ジョン・リゲットだ。彼は顔面を専門とする熟練者で狙撃当日JFKの顔面修復を秘かに依頼されている。大統領の検死は今でも議論の的だ。ダラス医師と、ワシントン医師の記憶は一致せず、また修復後の写真が公開されたためウォーレン委員会を始め諸説を生んでいる。このリゲットは74年にジョンソン大統領の代役を務め映画出演もしている人物をはじめJFK事件に関連のある7人の殺人等で有罪になり護送中に背中から射殺されたことになっている。(99年リゲットは元妻に目撃されている)73年にジョンソン大統領は亡くなったが、彼の元顧問らのグループ(政府高官やCIAFBI・地元警察内部)は今だ健在で事件の究明を阻んでいる。

西洋では紀元前ローマ帝国の時代から「王殺し」が続きそれは自由と平等の国、現代アメリカでも変わりは無い。映画『JFK』の中でも狙撃の報を聞いたケビン・コスナーは嘆く「アメリカ人でいる事がはずかしい--‐」と。71年に釈放されたエステスは、直後にジョンソンの元側近クリフ・カーターと会い、マック・ウォレスが死んだことを告げられた。そしてカーターは初めてJFK事件に直接ジョンソンが関与していることを話しだした。刊末はこの時のテープの冒頭で終わっている。リードテープのノイズの中から40年間の呪縛を解く声が響く「リンドン(ジョンソン)はマックに大統領を殺せなんて言うべきじゃなかったんだ。」(声の主カーターもまた、録音の56時間後に突然死している。)

――本書を読んだあとも皆さんが、無事なことを祈ります――?!

2011-05-11

"ケニア" by アーネスト・ヘミングウェイ

20世紀の巨人ヘミングウェイ誕生から100年

まさかの未刊行大作発刊。サファリの闇を破る鮮烈な曙光の中にキーウエストのパパが蘇る!!

「吸うかい!?ハバナだよ」眠気と70`s・ディスコの暗闇の中で、銀のケースが一瞬光った。講演で来日したニューヨーカーのDrに似合いの細身のシガーを貰った。スモーカーの友人が「本当はアメリカではイケナイはずですがネ」と私に耳打ちした。ためしに吸ってみると葉巻の独特の香りにむせた。

そういえば何年か前に、ドアを開ければフワリと飛びのれそうな雲の中を飛んでメキシコへ行った。夜、ホテルから街なかへ出てヴァン・ヘーレンのサミー・ヘーガーの店でたまたまやっていた、彼のライブを見に行った。トイレには“ドラッグを吸うな!”とか“車を忘れて帰るな!”とか書いてあり少々ビビッた。店は港に入っていたアメリカからの豪華クルーザーの客でごったがえしており、開演まえに陽気なメキシカンが売りに来たビールを飲んでいると鼻を突く匂いが立ち込めてきた。周りの客の目のやる先に、太いキューバ葉巻をくわえたヘミングウェイばりの白髭の大男がテキーラをやっていた。立ち込めた紫煙が、ひとしきり落ち着き朝靄のように垂れ込めた頃合いにサミーのお約束“パウンドケーキ”で幕があけた――――。

閑話休題

本書の原題“True at First Light”が意味するものはなんなのか?すべては大地の闇の中より胎動し一条の鮮烈な光のように生まれる。そんな夜と朝のはざまに真実が見えるサファリが彼の憧れの地だ。

初章には、こう書かれている。 “常に不思議な国がある。子供時代の一部だ。我々はその国々を覚えていて、ときどき、眠って夢を見ているとき、訪れることがある。夜、そこは、幼かったころと同じように素敵な場所だ。我々はいまアフリカにいて、壮大な山のふもとにある沼地のはずれの小さな草原のキャンプのテントで暮らしている。そしてここにはそういった国がある。我々は年齢的にいえばもはや子供ではないが、いろんな意味で子供であることは間違いない。それなのに、子供という言葉は軽蔑的につかわれる。“と。

物語のハイライトは彼の妻メアリがクリスマスまでにお尋ね者のライオンを仕留められるかを中心に進行する。幾日もその機会は訪れず、期限がせまった、運命の日、黄昏がせまる頃。ヘミングウェイがライオンの退路をふさぎじりじりと距離をつめた、彼の妻は、初弾を発射するためにライオンにギリギリまで接近していた。もし仕損じれば妻や仲間は手負いの猛獣の餌食だ―――。

遂に引き金はひかれ、事は成就された。彼らは、ジニー・フラスコからストレートのジンを回し飲みし、祝杯をあげた。それはスペイン製の古びた弾薬嚢のポケットに入れてある銀のフラスコで彼と苦楽を共にしてきた。 “私は、もう自分をあざむくのをやめて、存分に飲んだくれることにしたんだ、噂が正しとすればチャーチルはわたしの二倍も飲むそうだが、つい先日ノーベル賞を受賞したばかりじゃないか、わたしも酒量を増やしていけば、ノーベル賞を受賞するかもしれないぞ“と美酒に酔う。

ライオンを仕留めた夜の祝宴の後、興奮冷めやらぬ彼はハンティングの記憶をなぞり、最悪のシュミレーションにならなかった経緯に満足しながらフィッツジェラルドの「魂の真の闇夜では、時刻は常に午前3時だ」という1節を思い浮かべていた。

アル中でも、夜が怖いのでも、新しい一日を恐れるでもない者にとって、午前3時は最高の時間帯だ。恐怖とは子供の悪戯のようなもので、首をもたげてくるとわくわくするが、大人が相手にすることではない。他の者に責任を持つ立場にあるなら、恐るべきは真の切迫した危険で、それは反射的に感じる危険で、差し迫ると頭皮がちりちりするような感覚を味わう。そういう反応ができなくなったら仕事を変える潮時なのだ。“と、

