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Thu 2008.03/27

漫画購入録/丸川トモヒロ『成恵の世界』10巻

| 漫画購入録/丸川トモヒロ『成恵の世界』10巻を含むブックマーク

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  • 一年ぶりの単行本
  • 感動が高すぎて言葉になりません。さっきまで3時間くらいずっと9〜10巻と1巻を読み返してました
  • あまりにも素晴らしすぎると、感想言葉にするのも無粋に感じるというか*1
  • SF漫画としても間違いなく名作で、マイベスト漫画としては五本の指に入れて構わないくらい好きかもしれない、と新刊が出る度に感じます

 ハチワンダイバー実写化1巻が発売していた頃の期待通りになるとは……。

*1:これはぼくの基本スタンスでもあって、批評や分析になら言葉を費やすことはできても、「感想」や「レビュー」をあまりしたがらないのは、この「無粋」という感覚が先に立つため。「感動」というのはそのまま言葉にできないものでしょう

Wed 2008.03/26

上京予定とお茶日記

| 上京予定とお茶日記を含むブックマーク

 28日から4月1日まで上京します。ご当地の皆さん、宜しくお願いします。


 以前買った、葉々屋というブランドキーマン紅茶を飲みきったので、今度は同じブランドセイロン・ディンブラを飲んでいます。スッキリした味でこっちも美味しいけど、独特なコクと臭み(「スモーキーな」というやつ)のあるキーマンの方がやっぱり好みかな。

今週のマガジンの「面白かったもの五つ」

| 今週のマガジンの「面白かったもの五つ」を含むブックマーク

 西本英雄大活躍の号でしたね。「五つ」に『FAIRY TAIL』と『ベイビーステップ』を入れようか迷いました。

 ネギまはここずっと期待に応えてくれる展開で進んでるんですが、一般読者の反応はどんな感じなんでしょうね。

今週のデータベース更新

| 今週のデータベース更新を含むブックマーク

『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト更新

 本誌の今週分(♯267)を更新してあります。

 未読の方はトップの「はじめに」からお読みください。

 あと、今回の解説は《スクラン考3:双方向を目指す想い》で提示された問題を踏まえた上で読まれることをお勧めします。

♯267THE FAST AND THE FURIOUS」(ワイルドスピード

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Tue 2008.03/25

「つまらない」と書くにはかなりの才能が要る

| 「つまらない」と書くにはかなりの才能が要るを含むブックマーク

 手元のメモより。

 人は、ブログで「つまらない」と書いても人に迷惑をかけないような人物になりたいからこそ、人間的に成長したいと思うのではないでしょうか。


 「つまらないと書くべきではない」と考える人は、それがその人の努力限界なんですよ。人に迷惑をかけない、むしろ建設的な意図を込めて「つまらない」と書くことができる人物になろうと努力すればいいのに、その成長のビジョンが見えていない。要するに、つまらない「つまらない」しか書けない自分をこそつまらないと考えるべきです。


 もちろん、「だから(今の)僕にはつまらないなんて書けない」と言える謙虚ブロガー氏に対しては、全力でそれは正しい態度だと肯定できるでしょう。

 あとそもそも「つまらない」という日本語を選んで使うこと自体がボキャプラリーの貧困さを示していて、心で「つまらなさ」を感じていたとしても、「つまらない」という言葉は使わずに「つまらなさ」を表現しようとすると思います、文章力のある人は。


人生がつまらない人へ人生がつまらない人へ
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Sun 2008.03/23

izumino2008-03-23

誕生日記念絵

| 誕生日記念絵を含むブックマーク

 珍しくトップ画更新しています。

 今日スクラン塚本八雲誕生日だったので、その記念に。

Fri 2008.03/21

KAITO「白虎野の娘」リンク

| KAITO「白虎野の娘」リンクを含むブックマーク

 20日はちょっとオフ会していたので更新時間が取れませんでした、すみません。


 そのオフ会で教えてもらったニコニコ動画。神ですねこれは。

 それにしても、オフ会の会話内でべびプリの話題が通用しない時はちょっと寂しくなりますね。あんなにも面白いコンテンツなのに……やはり入るハードルが高すぎるのか……。


 月末あたり、東京に数日滞在する予定です。同人誌を抱えて持って行きます。

 スケジュールまだ全然組んでないんですが、なるたけ多くの人に会えるようにしないとダメだな。

今週のデータベース更新

| 今週のデータベース更新を含むブックマーク

『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト更新

 マガスペの今月分(♭61)に続き、本誌の今週分(♯266)を更新してあります。

 未読の方はトップの「はじめに」からお読みください。

♯266MAD MAX」(マッドマックス

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♭61 「FOUR ROOMS」(フォー・ルームス)

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Wed 2008.03/19

今週のデータベース更新

| 今週のデータベース更新を含むブックマーク

『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト更新

 マガスペの今月分(♭61)を更新してあります。

 未読の方はトップの「はじめに」からお読みください。


 本誌とマガスペの発売日が同じだったので、今日マガスペ更新だけして時間切れです。本誌分の作業は明日から再開します、すいません。

♭61 「FOUR ROOMS」(フォー・ルームス)

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今月

f:id:liquid-fire:20080320011707j:image

KC17巻

f:id:liquid-fire:20080320001257j:image


 今回の高野のアレについては、いわゆる「墓まで持っていく」タイプの代物で、相手本人はおろか「読者にすら」明確に知らせないまま、「気付いてる読者だけで楽しむ」描き方を選ぶもんだと思っていたので、作中でちゃんと見せてきたというのは意外でした。小林尽も、そこまで「寡黙な」作家ではなかったということでしょうか。*1

 うーんでも高野は凄いキャラですね。ぼくの周囲には好きだっていう人が多いんですが、ぼくもかなり好きで、改めてその凄さを感じ入りました。

新ジャンル「誰から見てもすごくかわいい」

| 新ジャンル「誰から見てもすごくかわいい」を含むブックマーク

身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記: ヒロインの可愛さの指標;みんなが可愛いと言うんだから本当に可愛いのだ

「美少女だと思われている美少女」は美少女、という話。 - たまごまごごはん

 今日mixiの中で、みやもさんとたまごまごさんに「ちょっとコレについて記事書いてみませんか」って催促してみたら、ご両人に書いていただけました。ありがとうございます。言ってみるもんだ。


 ちなみにたまごまごさんとアスカの話をして盛り上がってたのも自分で、このブログではこんなことも書いてましたね。↓

2007-07-20 - ピアノ・ファイア

こういう「自分の魅力の使い所を理解してない美少女」とか「学園一の美少女」とかそんな設定のついたヒロインには、自分でも良くわけがわからんくらいに滅法弱いのでして、キャラクター紹介時に「○○の生徒ならばその名を知らぬ者は居ない」みたいな解説が入るだけでもワクワクしてしまうものです(唐突な萌え語り)。


 その内どっかの出版社は『高嶺の花ヒロイン大全』とかそんな本を出すべき。って、どこに向けて言ってるんだかという話ですが。

 もう自分で企画して作った方が早いかなー、『高嶺の花大全』(笑)。ここずっと、丸々三年間は提唱しつづけてきた萌え属性なんですよ!

 『ミスミソウ』のヒロインも大層可愛いんですが、現在このジャンル最高峰はやはり『花の名前』の蝶子さんでしょう。もう天井知らずの可愛さ(可愛がられ方)でクラクラします。

ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
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*1:「直接その場面を見せずに、間接的に出来事を感じさせる」という演出は相変わらず抜群の上手さですが

アホーガンアホーガン 2008/03/21 19:38 なんか最近、続けて三回も別々のサイトで美少女の定義に関する考察を見るとおもったら、こちらが発信源でしたか。で、なるほど。確かに最近増えた、あずまんが系の「女の子が沢山出てきて、彼氏は作らず、ほのぼの過ごす作品」だと、不美人は普通に、普通の子は美人に補正されてしまうので、補正美人と元から美人の区別が難しいのですが、どこで区別していたかと言われてみれば、確かにそれは周りの男子の視線であったり、仲間内の「みゆきさんは、美人でスタイルもよくて(その上、眼鏡っ子でドジっ子)だからもてそう」というセリフだったりしますね。とりあえず、花の名前が読みたくなりました

izuminoizumino 2008/03/21 21:37 「もてそう」っていうのは冷静な「評価(予想)」であって、「もててる(自分も魅了されてる内の一人に含まれる)」じゃないという気が……。

izuminoizumino 2008/03/21 22:14 たまごまごさんとこのコメント欄でも挙げられてますが、『天使な小生意気』の天使恵も超かわいいキャラですね。

