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理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない
 「スプートニクの恋人」とか「かえるくん、東京を救う 」より

2012-05-01

[]31歳になった。

あっという間の1年だった。

1年前には想像もしなかったところにいる。良い意味で。30歳の1年で、外部で5回発表して(LTが3回だけど)、@ITで9本の記事を書いた。

できなかったことも、反省すべきことも、失敗も、たくさんあった。でも前に進んでいる実感があった。人生の後半の準備を、ある程度進めることができたと思う。

もっと写真を撮りたいし、もっと本を読みたいし、もっとコードを書きたい。もっと寝たかったりもするけど。


あとは

「あれは努力じゃなくてただの労働だ」と永沢さんは簡単に言った。「俺の言う努力というのはそういうのじゃない。努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」

ノルウェイの森

とか、去年も引用しているけど

瞬間の集積が時間であり、時間の集積が人生であるならば、私はやっぱり瞬間を信じたい。SAFE でも SUITABLE でもない人生で、長期展望にどのような意味があるのでしょうか。

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

を思い出す。

なにより思いわずらうことなく、愉しく生きたい。そのためにやるべきこと、やらなくてはいけないことをちゃんとやっていきたい。

自分自身が大切にしているものを意識しながら、進んでいきたい。

ある程度頑張ったらあとは運なので、なんかいいことあるといいな、と願うばかり。

2012-04-05

[][]Web先端味見部 第0回 に行ってきた

Web先端味見部 第0回 に行ってきた。こんな勉強会。

昨今のWeb技術の進化はめまぐるしいばかり。実際に手を動かして触るということができていない方も多いのではないでしょうか?

この「Web先端技術味見部」では、そうした 真新しい技術を実際に触ってみる ことを目的とした勉強会です。

Web先端技術味見部#0 : ATND

hackathonとはちょっと違う感じで(hackathonに参加したことないけど)、みんなで1つの技術を使ってみるという感じで面白かった。


WebRTC

今回のテーマはWebRTC(Web Real Time Communication)だった。仕様はこのあたり。カメラなどのデバイスを扱ったり、P2Pの通信を行ったりできる。


環境

今回試した環境はこんな感じ。Canaryは勝手にプロファイルが分かれるから便利。

プロファイルの分け方は、こちらも参考になるかも。

勉強会当日は、beta以降じゃないとMediaStream(getUserMediaとか)が使えなかったけど、最近では Chrome Stable でも使えるようになった。

chrome://flags とアドレスバーに入れて、MediaStreamを有効化する。

f:id:j7400157:20120405210238p:image

getUserMediaは、サーバにあるHTMLじゃないとうまく動作しないので、注意が必要。けっこうはまる。サーバがなければ、dropboxでWeb公開でもOK。


カメラを使った(getUserMedia)簡単なサンプル

まずは試してみる。設定がちゃんとできていれば、以下のページを開くとカメラからの映像が写るはず。

動かなかったら、そもそもカメラが付いているか、Chromeの最新版を使っているか、chrome://flagsでMediaStreamを有効化したか、を確認。

ソースはこんな感じ。短い。

<!DOCTYPE html>
<script>
navigator.webkitGetUserMedia("video", function(stream) {
var url = webkitURL.createObjectURL(stream);
console.log(url);
document.getElementById("v").src = url;
});
</script>
<video id="v" autoplay></video>

PeerConnection

次はこれを試してみた。

ソースの場所はこっちみたい。

でも gyp や xcode が必要で、けっこう大変だったので諦めた。


WebRTCでP2Pの動画チャット

これも試してみた。

ブラウザを2つ上げて、通信のハンドシェイク的なことを手動で入力していくと、ローカル側の動画とリモート側の動画が表示される。でも違うPC同士だと、なぜかうまくいかなくて、ローカルでブラウザを2つ上げる場合だとうまくいく。原因はよくわからなかった。

あと、Chrome Canaryだとうまく動かなかった。PeerConnection(webkitPeerConnection)というAPIを使うけど、PeerConnection00(webkitPeerConnection00)という名前に変更されていた。きっとこのあたりが関係しているけど、ちゃんと読んでない。


