9月28日(月) 解説の妙

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼します。
今、先週金曜の「椎茸の肉詰め」の日報を読み返してみましたが、自分でも何書いてるのか理解に苦しむ内容です。

ところで、森見登美彦氏の『新釈 走れメロス』という書籍が角川文庫から出版されたのですが、私は、2007年に祥伝社から出された文庫本を持っていながら、先日角川から出版されたこちらもつい買ってしまったのでした。

というのも、ある日暇なので立ち寄った本屋にて、新発売! と売り出されていた『新メロ』をパラパラっと立ち読みしてみたところ、角川版に新しく追加された「解説」に気付いたので、(よくないことですが)立ち読みにて熟読してみたのです。
するとその解説が、森見氏による本編に匹敵するくらい奇怪且つ軽快、おもしろいのです。

解説なので決して長くもないのですが、読み終えて即「これは手元に置いておかなくてはいけない」と購入を決意したのでした。
その解説を書かれているのは千野帽子という方で、こんな傑文を書かれるのだから本人の作品もさぞ面白いだろう、と調べてみると、千野氏は俳人/エッセイストで、小説の類は書かれていないのでした。なんとまあ、エッセイもいいのですが、小説も是非読んでみたい!

「解説」ないし「あとがき」が素晴らしい本、というのに稀に出逢うことがありますが、今回はとくにビビビとキたのでした。
家に祥伝社版があるという罪悪感もありましたが、しかし帰りの電車で『新メロ』を久しぶりに読み出してみると、これぞ森見節な快作であるのも確かなところで、ずいずいと引き込まれてしまった。
「おもしれえ!」
しかも角川版の表紙は、中村佑介氏の書き下ろしイラストなのですから、おもしろい本編、そして解説と合わせても充分によい買い物でした。

いよいよ秋です、読書なぞいかがでしょうか。
私も千野氏の作品を手にとってみようと思います。
それでは明日もよろしくお願いいたします。