その夜、彼は妙にリアルな夢をみた。夢の中で彼は馬になり、肩から上だけが人間だった。そして、体に変化が起きて人間に戻る瞬間までを経験した。深夜に目覚めた彼は冷たいシードルを喉に通したが、筋肉にはまだ夢の中で馬だった時の感覚を残していた。そこで彼は自分の言葉で魂とはどんなものか、表現しようと試みた。“おそらく、日照りにも枯れず、冬の寒さにも凍ることのない美しく澄んだ泉、それが魂に最も近いものではないか。”永遠にPureなものそれが彼の追い続けた魂なのだ。

本書のもう一方のハイライトは、彼に恋焦がれるカンバ族の娘ディバとの微妙な関係だ。それはアメリカ文明そのものである彼への恋情で、裏側には、遠い文明国が電気も通わぬ僻村の無垢な少女に与えた物質主義への無限の憧れへの弊害が込められている。彼女の粗末な部屋の壁には、“ライフ”誌から切り抜いた洗濯機、レンジ、ミキサーやマレーネ・ディートリッヒの写真がある。実は“ライフ”は彼のアフリカ行き直前に『老人と海』を一括掲載し、530万部を売りつくし、彼をアメリカンヒーローに決定付けた雑誌だ。

アフリカ滞在の最後に、妻メアリにベルギーコンゴに行くことをねだられる。しかしその一件には触れられず、サファリ・キャンプの夜、テントの中でライオンの遠吠えを聞きながら眠るシーンで本書は終わっている。

このラストは彼が意図した結末か?それとも別のシナリオを考えていたのか?今となっては知る由もない。

事実は1954年1月24日ヘミングウェイ夫妻を乗せたセスナ機はコンゴ行きの途中、マーシソン瀑布の上空で墜落、死亡の記事が世界を駆け巡った。一命は取り止めたものの後遺症は生涯彼を苦しめ続けた。本書はその彼が発刊を見ることなく、約40年のときを経て彼の息子により生誕100年を記念して陽の目をみた大作だ。刊末をつづるのはそれぞれの読者の役目かもしれない。

そう言えば、今年、エディ・ヴァン・ヘーレンのガン発病や仲たがいやらで長らく中断していたヴァン・ヘーレンの全米ツアーが再開された。

― あの夜、メキシコの陽に焼けたのか、酒のせいか?少し太めになったサミー・ヘイガーは煙の中から登場した。白髭のへミングウェイは半袖をさらに肩までまくし挙げ毛むくじゃらの二の腕を突き出し何か言っている。“Mas Tequila!!” ―

独特の香りで、あの暑い夜のことを思い出した。“午前3時、魂の真の闇夜”気が付くと私は少し酔って、まだ細身のシガーの煙の中にいた。

2011-05-06

米ソ宇宙飛行士が明かした開発レースの真実

宇宙初飛行から40年。 人類は月をめざした!!60年代、デットヒートを演じた米ソのトップガンは70年代軌道上で握手し数々の危機を手動でくぐり抜け、大気圏のわずか2度の間隙から帰還した。


人類が初めて月に降りた夏、海辺のホテルロビーの大きな木目フレームのカラーテレビはなぜか白黒で、とぎれとぎれに白くまぶしい灼熱の月世界を写し出していた。今でもプールサイドで足の裏を焼かれ、水面の反射に目を細め、カルキの匂いを少し吸い込むと、僕の下肺深部にホンノわずか郭清しきれずに残る胸苦しい夏の少年がフラッシュバックする。

閑話(それは)休題(さておき)、

本書はイデオロギーの異なる二つの超大国で、困難を乗り越えて宇宙(コスモ)飛行士(ノート)に選抜されるまでの著者らの生い立ちに始まる。

57年10月人工衛星スプートニックの偉業により宇宙時代の幕開けを先にソ連に告げられた米国民は、人類を月面に送るというケネデイ大統領のビジョンに喝采した。

60年代初頭、ソ連はセルゲイ・パブロビッチ・コロリョフの強力なリーダーシップのもと、史上初の人工衛星や動物の宇宙飛行と快挙を連発し世界を驚愕させた。61年には有人飛行に成功、ユーリ・ガガーリンは人類初の宇宙飛行士となった。ボストーク3号は地球を64周し4号とランデブーをした。62年6月には初の女性飛行士テレシコワが「私はカモメ」と宇宙より発信し、2度目のランデブーを成功させた。

この時点で米国の宇宙事業は大きく遅れをとっていた。米海軍のバンガードロケットは地上数メートルで爆発してしまい、有人飛行でも後塵を拝した。62年秋、ケネデイはケープカナベラル発射場とマーシャル宇宙センターで開発中のサターンロケットを視察しフォン・ブラウン博士と会ったのちテキサスでかの有名な演説をおこなった。「一丸となって取り組もう、リードしょうではないか! 〜60年代が終わる前に我々は月面に到達し無事に生還するだろう〜必ず期間内に勝利をおさめようではないか!」実はこの時、ケネデイは詳しい説明をうけていた。米国が先んじているのは慣性誘導システムでソ連よりはるかに正確で軽量で、この分野でなら全体主義社会より自由主義が優れていることを証明できると確信していたのだ。翌年、同じテキサス大統領は暗殺されたが米国民は遺志を継ぎ宇宙開発を加速させた。ジェミニと続くアポロ計画は全て月に行くための前準備だった。

著者の1人、ソ連のレオーノフは65年エアロックを備えたボスポート2号で人類初の宇宙遊泳を行った。直前の無人の1号は発射時爆発でデーターは全て失われ、ぶつけ本番のミッションとなった。軌道上では45分に一度、昼と夜が巡ってくる。日の出は壮大で想像を絶する美しさだ。彼がエアロックから出ると丁度、地中海上空で左にはギリシャイタリアが右には雪におおわれたボルガ川が横たわっていた。この模様は生中継され宇宙空間でブレジネフ書記長から直接祝意を受けた。しかしエアロックへ戻る頃には宇宙服が膨張して動きが取れなくなっていた。彼はとっさの機転で酸素を減圧して難を逃れ船内に戻った。大気圏再突入では大きくコースを逸れシベリアの森に不時着し二日間野宿した後、救出されモスクワでパレードが催された。