アホーガンアホーガン 2008/03/21 23:01 な、なるほど…

Tue 2008.03/18

ユリイカの記事を振り返って

| ユリイカの記事を振り返ってを含むブックマーク

イズミノウユキ「ヘブン・ノウズ・ハウ・ザット・ビジョン・イズ」への反応に対する反応

 前からやろうと思っていた作業なんですが。

 ユリイカ荒木飛呂彦特集号が出た後で、拙論に向けていただいた反応を集めてクリップしてみたいと思います。まぁ自分用の備忘録ですね。

ユリイカ 2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦〜鋼鉄の魂は走りつづけるユリイカ 2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦〜鋼鉄の魂は走りつづける

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 そういえば、あまり認識されていないような気もしますが、ぼくがあの記事で書いたのは「荒木割り」についてだけではなくて、荒木絵が表現する「神の視点」についての視点論も後半で書いているのですけど。*1


 しかしWikipediaの「荒木飛呂彦」の解説内にぼくの記事が引用されていることを知った時は「おお!」と思ったものです(と、ここから既にクリップ作業に入ってます)。

荒木飛呂彦 - Wikipedia

この変形ゴマは『ジョジョ』第3部後半より使われるようになり次第に頻度が増え、それに従いコマ外の余白が増えていったが、第7部『スティール・ボール・ラン』では全ページがタチキリ(ページの端いっぱいまで絵を入れること)で描かれるようになったため余白が激減した。このタチキリの使用については、第7部の舞台である西部アメリカの広大さを意識して取られた方法ではないかと指摘されている[11]。

 「余白(間白)」についての分析を拾ってくれてるあたりが細かいですね。

 「荒木割り」の概念オリジナルはもちろん「メビウス・ラビリンス」さんによる「荒木飛呂彦のコマ割りの原理」なんですが*2、間白についてはぼくが独自に調べた部分なんですよね。


大炎上 | ユリイカ増刊 荒木飛呂彦特集号が恐ろしいまでにステキ

これはイズミノウユキさんによる『ヘブン・ノウズ・ハウ・ザット・ビジョン・イズ 〈ねじれる視線〉と〈神の視点〉の可能性』という記事(というか、もはや論文)。

 確か、一番最初にブログで言及していただいたのが大炎上さんだった気もします。ユリイカの紙面の携帯写真もあり。


手遅れの季節なう

すごい!凄い執念で書かれている!……まあ、これ位やって漸く評論の態をしていると思うべきなのかも知れませんけども。えー、とにかく非常に詳細に「コマ割り」「読者の視線」「神の視線」の3つを論じていて、非常におもしろい評論でした。

おもしろいなあ。「コマ割り」の部分は実例がたくさん出されているので、複雑な内容ですが、すごく読みやすい。今までコマ割なんて意識したこと無い人にも、非常に親切です。

 以前、一度ここで紹介したこともあるid:roki_aさんの感想


「ユリイカ」荒木飛呂彦特集全記事レビュー - 三軒茶屋 別館

フジモリの記事ベスト3は「ジョジョ立ち」「イズミユウキ評論」「瀬藤光利エッセイ」でした。

 三軒茶屋さんの感想としては、アイヨシさんの感想も知りたかったかも。

 「神の視点」問題については、アイヨシさんとちょっと議論していた内容を反映したものだったりするので。

 ちなみに当時の議論の成果は、更に『漫画をめくる冒険 上巻・視点』(→情報ページ)にもそのまま活かされています。


ドメインパーキング

イズミノウユキ原稿をまず読む。というのも理系論文のように図解資料がやたら多くて、つまりごりごり実証的な論考なのだ。何を実証しているかというと、荒木特有のイタリア彫刻的なマニエリスムの「ねじれ」が、身体のねじれだけじゃなく、コマの傾き(台形のコマ)=まなざしのねじれとしていかに実現されているか。

 携帯写真付きで、軽く内容を紹介してもらってます。


Skeltia_vergber on the Web : 多面的・多角的な荒木飛呂彦の世界の見取図のために

イズミノウユキ氏による『ヘブン・ノウズ・ハウ・ザット・ビジョン・イズ』は、本書のなかで一番興味深い論攷であった。

イズミノウユキ氏がアングルの七原則として示しているのは、荒木作品の分析だけでなく、他の漫画作品、さらには小説映画テレビ番組における『読む』ことや『観る』ことの分析視覚をさらに広げたものとして、今後の参照点になると思う。アングルの七原則とは次のようなものである;

【原則1 焦点移動】:Pan & Tilt、コマ→コマの移動だけでなく、絵画的な視線誘導

【原則2 アングルの保存性】:Track & Crane, Jumpアングルの角度というものは、次のコマへとそのまま持ち込まれるという「保存性」

【原則3 z軸開店のねじれ】:Roll 2、z軸(奥行き軸)の回転によってアングルがねじれること

【原則4 正面補正】:Pan & Tiltか回り込みトラッククレーン

【原則5 変形ゴマ】:台形ゴマによる読者の遠近感の錯覚(「奥行きのある面」と認識

【原則6 サイトラインの一致】:「見つめ合う人物同士の視線をつなぐライン」「視点取得」

【原則7 カメラワークの慣性】:カメラ被写体が移動しながら撮影しているような演出があった場合、読者の視点は実際のカメラポジションが追い越すような位置まで傾いていくこと

さらに同論攷でいう「神の視点」とは、『ジョジョ』における、一般人には不可視エネルギーのビジョンであるスタンドが、読者には見えること。さらには『ゴールドエクスペリエンスレクイエム』や『キング・クリムゾン』『メイド・イン・ヘヴン』など、スタンド能力者ですら把握できない図像を読者は観ることができることによることを示している。

そしてそれは『読む』という行為と、コマ割りや画像、図像など描かれているものを『観る』という行為、アングルの変化によるさまざまな変化を伴いながら、荒木作品に接し、それを読み込むことによる「読解」という行為にもつながる。

それはこれまでのメディア論テクスト理論とも異なる新たなる「読み」の位相を提供しているように思うのだ。

 「記事の要約」をしていただいてる感じの感想としては、こちらが一番充実していました。


ユリイカ: metatext

あとイズミユウキ氏の視線・視点に関する論考は圧巻であります。是非単著にまとまるべきであると思います。

 同じ執筆者の一人だった、元長柾木さんからいただいたお言葉


「ユリイカ」増刊号 ジョジョ特集: 卒塔婆コンドミニアム

それよりも「What is the Omniscient perspective ?」以降が面白かった。

5部終盤のワケのわからなさ具合とか、時々出てくる、表現として失敗してるんじゃないか?

っていうスタンド能力、効果、というか描写の意味、理解し難さがスッと腑に落ちた。

荒木飛呂彦古典主義的な傾向と、西洋の絵画史との繋がりもちゃんと拓けていたし、

何より、今まで『ジョジョ』の中で納得できなかった部分がキチンと納得できたのはイイ。

少なくともそういう活路を個人的に見出せたのはイイ。


全能な神の視点を模倣しようとし、恐らくは失敗し続けている、

そんな現代の芸術家の挑戦に、学ぶべき現代性があるとすれば、

まさにポストモダンの典型的な用語だが(手垢まみれで嫌になるが)、

人間中心主義のアプローチの一つがここにあるのだろう。

 荒木割りではなく視点論の方で、こういうちゃんとした感想いただけるのは嬉しかったです。


mid-studio.blog:- 鋼鉄の魂は走りつづける - - livedoor Blog(ブログ)

中でも興味深く感じたのは、イズミユウキ氏の『〈ねじれる視線〉と〈神の視点〉の可能性』という考察だ。

現場での制作技術やマンガ家が持ち合わせる理屈抜きの感性の部分を無視したかのような(無視せざるを得ないのか?)理論の当てはめを展開してくれることは、マンガ家として率直に自己分析にも繋がり有り難い。

 なんと、荒木飛呂彦の元アシスタントさんらしき方(中祥人さん)からの反応。

 「無視せざるを得ないのか?」という問いかけに関しましては、半分以上はその通りですね。

 「受け手目線の分析」と「送り手目線の技術論」がうまくフィーバックを起こす場を作ることができれば、それが理想的なんでしょうねと思います。


ユリイカ:総特集 荒木飛呂彦 - Buddha-Over-Flow

あとは荒木割りと呼ばれるJOJOの独特のコマ割に関する分析が出ている。

下記のサイトの分析を参考にしているらしい。知らんかったがこれはおもしろいとオモタ。

http://moebius.exblog.jp/6209565/


11/18追記

この本の中で荒木割りをさらに詳細に分析しまくっていた執筆者のイズミユウキ氏が、今回の本の感想を書いていた。

漫画批評ってこれからもっと発展していくのだろうけど、今はまだ過渡期でいろいろ試行錯誤してるんだなあとオモタ。

 まだまだ過渡期なんです。


漫画 | 心の折れたAngeL

ここ数年、身の回りの付き合いから、漫画研究するということについて様々な示唆を受けている。特に、一昨年、伊藤剛の「テヅカイズデッド」の読書会に2度参加し、漫画の表現が構造としてどう成立しているのかを検討する伊藤の試みに非常に感心を受けた。漫画研究を真剣に試みる人々にとって、伊藤の本は、フレーゲの「算術の基礎」ばりの強度を持った道標として再読され続けるだろうと個人的には思った。とはいえ、一方で、その本の書き方の難渋さから伝わるように、漫画表現論とはまだまだ萌芽状態であり、この著作を踏まえて、後進の人々や伊藤と同世代の漫画研究者がどんな応答を返すかによって、漫画表現の研究は「始まったり」、「終わったり」するだろうと個人的には考えていた。

