木村紺『からん』全7巻
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ちょっと前に7巻まで読み終えた作品ですが、四年前に始まって去年に完結したんですね。
1巻はリアルタイムに買っていたので、最後までまとめ読みしたときは感慨深かったです。
『神戸在住』以来、強い女性(それも若い女性)の描き方が好ましいと感じていた木村紺さん。
女子高の柔道部が舞台で、その魅力が存分に詰まってると思います。かなり、面白かったです。
作品ごとに絵柄がかなり変わる作者さんでもありますが、今回は「写真から輪郭を拾って写生したような」タッチが独特です。
女子高ものであるにも関わらず、今風の可愛らしい絵柄というわけでもありませんから、慣れるまで戸惑うかもしれませんけど、ストーリーも表現も非常に優れた漫画だと思います。
主人公の雅が『彼氏彼女の事情』の宮沢雪野のような、なんでもこなせる努力の人で、なおかつ人心掌握に長けた野心家タイプという好みなキャラクター像。
これはなんとなくなんですけど、「なんでもこなせる努力家」を主人公に据えたという点では、太田モアレの『鉄風』の裏面を描いているような気もしました。
(『鉄風』の主人公も器用な人間で、いわゆる「持っている側」のタイプでありつつも、「本人の性格がかなり悪い」という点で『からん』の雅の裏返しみたいです。それと「本来なら主人公」な天才タイプのキャラが対照的なポジションで登場する点でも、どこか通じるところがある作品じゃないでしょうか。)
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