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Sat 2013.03/30

アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』の主題歌についてジョジョ信者がレビュー

| アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』の主題歌についてジョジョ信者がレビューを含むブックマーク

こわれものこわれもの
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【特集企画・2012年10月クール振り返りコラム】「「Roundabout」がED(さいご)で見せるのは未来にたくすツェペリ魂だ! うけとってくれーッ!」泉信行【ジョジョの奇妙な冒険】 | 日本最大級を目指すアニメポータル「AniFav」


 上記のサイトに、アニメジョジョの奇妙な冒険の1クール目についてのレビュー、という依頼をいただいて寄稿しています。チェックよろしくです。


 書き終わった原稿がぼくの手を離れたのは去年の年の瀬だったのですが、その後に出たスタッフコメントも併せて読むと面白いかもしれません。

 OP曲に関しては、曲作りから映像音響まで含め、「もし連載当時に1〜2部がアニメ化していたら」イメージしていたようすが窺えます。


エイジャの赤石のハイライトの動きは、"25 年前の作品が 25 年前にアニメ化されたらどうなるか"というイメージで、古き良きアニメ踏襲して作りました手法が作画から 3DCG に変わっても、作る人間世代交代しても、目指すものはブレていないんだということが伝われば良いなと思います」と永田氏は語った

演出で観る者を魅了する! TV アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』OP ムービー | FEATURE | CGWORLD.jp


 また、この記事はタイトル意味を込めておいたように、ED曲「Roundabout」のジョジョ信者解釈が本題になっています。

 原詞や和訳まで載せるスペースはなかったので、下記のサイトなどを横に置いて読んでみてくださいませ。


 それにしてもRoundaboutはツェペリ一族を象徴する曲になっている」という深読み*1は、まだぼく以外に主張している人はいない……はず。

 円のイメージ、回転のイメージ連想しがいのある選曲なんですよね。


 原稿を書いてから掲載までに90日くらいかかっていたので、他の誰かにネタを先越されないか、実はかなりヒヤヒヤしていたものです。

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過去に関わったジョジョ

 『ユリイカ』の荒木飛呂彦特集号には「イズミノウユキ」名義で執筆したコマ割り・視点論が、『美術手帖』には伊藤剛さんとの対談記事が載っています。


ユリイカ2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦 鋼鉄の魂は走りつづけるユリイカ2007年11月臨時増刊号 総特集=荒木飛呂彦 鋼鉄の魂は走りつづける

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昨夜のアニメUstの保存先

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 昨夜配信した、『絶園のテンペスト』完結記念Ustの保存先です。

 ホストはおなじみHARD-WIREDさんこと岡野繁浩さん、ゲストは前回に引き続きみやもさんでした。


 完結した『サイコパス』『新世界より』『絶園のテンペスト』『あいまいみー』、短編アニメデスビリヤード』と海外インディーズ3DアニメRWBY』の話をしていました。


 時間割としては以下のような順番。全体では長時間なので、気になるところをシークで探してください。

  1. サイコパス(〜00:36)
  2. 新世界より(00:36〜00:57)
  3. 絶園のテンペスト(00:57〜01:28:30)
  4. RWBY(01:28:30〜02:03)
  5. デスビリヤード(02:03〜02:10:40)
  6. あいまいみー(02:10:40〜02:12:30)

 『RWBY』を未見の方は、↓ぜひご覧になってからどうぞ。


過去の放送

*1:「スタンド名」ではなく、というのがポイント

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Fri 2013.03/29

【告知】今夜『絶園のテンペスト』完結記念Ust

| 【告知】今夜『絶園のテンペスト』完結記念Ustを含むブックマーク

 月一ペース配信のアニメUstですが、今日の22時頃から絶園のテンペストの完結記念Ustをやります。

 プラスアルファでその他の最終回の話(※関西の放送圏に限定されます)や、『デスビリヤード』の話などするつもりです。

 ホストはおなじみHARD-WIREDさんこと岡野繁浩さん、ゲストは前回に引き続きみやもさんこと宮本直毅さんをお招きしています。

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過去の放送

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Thu 2013.03/28

【告知】29日夜にアニメUst

| 【告知】29日夜にアニメUstを含むブックマーク

 月一ペース配信のアニメUstですが、29日夜にまた配信します。

 ホストはおなじみHARD-WIREDさんこと岡野繁浩さん、ゲストにまたみやもさんこと宮本直毅さんをお招きしつつ、前回から続いて『絶園のテンペスト』(の最終回)の話をしていると思います。


