指輪世界の第二日記

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2016-11-01 あんみやの心の中 このエントリーを含むブックマーク

庵野監督と宮崎監督

「心をとぎ澄ますことで、庵野監督×宮崎監督のより深いペアリングを見出すことが可能です」

「庵野宮崎…『あんみや』か」

「そうそう。あんみや。どうやるかというとですね、たとえば、TV版エヴァンゲリオンの15話で、シンジとゲンドウの親子が、亡くなった母親の墓参りに行って、そこで話をするでしょう」

「するね」

シンジ:写真とかないの?

ゲンドウ:残ってはいない。この墓もただの飾りだ。遺体はない。

シンジ:…先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね。

ゲンドウ:すべては心の中だ。今はそれでいい。

http://wikiwiki.jp/eva-shingeki/?%A5%BB%A5%EA%A5%D5%CA%DD%B4%C9%B8%CB%2F%C2%E8%BD%A6%B8%E0%CF%C3

「この会話はですね、宮崎駿先生が、若き部下、庵野秀明先生に語った、キャラクターアニメーターの心得なんじゃないかと思うんですよ」

「は?」

「つまりですね、もう何十年か前、まだジブリではなかったスタジオの一角で、夜中、二人で鉛筆を走らせながら、こんな会話をしていた」

宮崎先生:昔見た、○○っていうすごい作品の□□っていうキャラクターがいてさ。それがもう素晴らしくてね。最高なのだよ。

庵野先生:へえーそうなんですか! 素晴らしいんですか。ビデオテープとかお持ちですか? 見れます?

宮崎先生:馬鹿者!!

庵野先生:!?

宮崎先生:そんなもの持ってるわけないだろう! とっくに捨てたよ! 庵野くん、君はなにもわかっていないね。そんなだからダメなんだ。全然ダメだ。

庵野先生:ど…どういうことでしょうか?

宮崎先生:あのね、君もアニメーターになるならだ。若いときに自分が見て感動した作品というのがきっとあるだろう。しかし世界の技術の水準も自分自身の技量も、日々、年々、上がっていく。腕を上げてから、かつて感動した作品を見直せば、なあんだここができていなかったのか、あそこの仕上がりが甘かったのか、と、粗がわかるようになっていく。欠点に気づけるようになっていく。そうに決まってるだろう?

庵野先生:ハ、ハイ、そうかもしれません。

宮崎先生:自分が見て感動したとき、その素晴らしさ、最高の印象で記憶したその心の中のキャラクターが、一番美しいに決まってるんだ。自分の心の中にできるかぎり美しいものをできるだけたくさん集めていく。それは元の作品をこえて、自分が腕を上げれば上げるほど美しくなっていく。そうしたら今度は、自分の心の中からその最高の美しさを取り出して、アニメーションを描くんだよ。ビデオテープからビデオテープに描き移していくものじゃあないんだ。だから昔愛したキャラクターのビデオテープなんて、愛していたのだからこそ、持ってちゃいけない。そんなものは全部捨てる!!

庵野先生:(ひえ〜!!)

宮崎先生:少しは見込みがあるかと思えば。まったくダメダメだね君は。

庵野先生:心得ちがいをしておりました! たいへん勉強になります!(このおじさん最高に面白え〜!! いつかアニメに登場させてやろ!!)

「…と、こういうやりとりを込めたのが、あの墓参りの会話なわけですよ」

「ややこしい。妄想の屋上屋を重ねるといったところだな」

「この数十年前の会話は、師匠から弟子へのマウンティングでもありますが、弟子である庵野先生は、エヴァンゲリオンでそうやって、師匠である宮崎先生をおもしろおじさんとして描きかえしたわけです。つまり、リバです。意味合ってますでしょうか」

「本当か? どうだろう」


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2016-08-08 シン・ゴジラネタバレ感想その2 このエントリーを含むブックマーク

三度目を見終えたのでいくつかメモ


























・女特使はラブコメアスカと思って見るとなるほどかわいい

  「アンタたちなんて見下してるんだからね!」

 →「タメ口でいいって言ってるんですけど!」

 →「帰ってこいって言われたんだけど…私、帰らないわ」

 →「私が妻であなたが旦那でもいいわよ??」


・最後の演説の直後に「ヤシオリ作戦協力民間企業関係者」という字幕を確認できた。

 作戦時にこれら民間技術者と自衛隊員とが被爆・死傷していると思われる


・第一戦で攻撃命令が長い連絡線を行ったり来たりするが、これが最後の「お前、指揮官がなんで前にいく」の前振りになっていると言える。実際に最終戦で「問題がありますがどうします」という問いが数回あって、「それは本質的ではないから続行」という命令が即座に出せているから、意味があるという描写にはなっている


・気づいていなかったが最終戦の前線指揮所には安田がいるっぽい


・総理が「今、ここで決めるのか!?」とうろたえる芝居があり、つまり、それ以前はすべて事前に説明と決定があったということ。官房長官が「(はい、利害関係組織が一通り存在を主張し終わりました。ここで打ち合わせ通りのご決定をどうぞ)」というのを毎回やってきた。