その頃、米国ジェミニ3号から始まる有人計画に入り、スコットもジェミニ8号でランデブーとドッキングを成功させた。66年4月、いよいよアポロ計画がスタートした。しかし、1号の訓練中船内火災でクルー全員が死亡した。一方、順調に行っていたソ連の宇宙計画も牽引者コロリョフの急死を機に一転し暗雲が立ち込めた。無人探査船『ルナ』の月軟着陸には成功したが有人計画ではソユーズ1号が帰還中パラシート事故により3名の乗員を失った。

68年は両国の節目の年になった。

ソ連は11月に無人のゾドン6号を打ち上げ、月を周り月の地平線に半分だけ見える地球の衝撃的な写真を送って来た。一方、アポロは7号からの有人飛行が決定した。米国は12月に有人のアポロ8号で月の裏側をまわり初めてリードを奪ったのだ。翌69年、スコットの乗ったアポロ9号の成功(月軌道で着陸船の引き出し・切り離し・ドッキング)で勝敗はハッキリした。この年ソ連は2回の打ち上げに失敗、開発者のコロリョフも今はなく改善が成されないまま頓挫した。そして7月に冒頭のアポロ11号の偉業は成されたのだ。

スコットは15号の船長に指名され月面車で本格的地質調査を成功させた。この時彼は月面で金属ハンマーと鳥の羽を落下させた、2つは同時に地面に到達しガリレオ・ガリレイの法則が正しいことを証明した。

70年代米ソは宇宙ステーション開発に乗り出し、75年7月遂にアポロソユーズは宇宙でドッキングした。レオーノフはこの時船長を務め空軍少将に昇進した。80年代、90年代とソ連の宇宙事業は経済状態のために縮小され、残されたのは15ヶ国100人飛行士により数々の無重力下での実験が行われた宇宙ステーション“ミール”だけだった。奇しくも時は“2001年”、ミールは資金難のため大西洋に炎に包まれ落下し、スペースシャトル“チャレンジャー”は爆発、と惨事が重なった。

今まで月面を歩いた人間、いわゆる「月面歩行者(ムーンウォーカー)」は12人。その1人スコットはNASAを退任後、飛行センターの所長になりシャトルのテスト飛行にも係わった。現在は民間会社を起し宇宙開発アドバイザーを努めている。彼が手がけたトム・ハンクスの映画「アポロ13」はリアルだが夢のある作品だ。実際、月への航行中液体酸素が爆発し外壁板が損傷、CO2濃度も致死量まで上がり、指令船の電力は喪失し再突入の限界量に。月の周回航行と地球への帰還中3人の乗員は2人用月着陸船アクエリアスへ避難し節電のため、寒さと不眠で発熱した。再び凍った指令船の動力とコンピューターを起動し手動噴射で角度を修正し大気圏に突入した。通信は4分以上途絶え絶望視されたが奇蹟的に生還した。

米ソの勝敗はともかく宇宙開発は今でもアルミ箔3枚の薄壁で暗黒の危険と背中合わせだ。大きなビジョンや巨費も無くなりフロンティアの夢から現実に引き戻された人類は何処へ向かうのだろう―――。

―月面で真白く焼かれたあの夏、僕は耳の後ろのリンパを大きく腫らし熱を出した。東京に連れて戻されるのを恐れて母に黙って “流れるプール” を壊れたアポロの様に何度も周回し、なすがまま漂っていた。“That's one small step for man(一人の人間には、小さな一歩でも、),

今でも,夏になると朦朧とした頭にタイムラグのある割れた声が響く。

―One giant leap for mankind(人類にとっては、偉大な一歩である。).”

ほどなく発覚し病院に引きずって行かれ首に太い注射を2本も打たれた。

“My misson completed(僕の 任務も 完了した。).” ---!?

2011-05-02

大統領になりそこねた男が、温暖化危機をSTOPする!?

人類は幾多の不都合な時代を乗り越えてきた。暗黒に浮かぶ地球の写真が、沈黙の意志(vision)が、時代を変える原動力になる事もある。大統領になりそこねた男が、温暖化危機をSTOPする!?


1968年、故JFケネディ大統領の弟ロバート・ケネディー元司法長官が大統領選挙出馬した。米国民はキング牧師暗殺や泥沼のベトナム戦争から戻る死体袋など閉塞的な時代を、TVの粒子の粗いカラー画面から透して見ていた。映画『BOBBY』(=RF.Kenndy)は、カリフォルニア州予備選挙当日、民主党選挙対策本部とレセプション会場がおかれたL.Aのアンバサダー・ホテルでの1日を、この時代を悩みもがく若者・老人・歌手・ホテルマン・不法移民労働者らを通して時間軸で追っている。

唯一の希望は、”BOBBY!!”彼だけだった !!


閑話(それは)休題(さておき)――

『不都合な〜 』は今年の流行語になるだろう。ゴア元副大統領は映画版で、講演会場に颯爽と登壇し「一瞬だけ大統領になった男です。」と皮肉っぽく自己紹介する。2001年ブッシュとの大統領選挙でのフロリダ州開票疑惑は今でも米国民の笑いを誘う!本書の扱う温暖化による地球破壊は、大きすぎて正しく理解するのにも解決するのにも気の遠くなるようなテーマだ。これに挑めるリーダーは、彼を措いていないだろう。

数々の真実を知ることが解決の一歩となる。ハワイ島マウナロア山頂から気球をあげCO2濃度を1958年より測定しているレヴェル教授から著者は学生時代、温暖化や現在の異常気象危機の可能性を知らされた。残念ながらこの50年毎年減ることなくCO2は増え続けている。

CO2は温室効果ガスの8割を占め家庭・自動車・工場・発電所・森林伐採や火災・焼畑から排出されている。埋め立てや廃棄物からのメタンや、亜酸化窒素、フロン、水蒸気など他もすべて人間が生み出しているガスである。

気侯変動などは自然の変化で大自然や地球の環境を人間が変えることなど出来るわけがないという意見もあるが、大気圏の厚さを考えればそれは容易な事だという。「ここに地球儀があります。これに塗られているニスほどの薄い層それが大気なのです。」人類が無神経な爪あとを残しバランスを崩すことはいとも簡単なのだ!