 開始時間は今から相談して決めますので、お待ちを。

27日夜のマンガUstの保存先

| 27日夜のマンガUstの保存先を含むブックマーク

 ゆうべ配信した、岩下朋世さんとのマンガUstの保存先です。


 池山田剛小林が可愛すぎてツライっ!!』、九井諒子『ひきだしにテラリウム』、そしてWebコミック作家の「なかとか」さんの話をしていました。


 Ust中で言及していたサイトへのリンクはこちら。

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山田

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ひきだしにテラリウムひきだしにテラリウム
九井諒子

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 あと、例によってUst中の言い間違えの訂正なのですが、よしながふみの『きのう何食べた?』の話をしていたの、あれは『愛がなくても喰ってゆけます』の話、というのが正しいです。すみません


 ちなみに録画されたUstiPhoneiPadアプリ再生することもできます。

 アプリを起動したら、「検索から過去ライブ」を選択して「漫画をめくる」などのキーワードで探してみてください。

過去の配信

Tue 2013.03/26

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Thu 2013.03/21

読書録/豊田正義『オーラの素顔 美輪明宏の生き方』

| 読書録/豊田正義『オーラの素顔 美輪明宏の生き方』を含むブックマーク

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豊田 正義

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 2008年上梓された本が2009年末に文庫落ちしたものです。

 美輪明宏の半生を第三者の手で描いた初のノンフィクションという本ですが、出版されていたことを知らなくて、遅ればせながら今月読むことができました。


 今まで美輪明宏の本は好きで、『人生ノート』や『紫の履歴書』などの著書を愛読していたのですが、


人生ノート人生ノート
美輪 明宏

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紫の履歴書紫の履歴書
美輪 明宏

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……客観的に書かれたものを読むと、また新たにファン心理を刺激されます。

 読みながら自分記憶(=「美輪ファン歴」)も蘇ってきたのですが、ぼくが「ヨイトマケの唄」を初めて見たのが、(多分)2005年に放送された「NHK人間講座」です。

(その後、2006年放送の「たけしの誰でもピカソ」でも視聴しているはず。)


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 ぼく自身も覚えていなかったのですが、昔の日記を遡って確認してみれば、この番組を見た記録が最古でした。

 その番組では、さらに「愛する権利」を聴いて感動したのを覚えてますが、日記によればそれ以前から美輪明宏言葉」には影響を受けていたようです。


D


 2005年以前にも『もののけ姫』(1997年)の声優出演などで意識するきっかけはあったはずですから、いつからファンになったのかは曖昧です。自然と注目するようになっていたのでしょう。


 ネットで読める「美輪明宏言葉」としては、この講演レポートや、mixiコミュニティの名言トピックが要点よくまとまっていてお勧めですよ。

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Fri 2013.03/15

13日夜のマンガUstの保存先

| 13日夜のマンガUstの保存先を含むブックマーク

 13日夜に配信した、岩下朋世さんとのマンガUstの保存先です。


 ほとんど、伊藤剛さんのゲンロンスクール感想戦みたいな話になっていました。

 研究的にはこのあたりのディスカッションを整理していきたいところですね。


 あとUst内で言及していたエントリと、伊藤剛さんのマンガ論が載った本がこちら↓です。


日本2.0 思想地図β vol.3日本2.0 思想地図β vol.3
東 浩紀 村上津田 大介 高橋 源一郎 梅原 猛 椹木 野衣 常岡 浩介 志倉 千代丸 福嶋 麻衣子 市川 真人 楠 正憲 境 真良 白田 秀彰 西田 亮介 藤村 龍至 千葉 雅也 伊藤新津保 建秀

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 ちなみに録画されたUstiPhoneiPadアプリ再生することもできます。

