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2012-09-07 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

ということで、自宅にいます。住環境として変わったのは涼しさ。基本的に空調の管理された場所にいたので、じんわり暑いのは疲れるなぁ、なんて言わずと知れたことを考えています。涼めるって大事なんだ、だからクールシェアくーるしぇあ言ってたのねと。図書館とクールシェアでは、高校生が話題となった次の記事が印象的でした。

カレント・アウェアネスポータルを検索したところ、昨年も図書館が多く利用されていたとの紹介記事がありました。

ここから、「大学図書館がクールシェアに協力している例はどのくらいあるんだろう」と探してみました。

とりあえず、検索。

Googleニュースはてなブックマークで クールシェア や クールスポット を検索すると、主にヒットするのは博物館や美術館の企画展に関するニュースです。

大学図書館としては、これひとつ。開放の対象者は中高生に限定されています。もっとも、ただ開放しているだけではニュースになりにくいのでしょう。大学 クールシェア、大学 クールスポット として通常の検索をしてみました。こんなかんじ。括弧内が該当施設です。

上から5つは大学によるニュースリリース、下5つは公的機関によるものです。京都市の一覧はそれより上と重複している施設もあります。京都聖母女学院短期大学は該当施設をうまく探せませんでした。ここまでで、京都産業大学横浜商科大学広島工業大学神戸学院大学の4大学、図書館としては神戸学院大学を2と数えて5館。ちょっと増えてきました。横浜商科大学は年間を通じて利用者登録をした上で開放をしており、中高生を含めたお知らせを改めて行ったようです。広島工業大学も学外者が利用する際は利用者登録が必要なのですが、広島市の「街中クールシェア!」の記事では必要ないように読めるかな、と。神戸学院大学は対象者が中高生に限定されています。

次は「クールシェア」というサイト(http://coolshare.jp/)から。多摩美術大学デザイン学科堀内チームのアイディアで昨年始まり、今年は環境省省エネ施策のひとつとなっているものです。このシェアマップ*2の検索対象を図書館にし、大学図書館が入っているか見てみます。分室なども含めて図書館の登録は1800件超あるのですが、それらしきものは3館。中央図書館、南図書館、といったそっけない登録名も確かめてはみたのですが、公立図書館とその分館や公民館などが主となっているようでした。

千葉大学は自館のサイトでのお知らせはなく、登録のみ。北九州市立大学図書館は北方キャンパス図書館北九州学術研究都市 学術情報センターはひびきのキャンパス図書館をそれぞれ指すようです。どちらも北九州市の「まちなか避暑地」参加スポット。こちらも自館のサイトでの言及はありませんでした。

47都道府県公式HPの検索ボックスに クールシェア や クールスポット と入れ、一覧をざっと見たのですが上記以上はみつかりませんでした。県レベルでなく小さい行政区画の方がいいのかもしれません。そうしたら出てくるのかも。

もっと上手な調査方法があるのかもしれませんが、6大学・8館。大学図書館の開放としては少なすぎるように思います。

検索語の問題?

そこで、大学図書館 開放 に変えて検索すると、みつかることみつかること。通年で行っている一般開放のページがヒットしているものもありますので、期間を1年以内に限ってみました。すると、上位にくる情報は夏季のみ・高校生(中学生や受験生)対象の限定的な開放のお知らせです。

……ということは。

クールシェアに協力という形で開放しているのは、見つけられた範囲で6大学・8館。京都産業大学神戸学院大学は対象を限定しているので、この2大学を除くと4大学・5館になります。これが〈クールシェアに協力を表明し〉〈一般に開放〉している大学図書館の数。ただし高校生(中学生・受験生含む)に限って開放している大学図書館はとても多い。というのが結果のようです。通年で一般開放している大学図書館はクールスポットと称していないことも考えられます。が、称していないということは意識もしていないということ。700超の大学があるなかでヒットするにしては少ないんじゃないかしら。私の技術と勉強不足の可能性も大、です。

もちろん、きちんとした調査ではありません。これは涼みに出かけようとする人がちゃかちゃか検索をかけるのと同じレベルなのかな、と思います。ということはこの夏、所謂"住民"にとって大学図書館は、クールシェアできる場にはなりえなかったのだな、と。

とりとめなく感想

高校生に限定的に開放しているところがとても多いです。

わたし知ってる。それが大学の広報・募集活動だってこと。

中高生が大学図書館に入って、大学生が勉強したり活動したりする姿を見る機会はとても貴重です。実際の様子を見られるという点では華々しいオープンキャンパスよりもいいかもしれません。むしろ高校生に開放して下さってありがとうございます、とも思います。

ただ、一般向けの開放はもっとあると思っていたので、すこーし残念でもあります。忙しくって今しかできない仕事もあるかもしれない、けれど夏休みって来館者さん減りますよね。一般利用者さんに完全に開放すると、子どもさんがきゃーって走り回ってかくれんぼしたり、ときどき色々大変です。でもこんなときだもの、ちょっとだけオープンになって地域貢献を考えてもいいのにな、そして長い目で見たとき大学の支援者さんになって貰うチャンスなのにな、と。所詮外野ですし、昨年の取り組みを調べたわけでもないのですけれど。

もっとも、クールシェアに協力したら色々なリスクも想像できます。たとえば、ふらふらと暑い中やってきた方が館内でばたりと熱中症で倒れたらどうしよう、ですとか。そのために、おしぼりにするタオル、氷、氷嚢にするビニル袋、スポーツドリンク……をひとまとめにしておいて、統一した対処法を共有して、などなど。学生さんのために既に準備してあるとしても、リスクの範囲が拡大するのには覚悟が必要でしょうし。

