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「ふたりでひとつ(Suite)」なドとレのプリキュア/『スイートプリキュア』第2話感想

 ついに第2話が放送された『スイートプリキュア♪』
 安心のクオリティで、期待が高まる一方だったりします。
 さっそくですが、現時点の感想や発見を、主だったところから拾っていこうかと。

変身の条件と「ドとレ」のプリキュア

 前回は、まだ確定してなかった「変身には必ずふたり必要なのか」という設定ですが。

まだはっきりしないんですが、変身バンクがふたり変身を前提にしていることや、その変身も「声を揃えて」キーワードを叫ぶ必要があるっぽい?ところなどが「ふたりはプリキュア」の再来の予感。

『スイートプリキュア♪』は凸凹コンビではなく、似たものコンビに注目? - ピアノ・ファイア


 今回の話で、ふたりで声を揃えるどころか「心も揃えないといけない」という、もっと深い絆が条件になってることが発覚!

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 これは本当に「ふたりはプリキュア」の復活!

喧嘩するほど仲が良い。とはいっても、それらが二項対立するというよりは、「似たもの」同士だからこそすれ違っている、という感覚が強いのかなぁ、と。でも、プリキュアに変身するときには、二人の息が合っている必要があって、どちらもデレる必要があると。こ、この設定、なにか完璧なんじゃないかと思った。これだと痴話喧嘩も、デレも両方書けるじゃないか、同じ話で。素晴らしい。

スイートプリキュア♪感想/第02話「ガガ〜ン!早くもプリキュア解散の危機ニャ!」 :サブカル・カムカム


 ぼくの前回の感想では、↓こういうことも書いていました。

 そこから「似たもの同士」っていうキーワードに注目すると発見も多いんですよね。
 「プリキュアなのに凸凹コンビじゃない!プリキュアらしくない!」って感想の人ってたぶん少なくないと思うんですけど、彼女たちは「ド」と「レ」の「ハーモニー」なわけで、むしろ「音が近い」ことの方に意味がある仕立てだと思うんですよね。そこが面白さに繋がるんじゃないでしょうか。

フェアリートーン「ドの音符の精ドリー」を本体にセットしてドリーとキュアメロディの音声で変身あそびができる。「レの音符の精レリー」を本体にセットしてレリーとキュアリズムの音声で変身遊びができる。


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『スイートプリキュア♪』は凸凹コンビではなく、似たものコンビに注目? - ピアノ・ファイア


 ここから指摘されていたのは、「ド」と「レ」だと音が近すぎて不協和音になる(=音楽理論でいう「解決」が必要になる)のでは? ということ。


 それについても、おもちゃ情報からちょっと気付いたことを書いておきます。
 まだオープニングにしか出てきてないんですが、ベルティエっていう、ベルとスティックが一体になったアイテム。

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ミの音符の精ミリーのフェアリートーンが付属。

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ファの音符の精ファリーのフェアリートーンが付属。

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 このベルティエでファリーとミリーを装備できるので、ふたりでドレミファみたいなんですね。
 四音あれば和音も作りやすいのかな。


 


 さらにオープニングを見ると紫色のフェアリートーン(シの上のド?)が追加されるので、全部で「ドレミファソラシド」の8個になるみたいですね。



 ところでフェアリートーンは「赤→白→橙→黄」の順に「ドレミファ」なんですが、これが虹色のスペクトル順だとしたらおかしいんですよね。
 「赤・橙・黄・緑・水・青・紫」が虹の七色で、白が入るとしたら……赤より外の赤外線(無色)
 キュアピンクとキュアピンクだと思いきや、キュアピンクとキュア赤外線だった!


 赤外線だとすると、一番端に来るはずなんですよね。



 

  • このカットでは「→橙→水・・・」の順


 虹色に並べば白(ド)→赤(レ)→橙(ミ)→黄(ファ)のはずなのに、赤がドリー、白がレリーで、ドとレが交差してるんですね。ふしぎ。


 これは響と奏のネーミングの交差と似ています。

「響く」のがメロディ「奏でる」のがリズムというのも本来なら逆なんですよね。奏でるのがメロディで、響くのがリズムのはず。
 混同しそうでややこしいですけど、「ふたりセットの一体感」という印象が強いネーミングになってます。

『スイートプリキュア♪』は凸凹コンビではなく、似たものコンビに注目? - ピアノ・ファイア


 SSのキャラである「風薫る」→薫(風の力で変身)「月満ちる」→満(月の力で変身)と比べるとわかりやすいですが、ネーミングの決まりがストレートに対応してないんですよね。妙にクロスしている。


 響=メロディと奏=リズムのネーミングに不思議な一体感があるように、フェアリートーンの色と音程も交差していて「ふたつでワンセット」の一体感があるんですよね。
 響と奏は「もともとひとつ」というイメージが強かったんですが、なおさら半身のような存在に思えてきましたね。アンドロギュノスというか。


 ちなみに、このふたりが「ドレミファ」を担当するなら、追加のプリキュアがふたり登場すれば「ソラシド」が埋まります。
 怪しいとされるのが、第1話でクレジットされている「西島和音」「東山聖歌」
 サッカー部の水色髪の女子と、スウィーツ部の部長がそれっぽいですが、苗字が「条響」「野奏」と繋がっているのでプリキュアになりそうだという説が濃厚です。


 「ふたりのプリキュア」が二組登場するプリキュアが「スイートプリキュア」の完成型、という予想もできますね。
 意外と今までなかった組み合わせなので楽しみだったりします。
(SSの満薫が一番それに近かったんですが、彼女たちは「プリキュア」にはしてもらえなかったですからね。)