 アプリを起動したら、「検索から過去ライブ」を選択して「漫画をめくる」などのキーワードで探してみてください。

『文化時評アーカイブス 2012-2013』の漫画クロスレビューに参加

| 『文化時評アーカイブス 2012-2013』の漫画クロスレビューに参加を含むブックマーク

 今日発売?されたダ・ヴィンチ×PLANETS 文化時評アーカイブス 2012-2013』漫画クロスレビューのコーナーで、レビュワーの一人として参加しています。

 去年話題になったコミックスが対象で、ぼくは18作品くらいにコメントしました(全体の対象作品数はもっと多いです)。


 本屋さんで見かけたら、ぜひチェックしてやってください。


ダ・ヴィンチ×PLANETS 文化時評アーカイブス 2012-2013 (ダ・ヴィンチブックス)ダ・ヴィンチ×PLANETS 文化時評アーカイブス 2012-2013 (ダ・ヴィンチブックス)
宇野常寛 青山裕企 速水健朗 岡室美奈子 福嶋亮大 石岡良治 伊藤剛 氷川竜介 成馬零一 さやわか 山内マリ松谷創一郎 小林よしのり 中森明夫 濱野智史

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Tue 2013.03/12

【告知】13日夜に岩下朋世さんとマンガUst

| 【告知】13日夜に岩下朋世さんとマンガUstを含むブックマーク

 先々週予告した通り、明日の水曜夜、漫画研究者岩下朋世さんと一緒に漫画トークのUstを配信します。

 良ければチェックしてやってください。


 余談ですが、イラストの塗りに関するTogetterを夕べまとめていました。

 以前更新した、黒髪キャラを「黒以外」の色で塗る場合のチェックポイントと似た感覚で考えていたことなので、合わせてチェックしていただけるといいかもしれません。


前回の録画先

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Thu 2013.03/07

紺野キタさんの新刊発売スケジュール

| 紺野キタさんの新刊発売スケジュールを含むブックマーク

 Amazonに出てますね。


 今月末に出るのが、初の百合単行本になるという『女の子設計図』。


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 来月には『つづきはまた明日』の完結巻が発売されます。


つづきはまた明日(4)(完) (バーズコミックス ガールズコレクション)つづきはまた明日(4)(完) (バーズコミックス ガールズコレクション)
紺野キタ

幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売 2013-04-24
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 紺野さん単行本で4巻まで刊行されたのは最長記録?

 「家族」育児テーマに扱った作品としては絶品なので、今からでも是非読んでみてください。

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Tue 2013.03/05

苦労はタダで手に入り、モチベーションも必要ない

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 慢性的なやる気不足のシンドロームを補うべく、気力ややる気を保つ思考法について考えることは多いのですが、今回は最近思ったことを書いておきます。


「苦労します」型のアティチュード

 「努力します」、ではなく、「苦労します」、という意思のかたちの方が、よい場合があると感じるようになりました。

 人に「ご苦労さま」、とたくさん言われるようなことをする。

 自分自分に「ご苦労さま」と言えるように心掛けるのでもいいでしょう。


 なぜ「努力します」では不十分だと感じるのかというと、ぼく自身が主体的なモチベーション希薄な、「自分のことを他人事のように考えやすい」タイプだからかもしれません。


苦労にモチベーション必要ない

 「努力」は「努力する」という、主観的な意志や動機を前提とします。

 でも「苦労」は、ただ苦労しそうな状況に自分を追い込むだけでいいLet it be行為であって、頑張ろうとして頑張るわけでなく、結果として頑張ったり、耐えたりするにすぎません。


