ルキノ・ヴィスコンティ 『家族の肖像』

izaatsuyoshi2012-01-12


年末年始にイタリアを旅したという福島の友人Kから、半月遅れの誕生日プレゼントが届いた。愛娘とともにローマ、ポンペイフィレンツェヴェネツィア、ミラノを巡ったそうだ。


移動で忙しい旅にあって、あれやこれやと選んでくれたのだろう。フィレンツェ特産マーブル紙のレターセットとダイアリー、柔らかな柔らかなハンカチ、ミラノのドゥオーモが描かれたボックス入りのダークチョコレート、そしてルージュ。美しく質の高い布や紙にこだわりのある彼女らしい、また心の温かくなるプレゼントだった。

昨年3月の震災にあった彼女の自宅は、建て替えをすすめる周囲の声をよそに修理を重ねているという。「モダンなステキなインテリアの家、とっても憧れるけど・・・」「アンティークで古いフィレンツェのホテルのような」(手紙より)、古風なたたずまいを愛しているのだ。私も同様、趣のある古い家に手を入れながら暮らすのが理想である。

彼女の手紙を読みながら、ルキノ・ヴィスコンティの映画 『家族の肖像』(1974年)を思い出した。

ローマのアパルトマン。絵画収集とその研究をしながら隠遁生活を送る老教授(バート・ランカスター)のもとに、ある日、美しい夫人(シルヴァーナ・マンガーノ)が上階を貸して欲しいと押しかけてくる。夫人は教授のコレクションである1枚の絵画「カンバセーションピース(家族の肖像)」を散らつかせ、とうとう愛人コンラッドヘルムート・バーガー)を住まわせることに成功する。古い部屋は改造されモダンな家具が運び込まれ、奇妙な関係が始まるが・・・。

ストーリーはさておき、教授の暮らす重厚な貴族趣味の部屋とコンラッドが改造したモダンな部屋、二つとも捨てがたく美しかった。学生時代、どちらかといえば耽美な作品を好んで映画館に通ったKと私にとってヴィスコンティはお気に入りの監督の一人だった。

久しぶりにヴィスコンティ映画を観たくなった・・・。

ところで、Kのご主人は人気ブログの「迷跡日録」さん。3ヶ月余り更新してなかった当ブログを気にかけてくださっていたらしい。昨秋、少々体調をくずしブログを更新する気も失せ・・・しかし迷跡さんのブログは毎日拝見、朝晩、覗いてしまうぐらい。これからも楽しみにしています。

そしてK、ありがとう。すごく嬉しかった! 元気で!!