VideoからCanvas

勉強会の最中と、勉強会後に、これを作っていた。といっても、もともとはHTML5とか勉強会で、Operaのダニエルさんが発表していたものを自分で書きなおしてみただけ。でも自分で書きなおしてみると、いろいろ発見がある。コードを眺めていただけではわからないことがたくさんある。


getUserMediaでビデオからの入力をvideoに入れて、それをCanvasに渡している。Canvasの context.drawImage の第1引数には img, canvas, video 要素が取れる。というわけで、ここでvideo要素を渡している。そして setInterval で Canvas を定期的に書き換えているので、動画っぽく表示される。

getUserMedia -> video -> Canvas という感じで使えば、動画をCanvasでいろいろ操作できるので楽しい。これ、よく使うことになるんだろうなーと思った。


参考URLはこちら。最後のデモは、ビデオをクリックすると弾けるようなエフェクトがあって楽しい。

OperaChromeのコードの違いは2つ。

  • navigator.getUserMedia か navigator.webkitGetUserMedia
  • video.src = stream; か video.src = window.webkitURL.createObjectURL(stream);

まとめ

最初だし、いろいろ手探りな感じで進んでいった。試してみたら全然動かない、ということがあったりした。でもそういうのって、普段はひとりでうまく行かねーなー、なんでだよーってやっていることで、それをみんなでやってみるというのは面白かった。WebRTC、ひとりではあまり触らなかったと思う。何ができるのかよくわかっていなかったから。

個人的には、WebSocketやP2Pにあまり興味がなくて、でもデバイス関連はけっこう好き。HTML5関連は幅広すぎるので、興味のないことは必要になるまで置いておいて、興味のあるところや、必要に迫られたところから勉強していけばいいと思っている。

学生のときはみんなで勉強するのって普通のことだけど、大人になってから、社会人になってからはあまりなかったな、と思った。楽しかったので、また参加したい。

2012-04-03

[][]Web制作の現場で使う jQueryデザイン入門

西畑一馬の「Web制作の現場で使う jQueryデザイン入門」を読了した。知りたかったところ、全体の半分くらいしか読んでないけど。

jQueryはこれまで適当にしか使っていなくて、ちゃんと勉強したことがなかった。もうちょっと詳しくなりたいと思って、後輩が持っていたこの本を借りて読んでみた。

本書の構成はこんな感じ。主に1-2章を読んで、3-4章は流し読み。

  • 第1章 jQueryをはじめる前の基礎知識
  • 第2章 サンプルで学ぶjQueryのキホン
  • 第3章 現場で使えるデザインレシピ
  • 第4章 jQueryプラグインでラクラクWeb制作

jQuery自体のことを知りたかったので、「デザイン入門」と銘打っている本書はちょっと目的が違うかなと思いつつ読みはじめたけど、前半部分でセレクタ、フィルター、jQueryの基本的な関数、イベントなどが思っていたよりしっかりと解説されていた。しかもサンプルのスクリーンショットが必ず付いていて分かりやすかった。

思ったよりも知らないフィルターや関数があって、読んでよかった。


Amazonの内容紹介に、こんなことが書いてあった。

「これだけWebサイトでjQueryが使われるようになっているのに、制作者向けのjQueryの解説書ってないよね」というのがこの本を企画したきっかけでした。jQueryプラグインは手軽で便利ですが、そもそものjQueryの使い方を分かっていないと、カスタマイズできない場合がほとんどです。クライアント(お客さん)からの要望(わがまま)によって、「また別のプラグイン(ライブラリー)を探さなきゃ」というケースも多々あると思います。「Webデザイナーさんが、動的なUIを自力で作れるようになったらもっとハッピーになれるはず」との想いからこの本は生まれました。

Web制作の現場で使う jQueryデザイン入門

だから基本的なこともしっかり書いてあったのか、と納得した。


以前Facebookに関するセミナーで西畑さんの話を聞いたけど、とてもわかりやすくてびっくりした。本書もわかりやすくてよかった。

あとはblogにもいいエントリがたくさんある。

jQueryだとこのあたりとか。


2012-04-02

[]夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

村上春樹の「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」を読了した。長かった。

これまでのインタビューをまとめた1冊で、こんなにインタビューをまとめて読んだのははじめてだと思う。500ページ以上ある。

いろいろなことが語られているけど、特に興味深かったのは文体に関する内容だった。僕自身は、小説を読んでいても細かい文体の違いはよくわからない。だから文体に関する文章を読んでもわからないことが多い。でも文体に関する文章を読むのは面白い、楽しい。