同時に漫画という物理的なメディア属性を念頭に視線の動きとコマ構成の研究を進めるイズミノウユキ研究が今、ものすごいことになっている(んで、イズミノ氏も「テヅカイズデッド」は当然読んでいるだろうから、上述した4つの試みがすべて伊藤剛の著作に対する生産的な応答だと個人的には思う)。

 これは今年に入ってから拾った反応で、色々と考えさせられるものがありました。



記事発表後における「荒木割り」についての所感

 これもブログに書こう、書こうと思って書いていなかったのが、今年『ジャンプSQ』に掲載された読み切り「岸部露伴は動かない」に関する研究報告でした。

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 SBRで一旦「荒木割り」の使用をリセットしていた荒木飛呂彦が、第四部の時代を描くときにどんな表現を選ぶのか? というのは一読者としても非常に興味深い問題だったのです。

 結果として発見できたのは、以下のようなポイントでした。

  1. 間白の幅:四部と同じ幅を用いているが、荒木割りは抑制されている(サスペンスの要所でのみ使用)
  2. タチキリの有無:露伴が「杜王町の中」にいる間はタチキリを使っていないが、「杜王町の外」に出るとタチキリが使用される
  3. つまり「街の中(閉じた空間)」を描く場合はタチキリを用いず、「街の外(開いた空間)」を描く場合はタチキリを用いる、という法則を実証している
  4. 結論:四部のコマ割り(幅の広い間白)と、SBRのコマ割り(タチキリの多用)の融合が見られる

 荒木先生自身にとっても、「部」によってコマ割りのスタイルが違う……というのはどのくらい意識してることなんでしょうね。

 少なくとも「第四部のコマ割りは間白の幅を広く」っていうのは意識していたらしい……というのは、この読み切りから窺えることなのですが。


 そうそう、あとジャンプ漫画といえば、『PSYRENサイレン−』の岩代俊明が急に荒木割り(の亜種)っぽいコマ割りを良く使うようになったんですが、どういう思いつきでそうしたのか不思議だったりします(荒木割りになるシーンとならないシーンをどういう基準で区別しているのかも良くわからない)。

 ちなみに『みえるひと』時代には一切使ってなかった表現であって、本当に突然出てきたスタイルなんですよね、あれ。

 今のジャンプ連載作で、こういうコマ割りを使っているのは岩代俊明一人なので、余計に気になっていたりします。誰か謎を解明してください。

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  • ラジオを聴いていたら、とつぜん椎名林檎の「ここでキスして」のカバーソングが流れてきたので、「誰がカバーしてるんだろうこれ、原曲より好みだなぁ」と思って注文
    • まだ届いてないんですが、結構売れているアルバムみたいですね。「ここでキスして」以外のカバーソングも楽しみ

01: ラブリー(小沢健二)

02: さよなら夏の日(山下達郎)

03: TOMMOROW NEVER KNOWS(Mr.Children)

04: 青いイナズマ(林田健司)

05: 桜坂(福山雅治)

06: やさしい気持ち(Chara)

07: 白い恋人達(桑田佳祐)

08: 少年時代(井上陽水)

09: TRUE LOVE(藤井フミヤ)

10: ここでキスして。(椎名林檎)

11: 散歩道(JUDY AND MARY)

12: 夏の日の1993(class)

13: FIRST LOVE(宇多田ヒカル)

  • うーんいかにもJpopな感じ

*1:実は記事のタイトルもそちらを表しています

*2管理人氏の許可を取って記事にしています

Skeltia_vergberSkeltia_vergber 2008/03/24 02:51 いずみのさま 初めまして。真ん中ぐらいで紹介されているblogの持ち主です。個人的な備忘録で書いていたものを、著者が拾ってエントリーにあげて頂けるのは、一読者としてビックリです。ちなみに同特集については、杉田俊介さんのblogで知って、即買いしましたのですが。杉田さんや吉田アミさんからも、アクセス頂いたらしくて、まとめきれていないエントリーを参照されると恥ずかしい感もあります。これからときどき忘れた頃に読み返して、書くかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

izuminoizumino 2008/03/24 18:36 Skeltia_vergberさん、はじめまして。自分の書いたものの一端が、個人用のメモという形でどこかに残っていくというのは、むしろ嬉しいことです。こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。

Mon 2008.03/17

この日の漫画購入録

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新約「巨人の星」花形 8 (8) (少年マガジンコミックス)新約「巨人の星」花形 8 (8) (少年マガジンコミックス)
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School Rumble Vol.20 (20) (少年マガジンコミックス)School Rumble Vol.20 (20) (少年マガジンコミックス)
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夏のあらし! 3 (ガンガンWINGコミックス)夏のあらし! 3 (ガンガンWINGコミックス)
小林

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 夏あらは雑誌連載でも読んでましたが、3巻が一番面白いんですよね、個人的には。

 「時間ループもの」としては『ストーン・オーシャン』の終盤を連想するくらいアツいメッセージ性の高さを感じます。カルヴァン主義的ですね。

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)
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  • といいつつカルヴァン主義についてはまだ詳しくないので、ちゃんと調べてみようかな

 今は『東インド会社とアジアの海』を読み終わったので、『遊牧民から見た世界史』を読み進めています。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20080317

Sun 2008.03/16

最新の漫画論――同人誌『漫画をめくる冒険(上巻)』の告知ページができました

| 最新の漫画論――同人誌『漫画をめくる冒険(上巻)』の告知ページができましたを含むブックマーク

 ここのところ、思わせぶりな作業報告ばかりしていた同人誌ですが、当サイトでは初の告知となります。


(↓同人誌情報ページ)

漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点【ピアノ・ファイア・パブリッシング】

 しかし自分で自分の本を宣伝したり解説したりするのは、どうも気恥ずかしくてしょうがないので、ちょうど宮本大人さんが最速感想ブログにアップしてくれていますし、そちらを読んでいただいた方が早いでしょう。

『漫画をめくる冒険』(たぶん)最速紹介 - 宮本大人のミヤモメモ

 「ピアノ・ファイア」のいずみの=イズミノウユキ=泉信行さんの個人誌『漫画をめくる冒険−読み方から見え方まで−』の「上巻・視点」を御恵投いただきました。

(中略)

 これは、すごいです。マジで伊藤剛さんの『テヅカ・イズ・デッド』の「次」を切り開いて見せてくれる画期的仕事だと言って過言ではないと思います。

 このような高評価に相応しい内容なのかどうかは、実際に読んで確かめていただくとして……とか、どうかご笑覧ください……などと言葉を繋げたい所なのですが、実は今の所、個人通販めいたことか、直接の手渡しでしか頒布する手段が無かったりするわけでして(イベント合わせとか考えずに、完成した時点で即座に発行したのです。無計画ですね)。

 一応、献本という形で十数人の方々に現物を送ってはいるのですが、まぁしばらくの間は「幻の同人誌」扱いになりそうな代物。

 いずれ入手方法などが決まりましたら、その都度告知させていただきますので、それまでは「そんな本が出来ていたのか」程度に記憶しておいていただければ幸いです。


 ちなみにこれ、かなりと言っていいほど読みやすい文体にしてある本です。批評研究というカタい括りでもなく、一般書のような感じで広く読まれる前提で書かれているという意味では、ガチガチにお堅い内容だった『ユリイカ』の仕事とは一線を画すものかもしれません。


 この本から、様々な問題を広げていこうと思っています。

 宜しければお付き合いください。

追記

 そうそう、画像を見て気付く人は気付かれたかもしれませんが、表紙イラストプラチナブロンドのミズタマさんの絵を使わせていただくことができました。間近で見ると、これが美麗なんですよ。

 ついでに言うと、表紙デザイン麻草郁さんに手伝ってもらっています。

関連

Thu 2008.03/13

近況と夢日記

| 近況と夢日記を含むブックマーク

 前から言っていた個人誌ですが、ようやく完成しました。印刷はもう済んでいて、漫画関係の方々への献本も進んでいます。

 正式な発行日は14日なので、告知ページとか作りたいのですがまだ手つかずです。

夢とフィクション関係

 今朝は、「とてつもなくショックなことがあって怒りと悔しさのあまり絶叫する夢」を見ました。

 「夢」っていうのは、人間の情動や防衛本能(闘争or逃走反応)を常時トレーニングしておくために、わざと「怖い目にあう夢」「イヤな思いをする夢」を見るような仕組みになっているらしいのですが、今回みたいに絶叫したくなるほどショッキングな夢を見るっていうのもそのパターンのひとつなんでしょう。


