2009-12-26
『グーグル時代の情報整理術』
読書 |
先日帯に惹かれて買った『グーグル時代の情報整理術』(ダグラス・C・メリル&ジェイムズ・A・マーティン著、千葉敏夫訳)を読み終えたので、備忘録として少し感想を書いておきます。
まず帯に惹かれた理由から。太字で書いてある部分を引用すると
とある。失読症の方がCIO(最高情報責任者)をしていたこと自体が驚きで、興味をそそる。失読症の主な症状は、文字情報を脳がうまく処理できないことから来るからだ(少なくとも私の理解ではそうだ)。
さっそくレジへ向い購入し、読んでみた。
本書は3つのパートで構成となっている。パート1は自分を客観的に見つめなおすことに主眼を置いている。自分の脳の限界を知って(例えば記憶には短期記憶と長期記憶の2つがあるが、短期記憶には5〜9個の情報しか留めておけないこと等)、メモをとる習慣を作るなど現実的な対処法を提案している。
他の自分についての制約についても同様だ。背が高い人を例に出すと、背が高いことでF1レーサー、競馬ジョッキーなど諦めなければいけないことが出てくる一方で、バスケットボール選手なら目指してもいいのではないかと。かなり若い人向けの助言のようだが、要は自分に関わるけれどコントロール不可能な制約について(この本の著者の場合は失読症)十分に把握し現実的に対応することが大切なのだ。
パート2は情報処理が主題。紙からデジタルへ情報媒体が変化する中、どれを紙で残し何をデジタルへ以降するかを論じる。このパートはさすがに元GoogleCIOだけあって、Googleのサービスがいかに便利かについての説明に多くの紙幅が割かれている。主な主張は情報受信を(会計書類・法的書類など信頼性が重視されるものを除き)デジタルで行い、検索可能な形にすることだ。受け取る情報を検索可能な形で残すことで、受け取ったEmailをどのフォルダに振り分けるかといった面倒から解放されるといいうことだ。さらにGoogleのサービスはiPhoneやBlackberryと親和性が高いので、情報整理を一元化できることも利点だとする。
パート3は日常のストレスにいかに向き合うかという内容。集中力が必要なタスクを行っているとき外部から異なる刺激が加わる(例:電話、上司からの命令)ことを著者は「文脈の変化」と呼ぶ。「文脈の変化」が何度も繰り返されるような状況ではまとまった仕事をするのは難しいとして、著者は次のような提案をしている。それは
・文脈の変化が起こるのを見越して、現在行っていることについてメモを取っておく
というものだ。この解決策はとても単純だが、文脈の変化が不可避な現在のオフィス環境では意外と役立つのではないか。
読後の感想としては、パート1の自分を見つめなおす方法が一番共感できた。日々私が実践していることだからだろう。パート2は読んでいて、Googleのカタログ読みたいわけじゃないのに・・・という気持ちになった。たださすがに元GoogleCIOだけあって各サービスの利用方法が卓越していて、自分でもやってみたい気持ちになった(少し始めたこともある。Gmailはその1つだ)。パート3は「文脈の変化」という独特の表現が気に入って個人的には記憶に残りやすかったようだ。
ここまで読んでもらった人にはわかるだろうが、この本はパート毎に独立した内容が書かれているため本としての統一感が今一つだ。著者自体に興味があるのであれば文章は読みやすいためおすすめするが、脳への負荷(パート1、パート3)、データ整理術(パート2)と分けてしまうとそれぞれの内容が濃いとは言い難い。脳への負荷については著者が専門としている認知科学の分野で優れた本が他にもあるだろう。ストレスマネジメントについては新書で『ストレスに負けない生活』がお薦めだ。データ整理術については手に余るのでコメントは控える。
最後に、元GoogleCIOの生活はこのようなものなのか、と他人の生活を垣間見るという点ではこの本はかなり興味深かったことを付け加えておく。
2009-12-02
専門性は自分が当たり前だと思っていることにある
先日、タイトルに書いたようなことを思った。僕は日頃から金融のホットトピックには一通り目を通しているつもりで、ある種金融オタクの趣がある。そこで得た知識は(自分にとっては)当たり前のものとして消化され、次の学習に活かされる。このプロセスは自分とPCなり新聞なりで閉じているので、特段目新しいことは起こらない。