スプートニクの恋人』は徹底的にネジを締める小説なんですね。あらゆる部分のネジを、ギリギリギリギリ締められるだけ締めていく。『ねじまき鳥クロニクル』の場合は、逆にネジを緩ませて、そこから何が出てくるかを見る。

<中略>

だけど『スプートニクの恋人』は、とにかく全部ネジを締め、余計なものはすべてはずして、自分が納得いくものだけを文体に詰めこんでみようと思ったんです。だから、最初の何十頁かは、もう文体締めにつぐ文体締め。「ぼく」と「すみれ」と「ミュウ」、とにかくこの三人だけ設定して、何がどんなふうになるかはわからないけれど、とにかく文章コンシャスでもっていく。

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです P.43

締まっていたいたのか。こういう文章が、よくわからないけど、面白い。もう一度「スプートニクの恋人」を読み返してみたくなる。


海辺のカフカ」に関するインタビューでは、こんな内容があった。

いろんなかたちの物語を書いていくためには、どうしても文章はニュートラルになっていかなくちゃならないというところはあると思います。だからそういう風に変わっていくんだと思う。

<中略>

あれこれ言う前に、やっぱり小説というのは文体だと思うんです。僕は文体というのはフィジカルなものだと思うんです。自分の中のフィジカルな流れとか強さみたいなものが文体を規定している。頭で考えた文章というか文体というのはあんまり意味持たないと思うんです。少なくとも小説の場合にはね。僕は、どちらかといえば肉体的にものを創っていくタイプだから。

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです P.132

ニュートラルだったのか。


僕自身のスタイルは『ノルウェイの森』よりは『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の方に近いと思います。リアリスティックなスタイルで書かれた小説を、僕は個人的にあまり好まない。どちらかといえばシュールレアリスティックな文体の方が僕は好きです。しかし『ノルウェイの森』を書いたときには、とにかく百パーセント・リアリズムの手法で小説を書いてみようと試みました。

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです P.198

これは他のところでも読んだことがある。


たくさん引用してしまったけど、こういう文章を読むのがすきなのだ。うまく理解できることもあるし、全然理解できないこともあるけど。なぜかわからないけど、文体論的文章に心ひかれる。

あと、インタビューという点では「ダンス・ダンス・ダンス」の文化的雪かきと、「回転木馬のデッド・ヒート」の「タクシーに乗った男」を思い出した。


夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
村上 春樹
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2012-04-01

[]一九八四年

ジョージ・オーウェルの「一九八四年[新訳版]」を読了した。「1Q84」を読んでから、ずっと読んでみたいと思って買ってあったけど読んでいなかった。やっと読み終えた。

書かれたのは1948年で、60年以上前に書かれた作品。ちょっと調べてみると、日本だと太宰治の「人間失格」が1948年に出ていた。

一行でまとめると、主人公のスミスは大きな体制に対して反抗し、徹底的に叩き潰されてしまう、という物語。ま、あらすじとかは、wikipediaを読めばいいと思う。


「一九八四年」の感想、いまひとつまとまらない。こういう社会主義的世界を想像するための背景知識が足りないのだと思う。

「1Q84」にはリトル・ピープルが出てきた。ビッグ・ブラザーとリトル・ピープルはどちらも同じくらい謎な存在だった。

「一九八四年」ではすべてが監視されてる。これは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の「世界の終り」の壁みたいだ。そして壁はビッグ・ブラザー的でもある。そもそも「世界の終わり」の永久機関のように回り続けるシステムは、党の「少数独裁制集産主義」による恒久的存続に似ている。

「ハードボイルド・ワンダーランド」では「システム」と「ファクトリー」が対立している。でも「システム」と「ファクトリー」は、ひとりの人間の右手と左手ではないか、思いはじめる。「一九八四年」においても、「ビッグ・ブラザー」と「ゴールドスタイン」が対立しているが、これについても同様のことが言えるかもしれない。

あと、「一九八四年」で「二重思考」という言葉、概念がでてくる。なんだかとても印象に残った。


読みはじめるのに時間が掛かったけど、とても面白くて考えることもあって、読んでよかったと思った。なんだかこの一文が、いちばん感想っぽいというのが残念すぎる。

とりとめない、まとまりない文章になってしまったけど、仕方ない。