直島の地中美術館&ベネッセ・アート・ミュージアムへ

昨日、おはなし会を終えてから、車に飛び乗り連れあいの実家のある岡山県へ。事故渋滞で2時間半ほど遅れたけれど、どうにか夜の8時には到着することができた。ふうう。

明けてこの日は直島の地中美術館へ行った。コンテンポラリー・アートを観るのが好きなので、前から行ってみたかった憧れの島。ようやく念願を叶えることができた。海も空も青くて美しかった……けれども暑い。風はあって木陰は気持ちいいのだけれども、照りつける太陽の強さが違う。以前行った7月の沖縄を思い出した。この島では、いっぱい戸外を歩かないと十分に鑑賞できない仕組みになっているので、次に来るなら春か秋にしようと心に誓った。

美術館そのものは、期待が大きかった分かもしれないが、拍子抜けした……というのが正直なところ。ひとつ、ひとつの作品は良かったけれど、見せ方やサービスには細部で不満が残った。(たとえば、コンテンポラリーな解釈で見せているのが売りのモネの絵が、部屋に入っていって最初に目にした瞬間、防御ガラスの反射で見えなかったのは興ざめだった。あちこちで靴を脱がされるのも、うっとおしかった。あれなら最初から美術館全体を土足禁止にしてはどうだろう。スリッパも、せめて抗菌スプレーくらいしてから使い回してほしい。)これだけの施設をこういう不便な場所に作るのだから仕方がないのかなぁ……とは思ったけれども、たった3人の作家の作品(しかも、そのひとつはコンテンポラリー作家とは言いがたいモネ)を見るのに2000円の入館料は、ちょっと高い感じがする。

とはいえ、作品そのものは悪くなかった。わたしには、タレルの青の部屋が一番インパクトが強かった。あの異空間体験はなかなかできない。空を四角に切り取って見せる部屋は、より規模が大きい(その分、心理的空間も広がりがある)21世紀美術館のほうに軍配を上げたい。ウォルター・デ・マリアの二つの作品はどちらも気に入った……けれども、人が多すぎたのと、子連れではいまいち時空の無限さを感じるには至れなかったのが残念。(アート鑑賞は一人で行くに限る。)

ベネッセ・アートがなかったら、直島に渡ったこと自体を後悔していたかもしれない。こちらは子連れでもわりと楽しめた。(入館料が上記の半額だったことも心理的に影響しているけれども。)これぞ!という作品との衝撃的な出会いはなかったけれど、草間彌生のpumpkinは写真で見るよりずっと質感があって良かったし、どの作品もちゃんと(!?)コンテンポラリーしていた。大好きなニキ・ド・サンファールの原色の作品たちが、暑い海辺の芝生に点在していたのも嬉しかった。(ただし彼女特有の太った女性の作品がひとつもなかったのは残念。)家プロジェクトのことは直島に行くまで知らなかった。時間切れで(子連れで暑い中の30分待ちは難しい)南寺を見ることができなかったので、ちゃんと調べて行けばよかったと反省。(でも仮にすんなり入れたとしても、子どもは暗闇に目が慣れるまで待てず、すぐに外に出たがっただろうから、十分に鑑賞できなかったに違いない。)一方、角屋の水の中のイルミネーションは、子どもも気に入り、しばらく出たり入ったりして一人で遊んでくれてたので、わたしもじっくり楽しめた。