 だから一口に「悪夢」って言いますけど、悪夢ストレスがあるから見るというネガティブなものでもなくて、健康動物にとって必須のカンフル剤であり、「定期的に見なきゃいけないもの」だということも本で調べてみるとわかります。

夢に迷う脳――夜ごと心はどこへ行く?夢に迷う脳――夜ごと心はどこへ行く?
J・アラン・ホブソン 池谷 裕二 池谷

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  • 眠り関係で悩みのある人は必読の本

 室内犬を飼ったことのある人ならわかると思うのですが、犬もウーウーうなりながら体をピクピクさせて寝てる時があって、あれも「逃げる夢」か「戦う夢」を見ることで危険シチュエーションを疑似体験してるんだろうなぁと。そうしておかないと、いざって時に身体が本能的な「闘争or逃走反応」を働かせてくれなくなるかもしれないわけですね。


 しかし現代の人間には、「全力で悲鳴あげながら咄嗟に逃げ出さなきゃならないシチュエーション」や「全力で吼えながら目の前の敵を殺さなきゃいけないシチュエーション」なんて滅多にないので、「悪夢」は防衛本能をトレーニングしてくれるというより、単純に苦しいものでしかなかったりしますけどね。

 でも、マイナス思考危機管理リスクコントロール)の感覚を忘れさせないという意味では、「悪夢」は現代の人類にはやはり欠かせないものなのかな? という気もします。


 こうした「悪夢人間に欠かせないものなのかもしれない」という考え方は、そのまま「人類にとってフィクションは必要なのか?」という議論にそのまま当てはまる問題だろうと思います。

 ホラー映画を観ることで、我々は夜道の小さな物音でも恐れるようになるわけですし、ブルース・リー映画を観ることで、何かに全力で立ち向かいたくなるわけですし。

児ポ法関連の話

| 児ポ法関連の話を含むブックマーク

 こういう時こそ、何か行動を起こしたい人は、騒がず『マンガ論争勃発』などを読んで知識を揃えましょう。

2007-2008 マンガ論争勃発2007-2008 マンガ論争勃発
永山 薫 昼間 たかし

マイクロマガジン社 2007-12
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 有事の際に一番の武器になるのは、現実の事件に対する知識です。

 平山夢明シリアルキラーの本のあとがきでそう言ってましたね。

rinsenanrinsenan 2008/03/14 04:59 以前は良くゾンビに食われてました。最近はクルマで逃げることが多いです。どちらも足がもつれたりアクセル踏んでも加速しなかったりして焦りまくります。

izuminoizumino 2008/03/14 08:31 ぼくも昔は、殺人鬼に追われてるのに足が動いてくれないまま逃げる夢を良く見ていて、その度にそうとう疲労していたんですが、数年前から何故か全力で走れるようになったり、反撃して倒せるようになったんですよね(全力を振り絞るので疲れるのは同じですが)。心理的な変化が何かあるものなんでしょうか

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Wed 2008.03/12

『劇場版 空の境界』第一章、梅田テアトルにて

| 『劇場版 空の境界』第一章、梅田テアトルにてを含むブックマーク

 ゆうべは友達と連れだって、レイトショーを観賞。

 第一章(俯瞰風景)はぼくは二周目になります。


 同行者の5人中、「原作読んでません」っていう人が3人もいたのですが(奈須きのこ作品のどれかには触れたことがある、くらい)、3人とも


「説明は少なかったけどそのこと自体にストレスは感じなかった。ヴィジュアルや話の流れだけでも充分楽しめた」


と言ってくれたので、「うん、このアニメの作り方は方法論的に正しいんだなぁ」と、ぼくの考え方にも自信が付きました。

今週のデータベース更新

| 今週のデータベース更新を含むブックマーク

『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト更新

 本誌の今週分(♯265)を更新してあります。

 未読の方はトップの「はじめに」からお読みください。

♯265 「RANSOM!」(誘拐


 『スクールランブル三学期』の公式サイト、毎週更新されてますね。

 原作の絵柄が変質していることについては原作者監督ともに実感しているみたいですが、結局渡辺はじめは、根もとから絵柄を変えようとまではしなかったみたいですね。ちょっと目鼻のバランスが変わったくらい。

 やっぱりアニメでは、後期の小林尽の絵柄の再現は難しいのでしょうけど。


 高松監督は「三年前から物語の構想がぶれていない」と感心してますが。

 スクラン人間関係としては「播磨マグロ漁船から帰ってきたあたり」で基本軸は完成していて(私見ですが)、そこから関係を膨らませたり引き戻したりしつつ、タイムリミットが近付いたら「烏丸が動き出しても良い状況」(つまりマグロ漁船から帰ってきたあたりの関係に戻った状況)を整え、そうすればいつでも終わらせられる、という仕組みで挑んでいた連載だったんでしょうね。

 ちなみに「三学期」に収録されるストーリー内容の問題ですが、ぼくは第26話は「未完」のまま打ち切って、ウソ予告による「続きは劇場版で!」オチなのではという方に賭けておきます。

漫画購入録

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家族八景 上巻 (1) (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-1)家族八景 上巻 (1) (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-1)
筒井 康隆 清原 なつの

角川書店 2008-03-05
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家族八景 下巻 (2) (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-2)家族八景 下巻 (2) (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-2)
筒井 康隆 清原 なつの

角川書店 2008-03-08
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ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
押切 蓮介

ぶんか社 2008-03-17
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 押切蓮介漫画はチェックしているというほどでもないのですが、絵柄がものすごく好みで好きなので、初めてコミックスで買ってみました。

 今、純粋に「絵や絵柄やデザインが好き」って基準で評価している漫画家というと、ヘクセン・リッターのニノ瀬泰徳さんくらいかな。

魔女の騎士ヘクセン・リッター (チャンピオンREDコミックス)魔女の騎士ヘクセン・リッター (チャンピオンREDコミックス)
ニノ瀬 泰徳

秋田書店 2007-11
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Sun 2008.03/09

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Fri 2008.03/07

izumino2008-03-07

『テニスの王子様』ベストバウトアンケート投票

| 『テニスの王子様』ベストバウトアンケート投票を含むブックマーク

 告知のタイミングが遅れたのですが、The 男爵ディーノの架神さんがテニプリベストバウトを広く募集しています。

 後追いで順位操作をしたい人は、今こそどうぞ。

 個人的に、「不二vs白石」はもうちょっと上に行ってほしいなぁ。あと「越前vs幸村」も。

今週のデータベース更新

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『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト更新

 本誌の今週分(♯264)を更新してあります。

 未読の方はトップの「はじめに」からお読みください。

♯264BLOOD RING」(バーニングファイター

BLOOD RINGBLOOD RING
デルアポロ・コック アービン・ジョンソン

大映 1992-02-28
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マックス・リューティ『昔話の本質』メモ その2

| マックス・リューティ『昔話の本質』メモ その2を含むブックマーク

 真の現実は常に非現実的なものである。(フランツ・カフカ

昔話の本質昔話の本質
マックス・リューティ 野村 ヒロシ

筑摩書房 1994-12
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昔話の本質と解釈昔話の本質と解釈
マックス リューティ Max L¨uthi 野村 ヒロシ

福音館書店 1996-01
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  • 解釈」の方はまだ読んでないのですが、調べてみたら図書館に置いてあるようなので今度借りに行きます

 みやもさんのメモに、

ディテールがしっかりしすぎている記述は昔話の力強く豊かな感化力を損なう。

 詳細なものは繊細であり、繊細なものは脆弱である。

■昔話は金属的なもの、硬質なもの、形のはっきりしたものを好む。

 具体的には金銀、宝石ガラス水晶、刀剣、城、箱などなど。

 それらは時間の流れによく耐える"壊れにくさ"と"明確さ"の象徴であり、その明快なイメージに触れることで昔話を聞く人々は、時代を超えた何かを受け取ることになる。

……とあり、ぼくも前回の記事で、象徴的な事柄を語る「昔話」は情景などのディティールを語ろうとしないことについて触れた。


 リューティは昔話で語られる物事が現実性を失い、重さを失っていく現象を昇華作用とも呼んでいて、なかなか興味深いフレーズだと思う。

 この場合の「昇華」とは、アウフヘーベン止揚)や自己実現意味する方の「昇華」ではなく、個体が気体へと状態変化する方の「昇華」であるようだ。


 『聖闘士星矢』の黄金聖闘衣や青銅聖闘衣が、現実の重みを持たない金属であることを思い出してみよ。「光の速さで繰り出されるパンチ」という技の表現が、相対性理論と無縁なものとして行われることを考えてみよ。