 個人的には、そのくらい投げ遣りというか、気張らない思考法の方が楽に感じるようです。


苦労は現実任せで受動

 「努力」だと全て自分プランニングして自己管理しないといけないような気がして滅入りますが、「苦労」は現実任せです。

 現実はタダで苦労が買えるようになっており、苦労の内容に合わせてプランニングを始めればよく、能動的な決定も不要なのです。


 自己管理が苦手なタイプにとって、この「受動的なアウトソーシング感」を利用しない手はありません。


理想とされるのは「努力も苦労も感じません」型のアティチュード

 「好きでやってますから努力も苦労も感じません」という無心のタイプが努力理想形ではあるんでしょう。

 でも「最終的に苦労を感じなくなる」ことを見込めば、「苦労します」、の方が無心の境地に近付きやすい気もします。


 同様の理由で、「努力」という言葉よりも「根性」の方がまだ好みです。

 ニュアンス的には「頑張ろうとする気持ち」を表す能動的な意志ではなく、「苦労を我慢する気持ち」を表した受動的な意志に近いのが「根性」でしょうから


 そういえば子どもの頃から、「やる気はないが、我慢強い性格だ」と大人から言われることが多かった気がします。

 そんな気質だと「苦労」や「根性」の方が似合うのかもしれません。


なぜか辛気臭く聞こえる「苦労しろ

 ただなぜか、「苦労は買ってでもしろ」という教訓は、古臭くて押し付けがましいというイメージがありますね。

 なんならブラック企業じみた組織に特有な、「底辺のレベルに幸福度を揃えようとする」同調圧力臭い連想させるでしょう。


 その一方で、「努力しよう」という言葉は美しい言葉として耳馴染みがいい。

 ネット上で「努力教」などと揶揄されるのも、「努力」は美辞麗句として一般に流通しているのだというイメージを逆に裏付けていると言えるでしょう。


 たぶん「努力」は「本人の意思に任せている」という選択余地があるから「苦労」よりも耳触りいいのかもしれません。

(極端な話、どれだけ苦労しそうなシチュエーションに陥っても「努力しない」という自由はあるのですから押し付けにならないのでしょう。)


 「努力は必ず報われる!」


 ……という決まり文句がありますが、努力を苦労に置き換えて


 「苦労は必ず報われる!」


……って言うのは、なんか、すごくイイ言葉っぽくないですか。


 本人の「頑張ったという気持ち」が報われるより、現実に辛い思いをしただけ報われることの方が公正のような気もします。

 でもやっぱり言い方が古臭いですね。


 天下国家人間が働く旧時代では「苦労」が通用するが、近代自我を持った人間唯我独尊で働く現代では「努力」を唱えなければいけないのでは? と考えてみればけっこう理屈に合っているかもしれません。


「頑張れ」と「加油

 中国語での「努力」は、「工夫」とか「功夫」とか(どっちもクンフーゴンフーと読む)、「本人の気持ち」ではなく「積み重ねた時間や工夫の量」の結果で言い表すこともします。


 さらに「頑張れ」は「加油」という、外部的なエネルギーの注入に喩えて表現します。

 日本語では「頑なになって張れ」という、内面的なエネルギーを重視する言い方であって、精神主義的な偏りが激しい気がしますね。


 このように、言語のなかに潜んだ精神性が人間ストレスを増やしているようにも思えるのです。

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Fri 2013.03/01

漫画や小説のメディアミックスで、原作ファンがガッカリするポイント

| 漫画や小説のメディアミックスで、原作ファンがガッカリするポイントを含むブックマーク

 アニメ化などのメディアミックス時に原作ファンが見たいのは原作に触れた最中にうおおおおっと脳内で盛り上がったイメージピンポイントで具体化したもの」でしょう、と、このあいだ人に話していました。


 その逆に、スタッフが作ってしまいやすい(しかも自信満々の態度で提供しやすい)のは「出来事をまんべんなく質の高い映像に落とし込んで並べたもの」であって、そこに原作ファンのガッカリポイント、ファンとスタッフの「軋轢」や「齟齬」が集中すると考えていいはずです。


熱心なファンは「深い感動」を経験している

 ある作品のファンになる動機としては、「強い感動」が不可欠です。

 そして、その感動には「脳内勝手に盛り上がった主観的なイメージ」が必ずともなっています。

 この勝手に盛り上がった」という部分が重要です。


 世の中の多くの作品……特にオタク向けの作品は、お世辞に言っても「万民が感動する」とは言いがたいもので、「ファンになる」ということは「偶然ツボにハマった」ということを意味します。


 「お世辞に言っても一般の人が感動するようなものじゃない」という作品であろうと、深く感動するのが「ファン」という存在です。

 悪い意味ではありません。

 どれだけ名作として評価されていようが、その深い感動は「ツボにハマったファン」だけが脳内で作り出すものであり、ファンにならない人間から見ればどうでもいいものなのです。