難しいですね、って逃げさせてください。

*1:協力・選定・指定ではなく、一般の方による推薦によって掲載されているもの。大学がどう捉えているのかは、……不明。

*2:登録されているデータは 一般・自治体などの団体・事務局による入力 などで、一般はfacebookログインしてからの登録をすすめているようです。「クールシェアマップお知らせ」より

2012-06-03

Open Access文献を使うとき

いつもの前置きです。こんな状況。

6年居ついた大学を離れ、地方の高校で教員をしています。最寄りの公共図書館へのアクセスは徒歩3分。本はたくさん借りているけれど蔵書は物足りない。県立図書館との連携サービスが充実しているのはわかっていますけれど、いつ読めるか定かでない文献に頼りたいとは思いません。お取り寄せって確実性に欠けますもの。院生の頃であれば「必要ならば待つ、逆算できない自分が悪い」と考えていましたし、輪読に(大体)合わせてマイクロフィルムの全頁複写依頼を出すこともしていました。今は、仕事をする上で読みたいものを待っていれば、時間の流れの分授業は進み、納得できない準備のまま授業に臨むことになります。

結局、今、頼りになるのはweb。教育・図書館関連の主な情報源はカレント*1や edufolder(@edufolder)さん、大学情報ニュース*2など。自分の調べごとはOAな文献(機関リポジトリ)です。

機関リポジトリって使われてるの? 役に立ってるの? と疑問視なさる研究者さん大学さんもいらっしゃるでしょうし、図書館情報学の分野では研究対象になっているようです。私からすれば、ものすごくありがたいですー!! なのです。

そこで、必要のために日々使っている、田舎のそのへんにいる勤め人はこんなふうに使っています。ということを書いてみます。

 

 

 

仕事のため

■教育方法について

  • 指導事例の報告

今よく読んでいるのはデジタル教材を用いた指導事例について。国語教育も、もちろん日常的に。小説の授業が苦手なので、検索して参考にしたり発問を考えたり。

 

  • 研究開発に関する論文

新指導要領で重視されている「言語活動」「情報活用能力」について書いてあるもの、それとPISA学力についてをこのところよく読んでいます。

 

■内容について

  • 作品論・作家論(小説)

高校1年生であれば『羅生門』、2年生は『山月記』『こゝろ』が定番教材。評価が定まっていることもあって、公立・学校図書館で入手しやすいものです。これは殊更に探さなくてOK。

却って、ここ10年くらいの間で教科書に採録され始めた、よしもとばなな村上春樹あたりは現在進行形で研究が行われているので、色々なものを読んでおきたい、けれど、やっぱり新しいものは入手しにくいのです。ざっと現代文の教科書の採録作品を見たところ、ガルシア・マルケスレベッカ・ブラウンシュペルヴィエルがあってのけぞっているところ。私が学生のころなら考えにくいなあ、と。

 

言語、文学、かろうじて歴史……、の論文でしたら、大まかには背景を把握しているのですが、哲学、都市論、空間論、生体心理学。まず私が消化するのに時間がかかります。ざっと概説を読んだり、採録元の論文や著者の他の論文を読んだり、は最低限しておきたいところ。

これを短期間に入手するのはとても難しい。県立にILLを依頼すればいいのですが、到着日が確約できませんし(なら、……要らない。ボソッ)、それに10〜12時間働いていると公立図書館の開館時間内に資料を引き取りにはゆけません。

自分の興味関心の範囲であれば幾らでも買うのですが、そうでないものもたくさん噛み砕かねば。もうこれは、CiNiiさんJAIROさんありがとう! というしかありません。

※ 古典は評価も内容も定まっているので、内容について困ることはほとんどありません。指導事例を読むくらい。

 

■教育情報収集について

 

  • 概念の定義を探す

メディアリテラシー、マルチリテラシーズ云々、訳語は唐突に表れてくるわけで。文科省の扱っている用語とどう違うのか、その概念はどういう背景で生まれてきたのか、などなど。数本の論文の冒頭部分を流し読むだけでいいのです。

 

  • 用語?の使用頻度

分野に独特の用語や現代のトピックの概要は頭に入れておかないと、生徒は(さしあたり)受験に太刀打ちできなくなってしまいます。現代文の用語集も発売されていますが、夏・冬・春の課外授業で現代文用語のまとめを自作したこともあります。作るのにはもちろん選別が必要。

用語を検索してヒットが多ければ、定番・或いは今が旬。特定の著者が多くヒットするキーワードならば、下位に。検索して著者をチェックしたり、ヒット数を確認したりして語の選別を行います。最近だと「アフォーダンス」についての論文を扱ったのですが、これ、そんなに重要かしらん。。ですとか。当然、検索結果に偏りはあるのですが、何もしないよりはいいかと。

 

 趣味のため

このあたりは、もうそれ以上の何かはなく、ただ見つけて読みたいから。

 

 

現在の教科に関する準備の大半は、OA可能な論文、というか機関リポジトリの助けを借りて行っている、ということを再確認。こういう使い方する方、どのくらいいらっしゃるんでしょう。私が図書館のお手伝いをさせて戴いていたころにリポジトリに積極的だった人文系の分野は教育と心理、だったように思うのですが、あますところなく恩恵を受けています。

学術関係者さま方に感謝するとともに、どうかどうか、そのへんをへろっと歩いてる人たちにも学術情報を公開してくださいませ、高等教育機関・研究機関からフィードバックしてくださいませ、と願います。