人力検索のメリットは

遅ればせながら、最近はてなが僕のなかでブーム。IDはもう2年以上前に作っていたんだけど、ちょこっとさわって放置していた。こういうのはけっこう多いが、この傾向についてはまたどこかで。

最近人力検索で回答をいくつか書いてみた。
僕の回答履歴

そこで、気が付いた。
Googleはなぜ「全自動化」できないサービスでは負けるのか?〜前編〜
Googleはなぜ「全自動化」できないサービスでは負けるのか?〜後編〜
なぜGoogleが負けたのか。これはあくまで僕個人のひとつの視点からの考察。

Google Answersでは、検索してもわからないようなものすごくマニアックな質問が可能で、Googleが認定した調査スペシャリスト「リサーチャー」たちがあらゆる場所から情報を検索、さらに持てる限りの知識で回答してくれるという、はっきりいって個人的には日本語版が一番欲しかったサービスとなっていました。ジャンルも幅広く、「アート・エンターテイメント」「教育・ニュース」「ビジネスとお金」「政治と社会」「コンピュータ」「科学」「生活」「スポーツ・レジャー」「健康」といった感じ。

Yahoo! Answersの回答者は厳選された精鋭ではなかったのですが、無料だったために回答者の数が尋常ではないほど多い。そして、数が多いということは、必然的に回答が返ってくるまでの時間も短くなる可能性がある。また、回答の量が多いので必然的にピンからキリまで質はバラバラになるものの、確実にその中にはキラリと光る回答も出てくることになります。この「キラリ」の積み重ねが成功への要因でした。Googleが少数精鋭主義で質を保とうとしたのに対して、 Yahoo!はみんなの叡智を結集させる方向(Web2.0的方向)で動き、そのために必要なコミュニティの育成と維持というものに全力を傾けたというわけです。数が多くなれば「悪貨が良貨を駆逐する」現象が起きるわけですが、そうはさせないようにするのがコミュニティの運営手腕なのです。まさに Googleとは逆です。


基本的にこの記事の主人公は、質問者だと思う。まとめの部分では、集合智についての記述がある。ただし、キラリと光る回答が出る、というのは質問者、あるいはそれを閲覧する人の視点だと思う。
またGigazineの結論としては、「コミュニティの運営手腕」となっている。これはもちろん必要だ。

ここでは回答者の視点で、人力検索について考えてみたい。(僕が質問したことないからだけど…)
質問者のメリットだとかは、いろんなところに書いてあるので割愛。

回答者のメリットとしては、自分の知識を提供して、対価が貰えることがある。ただこれ以外にもいろいろあって、むしろそちらのほうが大きいのではないかと思う。


僕はW-ZERO3を買って、いろいろなソフトウェアをインストールした。まとめサイトを熟読して、海外のサイトの英語まで読んで、W-ZERO3を活用できるソフトウェアを探した。かなりの時間を費やした。
いまでは有名なソフトは大体試して、設定もちゃんと行い、快適に使っている。せっかくだからこれをちゃんとエントリーにまとめておこうと思っていた。でも2週間くらいやっていなかった。


そんなとき、ちょうど人力検索の質問で、「w-zero3[WS003SH]を実際に使っている方に質問です。
自分が今初期化して一からセットアップするとしたら、絶対にこれだけは入れる、というソフトは何ですか?
」という質問があったので回答した。
もう一度インストールしたソフトウェアのサイトを周り、いろいろな記事などを読み、短めのコメントを加えた文章を書いた。これは30分以上掛かったと思う。
回答しても100円分の報酬ももらえないと思う。時給にすれば200円以下だ。


でも僕はとても満足をしている。この回答は書きたかったエントリーのドラフトみたいなものだ。いつかまとめようと思っていたことの、きっかけになった。もしかしたらポイントまでもらえるかもしれない。


普段の生活ではこういうことはよくある。人に教えるためには、ある程度しっかりと理解していなくてならない。そのために勉強する。すると自分のなかで解っていたと思っていたことが、実は解っていなかったと気付いたりする。例えばなにかで講師をやる状況と、少し似ている。

仕事をしているなかで、JavaでもLinuxでも、なにか聞かれたらなるべく丁寧に回答しようと思っている。話が長いだけかもしれないけど。
ピンポイントで答えるだけじゃなく、1つか2つくらい関連することを伝えたいと思っている。10も20も付け加えると、うるさいだけだが。忙しい時は難しいし、ピンポイントで答えるべきときもたくさんあるけど。

OKWaveには「javaといっても?」という質問があった。これにちゃんと答えるのはけっこう大変だ。


人力検索に答えるのは、うまく使えば、とてもよい勉強の場になると思った。
Googleが失敗したのは、回答者の見えないメリットを摘み取ってしまったからではないかと思う。
質問するよりも回答するほうが難しい。でもそこに、楽しみがあるのかもしれない。
# ナポリタン問題は面白くて1時間くらいはまってたりもしたけど・・・