雑記 自作検土杖

検土杖は地面に深く突き刺して土壌を採取し、調べるための道具です。
前々から欲しいと思っていたのですが、構造はシンプルなので自作に挑戦しました。

材料はあらかじめ用意しておいたので、製作約1時間。
慣れれば30分もかからず楽にできそうです。

欲を言えばステンレス製で、もう少し肉薄な円筒材料の方が地中に打込みやすそうです。
今回は手頃な材料が見つからなかったので、次回2本目を作る時の課題。

日報 グループホーム植栽

今日は植栽の助っ人。常緑ヤマボウシクチナシ、アオキ、ヤブランナデシコ、オタフクナンテンドウダンツツジ。ソテツ他は施設に既存の鉢植えを定植。珍しい形の景石はうちにあった在庫を投入。電灯の下には大きなネームプレートがくる予定。

雑記 黒松剪定考2011

以前書いた記事を加筆修正したものです。

今回は松の木の手入れ(剪定)について。
和歌山の個人庭(自分が毎年お世話になるお宅)に植えられている松の木で圧倒的に多いのが黒松(クロマツ)です。埼玉の植木屋時代には五葉松や赤松もそれなりに扱ってましたが、和歌山では「お!」っと目を奪われるような五葉松・赤松にはあまり出会えません。なので以下、黒松の剪定についてです。

庭木の手入れ等に関する書物にはよく、『松の手入れは「春のみどり摘み(芽打ち)」と「秋のもみあげ(古葉取り)」の年2回行う。』と当然のように書かれていることが多いですが、自分は年1回(主に秋)しか行いません。剪定と古葉取りを同時に行うということです。自分に限らず知人の植木屋さん方(和歌山)はほぼ全員がそうだと思います。年1回しか行わない理由について。

 (1)よく芽の吹く木、芽性のよい木は2回も行う必要がない
 (2)樹勢を保つ
 (3)2回行うと観賞価値が落ちる
 (4)予算の問題

簡略に書いたので少し説明を...まず(1)ですが、よく芽の吹く木などは通常の新芽よりさらに幹寄り(若干古い枝)にも小さな芽が発生します。これを大事に残せば伸び過ぎた枝も切り戻しできます。みどり摘みを行わなければ木をほぼ一定の大きさに保てないと考えがちですが、そういうわけではないんです。芽吹きのよくない木でも、年1回の剪定時に芽つぶしや中芽打ち(樹勢・時期などを考慮して適度に)を併用すれば、それなりに自然な感じで樹形が保てます。(2)は樹勢についてですが、これから頑張って光合成をたくさん行おうという時に大事な新芽を切り落とすわけですから、木にとってダメージは大きいと思います。樹勢を保つというのは忘れられがちですが、個人的にはかなり重要視しています。それからこれは個人的な感覚ですが、温かい時期に剪定すれば樹液(松ヤニ)の流出も多く、これが害虫の誘因に多少は繋がっているんじゃないかという疑念を持っています。次に(3)ですが、これは意外だと思われる方が多いのではないでしょうか?みどり摘みといっても多様で、「すべての新芽を摘み取る方法」と「まん中の芽は摘み取り、脇の芽は中芽を入れる方法」の大きく2つの方法について考えます。みどり摘みの時期を遅らせるほど、次に発生する2番芽は葉が短くなります。盆栽など、小さい木の場合には年2回の手入れで葉を短くし、バランスを保つ必要がありますが、ある程度大きな庭木になると、あまり短すぎる葉は見ていて堅苦しく感じます。また、いかにも人工的な印象を与え、自然な感じがなくなります。木の大きさに合わせて程々に葉も長くなければ松の木本来の優雅さがなくなってしまうように思います。なので、すべての芽を摘み取るみどり摘みは盆栽など(葉の長さを短く保つ必要のある)小さい木の場合にのみ行うようにしています。それなら「まん中の芽は摘み取り、脇の芽は中芽を入れる方法」がよいのでは?と考えてしまうのですが、このみどり摘みは育成途中の木の場合に使えるかもしれませんが、個人的にはこの方法も行わないほうがよいように感じます。当然のことながら、新芽を切らないほうが早く成長させることができますし、樹形が完成した木の場合でもこの方法でみどり摘みを行うと不揃いになって美観を損ないます(ある程度の不揃い加減を出したい場合は別として)。それから、みどり摘みを行った後には確かに芽数が増えます。しかし、これはほとんど同一の場所(切り口)から多発しているので、切り戻したいときに残せる芽ではありませんし、車枝の原因にもなります。また、毎年同じ所で摘み取るケースが多いのでその場所がコブ状になりやすいというのも考えものです。それから、みどり摘みを行った木はしばらくの間、古い葉ばかりになってしまうので見ていて痛々しいです。最後に(4)ですが、これが現実問題としては大きいのではないでしょうか?年2回手入れしてもらいたいけど予算の都合が...ということだと思いますが、必要の無い作業を行って無駄に費用をかける、なんともナンセンスだと思うのです。

ここまで読んでいただけた方ならわかっていただけると思いますが、もしこれから松の木を購入しようとお考えの方がいましたら1点だけ注意してください。毎年春から夏にみどり摘みを行っているような木は購入しないほうが無難です。みどり摘みを行えば、芽性のよくない木でも芽数が増えて葉が短くなり、一見すると価値の高いものに見えます。ところが持ち帰って植え、年1回の手入れにすると本来の芽性が現れて見苦しい木になってしまったというケースをよく見てきました。仲間内では松のダマシ商法として知られています。ご注意を!

以上、アンチみどり摘み的な内容になってしまい、年2回の手入れを推奨している同業者からクレームが来るかもしれませんが、我々の仕事は文化の伝承・発展に寄与するという重要な役割も担っていると思うので、あえて個人的な考えを書かせていただきました。ただ、ケースバイケースで年2回の手入れを行いたい、といったご要望もあるでしょうし、育成途中の木で新芽の勢いが強過ぎて間延びしてしまう可能性のある場合は中芽を入れることもあります。また、盆栽の世界ではみどり摘みは不可欠な技術ですし、地域による気候や慣習などの違いによっても対応が異なります。最近では温暖化が進行すると木の成長の仕方も変化するのかな?と思ったりもします。

<原文 2007.9.27 紀州庭造記 番外編 黒松剪定考>
<加筆修正 2008.5.7、2008.11.26、2011.7.3>

日報 ニレハムシ駆除(ケヤキ)


ケヤキに大量発生したニレハムシ(Pyrrhalta maculicollis Motschulsky)を薬剤散布によって駆除してきました。
成虫、幼虫ともに葉を食べるので、被害は一気に進んだ感じだった。即死に近いもの、薬液の中を平気で動き回るもの、薬剤の効果については個体差が大きかった。これが同種内における遺伝子(薬剤耐性)の多様性なんだろうか?それとも単に薬剤が体表に接するのと、体内に入ってしまうということの違いなのか?

雑記 ナツグミ&スッパマン

先日伺った庭にグミがたわわに実ってました。
写真のスッパマンぽい表情とは裏腹に、味見させて頂くと渋みはあるけど結構美味しかったです。

最近伐採の仕事が続きました。この時期は毎年多い気がします。