Hatena::ブログ(Diary)

ピアノ・ファイア このページをアンテナに追加 RSSフィード

 HOME : リクィド・ファイア

   

Sun 2010.02/28

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100228

Wed 2010.02/24

アニメ『刀語』は次のイノベーターになりうるか

| アニメ『刀語』は次のイノベーターになりうるかを含むブックマーク

刀語 第一巻 絶刀・鉋【完全生産限定版】[DVD]


 先日、Twitter上で講談社編集・太田さんとちょっとやり取りした会話をもとにして語ってみます。


 まず前提となる問題として押さえておきたいのが、製作委員会システムによって1〜2クールのTVアニメを作る」という様態がどんどん難しくなってきているんじゃないか、ということ。


 有り体に「システムにガタがきている」と言ってもいいことかもしれませんが、2クールぶんを一気に放送する体力も恐らく無くなっているようで、まず1クールぶんのエピソードで一区切り付けてから、ちゃんと売り上げが出ているようなら「第二期」の企画を通してもうワンクール、なんてしのぎ方も珍しくなくなってきました(怪我の功名というか、これはこれで面白いスタイルになっているのですが)。


 それでえーと、たしかどこでだったかな、庵野監督キングレコードスターチャイルド)の大月プロデューサーに向かって、


「あんたがやりはじめた製作委員会システムなんだから、あんた自身がケジメを取って終わらせろ」


サマーウォーズ [Blu-ray]……というようなことを言っていたような記憶が。


 それで『新劇場版ヱヴァンゲリヲン』は製作委員会に頼らない出資形式で作っていたりと、こうした 旧来のシステムに対する抵抗はそこかしこで見られることになります。


 ヱヴァ以前にも、(製作委員会システムそのものは用いているものの)『時をかける少女』あたりから「劇場アニメを成功させる」方法論が広がっていって、その細田監督は『サマーウォーズ』という次回作キッチリ繋げられましたし、今年も『なのは』『Fate』『ハルヒ』とガンガン話題作が劇場公開されています。


 もちろん、従来から劇場アニメというのは存在していましたが、昨今の劇場アニメには「スポンサーのつかない深夜で1クール放送してDVDで回収」という、ときには砂を噛むかのような商売とは異なるビジネスの場を求めて劇場に飛び出すという性質が強くあるような気がしています。


 それでぼくは、『刀語』の「毎月一時間連続アニメ」というスタイル自体にイノベーターとしての価値が生まれないだろうか、と考えていました。


FAUST_editor_J 「その瞬間、太田に電撃走る——ざわざわ!」みたいな感じで一年間・毎月連続12回・一時間放送」、ネーミングは「大河アニメという『刀語』の放送イメージが浮かんで、その夜には企画書五行!)を書いてアニプレックス鳥羽P・岩上Pを口説きに赴いたのであった。まんがみたいな本当の話。 link


 Wikipediaで確認してみるかぎり「毎月一時間連続アニメ」の前例AT-Xの放送ばかりなんですが、そうではなく、地上波でみんなで観れる。しかも今ならTwitterで実況しながらでも観れる。……という形で放送される『刀語』には新しいトライを感じます。


 もちろん、イノベーションという言葉を使うからには、期待しているのは刀語』そのものの成功だけではなく、後の番組企画に繋がる成功です。


「取り替えの利く小作品を続けて劇場で流す」興行の可能性

 ちょっと似たようなことを感じていたのが、「30分1000円の劇場アニメという興業スタイルトライしていたセンコロール監督宇木敦哉,配給:アニプレックス)です。


センコロール (通常版) [DVD]


 この「30分1000円の劇場アニメ」は当然、『劇場版空の境界」』の成功がヒントになっているのでしょう。配給も同じアニプレックスですし。


劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【通常版】 [DVD]劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【通常版】 [DVD]

アニプレックス 2008-05-21
売り上げランキング : 8756

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
劇場版「空の境界」殺人考察(後) 【通常版】 [DVD]劇場版「空の境界」殺人考察(後) 【通常版】 [DVD]
奈須きのこ

Aniplex Inc.(SME)(D) 2009-12-09
売り上げランキング : 1708

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 しかし『センコ』は、全七回興行だった『空の境界』とは違って連作シリーズではないというのがポイントで、センコロール形式は「異なる作家の単品を入れ替えて興行する」という文化を根付かせてはじめて成功といえると思います。

 ということは、続く企画が『センコロール2』とかだったりしてもあまり意味は無いんですね。

 ですから、まだセンコ一本しか出てない現在では評価のできない試みだと言えます。


 ちなみに、『センコロール』と『空の境界』の話をぼくがしていた時に「じゃあ『ほしのこえ』は?」という疑問も寄せられました。

ほしのこえ(サービスプライス版) [DVD]ほしのこえ(サービスプライス版) [DVD]

コミックス・ウェーブ 2006-11-17
売り上げランキング : 4860

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
秒速5センチメートル 通常版 [DVD]秒速5センチメートル 通常版 [DVD]
新海誠

コミックス・ウェーブ・フィルム 2007-07-19
売り上げランキング : 1812

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 それはイノベーションとしての意味を考えることにもなるんですが、『ほしのこえ』は新海誠という作家性がプッシュされた結果としてその場が与えられていたのであって(その意味では『空の境界』も似たようなものです)、その『ほしのこえ』では、ここで期待しているような「取り替えのきく小作品を続けて劇場に流す」という興業のスタート地点にはならないだろう、ということです。


ほしのこえ』のイノベーション・・・小作品の劇場化。しかし作家性に依拠した特例であり、後に続かない


空の境界』のイノベーション・・・小作品の続きものが可能になった。しかし作家性に依拠する特例なのは同じ


センコロール』のイノベーション・・・後に続けられる。でもまだ新作なし


 これらは、それぞれで段階が違う。

 『刀語』の話と共通するのは、なにか後の時代に繋がる/託せるような形を残せるかどうか、現状のビジネスとは異なるものを提案できるかどうか、ここにつきます。


 ぼく自身は、アニメというものを「改変期ごとに区切られるシリーズを毎週30分ずつチェックする。しかもいくつも」というリズムとは異なるペースでも消費したいと思うし、アニメの作り方/尺の制限はもっと自由でさまざまあっていいと思う。