シンメトリーなポーズと特徴的なカメラアングル

 また、前回の感想で触れた部分ですが、

 変身バンクは非対称(アシメトリー)なモーションよりもシンメトリーが強調されていて、最後の決めポーズも一見アシメトリーですが、実際は90度角度が違うだけで同じポーズなんですよね。


  • 右側から見るとメロディと同じポーズをしているリズム
『スイートプリキュア♪』は凸凹コンビではなく、似たものコンビに注目? - ピアノ・ファイア


……このあとオープニングを観ていて気付いた構図。



 このカットも決めポーズと同じで、「奏を右側から見るとシンメトリーの同じポーズ」になることがわかります。


  本当は「同じポーズ」なのだけど、響は正面から撮って、奏は横向きで撮る、というのがスイプリの基本演出になるのかもしれません。
 そう思えば、ふたつある校門も「響が待っていたのは正面の校門」「奏が待っていたのは側面の校門」なんですよね。


 

  • 響が待っていた「校舎の正面から入る門」と、奏が待っていた「校舎の横から入る門」*1


 ついでに、びみょうに気になってるのがふたりの利き腕です。
 一応、ふたりとも日常(料理とか食事とか)では右腕を使ってるっぽいのですが。
 キュアメロディは変身時に左利きの持ち方でギターを弾く動きをしますし、決めポーズで前に突き出すのも左腕、オープニング映像で傘を持ったりベルティエを振り上げる手も左腕


 


 まぁオープニングではこのあと、キュアリズムに合わせて右手にベルティエを持ち替えてますし、


  • 仲良く右手でベルティエを振り回すカット


……演出の都合でどうとでも変更されてしまう部分だとは思います。
 むしろ、奏の方が「キュアモジューレを左手で持つ」というシーンだって多いですしね。


 でもシンメトリー演出が多用されるであろうスイプリだと、響は両利きか、(日常生活では矯正された)左利きって妄想するのはアリだなぁと。
 音楽家の才能があるっていう設定のイメージにもマッチしますしね。
 合体技の「プリキュア・パッショナート・ハーモニー」も、ふたりの利き腕で撃つ技と思った方が面白い。

外への広がりのあるプリキュア


そこからの

「今は・・・奏じゃないよ。キュアリズム!」

ですよ


そうそう、なんで今までのプリキュアはこのやりとりをやらなかったのか!

ってくらい素晴らしい。

だって、変身した瞬間に呼び方が変わるなんて不自然じゃない、凄く

それは前から気になってたんだ。


で、その不自然さを解消しつつさらに

プリキュアネーム」で呼び合うことで、

「一緒にプリキュアをやる決意」

みたいなものを表現しちゃうっていうのが抜群。


プリキュア」における常識を

いままで「プリキュア」に関わってこなかったスタッフを起用したことで

こういう最高の形の覆すというのは、

まさに長期シリーズの醍醐味ですね。

スイプリ2話・作画以外でツボったところ - まっつねのアニメとか作画とか


 ぼくがこの台詞の流れをいいな、と思ったのは、変身後の名前を呼ぶ過程を描いてくれた、というのも当然あるんですが。
 それよりも、奏が「日常のふたりの関係」プリキュアとしての非日常の関係」を分けて考えようとしたことがわかるから、ですね。


 この1,2話が「ふたりの和解」だけで話が閉じてしまうのではなく。
 「ふたりで立ち向かう非日常の物語」を、ふたりだけで閉じた関係とは切り離して描こうとするニュアンスが伝わってきます。
 これには『フレッシュプリキュア!』で好みな部分だった、ダンスユニットを組む日常」と「プリキュアの非日常」を並行に描くスタイルを思い出しました。


 ふたりで一緒にいられたら、それだけでいい(正義感が強いからプリキュアの役割は深く考えずに受ける)、というのが、たぶん響側の認識で。
 でも奏の方は「ふたりで何か新しいことをしたい」っていう外への志向を持ってるんでしょうね。


 特定の友達をあまり持っていなさそうな響に対して、入学前から友達がいて、クラブに居場所があるのも奏です。


 第3話の予告でも、積極的に外部に関わろうとする奏に対して、内に閉じこもりがちな響が描かれるみたいですし。

第3話 2/20放送 ジャジャ〜ン!響は音楽嫌いニャ?

“音楽王子隊”のファンの奏は、コンサートに響をさそうの。
でも、響は「私、音楽キライだし」ってことわっちゃう。
(中略)
気になる奏は響に、「なにがあったのかおしえてよ」ときいたの。
でも響は話すのをイヤがって帰っちゃった!


部屋にとじこもる響。
“ピンポーン!”と家のベルが鳴ると、そこにはケーキを持った奏がきていたの。

http://www.asahi.co.jp/precure/story/


 「似たもの同士」が描かれてきた1,2話以降は、そういった対比が描かれていくといいですね。 


 響と奏は「ドとレ」で音が近いからいいですけど、いずれ現れるかもしれない紫のプリキュア(ひとつオクターブ上のド)は響から一番遠い音になるはずで。
 そういう離れた存在も含めて、和音やハーモニーや組曲(Suite)を創っていくのが今後の『スイートプリキュア♪』のテーマになっていくんじゃないかと思います。




 だからオープニングの「オクターブを飛びこえて」っていう歌詞も、近い距離の関係(ドとレ)に留まらない、離れた音階にも飛び込んでいく、って示唆だとしたらすごくいいですね。
 その上で、ハミィとエレン、メイジャーランドとマイナーランドの関係が描かれるという期待もできるでしょうし。


 今年は本当に、スイプリがあるおかげでアニメに満足できそうです。めちゃ応援してます。


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*1:ところで別々の校門に別れてしまったのは、あきらかに「横からの校門のほうが通学時に使いやすい」のは分かってるのに、響がひとり合点して「初めて一緒に入るなら正面の校門!」と決めつけたからって理由とかありそうですね