昔話の感化的効用

 昔話は常に現実のものではなく、現実の「象徴」を描く。そうした前提を受け入れた上で、以下の文章に目を通してみてほしい。

p74

昔話から流れ出る信頼は、昔話を語ったり、聞いたりする人々に移る。であるから子どもが夢中になるだけでなく、大人もその魅力に捕らえられることが多いのは、けっして不思議ではない。昔話は人を喜ばすだけではない。人を形成し、はげます。北ドイツのある語り手が、病院で昔話をすると静める力、治す力が病人に働くようだ、と報告しているが、私たちはこれを信じたい。

p95

そういう物語は次のようなことを暗に指しているのではなかろうか、とノヴァーリスは問うているのである。「人間自分自身に打ち勝つならば、人間はまた自然にも打ち勝ち、奇蹟が行われる。熊は愛された瞬間に王子に変身するが、人間がこの世の悪を愛するとしたら、あるいは同じような変化が起こるかもしれない。」付け加えていうならば、昔話が私たちにそういうことをほのめかすのに用いている人物は、道徳的な説教よりもはるかに強く聞き手の魂に作用する。

 物語に合理性やリアリズムを求める向きのある人間や、子供向けの物語子供騙しから大人の観賞に耐えないなどと平気で考えられる人は、こうした「効用」の意義や価値を良く吟味して考えを正すべきだろう。



p156

 ところで、そういう話を聞かされて子どもは何かうるところがあるか、と問う人があるかも知れない。本当に魔女の話で子ども想像力をかき立ててよいものであろうか。差支えない。それどころか、そうしなくてはならないのである。昔話に出てくる魔女悪魔や悪漢は、子どもにとっては悪の象徴である。子どもはそれらの姿を通じて悪の危険を体験する。それからまた、悪は負かされること、それどころかひょっとすると悪は変えられるかも知れないことを経験する。

p157-158

とにかく昔話ではあらゆるものが写実的でなく、様式化されて描かれている。それだけにますます、悪い人物が生きた人間としてではなく、悪の象徴と感じられるのである。ヘンゼルとグレーテル魔女をやっつけることによって、単に年取った悪い女に打ち勝つのではなく、悪そのものに打ち勝つのである。(中略)

 昔話は本質的な生の過程を描いているような気がする。征服、危険にさらすこと、没落、救済、発展、成熟、展開が非現実的な、しかしそれだからこそ魅力のある人物の姿を通じて、私たちの心の眼の前で演じられる。

 これはぼく自身による最近の着想なのだが、バトル漫画などで「特に根拠もなく精神論だけで正義が悪に勝つ」という筋書きがあったとする。その場合、その物語「勝算が無くても悪に勝つことができる」という無根拠な幻想を広めるようなものだ、などと解釈糾弾するのは誤りなのだ。


 そういう話というのは、「こうすれば悪に勝つことができる」という「勝因」や「手順」を描くことが目的ではなく、「どんな理由があろうと悪には勝たなければならない」という「責務」や、「どんな悪でも必ず滅びる」という「世界律(ルール)」を感じさせることに意義があるのだと思う。


 勝因をはっきり書いてしまうと、その「勝たなければならない」という責務の感化力がボヤけてしまうし、受け手の興味は「勝ち方のもっともらしさ」にのみ注がれることになりかねない。

 「勝たなければならない」という使命感や強迫観念受け手が感じなくなり、「どう勝つのか」でしかバトルもののストーリーが評価されなくなるというのは、「頭を使って勝つバトル漫画」の弊害だよ、というのは常々良く思うことだ。

 「勝ち方」などというのは、物語の登場人物一人一人に固有のものでしかなく、受け手への広がりが薄いものなのだから


 「勝ち方」を眺めるのは楽しいかもしれないが、ひとしきり楽しんだ後、受け手(とりわけ子供)に益する所があまり残らないのが、「勝ち方のディティールにこだわったバトル漫画」なのだと言ってもいい。

 知能バトルの魅力を漫画のウリにしたい場合は、ほどよくバトルの内容を「昇華」させ、現実を象徴化していることが望ましい。横山光輝のバトル漫画全般や、最近では『テニスの王子様』などが、うまく昇華作用を起こしたバトルを見せてくれる例だろう。

伊賀の影丸 (1) (秋田文庫)伊賀の影丸 (1) (秋田文庫)
横山 光輝

秋田書店 1995-01
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バビル2世 (1) (秋田文庫)バビル2世 (1) (秋田文庫)
横山 光輝

秋田書店 1994-10
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 特に合理的な理由も無く勝つからこそ、「どうしても勝たなければならないものってのがあるんだな、そしてその勝ち方は自分で導き出さなければならないんだな」「むしろ勝ち負けに関係無く戦わなければならない状況ってのがあるものなんだ」という精神受け手に伝えられるはずで、優れた少年漫画ヒーローもの、バトルものというのは、おおむね非合理的な理由で勝利へと辿り着く。


 もしあなたが「いや、あれは合理的に勝ったはずだ」と解釈していたとしたら、それはストーリーの勢いに騙されて、「合理的な勝ち方だったと思い込んでいた」ケースが多いだろう。

 よくよく見ると、「勝たなくてはならないから勝った」という以上の根拠が見当たらないようなケースは珍しくない。そうした物語が教えてくれるのは「利口な勝ち方」などではない――「どうしても戦わなくてはならない時は戦わなくてはならない」というこの世のルールであり、「どうしても勝たなくてはならない時はなんとしてでも勝たなくてはならない」という責務や使命なのだ。

 優れて象徴化された物語は、リアリズム世界ではなく「天意」や「天命」の世界を描く。


 「昔話」というお題からはそれてきましたが、もう一回続きます。

購入録(図書館貸し出し含む)

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歴史関係

遊牧民から見た世界史―民族も国境もこえて (日経ビジネス人文庫)遊牧民から見た世界史―民族も国境もこえて (日経ビジネス人文庫)
杉山 正明

日本経済新聞社 2003-01
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東インド会社とアジアの海東インド会社とアジアの海
羽田

講談社 2007-12
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  • こちらは更に大きな枠組で「世界全体を一体とみなした世界史」を目指したもの
  • 序文の「『興亡の世界史』と題する本シリーズの他の巻では、王朝帝国文明などの興亡が語られる。本書はその中では異色の存在である。東インド会社の興亡を通して、一七〜一八世紀の世界全体の変化を描いてみせようとしているからである。これはきわめて大胆な試みである。」という記述に興奮して、なんだか目頭が熱くなってきます

漫画

BLACK NIGHT HAWKBLACK NIGHT HAWK
吉田

大都社 2000-09
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y_shinobuy_shinobu 2008/03/12 20:49 貴様、やっと読んだかBLACK NIGHT HAWK(笑)。

Thu 2008.03/06

近況とお茶日記

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 やらなきゃいけない作業や〆切が重なって迫ってきて、軽く身体の調子を崩してしてしまいました(内臓が弱いんです)。

 自主的に作業を停止して、仮眠を取るようにしたり。


 読みたい本も溜まってます(主に歴史の本)。映画では『ジャンパー』を観に行きたいです。あと、関西で『空の境界』の上映が始まったら友達と(自分は二週目ですが)観に行く予定。空の境界は観る人が増えればいいな。

 

 最近買った、葉々屋っていう銘柄のキーマン紅茶がやたら美味しいです。お気に入りです。

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Wed 2008.03/05

今日の一問一答

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感想批評の違いってなんなんでしょうねえ」


「みんなに感想だと思ってもらいたくて書くのが感想批評だと思ってもらいたくて書くのが批評


「その定義だと批評のつもりで書いた後で『ゴメンやっぱさっきのは感想ってことにして!』とか言う人が居そうですね、っていうか居ますね」

誰でも完走できる! ランニング美人誰でも完走できる! ランニング美人
週刊アスキー編集部 市河 麻由美

アスキー 2008-01-09
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「コミュニケーションで心を共有できる」という幻想

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 人間が行う意思疎通というのには二種類あって、「相手が理解できる範疇で特定の情報を知ってもらうこと」と、「私の心の中にある何かを相手にも知ってもらうこと」に分けることができる。


 例えば、母親と娘がするような会話の中で、「今日どこに行ってきたん?」と母親が訊ね、娘が「○○町に行ってきた」と答えたとする。

 母親の頭の中では「○○町」はデートスポットであり、娘がそこに出掛ける場合、大方デート目的だというパターンインプットされている。

 それで母親が「ははーん、デートか」と知った風な反応を返した時、娘の側で不服を覚えるが、細かく説明するのも面倒だと思ったのか、「うんまぁ」と答えてこの会話はおしまい


 実際の所、娘は「単なる気まぐれで○○町に出掛けたらたまたま彼氏と遭遇して、そのままなし崩し的にデートのような流れになった」という一日を過ごしており、これは母親の頭の中にある「デート目的で○○町に出掛けた」という理解とは微妙に食い違っている。