 ここまで読んだ人達の中には、「チャレンジ」とか「イノベーション」とか「新しい試み」といった言葉にむなしさを覚える人もいるかもしれませんが、現状が肯定していられない以上、大人たちはなにかをやっていくしかないのですね。

「ゆかいじゃのう2010」がすでにかなりゆかい

| 「ゆかいじゃのう2010」がすでにかなりゆかいを含むブックマーク

 敷居さんとこの紹介記事。

「ゆかいじゃのう2010」がすでにかなりゆかい - 敷居の先住民


 ぼくも前々から紹介しよう紹介しようと思っていた、というかみなもと太觔先生タレコミすべきか迷っていた、くらふと氏ことくらふとさんの動画企画です(→公式告知ページ)。

 届け、全国の杉浦茂ファンに。いや届くのかなー。


わはは大王わはは大王 2010/02/25 22:39 「取り替えのきく小作品を続けて劇場に流す」→上映館的に考えるなら。来週末から上映が始まる「イヴの時間」なんかそうではないのかな。どれに当てはまるか私には判別できないけど、「空の境界」「センコロール」も同じテアトル系だしね。「センコロール」はタイミングを逃しましたが、こちらは前売りを確保しており見に行く予定。あと「空の境界」の後追いは最近CMがチラホラ始まった「ブレイクブレイド」が同じ形態で6つぐらいに分けて劇場公開しますね。最近公開が始まった「ガンダムUC」もそうじゃなかったかなぁ、こちらはパッケージ発売や配信を同時期に行うみたいですが。

izuminoizumino 2010/02/27 08:03 おはようございます。コメントありがとうございます。ちょっと肝心なポイントを書き忘れていたんですが、センコロール式映画のいいところは「時間が短いので、平日の仕事明けでも気負わず見れる」というところ。ユニコーンもそんな感じ? 逆にTVアニメに求めるものは、全国ネット化に近付くことと、番組枠を超深夜ではなく普通の深夜に上げてもらうこと。ようはスポンサーの獲得ですね(TVのスポンサーシステムの方もガタが来ているというのも別問題としてありますが……)

Tue 2010.02/23

『セカイ系とは何か』小メモ

| 『セカイ系とは何か』小メモを含むブックマーク

 目の前に置いてあったので(某氏忘れ物)、前島賢セカイ系とは何か』を読んでいる。以下、著者へのメッセージも兼ねて覚え書き。


セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (ソフトバンク新書)

前島賢セカイ系とは何か』

p224

(※旧エヴァでは)主人公にごく近しい人間以外の大人たちが描かれなかった。謎の敵、使徒と戦うために作られた街でありながら、そこでどのような人が暮らしているのか、あるいはエヴァ運用するNERVとはどんな組織であったのかは、ほとんどわからないままだった。

 一方、『新劇場版』では(中略)きわめて多くの群衆、群像風景が描かれ、観客に第3新東京市という街の生活≒社会を感じさせるものとなっている。


from いずみの

 旧エヴァには、シンジ主婦の会話(CVが林原めぐみ宮村優子)を立ち聞きするシーンがあったりと、第3新東京市の生活をリアルに感じさせようという意図は充分にあったから、「ほとんどわからなかった(描かれなかった)」と締めくくるのは誤解を残すように思える。

 むしろ社会を描いていたのに、そこに立脚しなくなっていった」のが旧エヴァである、と考えられるのでは。


 そして「新劇場版社会を感じさせる」というが、実際のところ新劇場版も、二作目・ヱヴァ破のラストではやはり「街の生活を描いていたのに、そこは棚置きして主人公はヒロインを抱きしめ、世界が破滅しそうになる」というセカイ系踏襲する展開になっていて、社会との距離という意味では、旧作との描写上・展開上の違いはまだない


 新劇場版が「社会を描いているように感じさせる」というのは描写レベルの問題というより「続編(結末)への期待感」に属する問題である。逆にいえば、こうした期待感は「旧エヴァ」の描写レベルでもちゃんと生じていた――が、その期待に沿わない展開へと進んだ――ということだ。

 TV版の第拾壱話「静止した闇の中で」は、新劇場版よりももっと具体的に「エヴァ運用するNERV内部の人々」を活写していたことも記憶されてしかるべきで、その第拾壱話のエピソードは新劇場版ではカットされている、という逆説も成り立つだろう。

NEON GENESIS EVANGELION vol.03 [DVD]NEON GENESIS EVANGELION vol.03 [DVD]

キングレコード 2003-08-27
売り上げランキング : 7200

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 その上で、セカイ系をなぞったように映る新劇場版の展開は「一周回っている」とか「突き抜けている」などと称されうる類で、シンジはちゃんとヒーローしているし、世界の破滅も第三者の意志で制止される。

 だから続編への期待が「これはセカイ系に留まらないものになるだろう、旧作よりも社会(第三者)に立脚した話になるだろう」というスタンスになることは自然な道理であり、正しい。



前島賢セカイ系とは何か』

p238

 しかし、現在起こっているのは、(中略)物語からコミュニケーションへ、というもっと直接的な変化ではないか、と著者は感じている。

 (中略)『ラグナロクオンライン』、『ファイナルファンタジーXI』などのオンラインゲーム流行も、ゼロ年代における重要トピックである。これらを題材にとった川原礫ライトノベルアクセル・ワールド』、『ソードアート・オンライン』は近年まれに見る大ヒットとなっており、需要層の大きさを明らかにした形だ。

 さて、オンラインゲームは、ネットを通じた人との交流を楽しむゲームと言える。高性能なチャットツールと評されることもあるくらいだ。


from いずみの

 この後、オンラインゲームから東方Project』の話題に移って、東方自体は基本的にシューティングゲーム」→「でも東方二次創作には物語の徴候がある(かもしれない)」という論点の提供に進むのだけど……、だとしたら「オンラインゲームコミュニケーションゲーム」→「オンラインゲームに取材した川原礫小説も売れた」と締めくくるのではなく、オンラインゲーム物語を与えて、川原礫小説は売れた」と評価するといいのではないだろうか。


 川原礫小説を「コミュニケーション消費が増加傾向にあること」の補強に挙げるだけでは少々礼に欠くような気もする。

 川原作品は、コミュニケーションゲームとしてのオンラインゲームの魅力」を小説で再現したという類のものではないし、「大きな需要層を持つオンラインゲーム流行」に支えられて大ヒットしたと言い切れるものでもない、というのはその読書感想を探して読んでいればある程度わかってくることだと思う。

