御浦風物誌

2018-10-19

穴の開け始め

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 ハンノキハバチ 1齢幼虫 川崎市多摩区 2017年9月16日

 葉を食べる虫の多くは、その縁から齧り始める。このハバチのように、葉脈に沿って中から齧るものはそう多くはないので、逆に目を惹く。


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 ハンノキハバチ 1齢幼虫 川崎市多摩区 2017年9月16日

 この場所では、例年、ケヤマハンノキにつく。すぐ近くにハンノキもあるが、こちらでは見ていない。成長した幼虫の食べっぷりとはかなりなもので、最後には葉脈だけにしてしまう。

2018-10-17

編笠のいる土地

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 アミガサハゴロモ 幼虫 川崎市多摩区 2017年7月2日

 大型のハゴロモだが、三浦半島ではまず見ない。


 放射状に分泌したワックスの「傘」に隠れ、本体は見えない事が多いが、時にはと、横ざまに幼な顔を拝ませてもらった。

2018-10-15

稀な交尾

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 アブラゼミ 交尾 川崎市多摩区 2015年8月23日

 もっとも身近な蝉で、都市化の進んだ場所にもみられ、その数もまた多い。

 が、その割に、交尾を目にする機会はほとんどない。普段、あれほど鳴いているのは何のためか、とつい思えてくるほど。


 1970年代での、南武線の車窓からの風景は、宿河原界隈を中心に、梨畑がとても多かったのを憶えている。幼稚園で梨もぎに行った記憶に連なって、そこは完全なまでにアブラゼミ一色だった様に、幼心ながらに強烈な印象を受けたことを思い出す。


 この蝉は今も消えていないが、車窓からの風景に、梨畑は望めない。

2018-10-13

生まれ乍らにして

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 シマヘビ 幼蛇 川崎市多摩区 2015年9月11日

 孵化直後と思われる、ごく小さな個体。

 名は体を表す、縦縞紋様の成蛇とは違い、この子蛇独特の美しい斑紋をもつ。ジムグリ幼蛇の斑紋も独特だが、それとは異なった味わいがある。

 以前にも、この子蛇を掲げた記憶があるが、それとは別の個体。ただ、お互いが数十センチにも満たない距離にいたので、同腹の兄弟かつ、孵化したばかりであろう、と踏んだのである。


 それにしても、シマヘビの険しい顔つきとは、産まれた時にはすでに、立派に備わっているもの哉、と改めて思わされる。顔つきとは直接の関連はないが、身近な蛇の中では、もっとも神経質かつ敏捷な種といえるだろう。


 名前だけで、過剰なほど人に恐れられる、マムシの大人しさとは比肩もできない。

2018-10-09

落ちてきた「雛」

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 ヒヨドリ 雛 川崎市多摩区 2017年6月8日

 何かの幼鳥が地面に落ち、はためき暴れていた。幼鳥、というよりは、雛と呼ぶに近い。

 そっと取り上げ、路傍の枝に止まらせると、心なしか落ち着いたように見えた。潤んだ目が、こちらを見つめている。


 最初は何か分からなかったが、翼の雨覆や風切を落ち着いて眺めれば(不鮮明なオークルの縁取りがある)、ああヒヨドリだったか、と思い至った。何かのはずみで、巣から落ちてしまったのかもしれない。その場を去りつつ振り返れば、親鳥であろうが、すぐに近くまで飛んで来、頻りに子を気にしていたようだった。

 

 その後を知る由もないが、手助けしてやりたいといった心情は、どうしても心に残る。それができない上は、その後に幸あれとただ祈り、また願うのみ。