 しかし「○○町でデートした」という、言葉の上での共通見解は取れているので、娘はそれ以上こだわらず、「別に今日日の出来事を全部理解してもらわんでもええわ」と観念したのだろう。

 つまり、「相手が理解できる範疇で特定の情報を知ってもらう」というタイプの意思疎通で妥協したのだ。


 ところが、一般に人間が行おうとする「意思疎通」とはそう易々と妥協できるものでもなく、「自分の心の中にあるものを、相手にも知ってもらおう」タイプの理解を求めることが多い。

 この「娘」が母親の反応にムッとしたり、ちょっとカチンと来るような不服を覚えたというのも、「私の心の中にあるものとは一致しない情報を相手に与えてしまった」という誤配が原因している。


 例題を変えて、例えば「このラーメン凄くうまいよ」と言った時、話し手は「俺にとって凄くうまかったよ」という意味で発言していて、「可能ならば、俺がこのラーメンを食べることで言いも言われぬうまさをいかに味わったのかをお前にも知ってほしい!」という願いを込めるものだが、悲しいかな、聞き手はただ「このラーメンはどうやらうまさを有する食べ物であるようだ」「さぞかし俺にとってもうまいのだろう、失望させてくれるなよ!」というように、自分の思考の範囲内でその言葉を受け取るのだ。

 だから「このラーメン凄くうまいよ」と教えた者も、少し頭を働かせた後で「……まぁ、お前の好みに合うかはわからんけどさ」などと付け加えようとするだろう。


 「私の心の中にあること」を、誤り無く相手に理解してもらうためには、深く、根気のあるコミュニケーションが必要になってくる。

 そこまでの「深さ」の無い、言葉の上で交わされる意思疎通においては、上記のように「そっぽを向いた」食い違いが必ず伴う。


 だが、大抵の人が、話し相手に対して「〜〜〜ということなんですよ。わかりました?」と確認を取ろうとする時、その真意は「私の心の中にあるものを、あなたの心の中へとそっくりそのまま移すことができましたか? どうですか?」と確かめたい欲望にあるのだ。

 答えは大抵、無責任イエスであるか、曖昧イエスであるか、 ノーであるのに。


 人間は、心の中を理解されることを求めるし、それが可能であり、コミュニケーションするからには「理解されて当然である」と思い込むフシもある。

 勿論、知識として「完全な意思疎通など幻想である」ことくらいは誰でも知っている。しかし、頭でそう考えていても、無意識「私の心の中にあるものをそっくりそのまま伝えることはできるのだ」という幻想は消えてくれない。

 精神的に余裕の無い状態になると、その幻想に人は支配される。「あー、なんで私の言うことがわからんねん!」などとヒステリーを起こす人はいくらでも見かけることだし、そうした心理に冒されることはあなたでも例外ではない。


 言葉だけで「心の中」を相手へと伝えることはできない。しかし人は、「言えばわかってもらえる」という幻想言葉に込めることが、あまりにも多い。



 物語における意思疎通は、そういった心理に加え、少々複雑な事情が絡んでくる。


 物語を受け取る者は、キャラクター個人個人の「心の中」がそれぞれ別々に働いていて、それぞれ異なる認識の仕方をしている……、などとイチイチ把握していられるキャパシティを持たない。

 仮に「X」という情報に対して、Aさんは92%理解していて(つまり8%は誤解して)、Bさんは80%理解していて(残り20%の誤解は、Aさんの8%とは全く別種の誤解だったりする)、Cさんは77%理解していて……などという微妙な差異をイチイチ気にしていられない。


 だから多くの物語は、「Xについてはみんな同じ情報を共有し、お互い了解が取れている」という描き方を好む。

 つまりあの「かくかくしかじか」と同じ手法が、どんな物語でも効果的に用いられているのだ。手順としては、「作中に描かれたキャラクターの心」を受け手が知り、その「受け手が知ったことと同じこと」を他のキャラクターも同じように知ったように見せかける、という手続きが踏まれる。

 そうすることで、各キャラクター達に同一の情報が均等に行き渡り、情報フラットに共有される

















 でもそれは人間コミュニケーションとしてはウソなんだよね。


 受け手にとって理解の助けになるから、手抜きの結果としてそういう情報伝達が生まれているだけだ。

 本当は、みんなバラバラの情報を断片的に知り、バラバラの前提に基づいて解釈し、バラバラに意味付けをし、バラバラに理解しているのだ。

 みんなそっぽを向いていて、心の中で同じものを同じように感じることなど、滅多に無いものなのだ。

 それが正しい情報伝達の在り方であって、「かくかくしかじか」で共有可能な情報なんていうのは、現実には存在しない。


 今週のマガジンの『School Rumble』を読むと、(元々そんな世界観を描いてきた作品ではあったけど)そういう人間の在り方っていうのが、いやんなるくらい良く描けてるなぁと思ったりして、この日記を書いた。


 そんな漫画だから、♯257における八雲モノローグである、

誰か


誰か


どうか今の

烏丸さんの言葉

気持ち


姉さんに

正しく伝えて

あげて

……この「正しく伝えてあげて」という祈りが重くのしかかってくる。

 烏丸の「心の中」は、八雲というメッセンジャーを通じて、播磨沢近たちにどれだけ正しく伝えられたのか。烏丸と拳を交わすことで播磨は、どれだけ彼の心を理解できたのか。おそらく誰も100%理解していないだろう。「かくかくしかじか」式の、フラット情報伝達は安易に行われないのだ。スクラン世界では。


 それぞれの「理解度」のようなものが、読者に対して親切に語られるようなことも無い。

 しかしそもそも、物語キャラクターに対して「彼らの心の中にあるものを、読者の私達にもそっくりそのまま移してくれませんか?」などと求めることは、現実的な意思疎通の在り方としてかなり異常なのだ。

 現実で、そんなことを他者に要求することはありえないだろう――、それは、「テレパシー能力がほしいなあ」レベルの、幼稚な幻想に過ぎないのだから。そして、スクランはその幻想を裏切る。

「ゼロ年代の想像力」にかこつけて今更劇エヴァを語ってみる - ピアノ・ファイア

 いわゆるラブコメというのは、(よっぽどのミステリアス系のキャラは別として)ヒロインの内面がスケスケになっていることが必要で、おそらく即物的な「萌え」を求める消費者であるほど、そういうスケスケ描写の不足によって不満足感を得る可能性が高い。

 しかし、基本ディスコミュニケーションテーマにしているスクランでは、「他者のわからない所は想像するしかない」という「わかろうとする努力」を読者にも求めるようなつくりになっている。

 現実においても人間は、親しい人々、親しくない人々に限らず、他者を「見守る」ような視点しか持つことができない。レストランでの食事中、遠くのテーブルで口論する客の会話を耳で拾いながら、ハラハラさせられるようなものだ。彼らが言葉で傷つけあっていることだけはわかる――しかし彼らの心に深く踏み入ることはできない。しかし興味をそそられる。


 スクランの視点は、そうした現実における視点の在り方を良く反映しているような気がする。読者はキャラクターの心を「わかったつもり」になることができない。現実の他者がそうであるのと同じように。

 小林尽自身の、「他人に理解してもらうならこのくらいでいいだろう」「他人を理解するのはこのくらいでいいだろう」という奇妙な「他者との距離感」が、作品から滲み出ているような気もする。

 最近小林尽デビュー作(PNを変える前の黒歴史)を読む機会があったのだが、その頃から既に「はっきり描かなくていいと思ったことは明示しない」という奇妙な資質が表れていて、なんだか不思議な感じだ。

School Rumble Vol.19 (19) (少年マガジンコミックス)School Rumble Vol.19 (19) (少年マガジンコミックス)
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School Rumble Vol.20 (20) (少年マガジンコミックス)School Rumble Vol.20 (20) (少年マガジンコミックス)
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ロスペドロスペド 2008/03/08 08:18 ある意味それも一見お断りに近い・・・かな・・・? 理解できない人に「直」で言ったところで永遠に無理だろうし、実社会の「場を読む」に共通はするだろうね。

Tue 2008.03/04

izumino2008-03-04

マックス・リューティ『昔話の本質』メモ その1

| マックス・リューティ『昔話の本質』メモ その1を含むブックマーク

 真の現実は常に非現実的なものである。(フランツ・カフカ

 友達に借りて読んだ本なんですが、フィクション全般、とりわけ少年漫画に相通じる所が多く、感銘を受けること多々でした。

昔話の本質昔話の本質
マックス・リューティ 野村 ヒロシ

筑摩書房 1994-12
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 まず先にみやもさんの箇条書き感想を読んでいただくと、本の内容を想像しやすくなるかもしれません。