アクセル・ワールド〈4〉―蒼空への飛翔 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈4〉―蒼空への飛翔 (電撃文庫)
HIMA

アスキーメディアワークス 2010-02-10
売り上げランキング : 207

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


余談

 ところで先日、TwitterのTLに『セカイ系とは何か』の議論が流れていたのでぼくも参考作品を挙げるなどの対話に参加していたのだけど、とりあえず『セカイ系とは何か』の論旨を踏まえるかぎり、QOHを持ち出すのは「補足」にはなっても「批判的な指摘」にはならないことでしたね。


メルティブラッド アクトレスアゲイン(通常版)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100223

Sat 2010.02/20

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100220

Fri 2010.02/19

それはなんか見落としてないか? と思うとき

| それはなんか見落としてないか? と思うときを含むブックマーク

 supercell(ryo)の楽曲ベタベタなJポップ」という批評の決まり文句を聞くたびに、


「それは確実に何かを見落としてそうだよね、なのに言ったもん勝ちの世界だよなー」


……と、「新劇ヱヴァはウェルメイド」って言説に思うことと同じくらいの「足許のおぼついてなさ」を感じるのですが、どうなんでしょう。


 違いのあるものを「同じ」って言ったり、同じものを「違う」って言ったりするのは良くあることですが、それだけにAとBを適当な印象でイコールで結びつける意見に対しては慎重になっておきたくなるんですよね。


 「supercell」と「ベタベタなJポップ」が正真正銘、まったく同じものであり、そこからこぼれる「違い」が皆無なのだとしたら、その「同じ(違いのなさ)」はどこで証明するのさ? っていうですね。

 違いがあるなら、その違いに気付くのが知性ってものじゃないの? って。


 これはパクリ議論などにも繋がる問題で、人間は「似ている」だけのものでも「まんま同じ」って認識する脳を持っているものだからムダに紛糾したりもしますね。

supercell (通常盤)supercell (通常盤)
supercell feat.初音ミク

Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(M) 2009-03-04
売り上げランキング : 553

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
さよならメモリーズ(初回生産限定盤)(DVD付)さよならメモリーズ(初回生産限定盤)(DVD付)
supercell

SMR 2010-02-10
売り上げランキング : 34

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 あえてこういう言い方するなら、ryo楽曲ってちょっと「ヘン」ですよね。ぼくにとってはヘンな音楽っていう印象なので、「ベタベタ」っていう評価はよくわかんないな、とつねづね。

 むしろああいうのが「普通」だって感じる人は、いったいどんな音楽観を持っているのだろう……と、想像がつかないです。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100219

Wed 2010.02/17

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100217

Tue 2010.02/16

Google Chromeの使える拡張機能12コ

| Google Chromeの使える拡張機能12コを含むブックマーク

 Google開発の独自ブラウザChromeは公開初期から愛用しています。でも最近まで拡張機能エクステンション)に手を出していなかったんですが、友人からいろいろ示唆を受けながらいくつか導入してみました。

 Firefoxアドオンがそのまま移植された拡張機能もあり、ブラウザ移行の決め手にもなる部分ではないかな、と思います。

 面倒なので名称だけ書いて、それぞれへのリンクは張りません。悪しからず。

  1. AutoPatchWork(オートページライズ機能)
  2. Chrome Flags(サーバー国籍国旗で表示される地味機能)
  3. Chrome Keyconfig(追加機能のキーボード割り当て)
  4. Chromed BirdTwitter自動チェック・投稿機能。公式RT、非公式RT、短縮URL化にも対応)
  5. Hatena Bookmark GoogleChrome extension(Firefoxはてブ機能と同じ)
  6. LinkOpenNewTab(別ドメインリンク自動的に「新規タブ」で開いてくれる)
  7. Page Monitor(RSS非対応のページをモニター
  8. PageShot(画面をトリミングして保存)
  9. Postponer Manager(Read It Laterブックマークレット連携
  10. Twitter Reactions(表示されているページがTwitterで言及されているかどうかチェックできる)
  11. ニコニコ プレイヤー Chrome版(Firefoxニコニコプレイヤーと同じ)
  12. ニコ動履歴(シンプルニコニコ動画の視聴履歴を表示)

 あとぼくは使ってないのですが、gmail使いには「Google Mail Checker Plus」が決定的に便利みたいですね。

ペトロニウスさんによる『ひぐらし』論、選択可能性の倫理

| ペトロニウスさんによる『ひぐらし』論、選択可能性の倫理を含むブックマーク

 ちょっと前なのですが、Language×Languageの相羽裕司さんからブログへのリンクをいただいてました。ちょっとそのことについて。

  ぼくの記事から『ひぐらしのなく頃に』の話に繋げていただいてます。

ハーレムギャルゲーの終焉は『ひぐらし』でも描かれている: ひぐらしのなく頃に解/ネタバレ感想ブログ

 去年(09年)の暮れ頃に、『ときめきメモリアル4』の隠し(なのかな)ヒロインが話題になったりしました。


 特にサブカルチャーを視座に入れながら批評的な活動をしている方々のブログTwitterで話題になっていた感じがあります。たとえば、いずみのさんのこのエントリなんかが参照できます↓


『ときメモ4』と『生徒会の七光』がゼロ年代最後尾のリリースであることの意味/ピアノ・ファイア


 少し乱暴にまとめてしまうと、00年代オタク達は、ギャルゲーなりハーレムアニメなりで、俺たちは複数のヒロイン達からよりどりみどりに選べる、わーいみたいに喜んでいた所に、00年代の終わり、ヒロインの一人がヤンデレ化して、「誰でも選べるとかどういうこと? どうして私一人を選んでくれないの?」と逆襲にやってきた、みたいなお話です。


 この話を聞いて僕が思ったのは、これは既に『ひぐらし』でメタフィクションとして描かれていたな、というものです。


 それは、『綿流し編』&『目明し編』の魅音詩音

(※ネタバレにつき中略)

 「多世界解釈ネタは、価値観の多様化が進みすぎて、正義どころか世界観まで相対的になってきた感のある時代を受けてか、『ツバサ』や『仮面ライダーディケイド』と、09年に00年代の幕を飾った物語でも顕著だった訳ですが、今回のハーレムヤンデレの対照構造も含めて、『ひぐらしのなく頃に』は本当決定的に00年代物語ストリームを体現し、また牽引した存在だったんだなーなどと、改めて思ったのでした。