温暖化を身近に知る研究に、氷河高山冠雪観測がある。かつて絵葉書にもなった美しい景観は、今はどこも地肌をさらしており、氷床コアからは過去1000年のCO2と気温のデータが、さらに南極の試料では65万年に遡る。グラフは、産業革命以降急上昇し危機を告げている。

近年、米国では毎年最高気温記録更新があり、1980年以降上昇が急だ。現在世界の平均気温は14.5℃で2〜3℃の上昇は赤道上では0.5℃だが北極では7℃も上昇する。最後の氷河期が去ってからずっと安定していた気流や海流が今大きく変わりつつある。海水温上昇は、アトランタ市を壊滅させた大型ハリケーンカトリーナ」を始め、洪水、竜巻、山火事など各所で大きな被害を出す自然災害の原因となっている。

著者は地球的規模の災害も危惧している。その指標が、南極北極の氷床の崩壊による水位の上昇で,とくに南極の氷床は大陸上3000mもあるのに対し、北極は海上に3mしかなく、まさに薄氷を踏む危うさだ!冷戦下1970年代、北極の氷の厚さは核配備潜水艦作戦上、最高機密だった。著者は海軍やCIAを説得し、データを入手した。近年の気温上昇を受け急激に小さくなっており、その変化に驚愕し本書や映画版で,CG画像を駆使してその崩壊溶出で数年後に水没する都市や国々や気候変動の惨状を見せている。


著者にはプライベートにも人生の進路を変える幾つかの出来事がある。幼い頃、彼の面倒をよくみてくれた姉を肺ガンで無くした、喫煙が原因であった。60年代からこの因果関係は知られていたが、関連業界の政治活動や広告活動により故意に隠されこの危険性が人々に知られるようになったのはごく最近の事だ。このあやまちを温暖化でも(米政府特にブッシュ政権や電力会社、自動車業界等は)繰り返していると言うのだ。米国京都議定書を奏上しながら批准せず、しかも実に世界の30%以上の温暖化ガスを排出している。(1人あたりの量も世界平均の5倍以上EU・日本・ロシアは2〜2.5倍)。このような政治を巻き込んだ悪循環を正すのには、著者のような国情に精通したリーダーシップが、今必要なのだ。

最後に本誌では我々が身近でできる温暖化対策を挙げている。①電球の種類を変えよう。照明器具から出される熱量はエネルギーの80%以上である。②建物やビジネスを省エネ型に設計、計画する。③冷暖房の温度をエコ設定にする。④より燃費がいいハイブリッドや次世代エネルギー自動車に乗ろう。⑤アイドリングストップなどエコドライブをしよう。⑥乗用車以外の大型輸送、交通システムの効率化。⑦リサイクルリユースを進め、過剰包装をせず、地域製品を利用しよう。⑧バイオマス、風力、太陽光、地熱、水力などの再生可能エネルギーの導入。⑨産業から排出廃棄される炭素を貯蔵する。⑩木を植えよう。1本の木は生育中1tのCO2を吸収する。⑪環境危機について学びまわりの人たちに知らせよう。


――なぜか今の米国とダブる『BOBBY』のクライマックス、カリフォルニア州で勝利したRFKの新しいビジョンが響く。ホテルでは喜びの顔が彼をかこむ―――が、無状の銃声が一瞬で歓喜をかき消す!! 無言の映像の中から “The Sound of Silence” が流れ出す。

”“Hello(――やあ) Darkness(暗闇クン、), my(ボクの) old(古い) friend(友達), I've(また) come(キミ) to(と) talk(はなし) with(を) you(しに) again(来たよ。). Because(だって、ある) a(ビジョンが) vision(ボクが) softly(眠って) creeping(いる間に), left(そっと) its(すり) seeds(よって) while(来てタネ) I(を) was(まいて) sleeping(いったからね), and(そして) the(その) vision(ビジョン) that(は) was(ボクの) planted(脳裏の) in(深く) my(に) brain(植えつけ) still(られ) remains(今なお) within(沈黙の音) the(の) sound(中で生き) of(て) silence(いるんだ――).” ――

時代の音楽が、すべてを物語る。おなじ1968年クリスマス・イブアポロ8号は月の地平線より昇る地球の映像を初めて目にする。宇宙の中の地球を意識した人類はこの後2年たらずで、第1回アースデイ、排ガス法・水質汚染法などの環境ムーブメントを生み出した。きっと危機を回避するチャンスはあるはずだ!

――不都合を乗り越え我々も今、行動しなければならない、沈黙の中から再び立ち上がった彼らのように――。    

不都合な真実

不都合な真実

2011-04-28

イブの遺伝子と地球が、いま復讐を告げる! ”アダムの呪い” by ブライアン サイクス/オックスフォード大人類遺伝学教授

『イブと7人の娘たち』より3年。ホモサピエンスに乗った利己的な遺伝子は暴走する。Y染色体が呪いの歴史を創り、滅亡へとスパイラルは加速する。イブの遺伝子地球が、いま復讐を告げる!