 それが、急変進行する危機のなかで、事前打ち合わせなしに芝居でなしに組織を動かせる首相になっていく。

 その成長の頂点で死んでしまうという理屈に沿った脚本になっている。


・赤坂の、また彼の将来像である官房長官の立ち回りというのは交通整理である。個々の課題を、それに関わる複数の政治権力の間のバランスの最適な落としどころを見つけるべきものととらえていて、その把握と取引とだけに専心しようとしている。「俺は権力者じゃない、交通巡視員だよ」といったところだ(そこにこそまた巨大な権力があるのだが)。

 世界に誰も解決策を知らない新しい問題などなく、ただ複数の組織のうちのどれがどれだけコミットし、どれだけリスクとリターンを分割するかの手柄争いに過ぎない。「誰も気づいていなかった新しい解決法を僕が見つけました!」などというのは自分が英雄になれると舞い上がった作業者の譫妄だ、という考えの持ち主であり、それが「うぬぼれるな」という台詞として出る。

 そうして怪獣騒ぎは矢口に持っていかせて、「成功しても失敗しても政治的イベントにすぎない」とうそぶいていたのだけれど、核攻撃は彼の世界観の枠を越えていて、唯一動揺した顔芸を見せる。そして矢口に相談をしに行く。

 最後の面談は赤坂が矢口に嫌味を言ってマウンティングしている絵面だが、実際には「こっちは追い詰められてしまった。お前のほうの成算はどうなの」という弱音を吐いていて、それをあくまで自分が力及ばなかったのではなく客観的合理性に従っているのだ、というレトリックで覆っている。


・今回、ほぼ唯一、ゴジラ側に感情移入させそうな箇所は、バンカーバスターくらったところでよろけうつむいて「悲しいぜ〜♫」みたいな曲が流れるところなのだけれど、そこから流れるようにスーパー大逆襲に続いていくので、「ああ、憐れな…憐れどころじゃねえ!!!?」

ってなるので結局感情移入させないつくりになっている。

2016-08-05 シン・ゴジラネタバレワンポイント このエントリーを含むブックマーク

「じゃあネタバレ部屋作りますね」

「オーケイ」
































「はい」

「ここ?」

「ようこそ」

「どうでした」

「ダメどころは色々あるな。まず、アメリカ特使のキャラ付け…


…あとゴジラの立ち位置に依存しすぎる最終作戦。ゴジラがあそこに居続けてどこかよそに行くことを考えない」

「んーそれは、そこは一点、あなた方に言っておかなければならない」

「なに」

「最後の決定打が盛り上がらないとか、顔をむけて倒れること、機材のスペースがあることの都合良さ、といったことを言う向きがあるが、そこは失礼ながら重要なポイントを逃していると申し上げたい」

「なによ?」

「それはこの映画が、『ポンプ車にゴジラを倒させる』ための映画だ、ということです」

「??」

「陸自の20mmガトリングから始まって、ひとつひとつの兵器が通用せず、適切に順番に火力が増大して、ついに世界最強の通常兵器バンカーバスターまでエスカレートしても勝てない。そして場所は日本の人口の中心、東京駅。その絶体絶命の大危機の、最後の救世主が、3個小隊のポンプ車だと。最強最悪の巨大生物ゴジラを倒した決まり手は、ポンプ車の注水だった、という、この決勝点の絵面を写すために、おおよそすべての設定と展開がある。それまでの努力とそこからの未来の、すべてを託されてゴールを決めたのはポンプ車なんだと」

「なるほど?」

「ポンプ車作戦の実行の詳細が描写されない、わからない、といったことをおっしゃる向きもあるが、そこはぜひわかって頂きたい。ガレキをどけてスペースを作り、四苦八苦ホースを伸ばしつないで注水する、それはもうわかっているのだ。フィクションのほうで長尺の描写をやりすぎては尊礼を損ねるというものだ」

「どうしてそこまでしてポンプ車にこだわるのか」

「バラバラな仕様のポンプ車を全部使ってやるんだと。どれが使われた、どれが使われなかった、とかじゃない。そんなことガタガタ言ってんじゃなく、集まったポンプ車すべてが英雄なんだ、全部活躍させる、させたい、ブーンドドドさせるんだと」

「倒れた口にホース突っ込んでゴクゴクというあの絵が全然かっこよく思えないけどな。都合よく届くのかとか、政府が苦しんだ想定外がまるで起こらないし、人類側の作戦がそこまで上手に決まってほしくないという感情もある。これまで数々のスーパー兵器を退けてきたゴジラが倒されるんだから相応の説得力がほしい」

「そうかな。もう『ポンプ車で勝った!!』『うおおおポンプ車だあああ』という感想で脳内のタイムラインがいっぱいですけど」

「どこだよ」



当時の記事 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2200I_S1A320C1000000/

中央建設株式会社記事 http://plus-mie.jp/fukushima.html

一緒に見に行った土屋つかささんのネタバレ感想http://someiyoshino.main.jp/nowornever/?p=88


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