 

 そういえば、ペトロニウスさんが『ひぐらし』の同じ問題についてネットラジオで発言しておられたのですが、いい機会なので、その書き起こしを載せておきましょう。

【業務連絡】第五回物語三昧ラジオ 本日 22時〜0時 ハーレムメーカーとは? - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために

  • ※録音データの公開期間は終了済み

 あの、倫理的にはね、「自分たちにとって都合のいい世界を選んでしまう」っていうことは、「間違いなんじゃないか」っていう問いがいつも起きるんですけど、それはいろんなやり方で回避されている所があって、『ひぐらしのなく頃に』という作品の世界はですね、「鷹野三四がいつも同じ世界を作り出すこと」の倫理性が問われている世界なんですよ。


 だから、他のキャラクターはそれに対するチャレンジャーなんですよ。彼らは完全に敗北することがわかりきってて、ほとんどのケースで敗北していく中で、「唯一の答えを見つけ出すために戦い続ける」っていう、はっきり言って不可能なことをチャレンジするっていう物語になってるんです。


 だからこそ、美しいんですよ。なぜそれが美しいのかっていうのは、一回性の強度の問題、ジャズで言うインプロヴィゼーションの問題と呼んでるんですけど。


 あの、結局ね、答えじゃなかった世界をどれだけ描いているか……、つまり、レナと殺し合う世界とか、自分のために心配してきてくれた魅音を殴り殺す世界であるとか、自分の顔をかきむしって皮がベロベロに剥がれて死んじゃう世界とかっていうのを、これでもかこれでもかと描いて……。


 それは鷹野が選んだ世界かもしれませんけど、そこに到達したというのは、「自分の失敗」が、そこにいた人達の失敗があるわけじゃないですか。勇気を持てなかったとか、人間として単純な倫理を一歩間違えたっていうだけで、そういうめちゃくちゃな世界が起きていくわけじゃないですか。『ひぐらし』っていうのは。


 要はいかにね、陳腐で当たり前のことをね、ひとつひとつ積み重ねていくのが難しいのかっていうことの、強度を試す物語になっているんですね。並行世界物語っていうのはそういう側面もあって。


 なんかね、陳腐な答えになるじゃないですか、骨太の物語っていうのは。「好きな女の子と結ばれる」とか「わーいみんなが助かったー」とか。物語っていうのはそういうものなんですよ。


 こんなのは勧善・懲悪って良く言われますけれども、物語っていうのはもう、あるべき姿に落ち込んでいくっていう「型」が決まっているものなので。決まっているっていうのはね、骨太のとても強いエネルギーがあるんですよ。なぜならみんなが望むことだからなんですね。


 ところが、今の僕らの世界の人っていうのは、妙に頭が良くてですね、類型をいくつも経験してしまっているがゆえのことだと思うんですけど、先を読んで「なんだよまたこの終わり方かよ。みんなが救われるとかわかってるんだよ、全員死ぬ所とかが見てーんだよ」とかみたいなやつが出てくるんですよ。


 人間ってね、ものすごく、イヤな生き物でしてね。当たり前の結論というのを嫌がっていくんですね。退屈と繰り返しに飽きる生き物なんですよ。これね、人間の……現代哲学の大テーマ、ですよね。退屈の生き物なんですよ。一回性の強度が失われていく生き物なんですよ、人間っていうものはね。


 その人達に、「当たり前にみんなが助かりました」っていう物語を、……でもそれが一番いい物語なんですよ? 一番感動する物語なんだけど……、一番感動できるはずの物語に感動しなくなってしまった消費者に「どうやって体験させますか?」っていう問題に対して、並行世界っていうのは良く出来てるわけですよ。


 つまり、「こっちの分岐を選んだら、こんな悲劇が待っているんだ」……その悲劇も、「そんじょそこらの悲劇じゃねぇぞ」くらいの悲劇が起こるわけじゃないですか。むしろ『ひぐらし』っていうのは、最終的に最後まで行くと「なんだそんな話か」って話なんですよやっぱりね。


 だけど、むしろ何が面白いのかっていうと、あれね、やっぱりレナと殴り合って殺し合うとか、自分を助けにきてくれた魅音を後でめちゃめちゃに殺すとか、ああいうのが美しいんだよ。



 ぼくはブログで書いたんですけど、最後には陳腐な選択……例えば友達を信じるとか。困ったらね、大人に相談するとかね。ダメだったら自分じゃなくて法や社会組織に訴え出るとか、当たり前のことをやってるだけなんですよね。


でも、すごく仲のいい自分の友達が幼児虐待に遭っていても、自分の力でそれを救うことって、ま、実際そんな選択肢なんて存在しないくらいのもんなんですよ。いやそら、現実ってそんなに甘くないんですよ。金も力も無いやつに世の中で何かができるわけがないんですよ。だから僕は金も力も欲しいと思ってるんですけど。


 でもねやっぱりね、人間って無力なもので一人の個人の力っていうのは限界があるんですね。その時に正しい手段だと思ってやってることだと、間に合わないことが多いんですよ。だって僕らはこうやって生きているだけでアフリカ子供達を殺していることと変わらないんですよね。


 そういう、なんて言うんでしょう、「身も蓋もない現実」っていうのが我々にはあって、わかる人間にはわかるはずなんですよ。わからないやつらはバカなだけであって。事実そういう構造の中に人間っていうのは生きているんですね。


 だけど、みんなそういうこと考えてらんないじゃないですか? 「そんなこと言ったって明日だって会社行かなきゃなんないしー、今日疲れたから風呂にも入りたいしー」、みたいな。人間ってやっぱり目の前のものにしか反応できない生き物なんですね、悲しいことに。


 だけど……、だけどそうじゃないんだと。正しいものは見なきゃいけないんだということを気付かせるには、「だったらどういう方向に行くの?」っていうことを一回経験してから戻ってくるっていうことをやるのが、やっぱり一番わかりやすいんですね。


 なぜかっていうとあの、まぁ私小説っていうか、今の文学テーマというのは「個人のミクロから世界がどう見えるのか」っていうことにものすごく収斂していくんですよ。個人の心の問題に。なぜかっていうと単純な話で、それはリベラリズムで個人を解放する時代に生きているからなんですね。