身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記: 昔話の性質についてのメモ

 マックス・リューティの『昔話の本質』という本を読みながら、私見をまじえてメモる。


■昔話はエンターテインメントである。

 「昔話には何らかの教訓が込められているはず」というのは、ある時代以降の、人工的な脚色を加えられた物語宗教譚や、特定人物に編集された童話群)に引きずられた近視眼的な見方である。教訓と昔話の本質には直接の関係はない。(艶笑譚のたぐいを参照せよ)


ディテールがしっかりしすぎている記述は昔話の力強く豊かな感化力を損なう。

 詳細なものは繊細であり、繊細なものは脆弱である。

 たとえば「呪文をとなえた」というプロセスが単純であやふやで適当なことを単に幼稚さと見下し、正しいラテン語で長々と記述された呪文の描写を挿れれば何か上等なものになるかのようにみなすのは理知の害悪である。

 「ある日、大きな森に入った」という場面はただそのまま述べられることで、どんな時代にも通用するイメージとなる。何年何月のどの地域のどのくらいの面積にどんな植物があるか情景をことこまかに特定するのは物語を個別化し、時空間上の限界をもうけてしまう。それは各時代各地域の文学がやればいいことであって、昔話の関知するところではない。


■昔話は叙事詩であり、登場人物の心情や関係はいつも外部の出来事や目に見える物体に投影される。喜怒哀楽はその人物の行動と即物的な状態によってのみ示され、内面に直接もぐりこむことはない。


■昔話は金属的なもの、硬質なもの、形のはっきりしたものを好む。

 具体的には金銀、宝石ガラス水晶、刀剣、城、箱などなど。

 それらは時間の流れによく耐える"壊れにくさ"と"明確さ"の象徴であり、その明快なイメージに触れることで昔話を聞く人々は、時代を超えた何かを受け取ることになる。

 昔話の本質のひとつは、時間・眠りという死滅の圧力を跳び越えられる、朽ちない世界・朽ちない事物を描くことにある。(いばら姫を参照)


■昔話は繰り返しと、繰り返しにともなうインフレを好む。

 同じ状況を二度三度と繰り返し、それを少しずつ加速・荷重させて、一番最後に繰り返された状況が最大の難関と最大の収穫or最大の損害をもたらす。

 旅の途中で魔物を倒してお姫様を助けることを三回繰り返した騎士結婚するのは最後に助けたお姫様である。そしてたいてい、最後のお姫様はそれ以前の姫たちに比べて、なんらかの優越性(美しさ、聡明さ、資産など)を備えており、騎士は他のどの姫と結ばれるよりも幸せになれる。


■(上の続き)そもそも昔話そのものが繰り返されるものである。

 昔話は「かつてこういうことが一度起きた。たぶんまた起きるだろう」という再現性への信頼を物語り、その意味で昔話は語り継がれている限り、永久に現在進行形文芸となる。


 以下はぼく自身の感想シリーズ化して、何回かのエントリに分けることにします。

昔話における「説明の少なさ」について

p62より

 この昔話はどういう風に物語られているか。まず目に付くことは、どこにも立ち入った記述がないこと、詳しい描写が見当たらないことである。海の怪物が(スカンジナビヤ風にトロルと呼ばれているが)どんな様子をしているのかひとことも語られない。この場合こそ、怪物の描写がなんとしても欲しいところなのに。(中略)トロルが実際に出てくるところで、トロルの外見の描写が期待されるのだが、ひとこと「怪物」としか書いてない。昔話にはこれで充分なのである。海も浜も描写されない。トロルが海の底からとび出してくるときにはじめて、泡と大波の渦巻くのが見える。昔話は信号で事件を伝えるようなものだ。事件の現場関係者の描写には深入りしない。一方、なんと多くの創作童話が、主人公の入っていく町の有様をていねいに描いていることか。

 象徴的な事柄を語る「昔話」では、情景や心理のディティールが一切語られない。

 素直に考えてみれば、人間にとって世の中や人間というのは「はっきりしたことはよくわからない」のが自然な状態なのであって、フィクションにおける精緻さや、全知性というのはむしろ「異常」なのだ。


 昔話に不可解な出来事、心情を察するに難しい人物などが登場しても、そこで昔話を批判してはいけない。「物語とは受け手意味を理解させるものである」という受け手主体の考え方自体が、近代的な発想と言わざるをえないだろう。世の中は元々わけのわからないことばかりであり、物語もまた然りなのだ。

 他方、詩人の手による「創作童話」にはディティールが与えられる*1のだが、こうした違いは、昔話というものが「民間の言い伝え」であり、詩人アーティスト)が創作するものではないという違いから来ているのだろう。


 非凡なアーティストの才能によってではなく、世俗の民間人に語り継がれるからこそ、それは誰の心にも通じるシンプルさを持つのだろう。

 それは現代のエンターテイメントにも当てはまるだろう話で、アーティストにとって関心を誘うものが民間からの興味を誘うとはかぎらない」のだ。

 「ミュージシャン志望の人が好む音楽*2は「一般人の好きな音楽」ではないことが多く、「漫画家志望の人が好きな漫画」は「一般人の好きな漫画」ではないことが多い、というように。


 昔話は、ディティールだけでなくプロットも単純化され、判を押したような繰り返しが好まれる。これも、民間での語りやすさ、語り継がれやすさが好まれた結果だろう。

 昔話は元々、本で読んだり読み聞かせたりすることで伝えるのではなく、口頭で語り伝えられてきたものであるから、書物に遡って一語一句を確認するようなことはできない。だから、単純な繰り返し(反復)で発展していく「構造」そのものを記憶させるよう進化したのだと考えられる。

 ディティールではなく、構造そのものを刷り込もうとする表現というのは、長期にわたる漫画連載や、テレビシリーズなどの表現にも通用する考え方かもしれない。週刊誌コンビニ立ち読みし、バックナンバーを読み返しもしない読者たちはどうだろう、昔話の聞き手同様、複雑なディティールを覚えていられる記憶力も無いのだ。


 それでも詩人は、自らの芸術性を誇るために「ディティール」を昔話に付け加えるかもしれない。だがマックス・リューティは、そのような行為を編集者翻訳者が、現代の読者に合わせてそこのところを緩和したり、ニュアンスをつけたりするのは最大の害悪である。(p69)」と断じる。

 そして、シンプルであるからこそ的確なプロットを持つことについて、「昔話は真の芸術作品の特徴を示している。(p74)」と評価する。


 つまり技巧的であることが、かえって芸術性から遠ざかる要因にもなるのだろう。

 アーティストは自らの芸術性を愛するかもしれないが、民衆の愛する芸術とは、それとは別の所(民間に横たわる、心の奥底の方)にある。


 もちろん、その「別の所」に到達するための技巧を磨く、というアーティストの営みは大いに礼賛されるべきだろう。


 続きます。

続・「ことば」とは何か? を本で学ぶ

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 以前のエントリを書いた後、ブクマから本のオススメを頂戴しましたので、また勉強してます。

ことばと文化 (岩波新書)ことばと文化 (岩波新書)
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朝鮮語のすすめ―日本語からの視点 (講談社現代新書 614)朝鮮語のすすめ―日本語からの視点 (講談社現代新書 614)
渡辺 吉鎔 鈴木 孝夫

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 まず鈴木孝夫『ことばと文化』から。この本、前半の基礎知識的な部分は、S.I.ハヤカワの『思考と行動における言語』と被っている概念が多くて、それも『思考と行動〜』の方が内容的に充実してますね。

 英語圏の視点で書かれた『思考と行動〜』に対して、「日本語圏の視点で書かれている」という以上の発見はあまりありませんでした。

思考と行動における言語思考と行動における言語
S.I.ハヤカワ

岩波書店 1985-02
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 ただ、終盤(第六章「人を表すことば」以降)の、「日本語における人称名詞」がユニークであると解説する所からは面白かったです。

 例えば日本では「妻が夫を“お父さん”と呼ぶ」習慣が常識的にあるのに対して、そういう関係西洋人が知ったら「まるで親子が近親相姦しているみたいだ」と驚くのだそうです。

 そう言われてみると、若い奥さんが旦那さんを「お父さん」と呼ぶのには、どことなくいかがわしい響きがあるような気がしてくるのが不思議なものです。


 そんな風に、西洋における言語との「比較言語論」から「比較文化論」へと広がっていくのですが、ちょっと気をつけないといけないのは、「言語上の比較がそのまま、文化上の比較に適用できるとはかぎらない」という論理の飛躍であって、それは『朝鮮語のすすめ』という本の中で厳しく諫められています。鈴木孝夫は『朝鮮語のすすめ』の「まえがき」を担当しているのですが、自分自身でもそうした「論理の飛躍」を反省しているようです。


 『朝鮮語のすすめ』の方は、えらく面白かったですね。朝鮮語の文法や用法ってのは、めちゃくちゃ日本語に似ていて、でも同一の言語から枝分かれした「兄弟」というわけではないらしい*3……、というのが非常にミステリアスです。