ところが、ある日人から金融について意見を求められたとき、話は一転する。僕が当たり前の知識として持っているものが、相手にとっては目新しいことの連続なのだ。例えば僕は昨日大学院の先輩を相手にIPOで証券会社が利益をいかに得るかについて一通りの解説を行った。これがどうも良かったようで、ファイナンスという分野に大きな興味を持っていただけた。ちなみにその先輩はミクロ経済の契約理論を専攻しているので、若干畑違いではある。
こうしたわけで、自分が当たり前だと思っていることは案外と人の役に立つのかもしれない。こう考えると日々の生活が少し楽になるかもしれません。僕のイギリス文化オタクは・・・当分活かされそうにないけれど。
2009-11-30
美容室で髪を切るとき気をつけていること
日記 |
昨日の午後、美容室へ行った。割合と混んでいて一安心した。これまでは平日に髪を切ることが多かったせいか「この店客3人だけど大丈夫か・・・」とか人件費、地代とか含みで心配していたのだけれど(余計なお世話である)、まだそこまで大変ではなさそうだ。
さて、ここからが本題だが、僕は美容室で髪を切るときに注意していることがある。それはなるべく相手にしゃべってもらうことである。どうも、美容室の人は話好きな人が多い気がする。そこで自分ばかり話していてもなんだし、個人的に楽しくない。なのでちょっとした質問をしてみると、美容室の人は(社風にもよるだろうが)色々話してくれる。おもしろい発見も多い。話をするのが好きか、聞くのが好きかによるとはおもうのですが、おすすめです。
最後に・・・来年からその美容室は、休日をこれまでの月曜+第一・第三火曜から月曜のみに変更するそうです。やっぱり業績あまりよくないのかな・・・
2009-11-28
日本郵政が国債依存の運用見直し可能性に言及
金融 |
ええと、タイトル通りのことなのですが、日本郵政グループも人が悪いというか、なんというか・・・こういう世間が金融的にパニックになっているときに、ぼそっと大変なことをいう。
タイトルに書いた内容は日経新聞7面に書かれています。以下引用―
日本郵政の斎藤次郎社長は27日の定例記者会見で、今後の経営方針などを語った。郵便貯金などの資金運用で国債への依存度が高いことについて「そのままで良いとは思わない」と述べ、見直していく考えを表明
(引用終わり)
これってかなり大事なのではないでしょうか。これも記事によると、日本郵政グル―プはざっと160兆円近くを国債で運用しているそうです(195兆円のうち8割だそうですので)。これが少しでも国債マーケットで売りに転じると、まあ、長期金利が急上昇しますし、ええ、その・・・大変です。
もちろん現在日本郵政グループは日本政府の出資を受けているので前段に書いたようなことにはならないと思うのですが、朝からびっくりしてしまいます。まったくもう。
2009-11-27
たまには金融の話題でも
金融 |
そもそも僕の専門は金融なので、昨今の相場動向について思うことを若干述べてみたい。
基本的に、現在の市場は変動率が高すぎて、僕のような素人には手出しが難しい。これはどの市場についてもおおむねいえることである。目につくあたりで一番ホットな市場はゴールドだが、これは過熱感があるので今から参加することには若干の恐怖感が伴う。為替も、投機対象としてはおもしろい。ただし基本的にはゼロサムゲームなので(このあたりは山崎元『ホンネの株式投資教室』に詳しく書かれている)、個人的には参加をためらう。外国株投資に伴う為替リスクを仕方なく受け止めている自分としては、なかなかタフな為替動向だ。おそらく輸出企業の為替ヘッジ担当者は今相当の忙しさだと思われる。
もちろん、市場の変動率が高すぎるのはあながち悪いことばかりではない。デイトレーディングや(僕は今のところ手を出していないが)FX,CFD取引などは変動率があってなんぼの世界なので、現在は売り買いできる人にとってかなりのチャンスである。ただしあまり大きくポジションをとりすぎると追加証拠金の生じる確率が高いので注意も必要である。
僕はといえば、現物の買いのみしかしないので、日々損失に心の中でグチをいいながら耐え忍ぶのみである。