 この「ファン」を獲得しやすい作品のことを、我々は「優れた名作」と呼びますが、「深い感動はツボにハマった人の脳内にしか生まれない」という本質は決して変わりません。


 ぼくは「誰にでも見える情報」を顕在情報、「伏線をちゃんと覚えていたり、作品の方針を感じ取ったりした者しか意識しない情報」を潜在情報、と呼び分けて考えますが、後者の「潜在情報」で感動した人だけが、熱心なファンになると言えるでしょう。


主観的に伸び縮みする時間

 小説漫画のような、(「見る」メディアではない)「読む」メディアの作品では、この潜在情報脳内主観的なイメージ特に大きな働きをします。


 例えば「歌」でもそうなんですが、熱心なリスナーが「歌詞意味に集中しながら聴く」ことによって、歌詞フレーズ歌手キャラクターメロディが一致して、一気にイメージが盛り上がる瞬間」があるでしょう。


 それは「歌詞意識しないで聴く歌の良さ」とは全く別物です(音源が同じであっても)。

 CMソング流行歌としか認識していないリスナーと、歌詞を読み込んだり歌手バックボーンを知ったり、カラオケで何度も練習したりするようなリスナーとの違いがそこに生まれます。

 音楽の「顕在情報」だけを耳に入れるリスナーと、「潜在情報」を意識しながら聴くリスナーの違いです。


 また、「時間」というものは主観によって伸び縮みするものですから、同じ曲でも心理状態によって「実際よりも長く感じるフレーズ」や「実際よりも短く感じるフレーズ」が生まれたりします。

 歌詞に集中しながら歌を聴くと、感動的なメインパート曲全体の大部分を占めているような錯覚引き起こします。


 これを主観時間の伸び縮み」と呼んでみますが、だから同じ曲であっても、単なるBGMとしてなんとなく流していると、「感動したはずのパートなのに意外とあっさりして聴こえる」現象が起こったりします。


 逆にいえば、「主観時間」で聴いていない、ファンでもない只のリスナーならば、そんな風にあっさり聴いちゃってるということです。

(だからよく出来たMVPVは、あっさり聴かれちゃわれないよう、映像リスナー主観を「感動的なパート」に誘導してやるわけです。CMソングも「印象的なサビ」だけをカットして、フレーズを覚えてもらおうとします。)


 漫画小説も同じです。ファンとして「主観時間を引き伸ばしながら」読まなければ、感動するポイントなんかないのが当たり前なんです。

 もっと言えば、読者の脳内イメージが補われることに依存した漫画小説は、あなた主観でなるべく感動的に時間を引き伸ばしてください」と訴えかけることでしか成り立たないエンターテイメントなのです。


 ダレ場はダレ場として読み飛ばしてもらわなければなりませんし、感動場面は「一文字一文字の重み」を感じてもらわなければなりません。

 その一文字の重みに「うおおおお」と唸り、血圧も上がり、体も震えた読者の心を掴むことで、はじめて作品は「ファン」を獲得します。


 その反面、よほどの箴言や名画でもなければ、どんな感動的なシーンの描写だろうと、一般人がそのまま読めば「ふーん」としか思わない文章(絵)に違いないでしょう。


漫画小説にはリズムがある

 理想的な「漫画の読み方」にはリズムというものがあって、コマ割りを「音楽」に喩える作家評論家も多くいます。


 当然ながら、アニメなどの映像は「音楽」に近いというより、モロに「音楽」と要素が重なったメディアです。

 読者が感じていた「音楽」の要素を、スタッフがすべて代替わりして作らなければいけません。


 漫画コマ割りや、小説文体から音楽」の要素を読み取らずに(「詞」だけ読んで)、編曲もできていないのが悪い映像化だ、と喩えて言えるでしょう。


 漫画原作ファンでも、コマ運びのリズムの美しさに引き込まれて感動してから、もう一度冷静に(リズムを作らずに)パラパラ読み返すと「なんでこんなのに感動できたんだっけ……?」と呆れることがあるくらいです。