仄暗いスタジオの中、ジョージのギターソロでジョンとヨーコが踊る空虚な映像を私は眺めている。

1970年4月ポール・マッカートニーは正式にビートルズ脱退を表明した。夢は終わった。映画“LET IT BE“は解散前の4人の心象を映し出している。言葉の1つ1つが、仕草の1コマ1コマがもう戻れない事を――。そして世界は泣いた。愛と平和を歌った彼らでさえ、ヒトは皆自分のために生きるんだと――。

利己的な遺伝子たちはそれぞれの望む方向に席を立って行った。

閑話休題

進化は遺伝子組み換えの実験場に他ならない。男性を創り出したこの実験は今のところ思わしくない。新聞でも“女性バラバラ殺人事件”“ブッシュ大統領湾岸地域に一万五千人派兵”嘆かわしいことに世界中の暴力や侵略は男性によって引き起こされている。

 とは言え多くの生物が性による非効率な増殖法を選択している。人類は染色体(XXとXY)の遺伝子が性を決定するが、熱帯魚のブルーヘッドは群れにオスがいなくなるのを合図に一番カラダの大きなメスがオスに変身する。

ウミガメは砂浜の卵の温度が34℃に近いとメスに26℃に近いとオスに、30℃だと半数ずつになる。

性そのものを放棄した種も存在する。ハシリトカゲは、オスがいずメスが卵を産みクローンをつくる。

植物では、イチゴ、タンポポ、ブラックベリーなどがそうだ。

オックスフォード大の『進化生物学者』W・ハミルトンは、環境に適した(淘汰された)個体が、種の存続のため進化するというダーウィン以来の説をくつがえした。ミーアキャットは群れが餌をとっている間、見張りが丘の上に立ち鷲などの外敵に身を挺して群れを守る。この自己犠牲的行動は『利他的行動』と呼ばれ、個人の野望より集団の利益が優先される“群選択”説を生んだ。だが個体にとっては著しく不利益な行動だ。しかし、ハミルトン遺伝子なら自分以外の兄弟から次の世代に伝えることができることに気がついた。自分と兄弟が共有する遺伝子は50%だから、2人以上の兄弟を救えば自己犠牲は報われると考え、進化は種や群でなく遺伝子の存続のために機能することを証明したのだ。

もし遺伝子を伝えるためだけに個体が存在するのなら性は何のためにあるのか?それは世代ごとに遺伝子を組み換え、環境変化や内外に巣食う病原体や寄生生物との進化競争に勝って生き残るためにある。人類もペスト天然痘の猛威の中その多様性のため絶滅を免れている。しかし同性どうしでも遺伝子を混ぜ合わせるチャンスがあれば遺伝子組み換えは可能なはずだ。

2つの性が必要な訳は、細胞質内戦争を防ぐためだ。性行為は細胞質内小器官(ミトコンドリア葉緑体)内の染色体にとって迷惑な話だ。もし他人の細胞質内DNAが勝手に侵入して来たら、自らの細胞質内小器官が酵素を出しそれを溶かし防ぐ。この性癒合に伴う戦いを防ぐため細胞質を殆ど剥ぎ取った生殖専用の細胞(動物では精子、植物では精核(花粉))が分化した。しかし、この変革によって種は2分され相反する遺伝的利益をもつことになる。どちらの性にも同等に受け継がれる他の核遺伝子と違い、Y染色体は息子だけに、細胞質のミトコンドリアDNA(mtDNA)は将来母親となる娘だけが卵子を通し次代へ引き継げる。Y染色体とmtDNAの新たなる戦争が始まった。卵子は4週に1度しか生産されないが、精子は短命で一日1億5千万個も生産される。ゆえにオスはメスの気を引くためいろいろ手をこうじる。たとえばクジャクのオスは派手な尾羽を伸ばしてメスの気を引き、その長さが選択の基準になる。種の2分によりダーウィンが言うところの“性選択(性淘汰)“が生まれた。つまりオスが広告を打ちメスが商品を選ぶコマーシャルと同じ原理だ。

前作ではmtDNAで人類の母系の祖先の系図をたどり14万年前に一人のミトコンドリア・イブを見出した著者は、今度Y染色体で父系の祖先を探ろうとした。mtDNAは1万6千塩基対に対しY染色体は4千万もあるが、その多くは意味を成さないガラクタ遺伝子と呼ばれる遺伝子の残骸だった。そしてイブより比較的新しい時期(5万9千年前)にY染色体アダムがいることを突き止めた。

著者はバイキングや自身の先祖サイクス家、英国の英雄サマーレットの末裔名門ドナルド一族やチンギスハーンのY染色体を追うことで、その父系ツリーから彼らの子孫が現在も多数いることを掴んだ。

そして彼らの父祖がなぜ戦いと征服の旅に出たかの理由は、Y染色体に潜む呪いにあるとしている。

ヨーロッパではバイキングの時代に“アダムの呪い(男性の殺戮と征服のルーツ)”を、最も顕著に読み取ることができる。つまりmtDNAは現地の女性、Y染色体バイキングの父系を意味するサンプルが各地で多く見られるからだ。

チンギスハーンのY染色体を受け継いでいると考えられる男性の数はサマーレッドの30倍1600万人も居り、彼にくらべれば英国の名門も田舎の女たらしに過ぎないのだ。

 XとYの性染色体によって決定される男女比は、確立でいくと1/2のはずだが実際は、そうでもないらしい。確かに、姉妹ばかりの女系の家族や、男系家族は結構存在するし、同性愛者が多く見られる家系もあるらしい。著者はこれにも、Y染色体の陰謀やmtDNAの復讐が隠されていると考えている。またY染色体の企てか?途上国では性操作(中絶間引き)が行われ、今日でもインド中国では本来より女性の数が4千万人も少ないのだ。

Y染色体が殺戮と征服で歴史を創りだすパワーを得たのは地球の表面が氷に覆われていた時代に遡る。それまで偉大なる地球にとって、ホモサピエンスも多くの動物の一種にすぎなかった。氷河期から2万年が過ぎた頃、異変が起こった。海岸や川沿いにヒトが溢れ返っているのだ。1万3千年前〜2万年前の間、我々の祖先はまだ、野生の動物を狩ったり、魚を採ったり野生の植物を採取する生活を送っていた。しかし、偶然こぼれ落ちた種子から芽が出ることを知り、農耕を始めた人々は所有物,富,権力という概念を生み出した。

Y染色体にとって所有物,富,権力は欠くことのできない性選択(淘汰)の道具となった。農耕はアダムの呪いを繋ぐ鎖を解き放ち強欲という怪物を生んだ。男性は支配権を維持するための家長制をつくり、性選択はバランスを失った。クジャクは尾羽が長くなりすぎると飛べなくなるがヒトはそうでもなさそうだ!?