 個人の、心の思いこそが世界よりも重いっていう社会なんです我々の社会っていうのは。リベラリズムっていうのはそういうことですから。ま、そういうことじゃないんだけど、まぁリベラリズムはそういうことっぽい、ので。で、我々はそういう方向にある。


 でも、僕らは一人で生きているわけじゃない。たくさんの人間と、このマクロ地球っていうものとか、地球環境共生して生きているのであって。「その肥大した自己マクロとのバランスをどうやって取るんだ」っていうのを試されるんであったら、「仮にもし地球が滅びちゃったとか、自分の好きな女の子が殺されちゃったとか、そういうことを体験してみなさい」、っていう仕組みになってるんですよね。


 これは良く出来てる、物語だなーって思いますけど。

関連エントリ

ひぐらしのなく頃に解 第三話~皆殺し編~(上) (講談社BOX)ひぐらしのなく頃に解 第三話~皆殺し編~(上) (講談社BOX)

講談社 2008-09-10
売り上げランキング : 151321

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 1 (Gファンタジーコミックス)ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 1 (Gファンタジーコミックス)
桃山 ひなせ

スクウェア・エニックス 2008-12-22
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100216

Mon 2010.02/15

今週のスーパーヒーロー&ヒロインタイム

| 今週のスーパーヒーロー&ヒロインタイムを含むブックマーク

天装戦隊ゴセイジャー新番組

 どうしてこうなったのか、まだよくわからない第一話。

 前番のシンケンジャーがいわゆる「大人戦隊」すぎたことの反動か、ビジュアル的にはぐっと精神年齢を下げているのですが、この設定のわかりにくさはいったい……(まぁ子供ストーリーが全然わからなくても楽しめるものではあるんですが)。

仮面ライダー

 木下あゆ美の扱い悪かったね、で済ますことはできるけど、ケンカキックローアングルからの生足ショットなどのご褒美ぶりは認めざるをえませんね、はい。

 それにしてもアキちゃんは徐々にしおらしい女の子になってきてるけど、それで左くんとの距離が縮まっているというのもなんか複雑な気分。

ハートキャッチプリキュア!

 第2話。

 ある程度は予想していた通り、えりかは急にしおらしくなって、「わりと普通性格女の子」へと舵取り修正が。

 これもプリキュアの力で浄化?されたからなのか、それともやっぱ第1話の芝居がちょっとおかしすぎたのか……。

劇場版『涼宮ハルヒの消失』観てきた

| 劇場版『涼宮ハルヒの消失』観てきたを含むブックマーク

劇場版 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック


 ハルヒ長門をめぐるサブヒロイン問題、原作完結させられない現象の問題が可視化されているようなところもある劇場版で、楽しめたと同時に興味深かったです。

 しかもこれ、キョン自身はその問題意識を投げ出したまま終わる話になってるわけで、長門不協和音というよりもカコフォニーに近付いている。ううむ。


 鑑賞前の予備知識としては、「笹の葉ラプソディ」のアニメ原作(『退屈』に収録)に触れておけばオーケーだと思います。

涼宮ハルヒの憂鬱4 笹の葉ラプソディ (第1巻) 限定版 [DVD]涼宮ハルヒの憂鬱4 笹の葉ラプソディ (第1巻) 限定版 [DVD]
平野綾

角川エンタテインメント 2009-08-28
売り上げランキング : 114

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)
いとう のいぢ

角川書店 2003-12
売り上げランキング : 1319

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 一緒に観に行った友人が言うにはエンドレスエイトの苦しみに付き合ったことのあるファンであれば長門への感情移入も高まる」そうですが……。


公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失

ラノベ感想/入江君人『神さまのいない日曜日』

| ラノベ感想/入江君人『神さまのいない日曜日』を含むブックマーク

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)


 富士見書房ファンタジア大賞受賞作。今月になって読了

 作者は入江君人さん、イラストpixivなどでも活動中の茨乃さん。


「十数年前から、新しく人間が生まれなくなった」

人間が命を失っても活動を停止しなくなった」天国が死者の魂でいっぱいになって、死んでも昇天できないため)

「墓守と呼ばれる存在に埋葬されることによってのみ、人は本当の死を迎えられる」


 ……というユニーク世界観で描かれた、おとぎ話のようなストーリーで、「死生観」というテーマについて語られているのが読みどころ、と言えるでしょうか。

 死生観というと、さも既知のテーマであるかのような気もしますが、世界観と切り口がユニークなおかげか、意外な目新しさというか、新鮮な気付きを感じさせるところがあります。

 ファンタジーというよりは終末世界ディストピアもの、一種のゾンビものとして読むことができますし、「死」や「死後」「遺族」といったものに興味のある向きにはおすすめできる作品です。個人的には『死と彼女とぼく』(川口まどか)や、あらゐよしひこ氏の同人誌の雰囲気を思い出したりしました。


 文章のうまさとしては、文体に個性はあるものの、場面転換の表現などにまだまだ荒削りなようすも見受けられたのですが、受賞後に書かれたという短編ドラマガ3月号掲載)では作者の腕も上がったのか、そうした読みづらさも消えており、続編が楽しみな小説家だと思います。


死と彼女とぼく (1) (講談社漫画文庫)死と彼女とぼく (1) (講談社漫画文庫)

講談社 2003-03
売り上げランキング : 277596

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
DRAGON MAGAZINE ( ドラゴンマガジン ) 2010年 03月号 [雑誌]DRAGON MAGAZINE ( ドラゴンマガジン ) 2010年 03月号 [雑誌]

富士見書房 2010-01-20
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

METHIEMETHIE 2010/02/15 19:02 >この設定のわかりにくさはいったい
お久しぶりです。
ゴセイジャーの評判はやや悪いのですが、一番の原因は、
「説明が多いのに下手」なところ。
天使と塔の関係や仕事とか敵対組織とかそういう関係が、
特に変身アイテムを落とす話は定番ネタですが、
それを盛り込んだために、三話分ぐらい詰め込んだような印象が。

izuminoizumino 2010/02/15 19:33 おひさしぶりです。メインライターが横手さんなんですが、ゲキレンのときも、いまひとつ「戦隊のお約束」をうまく踏まえることができない人だったかも、という印象が残ってるんですよね(サブライターの場合なら問題ないのですが)。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100215

Fri 2010.02/12

名作は何度でも人にすすめる価値がある

| 名作は何度でも人にすすめる価値があるを含むブックマーク

 最近、友達に貸したりしている漫画です。

 素晴らしい作品は、読み継がれないといけませんよね。

 リアルタイムで進行してる作品よりも、ちゃんと結末まで描いている名作こそ人にすすめられるものですし。


浦沢直樹Happy!

