「ダイアナの選択」見たよ


17歳の女子高生・ダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は、閉鎖的な町の生活に息苦しさを感じ、もがくように自分の生き方を模索していた。そしてようやく未来に向けて新しい一歩を踏み出したと思ったとき、通っていた高校で銃乱射事件が起こる。親友のモーリーンと一緒に女子トイレにいたとき、突然踏み込んできた犯人に「どちらか一人を殺す」と言われたダイアナは、生を取るか死を取るかの究極の選択を迫られる。それから15年、事件の記憶に苛まれ、罪悪感に苦しみながらも夢に向かって歩んできたダイアナ(ユマ・サーマン)。家族と仕事、全てを手に入れた彼女は、理想の人生を築き上げたかに見えたが…。米・コネチカット州のの高校で起こった銃乱射事件の生存者、ダイアナの過去と現在を交互に描きながら、運命の日までの彼女の日常を描く。監督は『砂と霧の家』でアカデミー賞主要3部門にノミネートされた、ヴァディム・パールマン監督。

『ダイアナの選択』作品情報 | cinemacafe.net

早稲田松竹にて。
誰しも人生の中でその方向を大きく変えるようなターニングポイントと呼べる出来事のひとつやふたつはあると思います。あの時こうしていれば...とか、これを選んでいれば...と思うかどうかは人それぞれでしょうけど....。


本作は、クラスメイトの起こした銃乱射事件で、親友と自分のどちらか一方が殺されることになりそれを選ぶことになるのですが...というお話なのですが、このターニングポイントとなる出来事でいったいどんな選択されて何が起こったのかということが一切隠されたまま物語は進んで行きます。
ダイアナが、生死を分かつ選択をするその日の朝からその直前までの映像が繰り返し流されるのですが、いつまで経っても彼女の答えが出て来ません。そして、それと平行して描かれる、事件前のダイアナの日常生活やダイアナの現在の様子からはどう考えてもダイアナの取った選択は一つしか考えられないのですが、それも話が進むに従って妙な違和感が混じり始めます。どうしても話がうまくつながらないのです。
そのあたりから何となく嫌な予感はしていたのですが、ラストのワンシーンを観てそれが腑に落ちた瞬間にもう言いようのない怒りがわいてきました。ネタばれになるので詳しくは書けませんが、あれは勘弁して欲しかったなあ。
先日観た「パッセンジャーズ」と同じ部類の怒りなのですが、それまで真面目に見ていた自分がバカらしくなっちゃうんですよね。このあたりはアメリカの宗教観を理解しないと分からないのかも知れません。


と、ラストで一気に脱力させられたのですが、全体的にひとつひとつのシーンの描写がとても丁寧で、ダイアナがどのような経緯を経て最後の選択をしたのかという部分に強い説得力が感じられました。
ラストがよくないと言っておいてこんなことを書くのは悔しいのですが、冒頭からラストシーンまでの観る人を惹きつける力というのは相当すばらしい作品でした。


公式サイトはこちら