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Sat 2004.04/17

ユング心理学でプリキュアを語る

| ユング心理学でプリキュアを語るを含むブックマーク

(※俗流心理学アニメキャラクターを分析しようとするのはエヴァ以来の伝統ですから、その程度のネタとしてお読みください)

 こちらから話を振ってくださったので、つられて考えてみる。*1

 美墨家と雪城家の家族を元型に割り当てた上で、なぎさとほのかはお互いのシャドウであるか否か? という話になっているのですが、ここでは結論を急がず、元型論は脇に置きます。

 その前に、ユング式性格類型分類でなぎさとほのかを分析してみましょう。


 なぎさは「味覚を楽しませることを重視し、身体を動かすことが好きで、外界に対して脊髄反射的な行動を良く繰り返す」のが特徴です。

 これらは、彼女のタイプが外向的感覚タイプスポーツマン等に多い)であることを示唆しています。友人とのコミュニケーションを大事にしているあたりは、サブの性格として外向的感情(社交家に多い)の傾向もあるとみていいでしょう。


 一方ほのかは「勉強が得意で、雑学の収拾・整理を好み、また自分の知識を他者に伝える能力に長けている」のが特徴です。

 これらは外向的思考タイプ科学者等に多い)の特徴ですが、彼女が時折見せる思想性や他人に対する鈍感さ、大人をもひれ伏させるカリスマ性の高さを見ると、内向的思考(思想家に多い)や内向的感情(神秘的な印象を与える人物に多い)の傾向もあるかもしれません。


 ユング性格類型でシャドウとされるのは、大抵、自分のタイプの対角線にあるタイプであると言われています(絶対そうだ、と言い切れるほどの法則ではないですが)。

 こうしてみると、なぎさにとってのシャドウとなるべきタイプは内向的直感タイプであって、ほのかにとってのそれは内向的感情タイプなんですね(ほのかが時々、威圧的で高慢な態度で爆発してしまうのは、シャドウである内向的感情の暴走が原因だと考えられます。なぎさが弟の生死を良く確認しないまま怒りと悲しみに支配されたのは、彼女の未発達な内向的直感が弟の「死」を誤って予知してしまった為でしょう)。

 何から何まで正反対にキャラクター造形されている、と評価されることの多いプリキュアですが、ユングの性格類型で見た場合、不思議と「正反対」ではなく、いわば「無関係」のタイプとして設定されているわけです。*2


 なぎさとほのかの関係は、「自分には無いもの」を相手は持っているが、「自分の嫌な部分」を見せつけられるような相手ではない、という様にまとめてもいいでしょう。*3

 もしお互いのシャドウ(正反対のタイプ)であるならば、なぎさにとってのほのかは「妙なカンに頼って行動する気紛れで空気の読めない女の子」だったかもしれませんし、ほのかにとってのなぎさは「物静かで近寄りがたいけど深い人間愛を持った女の子」として表現されたかもしれません。*4

 すると、彼女達にとってのお互いの存在は、シャドウではなく、自分を導くもの、好きになれる対象、憧れとしてそこにあるのではないでしょうか(自己がシャドウに向き合う為には、まず自己のタイプでも正反対のタイプでもない「無関係のタイプ」と付き合う必要があるわけですが、その時、彼女達はお互いにその役割を担うことができます)。


 こっから先は更にマユツバ度が加速するので注意!

 元型論に戻ります。

 ユングの『元型論』には、シャドウやペルソナの他に、ゼーレ(魂)、ガイスト(霊)という言葉も出てきます。

 ゼーレは男性にとってのアニマ元型に近いもので*5、ガイストは自分を導くものや憧れの対象、とイメージしてください。

 そこから、なぎさとほのかはお互いのゼーレやガイストなのではないかな……、という仮説に至ったわけですがえーとこんなのマユツバですよ、真に受けないで下さいね、もう。


参考:ゼーレとガイストについてはここくらいしか説明らしい説明が無かったな。匿名掲示板キャッシュですが。

  • ところで

 話は飛びますが、(百合漫画フリークの間では高名な漫画家であるところの)紺野キタは『Cotton』(ISBN:4591078795)において「相手の中に自分のシャドウを発見して統合する話」をうまく描いてますね。プリキュアとは勿論違うケースなんですが、今回の問題の比較サンプルとしては面白いでしょう。