Happy!―完全版 (Volume1) (Big comics special)


渡辺多恵子はじめちゃんが一番!

はじめちゃんが一番! (1) (別コミフラワーコミックス)


川口まどか『死と彼女とぼく』

死と彼女とぼく (1) (講談社漫画文庫)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/izumino/20100212

Thu 2010.02/11

バクマン。ラジオの録音データ再掲

| バクマン。ラジオの録音データ再掲を含むブックマーク

 ひとつ前の日記でもお知らせしていましたが、記事が下の方に埋もれているのでもう一度アップしておきます。

 二週間前に、いずみのがゲスト出演していたネットラジオの録音データです。たぶん、そろそろMP3サーバーから消えるころだろうと思います。

バクマン。 5 (ジャンプコミックス)


「バクマン」@まんがラジオ - 今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)

放送は終了しました。録音データは下記のリンクです。1〜2週間くらいで消えますので予めご了解下さい。


関連発言

福田さんの魅力のひとつは見た目の白さ! 精神的にイケイケで安定していて正しいことを行っている時の福田さんは全身が真っ白で、逆に悩んでいたり怒っていたりする時の福田さんは服に模様が入ってたりインナーが黒かったりするのだ。もちろん、真っ白な福田さんの姿が象徴しているのは「正義」とか「少年漫画的正しさ」とかだ。バクマンを読む時は福田さんの白さに注目してみよう!


izumino そして今週の福田さんは、言い負かされる役&ラブコメ要因なので服に模様が入ってる、と……(メモメモ顔文字 link

『神のみぞ知るセカイ』は

| 『神のみぞ知るセカイ』はを含むブックマーク

 桂馬が性転換してから(誤解を招く言い方)急に面白くなってきましたね。

 今週号のサンデーヒロイン紹介ピンナップもついてきてるので、立ち読みで済まさず、思わず買ってきてしまったくらいでした。

 せっかくなので、先週時点でのTwitter感想トゥギャッターでまとめ


 しかしクロスゲームは来週で最終回か……。


神のみぞ知るセカイ 7 (少年サンデーコミックス)

Tue 2010.02/09

ADHD的なハートキャッチプリキュア!

| ADHD的なハートキャッチプリキュア!を含むブックマーク

関連:この「ウザかわいい」キャラが、熱い!(※ただし二次元に限る) - たまごまごごはん


 おじゃ魔女どれみ絵柄な『ハートキャッチプリキュア!』だが、チャカチャカよく動き、関節が柔らかくて、細くディフォルメされたボディを持ったキャラクターの作画は、もとをたどればディズニーのようなカトゥーンアニメの動きに近い。*1


 ちょっと言い方は悪いけども、どれみ絵柄はADHDっぽい動きと相性がいい。

 そしてウォルト・ディズニーADHD多動症)だったのではないかという説があって、故人の話なのでなんともいえないしADHDという診断名を使うこと自体がどうかという気もするけど、とにかくその「落ち着きのない」ウォルト自身の気質が好んだのが、ミッキーマウスのチャッチャカパカパカと忙しなく動き回るアニメーションだったのだ……、などと言う人もいる。


 新しいプリキュアヒロインの片方、えりかはまさに「落ち着きのない子」であり、家族から「考えたことがすぐ口に出てしまう子」と認識されているというのは、性格が良くないとかそういうレベルではなく、普通に発達障害のケのある子供(本人にはどうしようもない、小中学校には普通に良くいる子という意味での)であろう。


 そんなわけで、どれみ絵柄というのはADHDっぽい神経質な動きと相性がいいのだけど、そこへマジに「落ち着きのない子」をヒロインとして持ってきたのは絶妙なチョイスなのかもしれない。

 それはちょっと絶妙がすぎるんじゃないかという気もするけど。


ハートキャッチプリキュア!&フレッシュプリキュア!おはなしブ (講談社MOOK)

シンケンジャー最終話/Wに木下あゆ美出演

| シンケンジャー最終話/Wに木下あゆ美出演を含むブックマーク

 いい戦隊でした。

 ドラマももちろん良かったですが、シリーズ全体を通して千明の役の人(鈴木勝吾さん)が、バイプレイヤーとして名演をしてくれていたなあという印象があります。

 もちろん役者さんはみんないいお仕事してたと思います。戦隊の面白さは、やっぱり役者さんの熱意がキーになってきますよね。


 『仮面ライダーW』には、デカレンジャージャスミンこと(&遊戯王5D'sの十六夜アキこと)木下あゆ美ゲストとして登場。

 Wにはタチの悪い女性しか出てこなくて、妙に歪んだミソジニーストレスが溜まりがちなのですが、今回は一服の清涼剤のような清々しいヒロインが……と喜びつつ見ていたら、ジャスミンまで悪い女の役なのか! どんだけ女を信頼してないんだ今度の仮面ライダーは………。


れもん色の午後―木下あゆ美1st.写真集

巡音ルカオリジナル曲「DYE」

| 巡音ルカオリジナル曲「DYE」を含むブックマーク

いつだって私は今よりもっと求めていたい...例え“  ”がわたしの最高の“個性色”だとしても・・・


巡音ルカオリジナル DYE

巡音ルカオリジナル DYE


 聴いたのは先週の金曜なんですが、支援の意味で紹介。

 これはすごいです。ルカソングを追っかけてる身としては久々の衝撃。以下の記事もあわせて視聴してみてください。


動画プレイヤー

続きを読む

バクマンラジオの録音データ公開中

| バクマンラジオの録音データ公開中を含むブックマーク

 先月、ぼくもゲストとして出て放送された、LDさんとかんでさんのネットラジオですが、録音データMP3が公開されています。

「バクマン」@まんがラジオ - 今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)

放送は終了しました。録音データは下記のリンクです。1〜2週間くらいで消えますので予めご了解下さい。


【「バクマン」@まんがラジオ

http://www.geocities.jp/ldtsugane/mv/mangaRadio-100128.mp3


 そろそろサーバーから消えるころだと思いますので、DLはお早めにどうぞ。2時間強、『バクマン。』というジャンプ漫画について話しています。

 ちなみに、ラジオ中でいずみのが言及している画像をまとめたページがあるので、一緒に見てみてください。(→グランドライナー最終話/福田さんの驚きの白さ - ピアノ・ファイア