 リズム作りで失敗してるアニメ化を見て醒めるのは、きっとそれと同じことなんでしょう。


 である以上、メディアミックス作品が「原作の感動」を再演するためには主観的に時間を引き伸ばし、主観的なイメージで重み付けをする」といった「盛る」作業が不可欠になります。

 しかし、仮にスタッフ自身が「名場面」だと認識してようとも、「まんべんなく質の高い映像化」でそれが再現できると思い違いしているようなメディアミックスが、どうしても少なくなりません。


 コスト制作期間、チームワークなど、大人の事情の複雑さは避けえないとしても、結果として、「このスタッフ原作のここを読んだときにうおおおおって少しも震えなかったの?」原作ファンに疑心を抱かせるのではないでしょうか。

 何がとは言いませんので、好きな作品名と、ガッカリしたメディアミックスの例を思い浮かべてください。


「どこで一番うおおおおって感じたの?」の感じにくさ

 「うおおおお」と脳内で盛り上がるイメージというのは十人十色ですから、あるファンとスタッフの間で「うおおポイントが異なったり、様子が違ったりするのは当然です。

 なら、だからこそ「じゃあスタッフはどこで一番うおおおおって感じたの?」という問いに対する答えさえ見付かれば、原作ファンとしては納得できるとも言えます。

(その上で「盛り上げるのはソコじゃないだろ!」と叩きたくなるかどうかは出来次第。)


 しかしチームワークによる映像化は「流れ作業」になってしまいやすく(これは一般に想像する以上に、ほっとくと流れ作業化が起こってしまうものだと思います)、結果として「主観的な重み付け」のない、各自のスタッフが分担されたカットクオリティを上げただけ、という映像が出来上がりがちです。


 だからスタッフがうおおおおと感じたであろうポイント」も映像から判断しがたい。

 「頑張って作ったんだろうな」と苦労が偲ばれるカットなら推測しやすいですが、それはコスト面の苦労でしかなく、「主観的な重み付け」とは関係ないでしょう。

 「なぜそこを原作よりも作り込んで盛ったのか?」というこだわりが見えなければ、ファンは「わかってるな」と言わないのです。


 ちなみに、この「俺がうおおおおって血圧上がったのはココ」という主観ピンポイントに伝えようとするのが「ファンの二次創作」であって、そこだけ比較すれば、二次創作の方が「よくわかってる」と言ってもらいやすいです。

 二次創作的であることは悪いことではありませんし、「良い二次創作」がなぜできないのかという疑問にもなるでしょう。


 視聴者はできあがったものからしか判断できませんからスタッフが実際にどんな「うおおおお」を感じ取っていたかは映像からしか推測できません。

 しかし「主観による重み付け」がなく、クオリティけが高い映像では、いくら原作に忠実だろうと「あ、原作キャラや絵にしか興味なかったんだ……」と思われておしまいです。

(あるいは単に、「名場面を盛り上げたつもりなんだろうけど演出失敗してるな」と思われるか。)


 あと作品によっては「主観の重み付けとか、変なことしないで映像を美しくするだけでいい」ケースもあって、それはたぶん「シチュエーション萌え」で作られていた原作場合です。


劇場版「空の境界」Blu-ray Disc BOX劇場版「空の境界」Blu-ray Disc BOX

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 例えば『劇場版 空の境界』の「俯瞰風景」は映像が綺麗なだけで感動できたけど、「忘却録音」は変な重み付けがされていて醒めてしまった、という話もしていました。

(と、いう感想にも異論があると思いますが。うおおポイント十人十色。)


 リズム比喩でいうと、ミニマムや単調なリズムでもいいんだ、という原作もあるわけです。

 むしろそういう「単調な原作」を探して、綺麗な映像化をした方が効率的に手っ取り早い……とみなすこともできるかもしれませんね。それはとても後ろ向きなメディミックスの発想だと思いますけど。

rexelrexel 2013/03/02 16:00 どうもはじめまして。
考えさせられた記事だったのでトラックバックを送らせていただきました。

アニメ化された際に原作ファンがどう感じるかというのは、私も色々と考えるところがあって、その核心に近い部分を突いてくれた記事だったので興味深く読ませていただきました。良い記事をありがとうございます。



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