『ふたりはプリキュア』第22話「ウッソー!忠太郎がママになる!?」
最後まで観てみると、ロジカルに工夫されたシナリオであることが解って、良く出来た話だなと思った。
なるほど、「壊れたプラネタリウム→元に戻る」「失われた仔犬→飼い主の元に戻ってくる」「仔犬を失った忠太郎→ほのかの元に戻ってくる」という「喪失と回復」を前もって繰り返し描くことによって、ラストの「ほのかにとってのキリヤの喪失」が「戻ってこない」ことがスケールアップされると。これは切ない。辛い。こういった手法で「喪失感」や「何も無いということ」を描くとは。感心しましたよ。
この回を観ると、スタッフ達が「キリヤの死」を「人間の死」と等価なものとして真剣に描くつもりだったという意気込みが伝わってきますね。近しい人間の死には必ず「追悼」と「喪」の時間が必要なわけですが、それを丸一話使ってやるとは思いませんでした。子供にこの意味が伝わったかどうかはわかりませんが……。
脚本は第16話のマドンナ回に続いての影山由美。あー、どおりでなぎさがやたらドライ(というか、薄情)な性格に描かれてたのか……。マドンナ回でもおかしいなと思ってましたけど、この脚本家はなぎさに思い入れが無いんじゃないかと疑ってしまいました。そこらへんどうなんだろう。
レトリーバー犬は良く母性の象徴だと言われますが、忠太郎もほのかの母性面を表しているように思えますね(置鮎声は違和感あったが)。
そして最後に一言。屋台のお兄さんはうっかりネギマを与えてしまう所でしたが、犬にネギを食わせると赤血球が破壊されて中毒を起こします! 注意してください!
- 追記1
ラスト、なぎさがほのかが泣いたことを知り得たのは、プリキュアダイアリーを通してだったんですね。それには気付かず。なるほど。
- 追記2
イルクーボのキャラクターデザインは、初期設定の時点で「作画が簡単に済むように」造形されているような気がしますが、多分そうなんでしょうね。線も少ないし基本的に動かない。コストとドラマ性の面から言って、そのデザインは正解だと思います。