バクマン。 6 (ジャンプコミックス)バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
小畑 健

集英社 2010-01-04
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
バクマン。 7 (ジャンプコミックス)バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

集英社 2010-03-04
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 ところでペトロニウスさんによると、ネットラジオ視聴者というのはエアチェックする人だけじゃなくて、放送後のMP3ポータブルプレイヤーなどに入れて聞く、という人もかなり多いそうですね。


 ミキサー的なスキルがあれば、放送後のデータを聞きやすく編集してアップする……とかもできそうなんですが、そういう需要もありそうですよね。

*1:そのディズニーにも源流はあるが

Sat 2010.02/06

お仕事2本

| お仕事2本を含むブックマーク

ユリイカ2010年2月号 特集=藤田和日郎 『うしおととら』『からくりサーカス』そして『月光条例』・・・少年マンガの20年ユリイカ2010年2月号 特集=藤田和日郎 『うしおととら』『からくりサーカス』そして『月光条例』・・・少年マンガの20年

青土社 2010-01-27
売り上げランキング : 263

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
早稲田文学増刊U30早稲田文学増刊U30

早稲田文学2010-02-03
売り上げランキング : 1613

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 ここでのお知らせが遅れましたが、『ユリイカ』の藤田和日郎特集と、早稲田文学U30に、泉信行名義で執筆しています。

 それぞれ、一般書店での取り扱いが少なかったり扱っていなかったりするので、Amazon通販するのが一番手っとりばやそうです。


 藤田和日郎特集の方では、いままでぼくが『ユリイカ』誌上や、同人誌漫画をめくる冒険』で展開してきた漫画論を、『うしおととら』の描かれ方と照らし合わせながら論じるという形式をとっています。

 もちろん『うしおととら』に対するひとつの読解としても読んでいただけるのですが、いわゆる「漫画力学」のケーススタディや入門としても読まれるように心がけていました。


 一方、U30では物語論というカテゴリで書かせていただきました。関係ないですけど、今日マチ子さんが表紙の本に載っている、というだけでもちょっとうれしいです。みんな『みかこさん』読もう!

 で、タイトルギフトとしての物語。できるかぎり内容を詰め込もうと奮闘した結果、なんと文字数は三万字をオーバー

 実は、今日更新していた『ボクラノキセキ』の感想でも「基盤」や「ギフト」といった意味ありげな言葉を使っていましたが、U30の原稿はそれらの意味を根っこから解説してみようとがんばってみたものなんですね。

 長文なだけあってアラの目立つ原稿になったとは思うのですが、今後はこのブログネットラジオで、アフターフォローも兼ねてネタにしていければいいな、とか考えてます。きっとまたペトロニウスさんが聞き手になってくれるでしょう。


 ところで、「例の動画」のアップですが……U30の発売日に間に合いませんでした。すいません。こうなったら、出来上がり次第にアップできればと思います。

 U30の記事を先に読むという方は、ちょっとこのブログをチェックしながら待っていただければと思います。

漫画感想/久米田夏緒『ボクラノキセキ』1,2巻

| 漫画感想/久米田夏緒『ボクラノキセキ』1,2巻を含むブックマーク

ボクラノキセキ 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)ボクラノキセキ 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

一迅社 2009-02-25
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ボクラノキセキ 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)ボクラノキセキ 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

一迅社 2010-01-25
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 ペトロニウスさんが紹介していて、敷居さんに勧められた漫画


 まだ2巻までしか出ていなくて全体像は未知数ですが、面白かったです。

 「前世モノ」「転生モノ」というテーマ自体には馴染みがある(気がする)のに、新鮮な気分にさせる不思議漫画でした。


 ちなみに表紙に描かれているのは、主人公とヒロインの組み合わせ……ではなく、主人公の「現世の姿」(男子高校生)と「前世の姿」(ファンタジー世界の王女様)です。


ボクラノキセキ 1 (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)


フィクション現実の見分けにくさ

 色々考えさせられることも。

 転生モノで描かれる物語というのは、我々の人生のどんなことを象徴しているのか?


 「前世で別の人生を送った記憶を持つこと」や、「転生によって現世で裏ワザが使えること」というのは、「普通子供が異世界冒険すること」*1とも違えば、「普通人間スーパーパワーがギフトとして与えられること」*2というものとも微妙に違うんですよね。


 つまり、キャラクターとしての基盤が「現世の人格」にあるのか「前世人格」にあるのかが、読者から見て曖昧に感じられてくるのが転生モノの特徴なんですが(だって同じ人格だから)、その場合、登場人物のどこからどこまでが「普通人間人生を象徴したもの」で、どこからどこまでが「フィクション的に用意されたギフト」なのか区別がつきにくくなってくる、ということです。


 特に『ボクラノキセキ』の主人公は、子供の頃から「前世人格から連続しているのが普通」とリアルに実感しながら(前世自分を内部のものにして)育ったという設定ですので、前世から得られる記憶能力フィクションのようなもの」と切り捨てることもしにくくなるんですね(反面、「成長後記憶が覚醒する」形なら、それは「フィクションのような外部の経験」として片付けやすくなる)。


 とすると、読者はまず、この主人公を「私達と同じ人生を送っている人」として受け入れようとします。でないと「物語自分人生観に落としこんでいく」という作品受容の過程で、齟齬を起こすことになるから。


 いや、単純に「特殊なシチュエーション経験するキャラクターたちの冒険」を、現実と切り離して楽しむだけでも充分ハラハラするし、エンタメ的だと思うんですが*3、その現実離れしたハラハラ感だけで閉じてしまうと「ゆきてかえりし物語であるところの「ファンタジーとしての力」を失ってしまうと思うんですね。


 その点、主人公の人生観倫理的と言っていいもので、「なるべく前世経験は現世に持ち込まないようにしよう」というベクトルで行動しているのが面白いですね。しかし状況はそんな日和った態度を許さず、「より前世寄りの人間として振る舞う」ことを主人公に求めてきます。まぁ、なんせ他の転生者たちから見れば、前世での王女ですから。