 仲直り話としても素晴らしいので、プリキュアの第8話に感動したっていう人はマスト読んどけ。っていう感じです。同程度に泣いたり萌えたりすること請け合い。

性格類型分類、改めて結論

| 性格類型分類、改めて結論を含むブックマーク

 検証の結果、なぎさは外向的感情タイプ(サブに外向的感覚)、ほのかは内向的思考タイプ(サブに外向的思考)、というように分析結果を変更することにします。

 なぎさが外向的感覚メインでなくなった理由としては、「外向的感覚タイプらしい堅実さやリアリストの傾向が無い」という点が挙げられます。感情タイプになったのは「考えることが苦手」なのが決め手かと。第8話の手帳に書かれていた好き嫌いポエムは、感覚の判断によるものか感情の快/不快によるものなのか判別しがたいんですが、そこは両方の機能が発達しているからかもしれません。

 ほのかの理由は「外向的思考タイプの女性は非常に珍しい」ということと、やはりどちらかと言えば内向的な性格だからです。人前で良く喋り、説教癖がある辺りは外向的なんですが、そこはバランスが取れているということでしょう。


 改めてみるとなぎさとほのかはやはり「正反対」の性格にキャラクター造形されていて、id:dokoikoさんの分析も間違いではないと証明する結果になったのではないかと思います。

*1:また後出しジャンケンですみません

*2:もっとも、なぎさのサブ・タイプである外向的感情と、ほのかのサブ・タイプである内向的思考は対角線上の関係にある。第8話でほのかはなぎさが突然見せた感情面に驚き、なぎさは「自分がいつも正しいとでも思ってるの!?」とほのかの思考態度をなじっているが、これは彼女達のサブ・タイプ同士が衝突してるのである。この部分においてはシャドウの発見と言えなくもない

*3:こういう結論は、分析結果をちょっと変えるだけで簡単に覆ってしまうことに注意。後から考えると、なぎさが外向的感情メインでほのかは内向的思考がメイン、と診断してもいいような気がしてきたし。つか、多分、そっちが正解(弱腰)。要はシャドウ的な部分もあるし、シャドウ的でない部分もあると。それこそ陽中陰、陰中陽の関係なんでありましょう

*4:むしろこれは二世代目プリキュアに使いたいネタだな

*5:ちなみに女性にとってどうなのかは書いてない。教えて偉い人。ひょっとしたら女性にとってのゼーレも女性性であって、女友達に投影されるものなのかなーと推測してるわけですが

esperesper 2004/04/17 08:25 女性の抱く魂のイメージも男性、つまりアニムスらしいです。さっぱり意味は分かりませんが。

izuminoizumino 2004/04/17 08:39 _| ̄|○ ちぇー、残念。でもガイストって男性(父性)イメージなんですよね。それだと女性のガイストは母性、でいいのかな

izuminoizumino 2004/04/17 10:29 http://pujisan.com/main/old/seikaku/yung_form.html これでなぎさとほのかを診断してみたところ、やはり外向的感情と内向的思考という結果が出たり。うむー

izuminoizumino 2004/04/17 10:52 試しに山百合会もチェック。志摩子さんは内向的感情(イメージ通り)、由乃さんは外向的直感(イメージ通り)、祐巳さまは外向的感情(つまんないけど無難だな)、祥子は内向的感覚(意外だけど結構当たってる気がする)、可南子が内向的思考(おっと祐巳の逆か)でした。まぁぼくの主観で入力してるからアテにならない結果ですが

izuminoizumino 2004/04/17 11:00 瞳子は外向的直感。ホントに由乃と被ってら

saesae 2004/04/18 01:59 はじめまして。読んで思ったのですがプリキュアの二人の関係は嶽本のばらの「下妻物語」の二人の関係に似てるな…と思いました。

izuminoizumino 2004/04/18 02:09 saeさん、はじめまして。のばら先生の作品はまだ読んだことないんですが、「下妻物語」は確かにこういう「お話」の定番っぽいですね



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