「いとしきエブリデイ」見たよ


父親不在のもと、母親は子どもを学校に送り、スーパーで働き、夜はパブでも仕事をする日々。幼い4兄妹が父親に会えるのは、わずかな面会時間だけ。季節は巡り、子どもたちは成長し、時間だけが非情に流れていく…。

『いとしきエブリデイ』作品情報 | cinemacafe.net


宇都宮ヒカリ座で観てきました。

服役中の父親と離れて暮らす母子が過ごす日々を描いた作品でしたが、非日常だったことが日常になっていくさまを子どもたちの感情の機微や態度に表出してみえる変化や成長をとおして表現していてとてもグッときました。まるでドキュメンタリーを観ているような自然で違和感はない子どもたちの一挙手一投足や表情のひとつひとつはどれも忘れられないくらいつよいインパクトを残しました。


どんなことでも「初めてのこと」というのはうまくできなくてストレスがたまることもあるのですが、一方ではその不自由さがとても新鮮に感じられてその非日常感が楽しいと感じたりもします。そんな不慣れなことも時間が経てばじょじょに慣れていき、そしていつしか「不慣れな非日常」は「退屈な日常」へとシフトしていくのです。


ここであらためて言うまでもなく、日常というのは過ごした日々の積み重ねによって作り上げられていくものです。
だからすべての人が共有できる日常というのは存在しないし、つまりある人にとっては日常のことであっても、別な人にとっては日常ではないというのは往々にしてあります。「過ごしてきた日々」という文脈の中で初めてその人にとっての日常は姿をあらわします。


本作はそういった文脈の中から表出してくる日常を描いていてそこがとても好ましく感じました。





公式サイトはこちら