金持ちはより金持ちに、貧乏人はますます貧乏に――そして62年のキューバ危機では核戦争の一歩手前までいき、中東では今も戦争が続いている。森林は減り続け、油が海岸を汚染し、酸性雨地球を侵蝕している。

もし女性たちがフェラーリロレックスを見せびらかす男性に興味を失い富と権力とは正反対の男性を選ぶなら、性選択の暴走列車のスピードをゆるめられるかも知れないが――。

最近、食品や環境ホルモンの影響で精子はその数を急速に減らしている、これに対してmtDNAは比較的無傷である。そこで著者は本書の最後で、男性いらずの子作りを紹介している。今話題のヒトクローンでは多くの危険を含むため、Y染色体上の必要な遺伝子のみをパッケージしてアドニス(去勢され生け贄になった神)染色体を作り交配する方法だ。もちろんアダムの呪いが消えた訳ではない。もしそれを望むなら、小説「レッド クィーン」のように卵子卵子を受精させ、Y染色体に悪性ウィルス感染させ全ての男性を抹殺するしかなさそうだ。

だから紳士諸君、気をつけよう!たとえ小説の中とはいえ、もう計画は進んでいるのだ。アダムの呪いは解かれmtDNAが勝利し偉大なる性の実験は終わり地球は再び眠りにもどる――。

一昨年ジョージ・ハリスンが肺癌で他界した。フィルムは廻り、薄明りのもと彼のギターが響く。

All through the day, I me mine~

1日中ずっと聞こえてくるのは“俺が 俺が 俺が“〜

突然、曲は転調する。はりつめた彼の声は、吼えるようなロックに変り4人のシャウトが戻ってきた。

The Endなど無かったように―

利己的などと野暮を言わない遺伝子もまだあるのかもしれない?

アダムの呪い

アダムの呪い

2011-04-16

そして、初めの道標(みちしるべ)はテラトーマの中で見つかった!

たった一個の細胞が、ヒトのすべてを創造する。

そのチョットした迷い道がヒトを苦しめる。

ブレーク・スルーは根幹(ステム)にあるのか? そして、初めの道標(みちしるべ)はテラトーマの中で見つかった!


深夜、数十年ぶりにチャップリンの“独裁者”をみた。小生が初めてみたのは中1の頃(勿論リバイバル!)、悪友達と連れ立って“塩ジャケ”とアダ名された先生を誘って休日の有楽町に嬉々として出掛けた。長髪に度の強い眼鏡の代用教員は、先生というより下宿から追い立てられたホームレスといったさえない風貌で、無理をして喫茶店でモーニングセットを人数分奢ってくれた。

従軍の負傷で長年記憶を失っていたユダヤ人チャーリーと、彼にそっくりの独裁者ヒンケルヒットラーを皮肉った)がハンガリアン協奏曲をバックにドタバタを演じる。1940年とは微妙な時代の作品だ。ドイツ占領下のヨーロッパ大陸では勿論上映禁止、米国でも大統領から戦意高揚に好ましくないと釘を刺され不評をかった。

――近年発見されたチャップリンの台本のト書きには、自筆で、ステッキを手にしたチャーリーの画の横にこうある―――”I stand alone ! ”


閑話(それは)休題(さておき)−

医学を志した諸兄姉なら一度は手塚治虫ブラック・ジャックを手にされたことと思う。登場する助手のピノコの出生のエピソードは印象深い。“胞状奇胎(テラトーマ)”の中で各臓器そして脳までもが成長し、切除を引き受けたブラック・ジャックを翻弄する!‐‐手術と引き換えに各臓器の合成を約束し、ここにピノコが誕生する。

かつて、悪魔の仕業や子宮外妊娠の奇形と考えられていた “胞状奇胎(テラトーマ)” の解明は、本書では幹細胞再生医療研究の原点と位置づけられている。

18世紀の博物学者、A・トランブレーは水中の緑色のインセクトの驚異的な再生力に目を奪われる。ギリシャ神話の怪獣になぞらえ『ヒドラ』と銘々した。20世紀初頭になるとイモリの再生能の研究から「胚の発生に取り残された」細胞が成長後も生き長らえているか、成熟細胞が胚の状態に戻り(脱分化)再び全能性を回復するという2説が生まれた。

そして現代、リロイ・スティーブンスは長年の苦労の末、テラトーマの発生率の高い129系マウスを創りこの分野の研究を飛躍させた。G・ピアースは多種の細胞の寄せ集めであるテラトーマは多能性をもつ一個の幹細胞から生じることを実証し、これまでテラトーマの中の細胞は全て悪性であるとされていたが、分化が進むと悪性化しなくなることが解り、未分化のものはEC細胞(胚性癌腫細胞)と名付けられた。しかしEC細胞も正常な胚に移植すると正常な成体へと成長する。環境により幹細胞の悪性化遺伝子が目覚め癌化することがわかった。 

つまり精細胞なり卵細胞幹細胞が発生初期の段階で本来あるべき場所ではない所に迷入し、それが成人になってから癌化しテラトーマになるのだ。


初期の時点で幹細胞を最も臨床に近づけたのは骨髄中の血液幹細胞だ。今でも骨髄移植は白血病などの有効な治療手段だ。マウスの実験では骨髄移植後の早い時期に脾臓に細胞塊が発生する。血液幹細胞はこの中あるはずだが発見は困難だ。指数分裂を理解すれば、それがわかる「もしここに1ドルあったとして、それが倍になれば2ドルに。それがまた倍になれば‐‐ 20回繰り返すと100万ドルになる。」その100万ドル中から最初の1ドルを探すことは不可能に近い。