 こちらもまた、比較言語論、比較文化論として関心を誘う内容でした。特に「恩」に対する感覚っていうのは民族間の文化差が現れやすいものだと思っているので、その点を知る切り口にもなります。


 『朝鮮語のすすめ』自体は80年代のはじめに出版された本ですが、今では朝鮮語研究ももっと進んでるはずですよね。最新の研究成果が読める本があったら、それも読んでみたいです。

*1:つまり「わけのわかること」として描かれる

*2:いわゆる「ミュージシャンズ・ミュージシャン」の音楽

*3英語ドイツ語の間にあるような「語源的に共通する語彙」が、日本語朝鮮語の間からはほとんど発見できないため。なのに文法はそっくり、ってのが凄い謎

Mon 2008.03/03

今週のジャンプ

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 いつものごとくみやもさんの感想から。

身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記: 今週のジャンプ感想

 テニプリ最終話は、全ページを食い入るように眺めながら、素で感動してました。なんて真面目な漫画家なんだこの人は。もう、ド直球。

 あの歌詞を読むと、許斐先生テニスプレイヤー松岡修造が大好きなんだろうなーっていうのが感覚的に伝わってきますね。

 『テニスの王子様勝利学』を座右の書として挙げているくらいですし、彼のテニス観や人生観の多くは松岡修造に支えられているのかもしれません。

テニスの王子様勝利学テニスの王子様勝利学
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 ちなみに「幸村vs越前」戦については、架神さんの同人誌でぼくが解説を担当していたりします。試合が終わるまでシメキリを引っ張ってもらってたので、今から頑張ってまとめます!

ネギま!感想クリップ/ヒーローを目指す者はヒーローと異なる道を歩む

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ネギま!感想クリップ 204〜205時間目(アセティック・シルバー

ヒーローを目指す者はヒーローと異なる道を歩まなければならない物語三昧)

 最近ネギまの話です。

 とりあえず、アセティック・シルバーのはしさんの記事を読んでみてください。

 ネギが、(ナギと同じ光の道ではなく)自らの本然に従うべく「闇の道」を選ばなければならなかった必然性について語ったものです。


 なんというか、素晴らしいですね。

 以下、mixi日記に書いたことに少し手を加えてアップします。



 この、ヒーローを目指す者はヒーローと異なる道を歩まなければならない」という原則は、結城忍という男がぼくに向かって説いたことがきっかけで、《少年漫画という視点から見た赤松作品の変遷:ラブひな編》という記事を書くことになり、その考え方を代弁する形で公開された。発表当時は多くの人から支持を受けられたし、ここだけの話、作者サイドに熱意が伝わることで原作フィードバックを流しもした概念でもあるのだ(これは半分くらいは本当)。

少年漫画という視点から見た赤松作品の変遷:ラブひな編(2/2)

 だからこそ少年漫画主人公は「師匠とは異なる道を辿ってヒーローを目指す」必然性がある。師匠とは異なる才能を活かすなり、異なる手段で努力するなり、キャラクターとしての本質が異なることをはっきり読者に示すことで初めて、主人公は読者にとってのヒーローとして共感されうるのである。

 特にぼく自身が率先して記事を書いたりしなくても、この考え方を汲み取って受け入れる用意が読者の中にあるようだし、ブログ自然に言及されたりもする。

 はしさんは言うなれば結城さんの孫弟子にあたるわけだが、当然だけどこの二人は、面識を持たないどころか、なーにも接点が無いのだ(笑)

 なのに、結城さんの考え方が、はしさんを動かして、更にそれが誰かを動かすかもしれない。

 ここで見ることができるのは、あくまで小規模な現象ではあるけど、「伝播」というのはこういうことを言うのだろう。そう実感できるのは素晴らしい。

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 世の中っていうのは、つまらない言葉や、どうでもいい言葉ばかりが広まりやすいように出来ているから、こういうのは余計に感動を覚える所がありますね。


 またこの所、『Fate/Zero』を読んで、そこから遡って『空の境界』における「起源」の概念を再発掘し、更にサン=テグジュペリの『人間の土地』を読んで「本然」という言葉を知り、(それで元々好きだったスピノザ思想にも合流するのですが)人間は自分の本質に従わなければならない」という考え方を深めていましたので、今のネギ「目先の利害だけで判断するよりも“自分の本然に従うかどうか”を優先する」という道の選び方をしていたのは、どこかシンクロニシティを感じることでもありました。


 ネギにとっての本然(本質)は「闇の道」である、という選択に担保を与えているのが千雨言葉ですね。

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GiGi >> 一番興味深いのは千雨が、その選択を良しとしたことだったりしますね。それはつまり千雨から見てその選択が「ネギにとっても」一番リスクが低いと判断したと言うことですから。

(中略)

ここでのポイント千雨が闇を選ぶことを肯定し、背中を押している点ですなんですね。この選択がネギ自身のリスクを最小にすると言うことを、千雨は理解してるんですね。そしてそれはネギ千雨の間でしっかりと了解が取れている。

 こうした「自分の本質との向き合い方」というのは、『テニスの王子様』など、どんな少年漫画でも最終的には到達せざるをえない境地で、その概念をかなりの極限まで描いていたのが『Fate/Zero』や『空の境界』でした。

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 なんか素晴らしいですね。

 少年漫画話のついでに、トラバを頂戴した他のサイトも紹介しておきます。

 『ダイの大冒険』と、少年漫画における「敵」と「ライバル」の違いについて。

toruotの日記

バーンはきっと、力を身につけるために努力が必要ならいばくらでも努力するだろうし、努力しても力が身につかないのならばまったく努力しないだろう。そんな気がする。

少年漫画文法的には、主人公サイドが積み上げてきたものを、根底からブチ壊す存在を登場させて、それをなお「積み上げてきたもの」によって打破するという展開はお約束の範疇

少年漫画の敵は、常に主人公価値観破壊するという試練を与える存在である」という基本文法

「天を左右できる力」を持っているという点では、ダイもバーンも変わらない。ただその力をいかに使うべきかという“価値観”において、両者は異なる。

そういう意味で、「同じ価値観の中で競い合う存在」というのは、少年漫画的には「敵」ではなく「仲間」なんですよね。「強敵」と書いて「ライバル」とか「とも」と読む感じ

物語後半のハドラーはまさに、「強敵」と書いて「ライバル」、「強敵」と書いて「とも」。それは価値観を共有していたから。

 これ、当のアイシルにしても、最初は価値観破壊してくる「敵」として白秋を登場させていたのが、栗田が峨王の暴力昇華して取り込み、ヒル魔とマルコが互いを同類扱いし、最終的に「ライバル」として認め合う関係を成り立たせているからたまらんですね。

 「敵」がいつまでも「敵」のままでいるとは限らないのがジャンプ文法。


 だから、ジャンプ三原則のひとつ「友情」っていうのは、一般的に「ライバルと戦った後に友達になる(=戦わなくなる)」というニュアンスで捉えられていると思いますが、もっと広く言えば「敵だった相手とライバル関係になる(=同じ価値観で戦う)」という展開も充分に「友情」なんです。

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Sat 2008.03/01

上京日記

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 今回は、最近知り合った人や、ここ数年会っていなかった人を中心にオフ会や打ち合わせをしてきました。

 あと、The 男爵ディーノの架神さんが作ってるテニプリ同人にぼくもゲスト参加してるんですが、それ用の写真撮影を手伝いに行ったり。ぼくは被写体ポーズをコーディネートする撮影助手みたいなことやってました。

劇場版『空の境界』第三章(痛覚残留)観てきました

| 劇場版『空の境界』第三章(痛覚残留)観てきましたを含むブックマーク

 テアトル新宿で観てきました。しかも二回も。

 原作小説の『空の境界』はそれほど好きじゃなかったり*1ufotableアニメは好きじゃなかったりした*2自分が高い評価を与えているくらいですから、相当デキのいいシリーズだとは思うのですが、周囲で観てる友達が少なくて、語る相手がいないのが残念な所です。


 このシリーズの、原作の“地の文章”を再現しようなどという無駄な工夫は一切せず、ただ印象的なヴィジュアルを与えることだけに腐心する」というスタンスは、「小説映像化」における最適解のひとつなんじゃないでしょうか。*3

 映像だけで理解できなかった部分は、原作を読んだ時に理解したらいいことですし、むしろ「劇場版を観てから」原作を読み直すと、頭の中にヴィジュアルが補完された分だけ、シーンの繋がりを呑み込みやすくなるのがいいですね。


 Fate/Zeroといい、最近TYPE-MOONは妙に恵まれたメディアミックス原作にも価値のあるフィードバックを返すようなそれ)に囲まれているなぁと感じます。

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*1奈須きのこ思想世界を理解するためのテキストとして読んでいる感じ

*2:むしろ悪い印象の方が強かった

*3地上波でやるには無理のある方法論だとしても

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