行政書士石山政義による法務にキラリ その27

行政書士による遺産分割協議書にキラリ(2)。
本日は、最近扱った遺産分割協議書に関する案件を一つ。
通常は、一人亡くなったときの遺産分割協議書作成依頼が多いですが、父親が亡くなって一回忌も来ないうちに、母親も追うように亡くなったケースも稀にあります。
このような場合の対応をこれから述べてみたいと存じます。
依頼人は神奈川県は鎌倉市内に在住する生来善人(ウブキタヨシト)氏と奥さんの内助子(ナスコ)さん。自宅裏の滑川に鎌倉らしさを漂わせる小じんまりした家。
さて、当日、自宅にお邪魔して、早速打合せ。先方に御願いしてあった相続に最低限必要な基礎資料を拝見すると生来善人は内助子さんの婿養子で正式に養子縁組をしてますから相続権は特に問題はありません。養父は平成15年2月に養母はその年の11月に亡くなって実子四人のうち次女は生後数ヶ月で死亡、長女は生涯独身でしたが今年2月に死亡。とすると推定相続人は養子である善人さん、三女の内助子さんと四女の爛漫さんの三人。
遺産分割の内容は土地、建物の全てを養子である善人さんに相続させるということで、他の財産は全て分け合ったということなので当職としては財産の確認の為、権利証の拝見、固定資産評価証明書、最新謄本を取得することとして、三人の印鑑証明と実印の用意を御願いし、新緑も鮮やかな鎌倉の山並みを後に帰路についたのであった。

於鎌倉拙宅裏山乃山躑躅
岩稜からほぼ水平にのびる枝は直線的で鋭い。佳麗な花蝶が緑に映える。
東京の事務所に戻り、相続人を改めて特定しなければなりませんから御両親、養子、実子の戸籍謄本、除票を手配。ここで注意しなければならないのは養母です。養父の死亡時点で相続権が発生しており、4ヶ月後に死亡し、二分の一は養母が財産をもらう権利があっても、その移動をせずに、中間省略はできますが、養母の戸籍を調査しなければなりません。といいますのは養父と結婚する前にはもしかしたら養母に実子がいたかもしれません。その場合には養母の子供にも相続権があることになるからです。地方から取り寄せた結果、幸いに初婚を証明できましたが、もし、でてきたら、ややこしいこと窮まりでした。(以前、そんな案件があり、遺産分割どころではなくなっていまい、結局、裁判所で協議したことがありましたが)
さて、あちらこちらに戸籍謄本、住民票等と確認し乍らの手配、特に養母の謄本取得に苦労しましたがなんとか相続人も特定し、遺産分割協議書も出来上がったので生来善人さんに押印関係の打合せの連絡。ここでは善人さん、内助子さん、そして御会いしたことのない爛漫さんに立ち会ってもらいたい旨を言いましたが、四女はその日は茶事とかなんとかで行けないから実印だけ三女に預けるということでしたので、四女にはファクスを事前に送付するということで了解してもらいました。
二日後、御伺いして遺産分割協議書を読了後、押印と印鑑証明書を預かりましたが、四女さんが気になり、念の為、電話での確認を御願いすると、まだ在宅とのことでしたので当職が口頭で確認して且つ押印したものを再度ファクスして納得していただき無事終了となりました。
このような場合、出来る限り相続人全員に集まってもらい、目の前で署名(昨今はプリントしますが)押印をしていただいたほうが失敗がないです。本件の場合は他の財産、特に動産関係の処理がきれいに終わっていたから良かったでしょうが、当職が関わった案件で、不動産以外にも動産の処理に関しても遺産分割協議書で謳うということでしたが当日、ちょっと神経質な三男が公用で来れないというので(こういうときに限って)事前に相続人全員で相続分を決め、出来上がった遺産分割協議書を三男にファクスしておきました。押印当日、三男の実印と印鑑書証明書は長男が預かってましたが、なんかいやだなあと思いながら、書類は完成して三男にも再びファクスしました。が、後日、三男からクレームです、やはり。実は父親が残した、某ゴルフ会員権といくつかの貴金属(有名ブラント時計3本)とが父親の死去直前に長男に渡っている筈なんで・・・。って、この一言で、もう数ヶ月前から積み上げてきたものがおじゃんです(といっても協議書は有効です。作り直すか、追加で二冊目をつくるか、さもなければ裁判か。)。あとの話は本日記には記しませんが、こういうことのないように遺産分割協議書を作成するときは皆さん、必ず全員あつまって再確認してから押印しましょうネ。
当事務所におきましては、日本中にある許認可申請と事実証明書類作成、また公証人さんの御役目と消費者との歯車的存在である、街の法律家である行政書士が如何に関わっていくかを、他の日記を挟み乍ら、述べていきたいと存じますので御期待ください。
石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
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