――クローニング「核移植」の新時代が到来した。遺伝的な双子を人為的に造ることは太古から挿し木をしたり株分けをしたりして行われてきた。クローンギリシャ語小枝Klwn(クルン)に由来する。しかし脊椎動物では細胞の核だけを抜き取り、卵細胞に移植し個体や臓器を複製しようというのだ。この際ドナー細胞は理論上どの部位でもいいが成熟・分化度が高いほどその核が全能性にリセットされるのが困難となる。この技術は、2つの胚を組み合せ子宮に戻しキメラギリシャ神話のライオン・蛇・ヤギの合体怪獣)化したり、わざと部分的に変異させた遺伝子の核を移植したノックアウトマウスを創ったりして遺伝病の研究を飛躍させた。このマウスの多くはスティーブンスの129系マウスの子孫達だ。


植物の実験では1950年代に一個の細胞から完璧なニンジンを造ることに成功している。「鍵は培養液にココナッツミルクを使用したこと!」そして今、動物〜ヒトの細胞で試されている(勿論ココナッツは使わないが)。 

1990年骨髄中には血液幹細胞の近縁の間葉系の幹細胞があることが解った。たまたまウシ血清を加え忘れた培養皿の骨髄細胞が神経へと分化したことに端を発し培養液開発レースが始まった。培養液の何が成体の細胞を初期化させ全能性を持たせるのかを調べている。今では細胞を皮膚=>脂肪、脂肪=>骨など内胚葉外胚葉の壁を越えて分化させることも可能になった。

さらに幹細胞研究は源流にさかのぼり胎児の中の将来卵細胞や精細胞になる予定の胚性生殖(EG)細胞が発見された。これで腫瘍のEC細胞、胚のES細胞胎児のEG細胞、3つの由来の胚性細胞が研究材料にあがった。

1997年、乳腺細胞の核を初期化し卵細胞に移植しクローン羊ドリーが生まれた。ついにクローン人間誕生へのカウントダウンが始まったのだが、倫理的問題も多い。

臍帯血内の幹細胞利用は胚の幹細胞達が、ハマッテいる倫理・人道上の議論とは無縁だ。現在は利用できる治療範囲は骨髄と同じだが、未分化度が高いため免疫応答がなく今後に期待できる。そこに目を付けたヴァイアコード社は、1993年より将来本人や家族が必要なときに利用できるよう凍結保存サービスをはじめており、すでに2回の臨床例もある。本社はボストンのハードロックカフェの階上にあり、カフェのネオンサインは皮肉にも「ドラックと核兵器の持ち込み禁止」だ!階上には「核とドラック」(幹細胞培養液)は今夜も運び込まれてくるに違いない。道標は意外と気づかない足元にある! チルチル・ミチルのパン屑(くず)だったり、姥捨て山の小枝(クルン)だったり!


――リバイバルのエンディング、強制収容所を脱出したチャーリーはまんまと独裁者と入れ替わり、6分間の迫真の演説が国中に響く“ユダヤも白人も黒人もすべての人間の平和と自由のために立ち上がろう!!”と――     

帰途に、興奮覚めやらぬ小生は悪友達と一計を案じ、駅の券売機の列で先生のくたびれた上着のポケットにそっと1人300円ずつ入れて別れた。百円玉で(テラトーマのように)膨れ上がったポケット事件は翌日には上級生達の知るところとなった――!!

――そして今宵、サケは源流をさかのぼる――小生のクタビレタ脳細胞を、ピノコとチャーリーが、ほんの少しだけ初期化(リセット)してくれた――!

幹細胞の謎を解く

幹細胞の謎を解く

2011-04-13 あれから僕らは少しは大人になれた・・・のだろうか!?

沈黙の惑星 by John E Brandenburg

かつて火星には水と大気と生命があった?星空は語り、警告する。 人類は森を破壊し、大気を汚し、大量のCO2と気候変動をもたらした。 すべてのエピソードは一つに収斂する!“地球の死---”


”レイチェル カーソンと

カール セーガンに捧げる“

に本書は始まる。太古より人類が天空に懐いてきた壮大で叙情的な憧れは、今では消えいりそうな記憶のすみに、一度は宇宙少年だった事を思い出させてくれた。

今、渋谷の空にポッカリと穴が開いている。車窓からかつて銀色の威容を誇った五島プラネタリウムのドームの稜線を僕は無意識になぞっている。暗闇に巨大昆虫のようなシルエットのマシーンが仮想現実〜非現実へと誘う。黄昏から銀河そして神話の星々を映し出してくれた。――あの頃僕らは夢を見ていた。

本書は、宇宙への夢と、地上に山積する現実が交互に織りなすタランティーノオムニバス映画の様だ。

72年、ペルセウス流星群からの隕石が先制核攻撃の警報を鳴らし北米上空をかすめた。一方、地上では人類による環境破壊、石油危機や大気汚染、CO2による温暖化が70年代のアメリカの日常的な風景を透して広がる。アポロバイキング計画そして今に至る宇宙シンフォニー(交響曲)のオープニングだ。

地球には、月や火星表面の爆撃の跡さながらのクレーターが見あたらないが、これは大気による効果が大きい。隕石の進入角度が小さけれ。ば弾き飛ばされてしまい、大きければ燃え尽きてしまう。

研究者は、かつて火星が生命の存在しうる環境にあった、とする仮説の下に、バイキング探査機を始めとする画像解析や火星からきたとされる隕石や月の石の分析を続けてきた。これに対し冷戦時代の合衆国は「ルナマース」理論(生命などいない月のような火星)を政治的、財政的思惑から支持してきた。76年には、事実上有人宇宙生命探査は打ち切られ、「月のような火星」は人々の意識に定着し、その年のミスユニバースも異論なく!?決まっていった。

80年代当時、物理学者である著者はレーガン政権の戦略防衛構想の最前線で、ミサイル邀撃用のプラズマの研究をしていた。プラズマは、オーロラや稲妻の様に発光し、電気を通す、固体・液体・気体に次ぐ第4の物質の形態で宇宙ではほとんどがこの状態にある。著者は、年末夕食後のTV番組で、火星の表面に「顔」のように見える画像が放映されるのを観た。カール・セーガンの「コスモス」に出てくるユーシリオン(理想郷)のピラミッドのことを思い出し、さっそく「顔」の研究者に連絡をしたのが始まりだ。