 じゃあ、前世と現世のどっちが「ホンモノの人生」なんだ? っていう割り切れ無さが興味深いところです。

 そうそう。簡単にフィクション現実を割り切れないからこそ、ファンタジーとして面白いんだっていう部分もあると思うんですね。*4


 同じ雑誌一迅社ゼロサム)に連載している、おがきちかさんがブログでこんなことも言っています。

ゆるゆる+メリハリ+バランス

人生には現実ファンタジーが同じだけ必要ってティム・バートンが言ってて、ほんとーにその通りだと思うのです。だから現実ファンタジーの区別が付く年齢になったら、そこからは大人になるほどファンタジーを楽しめると思うんですよね〜。


 ファンタジー好きなら胸に響く言葉ですね。


キャラクターの見分けにくさ

 また、絵柄として面白いな、と思ったのは、わりと女性作家に多い傾向だと思うんですが、キャラクターの見分けがつきにくいこと。

 「ホワイト髪のヒロイン同士」と、「黒ベタ短髪の男性キャラ同士」は、パッと見で区別がつかないことがしばしばあります。

 具体的には、上岡高尾。主人公はいったいどっちをカノジョにしたんだ……? と悩みながら読んでました。


 ちなみにぼくはこういう、「見分けにくさ」を、「描き分けできていない、画力が足りてない」みたいな拙さとしてのみ評するのはつまらないと思っていて、(作者の狙いや、実際に描きたかったであろう世界観に達しているかはさておいて)現実においても人の顔というのは見分けにくいものである」という状況が再現されてしまう効果にも趣きがあるはずだ、と考えています。


 ぼくがその効果のことを考えるときに良く思い浮かべるのが紺野キタの作品なんですが、


f:id:izumino:20100206145909j:image


……Amazon「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のところに紺野キタの『つづきはまた明日』が入っているというのも、なんかどっかで繋がってるみたいで面白いですね。


つづきはまた明日 1 (バーズコミックス ガールズコレクション)

  • 作者の絵柄が「あんまり顔の描き分けをしない」ということをキャラ設定のレベルで利用している作品。紺野キタは他にも、「教師や学舎からみれば毎年同じような少女たちが生活しているように見える」ということを描いた女子寮モノの『ひみつの階段』や、「生徒が呪いにかけられないように、個人識別がしにくい魔法のかかった制服を着ている」という設定の魔法学園モノの『Dark Seed』などがある

 現実人間は(特に日本学生などは)、そんなに「描き分け」なんかされていない、どの人間もそんなに変わらない見た目をしているわけなんですが、それでも相手を見分けられるというのは、「その人を個人的に知っているから」なんですね。


 この意味はわかりますか? 私達は、実際のところ「相手の顔に極端な個性があるから」相手を見分けられるのではなく、ただ単に「相手の顔をよく覚えているから」相手の顔に個性があるように感じられるということです。

 実際に、『ボクラノキセキ』の読者がキャラクターの顔を見分けにくい、そして名前も覚えにくい、さらにいえばそれぞれのキャラクターには前世が設定されているので、できれば顔を見ただけで前世の設定も思い出したい……と思っているのに、登場人物紹介に戻らないとそれもわからない(人物紹介に載ってないキャラも当然いる)。

 でも、キャラクター同士は、相手を一目見て誰なのかがすぐわかります。読者以上に、相手の特徴を良く「知っている」から。逆に私達は、良く知らないから見分けがつかない。

 いや、たぶんじっくりこの漫画と付き合っていけば、しだいに見分けが付くようになっていくはずです。キャラクター同士が、「相手とじっくり付き合ってるから簡単に見分けがつく」のと同じように。


 だからってそれがなんだ、と思われるかもしれませんが、こうした絵柄がもたらす感覚も、それはそれで作品の雰囲気に貢献していることがあるんじゃないか、ということです。

 うまく言えませんが、個人個人が見た目的に埋没している(=キャラが弱い)からこそ、見た目以外のところでキャラを立てたり、個性見出していくような変化に趣きがある、といったところかな……?

 逆に比較的、見た目だけでかなり「キャラが立ってる」と言える広木さん(※可愛い)が、脇役ながらドラマのひっかき回し役という「わかりやすい立ち位置」にいるというのも象徴的で面白いですね。

*1ナルニア国物語大長編ドラえもんのような

*2:強いロボットに乗ったり、魔法アイテムが与えられたり、空から人外ヒロインが落ちてきたりするような。ちなみに魔法超能力であっても、それがその世界において「誰でも持ちうる能力}として設定されているなら、ギフトというより「才能の一種」を象徴することになる。現実における「得意技」や「専門分野」を象徴したのが、必殺技超能力になるわけだ

*3:もっとも、それ以前に「そもそも感情移入できないから楽しめない」という読者もいそうだが、そこで感情移入を拒むのも狭量な読み方と言えて、もったいないと思う

*4:逆に、ストレート少年漫画で描かれる魔法なんかは、フィクションリアリズムが「単純に割り切れる」方が良くなると思う

米 2010/02/10 17:09 はじめまして。ボクラノキセキを読んで、いきなり自分の前世を思い出したらどの様な反応をするのが普通なのかと考えたんですが、いずみのさんはどう考えますか。私は高校生程度の年齢なら前世に振り回されず今の価値観で大体は行動出来ると思いますが、作中では人が見てる所で皆見に跪いたり敵国の相手を殺そうとします。いくら前世で色々あったとしてもTPOを弁えない人が多い気がするんですがどう思いますか。義務教育を終えたならば戦争が単純にどちらが悪いと言えるものでもない事や今生きる社会の仕組みを理解出来ている気がするんですが。多分西園あたりの反応が普通なんじゃないかなと思います。

izuminoizumino 2010/02/10 17:41 はじめまして。たとえ今の時代であろうと、もし仮に「自分の大切な人が殺されたら」相手に仕返ししてやろうと思わざるをえない、という人は普通に存在しうると思いますが、どうでしょう?



最新の日記
 あわせて読みたい なかのひと
000001
20030304050809101112
2004010203040506070809101112
2005010203040506070809101112
2006010203040506070809101112
2007010203040506070809101112
2008010203040506070809101112
2009010203040506070809101112
2010010203040506070809101112
2011010203040506070809101112
2012010203040506070809101112
2013010203040506070809101112
201401020304050608101112
2015010304060809101112
201601020612
20170107