男はケモノではありません

http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091203/p1
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091204/p1
id:hokusyu氏の記事は、男はケモノである、ということを言い訳にして、レイプ正当化(正当化とは言えないまでも因果関係的に止むを得ないものと捉えること)、あるいはレイプにつながる(と見なされる)女性の軽装批判を非難するために、敢えて「男はケモノであるとした場合」を仮定しているわけだが、どうも気持ち悪さが残る。
そもそも男はケモノではないので、曽野綾子氏のそもそもの論に無理があるわけだが、敢えてその出鱈目な前提にのっかるとした場合、男がケモノであるのは男の責任ではない。ただの本能である。
そしてその場合、男がケモノであるとしても、それでもなお男は人間である。
つまり、曽野綾子氏の言うように、仮にレイプが女性の軽装を主因として引き起こされるとして、その場合、女性が軽装を止めれば男のケモノ化が相当程度抑止できるわけである。
そうした状況下において、女性へのレイプを防ぐ、男のケモノ化を抑制するためには、
1.女性の軽装を規制する
2.男性を何らかの形で予防拘禁する
の二通りの対策が考えられる。
明らかに基本的人権の侵害の程度で言えば、女性の軽装を規制する方がこの場合は遥かに軽度であるのに、予防拘禁が選択肢として可能であるかのように提示すること自体、男性の基本的人権を極度に軽視していることを意味する。
id:hokusyu氏は
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091204/p1
で、逃げをうっているわけだが、女性の人権擁護でもって、このロジカルな男性の人権軽視が補填できるわけではない。
曽野綾子氏の論説は、その仮説自体が間違っているのだが、仮にその仮説が真であるとした場合、「男が仮に生物的にケモノであるとしても法的には人間であるのでその基本的人権を尊重した上で対策を立てる」のだとすれば、女性の軽装を批判する彼女のロジックは合理である。
逆に言えばid:hokusyu氏のロジックは、男性の基本的人権をロジカルに軽視しなければ、導き出せないものである。
性差別に対するアンチとして性差別を持ち出しても、それが性差別であることには違いは無い。