著者の仮説はロマンチックだ。火星にも地球と同じような気候の時期があり生命がいたが、3〜10億年前の大型クレーターが多数出現する時期に大異変が起こり、死の惑星となったというのだ。この説のもと、90年には「シドニア仮説」という本も出版している。「火星もかつて生きていた。地球もうまく守っていかないと確実に死んでしまうだろう。二つの惑星の運命は繋がっているのだ。」と。

火星探査は惑星規模の砂嵐により難航した。もし、初期の火星地球と同じ様な環境だったとしたら、この悪環境はなぜもたらされたのか?という疑問に立ち返っている。

30年代米国中西部で発生した黄塵は大規模環境災害の先駆けだった。「常に浪費家だったアメリカ人は〜東部工業地帯を汚染し中北部常緑林を切り倒し南部の綿花とタバコ地帯は長期に渡る破壊的単一栽培で土壌を消耗させた。」

火星の大砂塵はあたかも地球の環境異変による「恐竜の絶滅」を連想させる。そして核戦争の後の煤塵による「核の冬」もまた然りだ。

環境問題政府や企業の手によって取り組まれることはまれだ。フロンガスも市民による不買運動が使用禁止に結びついた。DDTの脅威をレイチェル・カーソン女史は「沈黙の春」で著わし、以降の環境ムーブメントに結びついた。

人は、元来目に見えない(大人になると特に都合の悪い)ことについて“ディスタンシング”する傾向にある。西洋諸国の石油消費文明の大気環境汚染、CO2濃度上昇はそのいい例で、ライフラインや食糧を取り上げられそうになると戦争さえ辞さず、いまだ中東の戦火は絶えない。中国でも13世紀から石炭を燃やし続けている。環境担当者は「汚染がひどくなれば100日後に死ぬかもしれないが、暖房と食糧がなければ3日で死んでしまいます」と。

86年スウェーデン原子力発電所の警報が鳴った。だが、放射線レベルの異常は遠くチェルノブイリからもたらされたものであった。炉心はメルトダウン寸前で、放射能を含んだ黒煙はヨーロッパから北半球へ広範囲に飛散し、100万人以上が被害を受けた。

しかし、石油に替わるエネルギーは不可欠だ。アポロが月から持ち帰った地中サンプルから太陽風によりもたらされたHe3(ヘリウム3)というガスが発見された。He3は放射能がなく太陽の核融合で生まれたエネルギーが詰まっている。

「テラホーミング計画」地球に似た天体を作る、それは荒唐無稽なSFのように思われるかもしれない。しかし、人が空を飛ぶということでさえ、少し前まで正気の沙汰ではなかった。太陽は歳を取るごとに熱くなっている、水が凍りも沸騰もしない状態で人間が生活できる温度は限られている。10億年経つと、地球金星の様に可住ゾーンから外れてしまう。その前に、火星の地中の水を利用し大気を創ろうというのだ。

大気同様に環境を左右する要素に“炭素のシンク”(蓄積)がある。熱帯林が山火事や焼畑、伐採によって危機に瀕していることはよく知られている。かつて地球には人類が生きていけないほどのCO2があったが、数百万年の期間をかけて植物は光合成をして大気からCO2を取り除き酸素と食糧を作ってきた。

それらはやがて枯れ、地中へ戻され、熱と圧力下で地中深く長い年月をかけて石炭や石油などの化石燃料になった。本来、森はゆっくり旅をする。しかし人類は地下に隠された秘密を掘り出し、エネルギー源として大気中へ炭素を戻してしまった。この速度は植物が炭素を取り除く速度より速く、森が燃えれば2重の損失となる。

海洋は森林とともに、CO2のシンクである。長期的にも90%が大海へ行き着く。人類はこの150年間、大気中にCO2を排出し続けており、その量は加速的に増加している。つまり炭素シンク(海や森)の限界を超えた分が増え続けているのだ。

恐竜にとっての世界の終わりは、隕石による気候変動によるとされており、地球では5回の種の大量絶滅が起こっている。隕石によるものとは別に、ペルム期末2億5千万年前に動物の90%が絶滅した。しかし隕石の衝突を示すイリジウム層はみつからず、海洋中のCO2シンクが暖められソーダ水のように一気に放出したという説がある。今後こうした制御不能の環境変異がCO2シンクの限界を超え突然“ソーダ水の死“もたらすというのだ。

緊急治療室では迅速な決定のため「トリアージュ」(分別選択)を行う。症状の深刻さは順位の基準になる。これはクリミア戦争ナイチンゲールが行った統計的報告がきっかけで戦病死率が激減したことに発する。

―――そして地球も病んでいる。

最後に著者は、沈み行くタイタニック「不沈船」地球号を救う提言を揚げ、幕を引いている。

核融合エネルギーの開発を促進する。現在、ウラン原発核分裂超新星爆発と同じ仕組みだが、不安定で炉心のメルトダウン廃棄物の問題が残る。一方、太陽の様な恒星核融合により水素やHeの同位体からヘリウムを生成する。D-He3核融合放射能が全く生じないクリーンなエネルギーだ。②電気自動車、ソーラーエネルギー開発する。③雨林保有国に酸素供給費を支払う。④宇宙開発を促進する。⑤石油に頼らないライフスタイルを実践する。⑥環境問題をトリアージュし、温暖化防止を促進する。など、課題は多い。

この惑星で人類は、夏休み最後の夜に宿題をやり残した小学生だ!

「――東の空が、明けの明星に追われる様に白み始めました。今朝の日の出は――」 深夜FMばりの声に夢から返ると、目尻に緑色の非常口灯が滲んで浮かんだ。ドボルザーク交響曲新世界”が閉館を告げている。

あれから――僕らは少しは大人になれた・・・のだろうか!?

Dead Mars, Dying Earth

Dead Mars, Dying Earth